(82)『ぬるま湯に浸っている怖さ』

11月 3rd, 2009

 自分に辛く苦しい場から逃れ、最も居心地が楽であるような安住の場へと居座り続けてしまった後、そして恐ろしい程にも気楽なゆえに退屈であるかのような日々の連続へと陥ってしまう。
 過ぎてみてから思い返してみれば、それはただ辛さから逃れたいがために、今現在に居座っている楽な地へと自分が逃げてしまったことであると思えてはならない。
 どちらにしても、ずっとそのままでいて幸運であるはずない。
 さらには、今のままでいいのかどうかと、今後の生涯における不安心が込み上がっては苦痛を抱き始めてくる。
 けれども、元をたどれば自らがそのように進んでいることでもあり、どこかは仕方がないようにも思えている。
 人生での目標などは一切持たず、どう生きようかと露