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  1. 若者自立塾調査報告書
  2. 厚生労働省への公開質問状

若者自立塾調査報告書

◎当調査について

◎アンケート結果まとめ

1.組織についての質問(S=43)

1−1.組織形態

組織形態 NPO法人 営利団体 任意団体 その他
団体数 19 4 16 4

1−2.組織の沿革

団体設立年

設立年 〜1970 1971〜1975 1976〜1980 1981〜1985 1986〜1990 1991〜1995 1996〜2000 2001〜2000 2006〜 無回答
団体数 1 1 2 2 4 4 14 14 0 1
NPO団体数 0 0 1 0 1 2 7 7 0 1

団体設立年及びNPO設立年

1−3.スタッフの内訳

常勤男 常勤女 非常勤男 非常勤女 有償ボランティア男 無償ボランティア女 有償ボランティア男 無償ボランティア女
合計 73 40 133 111 37 50 48 70
平均 1.78 0.98 3.24 2.71 0.90 1.22 1.20 1.75
中央値 1 1 1 1 0 0 0 0

1−4.受入れ対象者の状態(複数回答可)

受入れ対象者の状態

1−5.活動(支援)内容(複数回答可)

訪問活動 27
共同生活 12
通所型支援 20
カウンセリング 29

2.共同生活タイプの支援を行う団体に対する質問(S=12)

2−1.共同生活寮室数

2−3.入寮者の数

共同生活寮室数と入寮者数

2−2.共同生活寮のタイプ(複数回答可)

ワンルームマンション型 1
一戸建て 8
その他 4

2−4.費用

10万円未満 4
10〜20万円 5
20万円以上 1
その他 1

3.若者自立塾に関する質問

3−1)若者自立塾を受託している団体に対する質問(S=3)

若者自立塾受託団体からは回答が非常に少なく、調査結果をまとめることができませんでした。詳しくは別紙「厚生労働省への公開質問状」をご覧下さい。

3−2)若者自立塾を受託していない団体に対する質問

1.若者自立塾の知名度(S=43)

自立塾知名度

2.若者自立塾に対する評価(S=43)

若者自立塾に対する評価

3.若者自立塾受託予定(S=40)

受託予定

4.若者自立塾を受託しない理由

若者自立塾を「評価している」と答えた団体、「評価していない」と答えた団体に分け、そのうち「受託予定あり、あるいは、受託を検討」している団体と「受託予定なし」の団体に分け、それぞれ受託しない理由をまとめました。

評価している/受託予定・受託を検討 ・・・ 5団体
受託しない理由
「人員不足」・・・1
「設備の不足」・・・0
「成果をあげられない」・・・0
受託しない理由についての記述なし

評価している/受託予定なし ・・・ 12団体
受託しない理由
「人員不足」・・・6
「設備の不足」・・・5
「成果をあげられない」・・・2
ソーシャルワークに基づく訪問援助活動に特化しているため
方針やコンセプトが異なる
私共***では訪問サポートからグッドウィルやフルキャストなどの登録制の短期バイトにつなげたりしております。こちらの方が自立塾よりも現実的な社会を感じる事ができます。
現在の所、外出しない、外出しにくい、第3者と接触なしの方々が外出可能に、人と集えるという段階までの援助をしていますので。
ソーシャルワークに基づく訪問援助活動に特化しているため
ひきこもりは3ヶ月で就職するなんてとんでもない。

評価していない/受託予定・受託を検討 ・・・ 0団体
評価していない/受託予定なし ・・・ 12団体
受託しない理由
「人員不足」・・・2
「設備の不足」・・・3
「成果をあげられない」・・・6
ひきこもりは簡単に社会参加を考えてはいけない。3ヶ月で就労は無理。様々な要因があるので国の考えを正すべきだと思う。
神経症・発達障害・精神病等、何らかの心の病を抱えている人が多く、「3ヶ月で治った。元気になった。」ということはあり得ない。長期的な息の長い支援が必要。
目的がおかしい。社会適応を第一目標に持ってくると差別化やニート狩りになっていないか、引きこもりの人の焦りになっている現状もある。
3ヶ月で自立させるというのには、無理があります。又、資金を出せない家族も多く、通所してゆっくりというのが当団体のコンセプトです。
当スタジオは相談機関につき、ひきこもり青年に関わることが多く、自立塾のような支援より、自立塾のような支援を利用することができるようになるための支援を主眼としている。もっとも、自立塾の理念はもともと評価していない。
短期間に結果を出す問題ではない。本人だけの問題でもすまない。
「若者自立塾」の目指すものが人の自立とは考えない。「若者自立塾」的な考えや生き方があってもよいが、資格や狭義での「職」以外の広い世界を識るにはあまりにもインスタントに思う。
自立塾では本当の意味での支援ができないと考えているため。
神経症等の当該者まですそ野を広げる対応ともっと期間を長くすることが必要。まずボランティアになってもらい、他者性や所作を身につけ、社会参加へ向かう。
根本的に賛同できない。

評価無回答/受託予定なし・受託予定無回答 ・・・ 7団体
受託しない理由
「人員不足」・・・2
「設備の不足」・・・2
「成果をあげられない」・・・1
若者自立塾受託制度について知らない
3ヶ月で終了するのではなく、働けない若者には引き続き継続してサポート及び働き出した若者にも安定するまで定期的なサポートをして行く体制が必要。
入寮前の心身のサポートに力を入れているため。いきなり入寮は難しいケースが多いため。
現在、通所型のワークスペースとして活動しています。将来この人たちにとって収入を得られる職場にしたいと思います。現在は小遣い程度の収入レベルです。
私たちの会は自助サークルであり、支援が目的ではありません。まず本人の今の在り方、意思を尊重し、若い人たちが他者とのふれあいの中で、何かを感じてもらえばいいし、そういう場を提供しています。
社会経済生産性本部ご担当の話では『この塾はひきこもりを対象と考えていない』由なので・・・。現在活動中の「若者自立塾」27団体(施設)の状況等がこのご調査で明らかになることを期待。ご健闘を祈ります。

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厚生労働省への公開質問状

――当協会が実施した若者自立塾受託団体ほかへのアンケート調査についての若者自立塾支援センターおよび厚生労働省の対応について――

T 厚生労働省への公開質問の項目

以下の質問項目にお答えください。


1) 本公開質問状の、「U−2 調査実施過程での問題点」で触れました、若者自立塾支援センターのアンケート調査に対する取りまとめのやり方について、当協会はセンターの意思がどうであろうと、実質的には妨害だと考えますが、これに対する判断を示してください。

2) 仮に「通知」という形での指示はなかったにしても、今回のアンケート調査に対する対応に対して厚生労働省としても何らかの関与をしていると考えられますが、この点についてご回答ください。

3) 今後も若者自立塾受託団体へのアンケート調査に対しては、若者自立塾支援センターが同じようなやり方を行うのかどうか、ご回答ください。

U 公開質問状提出に至る経過のご説明

1 アンケート調査に到る経過

当協会は、「引きこもり・ニートと呼ばれる若者たち」への就労支援活動を行っております。一口に「引きこもり・ニート」と言っても一人ひとりが抱えている問題の多様さへの対応や、また現在の若年層の就労環境・労働条件環境の問題なども含めて、「就労支援」の困難さを日々感じつつ活動しています。非就労の若者の実態については、厚生労働省が2006年8月に公表した「若者自立塾が支援対象として想定していたニートのなかに発達障害の若者たちが含まれており、その対策が必要である。(要約・読売新聞・2006年8月25日朝刊の記事から)」という調査報告でも明らかなように、単純に「ニート」という枠組みでとらえられるものではありません。
そこで当協会は2006年10月の常任理事会で、今後の当協会の活動方針を研究するために、厚生労働省が社会経済生産性本部に委託・実施されている「若者自立塾」について調査することを決定しました。調査目的は、以下のようなものです。
* 民間レベルで「引きこもり」「ニート」の支援を行なっている支援団体が、「若者自立塾」をどのように評価しているか、についての意識調査。
* 「若者自立塾」を受託運営している支援団体が「若者自立塾」をどのように評価しているか、についての意識調査。
このような目的を持つ調査を行なった意図には、当協会の「若者自立塾」に対する次のような仮説があります。
仮説:「若者自立塾」が実施している3ヶ月間の合宿生活による「就労支援」では、非就労の若者たちが抱えている問題の根本的な解決にはならないのではないか。
しかしこのような仮説は仮説にしかすぎず、「若者自立塾」が現実的にどのように機能しているのかについての調査によって、仮説の真偽を検証しなくてはいけないことは明白です。仮に「若者自立塾」が一定以上の成果を挙げているならば、当協会の仮説は修正されなければなりません。先に述べた「活動方針を研究するために」とは、このような「仮説の設定−調査−仮説の証明(修正)」という一連の作業を指します。
このような認識に基づいて、約2ヶ月間の時間を費やして、「若者自立塾」について、引きこもり・ニート支援団体および若者自立塾実施団体を対象とした「若者自立塾に関するアンケート調査表」を作成し、発送しました。調査対象団体は全国103団体です。
(注)アンケート協力依頼のあいさつ文は資料(1)参照。
   アンケート調査表は資料(2)参照。

2 調査実施過程での問題点

1) 若者自立塾センターからの最初のメール
順調に各団体からアンケートへの回答が返送されているときに、一通のメールが当協会に寄せられました。(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センターの渡辺俊之氏からのもので、2006年12月12日付のそれには次のように書かれていました。
「先週、各若者自立塾宛てにアンケート調査をいただきました。
いくつかの自立塾より、このアンケート調査への対応はどうすればよいか、 という相談を受けているところです。
厚労省と協議いたしましたが、下記についてのお願いと、対応についての
ご了承をいただきたく、ご連絡申し上げる次第です。

●お願い事項
 ・このアンケート調査の趣旨についてご教示願います。
 ・調査結果の用途についてご教示願います。
 ・公表について
  *どのような方法で公表されるのでしょうか。
  *一般に公表されるものでしょうか。それとも特定の範囲内での公表でしょうか。
  *自立塾、サポステ応募予定団体に対して情報提供するものではない
   ことを確認させていただきたく存じます。
 ⇒上記についてご教示いただきたく、文書を頂戴できれば幸いです。
●対応方法
 ・各自立塾におきましては、現在回答を保留しているところですが、
  文書を頂戴してから、確認させていただいた内容を各塾に情報提供し、
  回答の協力をしてまいりたいと考えております。
 ・その際、弊センターにて回答をとりまとめ、一括して送付させて
  いただきたく存じます。
 ・なお、調査票については、各自立塾の判断で回答させていただく
  こととし、可能な範囲での対応となりますことをご了承願います。」
(注)渡辺俊之氏のメール全文は資料(3)参照。

2) 当協会の対応
このメールについて、当協会では、アンケート調査に対する妨害と受け止め、中間支援組織が受託団体にこのような介入を行うことは許しがたいと考えて、とりあえずは渡辺氏の要請には応じられないこと、このような介入があったことを、調査対象団体に対して説明したいと連絡しました。
(注)当協会のメール全文は資料(4)参照。

3) 渡辺氏からの返信メール
当協会の返答に対して、渡辺氏から補足的説明の返信メールが届きました。そこでは、アンケートを中間支援団体が取りまとめるに到った経過が次のように説明されています。
 「・若者自立塾へのアンケート調査ということで、行政機関、マスコミ、
  関連団体等から、これまでも塾のほうへ送られるケースが多々ございました。
  厚労省より指示を受けまして、今年度より、このような外部からの
  アンケート調査についても、直接塾がやりとりするのではなく、
  支援センターが取り纏めること、ということになりました。これは
  現場の混乱を防ぐという意味合いとともに、塾現場からも、このような
  アンケート調査にどう対応したらいいのかという問合せが毎回支援
  センターのほうに多数寄せられる、という状況もございました。
 ・今回、日本スローワーク協会様から各塾に直接送付されたアンケート調査
  につきましても、いくつかの塾から、支援センターのほうへFAXで転送され、
  このアンケート調査への対応について問合せを受けました。
  そのため、取り纏めをすることとなっている支援センターとして、
  アンケート調査発送元の団体様に、アンケート調査の趣旨等を確認させて
  いただいた上で、各塾のほうへ協力依頼を出すこととしております。」
最初のメールでは、アンケートの扱いについて「厚生労働省と協議いたしました」と書かれていましたが、今回その内容が「厚労省より指示を受けまして」と改められていました。さらに、このようなやり方を採用した結果について次のように書かれていました。
 「・ただ、各塾のほうで調査協力をしてもらえるかどうかが課題です。
  塾現場では、非常に限られたスタッフのもと、塾生募集、塾運営、就職支援
  から修了後フォローまでやらなければならず、事務処理にかける時間が
  ほとんどないのが実情です。秋ごろ、ある県庁から若者自立塾を対象とし
  たアンケート調査があり、同じように趣旨等確認させていただいた上で
  各塾に協力依頼を出したのですが、協力いただけた塾はゼロでした。」
 結局このようなとりまとめをすることによって、協力する塾がゼロということですから、これは調査団体にとっては実質的に妨害活動となっています。また調査対象団体にとっては、中間支援団体に回答を事前に検閲されることになるわけですから協力しようとする意思がくじけるでしょう。
(注)渡辺俊之氏からの返信メールの全文は資料(5)参照。

4) 厚生労働省への問い合わせ
若者自立塾支援センターの今回のアンケート調査への対応が、厚生労働省の指示に基づくという説明を受けた当協会は、これはおかしいのではないかということで、厚生労働省に質問しました。
(注)厚生労働省あての質問メール全文は資料(6)参照。

5) 厚生労働省からの回答
当協会からの質問に対して、厚生労働省から次のような回答が寄せられました。短いものですので全文引用します。
「いつもお世話様です。厚生労働省キャリア形成支援室 若年労働者対策係の小沢です。
お問い合わせのあった下記の件について、回答申し上げます。
スローワーク協会様が実施した調査について、厚生労働省から拒否するよう『通知』したことはございません。下記照会の調査については、各団体の判断で回答してほしい旨(財)社会経済生産性本部の渡辺様にもお伝えしているところです。
また、塾をとりまとめる社会経済生産性本部としては、下記照会の調査がどのような目的、使用がなされるか確認するのは至極当然と思料します。しかしながら、厚生労働省も社会経済生産性本部も下記照会の調査を拒否するよう『通知』もしておりません。あくまでも各塾の判断に委ねることとしておりますので、ご了承ください。」

6) 厚生労働省の回答の問題点
当協会としては、この回答は問題のすり替えであり、責任転嫁であると判断し、このたびこの厚生労働省への公開質問状を作成する運びとなりました。

3 今回の厚生労働省および若者自立塾支援センターの対応についての当協会の見解

1)問題のすり替えについて
厚生労働省からの回答によれば、「厚生労働省も社会経済生産性本部も下記照会の調査を拒否するよう(各若者自立塾実施団体に・・・・引用者)『通知』もしておりません」とありますが、それならば、なぜ、若者自立塾支援センターから上記資料(3)および資料(5)のメールが送られてきたのか、理解できません
補足的に申し述べるならば、当協会から厚生労働省に確認した点は、厚生労働省から若者自立塾支援センターへの「指示」の有無についてです。が、厚生労働省からのご回答には「拒否するように」各塾に「『通知』していない」とあります。ここには作為的な「読み替え」があるように、私どもは考えます。
そもそも、若者自立塾支援センターから当協会へ送られてきた通知メール・資料(3)および(5)にも、当協会のアンケート調査を「拒否する」とは一言も書かれていません。一定の条件を提示され、それに従うなら協力すると書かれているだけです。そのことは一読すれば明白です。したがって、ありもしなかった「拒否の通知」を、「しなかった」と答えるのは当たり前の話です。なぜ、このような「すり替え」が生じ、それをもって当協会への回答とされたのでしょうか?
当協会が確認したかったのは、ありもしなかった各塾への「拒否の通知」の有無ではなく、若者自立塾支援センターからの通知メール・資料(3)および(5)に明記されている「厚生労働省と相談」「厚生労働省からの指示」の有無についてです。このような「相談」「指示」は、文書などによる「公的な通知」がなくても可能だからです。

2)矛盾している点について
上記資料3および資料5において、若者自立塾支援センターの事情説明においては、「厚生労働省と相談した」「厚生労働省より指示を受けまして」と明記されているのも関わらず、厚生労働省は「通知」していないと回答されており、当方としては、どちらのご意見が正しいものであるのか判断できない点。

3)回答比率の差について
当協会が、実施した当該アンケートの回収率は、若者自立塾を実施していない団体からの回答率は55%を超えているにもかかわらず、若者自立塾を実施している団体からの回答率は12%にすぎない点。また、若者自立塾支援センターからの通知メール・資料3が届いた12月12日までは、若者自立塾実施団体からの回答が3通あり、それ以降は皆無である点。

4)まとめ
以上のような点から判断して、当協会は、厚生労働省からの「公的な通知」があったかどうかの如何に関わらず、当協会の実施した当該アンケート調査に対して、若者自立塾支援センターおよび厚生労働省からの何らかの働きかけ(指示)があり、非実施団体の回答率55%、実施団体の回答率12%という偶然とはいえないような回答率の差異が生じた、つまり厚生労働省と若者自立塾支援センターが行なった対応は、当協会のアンケート調査への実質的な妨害になったのだ、と判断します。 しかしそれ以上に重要なのは、若者の就労(非就労)というこの国の将来を左右する重要な問題を解決するために国が行なっている事業への調査に対して非協力的な対応を行なうことで、この問題について、多くの国民・市民が関心を持ち、様々な立場で議論を重ね、行政−民間が協力し合い、協働して根本的な問題解決を図っていくために必要不可欠な「広い情報の公開に基づく公共的な議論の場」の形成を、厚生労働省が忌避しているように見受けられる点にあると考えます。 現状の「若者自立塾」がどのような成果をあげているのかについては知りえませんが、厚生労働省が「若者の非就労」という問題を、根本的に解決していこうとするならば、より広く情報を公開して、国民・市民の関心を高め、民間レベルで長年活動を行なっている様々な支援団体あるいは国民・市民が参加できる「広い情報の公開に基づく公共的な議論の場」を形成し、様々な立場からの意見を法制度に反映させることで、多くの民間の支援団体と行政との協働を可能にしてしてくことではないか、そしてそのことが「若者自立塾」を含めた民間の各支援団体の「若者の就労支援活動」が、より活発に有効になることにつながっていくのではないかと、当協会は考えます。

以上


資料(3) 社会経済生産性本部からの最初のメール

若者自立塾へのアンケート調査について

NPO法人 日本スローワーク協会
ご担当 今泉様

(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センターの渡辺と申します。はじめてのメールで失礼申し上げます。
若者自立塾支援センターでは、厚労省より委託を受け、自立塾の運営支援等を行っているところです。
先週、各若者自立塾宛てにアンケート調査をいただきました。いくつかの自立塾より、このアンケート調査への対応はどうすればよいか、という相談を受けているところです。
厚労省と協議いたしましたが、下記についてのお願いと、対応についてのご了承をいただきたく、ご連絡申し上げる次第です。

●お願い事項
 ・このアンケート調査の趣旨についてご教示願います。
 ・調査結果の用途についてご教示願います。
 ・公表について
  *どのような方法で公表されるのでしょうか。
  *一般に公表されるものでしょうか。それとも特定の範囲内での公表でしょうか。
  *自立塾、サポステ応募予定団体に対して情報提供するものではないことを確認させていただきたく存じます。

 

⇒上記についてご教示いただきたく、文書を頂戴できれば幸いです。

●対応方法
 ・各自立塾におきましては、現在回答を保留しているところですが、文書を頂戴してから、確認させていただいた内容を各塾に情報提供し、回答の協力をしてまいりたいと考えております。
 ・その際、弊センターにて回答をとりまとめ、一括して送付させていただきたく存じます。
 ・なお、調査票については、各自立塾の判断で回答させていただくこととし、可能な範囲での対応となりますことをご了承願います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

渡辺 俊之 (わたなべ としゆき)
財団法人 社会経済生産性本部 若者自立塾支援センター

資料(4) 社会経済生産性本部への問い合わせのメール

(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センター 渡辺 俊之様

NPO法人日本スローワーク協会 理事長の宮地剛と申します。今後ともよろしくお願いいたします。
まずお知らせですが、本件についての(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センター様との対応は、今後、私が担当いたしますので、よろしくお願いいたします。
さて、先のお問い合わせについてですが、12月20日の日本スローワーク協会・理事会で協議いたしました。その中で多く出された意見が、当協会の当該アンケート調査事業に対しての(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センター様からのお問い合わせの意図が、よくわからないというものでした。したがって当協会においては、(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センター様のお問い合わせの意図が図りかねるということで、どのように対応させていただければよいのか、判断できずにいるのが現状です。
このように判断しますので、(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センター様のお問い合わせの意図をもう少し詳しくご教示いただければありがたいという理事会での結論に達しました。
そこで年末年始のお忙しい中、誠に厚かましいお願いですが、当協会の当該アンケート調査事業に対する(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センター様のお問い合わせの意図を、もう少し詳しくご教示くださいますようお願いいたします。
更に厚かましいお願いですが、当該アンケート調査事業の進行にも関係しますので、いつまでにご教示がいただけるかの期日について、まずお教えいただければ、誠にありがたいです。
以上、ご対応のほど、よろしくお願いいたします。

資料(5) 社会経済生産性本部よりの二度目のメール

Re: 若者自立塾へのアンケート調査について

NPO法人 日本スローワーク協会 理事長 宮地 剛 様

(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センターの渡辺と申します。標記の件でメールを頂戴し大変恐れ入ります。
先般お送りしたメールの内容で不明な点が多かった旨ご連絡いただき大変恐れ入ります。
下記のとおりご返信申し上げます。

1.「若者自立塾支援センター」からご連絡させていただきました背景について
・私ども「若者自立塾支援センター」では、厚労省から委託を受け、若者自立塾事業の取り纏め業務を行っております。今回、日本スローワーク協会様より、各若者自立塾へ直接アンケート調査を送られたのに、なぜ「支援センター」のようなところから先般のようなメールが送られてきたのか、ということがまず不信を持たれたかと思われます。
この点説明が不足しており大変恐れ入ります。
・若者自立塾へのアンケート調査ということで、行政機関、マスコミ、関連団体等から、これまでも塾のほうへ送られるケースが多々ございました。厚労省より指示を受けまして、今年度より、このような外部からのアンケート調査についても、直接塾がやりとりするのではなく、支援センターが取り纏めること、ということになりました。これは現場の混乱を防ぐという意味合いとともに、塾現場からも、このようなアンケート調査にどう対応したらいいのかという問合せが毎回支援センターのほうに多数寄せられる、という状況もございました。
・今回、日本スローワーク協会様から各塾に直接送付されたアンケート調査につきましても、いくつかの塾から、支援センターのほうへFAXで転送され、このアンケート調査への対応について問合せを受けました。そのため、取り纏めをすることとなっている支援センターとして、アンケート調査発送元の団体様に、アンケート調査の趣旨等を確認させていただいた上で、各塾のほうへ協力依頼を出すこととしております。

2.メールにてお問合せさせていただきました内容について
・先般メールにて、アンケート調査の趣旨、結果の用途、公表方法等についてお問合せさせていただきました。この内容は、外部からアンケート調査をいただいた際、毎回確認させていただいている内容です。
・アンケート調査票の冒頭につけていただいた「ごあいさつ」文を熟読しました。その中で分からない点がいつくかございました。各塾へ協力依頼を出し、また各塾から問合せを受ける側として確認をさせていただきたくお願い申し上げます。
・アンケート調査の趣旨ですが、まずはこの調査はどこを対象とされているのかということです。若者自立塾25団体なのか、若者自立塾以外も含む場合どのようなところも含むのか。また、「ごあいさつ」の「私たちや皆様のご意見を反映したより良い支援策となることを望んでおります」という文章が趣旨に近い内容かと考えたのですが、「より良い支援策を検討し、それを提言していくこと」が趣旨なのかどうか、という点でございます。
・調査結果の用途について、調査結果により検討分析された内容をどこに提言されるものなのか、またはどのように使われるものなのかという点です。
また、12/27にいただいたメールで「当該アンケート調査事業の進行にも」とございまいましたが、貴協会のHPを拝見した中では、協会の事業内容に「調査事業」がございませんでしたので、調査結果の用途としてどのようなことをお考えなのか、またはどこかの委託調査であるのか。
・公表について、先般のメールで3点お問合せさせていただきました。この中で説明不足でしたのは3点目の「自立塾、サポステ応募予定団体に対して状況提供するものではないことを確認させていただきたく存じます」という内容かと思われます。これは、実際過去にある団体から届いたアンケート調査で、自立塾や地域若者サポートステーションに応募予定団体に情報提供することが目的だったものがあったために確認をさせていただくものです。自立塾や地域若者サポートステーションの実施団体の選定にあたっては、どの応募予定者にも公平を期することにとくに気をつけており、応募予定者に事前に情報提供することを目的としたアンケート調査はアンフェアであろうとの判断がございました。
・お問合せさせていただきました内容について「文章を頂戴できれば幸いです」と書かせていただきましたのは、各塾に連絡する際にその内容をお伝えするにあたり、正確にお伝えできるようにと考えているためです。

 

3.各塾での対応について
・先般お送りしたメールでのお問合せで確認をさせていただきました内容を添えて、各塾のほうへ回答への協力依頼をして出していきたいと思います。各塾のほうで判断し可能な場合は回答してもらい、支援センターにて取り纏めて貴協会にご回答申し上げる形となります。
・ただ、各塾のほうで調査協力をしてもらえるかどうかが課題です。塾現場では、非常に限られたスタッフのもと、塾生募集、塾運営、就職支援から修了後フォローまでやらなければならず、事務処理にかける時間がほとんどないのが実情です。秋ごろ、ある県庁から若者自立塾を対象としたアンケート調査があり、同じように趣旨等確認させていただいた上で各塾に協力依頼を出したのですが、協力いただけた塾はゼロでした。その際ある塾からは「調査協力することでわれわれに直接メリットがあるわけではないので、労力をかけるわけにはいかない」と言われました。その他苦情や苦言等が支援センターに寄せられました。そのような状況でありますことを事前にご承知おきいただければ幸いです。

若者自立塾支援センターとしては、若者自立塾事業の運営がうまくいくよう日々悩みながら尽力しております。「ごあいさつ」文に「より良い支援策となることを望んでおります」と記載いただきましたが、大変有難く、厚く御礼申し上げます。
私どもとしても、現状の課題をなんとかしたいと考えておりますので、たくさんのご経験の中から、若者自立塾事業でお気づきの点がございましたら、ぜひアドバイスを頂戴できれば誠に幸いです。
また、ニュースタート事務局関西様におかれましては、フェルマータへの塾生のご紹介等々、自立塾事業当初から大変お世話になっております。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。
アンケート調査の件につきましては、大変恐縮ながら、まずは上記のとおりご返信申し上げます。私自身、(財)社会経済生産性本部の研究員で、調査研究が本業であるために、お問合せさせていただいた中には、アンケート調査づくりのテクニカルな面もあるかもしれませんが、ご容赦願います。ご不明な点がございましたら、恐れ入りますが、お問合せいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

渡辺 俊之 (わたなべ としゆき)
財団法人 社会経済生産性本部 若者自立塾支援センター

資料(6) 厚生労働省への問い合わせのメール

厚生労働省 ご担当者様

当協会では、社会的引きこもりやニートと呼ばれる若者たちの就労支援事業を行なっておりますが、その事業の今後の方針を作成するために、全国の106の「引きこもり・ニートの若者」への支援を行なっている団体を対象に、当協会が2ヶ月の期間をかけて作成した「若者自立塾に関する意識調査」のアンケートシートを送付しました。その106団体の中には、若者自立塾を実際に委託運営している25の団体も含まれています。すると06年12月12日に、(財)社会経済生産性本部・若者自立塾支援センターの渡辺俊之氏からメールが送られてきました。若者自立塾支援センターからのメールの内容を要約すると、若者自立塾支援センターから当協会への以下のような通知と質問でした。

1.若者自立塾実施団体が各団体の判断で、当協会にアンケートの回答を返送しないよう若者自立塾支援センターが差し止めたことについての通知
2.当協会のアンケート調査の趣旨についての質問
3.当協会が入手したアンケートデータの公表方法と利用方法についての質問
4.上記の趣旨と公表・利用方法を明記した文書を、当協会が若者自立塾支援センターへ提出する旨の通知
5.アンケートへの回答は、当協会が上記の文書を提出した後に、若者自立塾支援センターが、取りまとめて当協会に引き渡す旨の通知

当協会は、2度のメールのやり取りを若者自立塾支援センターと行い、そのやり取りを元にして、当協会の理事会および常任理事会で協議し、若者自立塾支援センターからのお申し出をお断りし、独自のアンケート調査を継続して行なっています。
そこで、当協会が厚生労働省に確認いたしたいのは、上記のような若者自立塾支援センターの、当協会のアンケート調査に対する対応が、厚生労働省からの指示であるのかどうか、という点です。この点について、ご担当者さまからのご回答を、お待ちしております。なお、ご回答は、07年2月26日(月)までに、お願いいたします。

2007年2月12日 NPO法人日本スローワーク協会 理事長 宮地 剛

資料編終わり

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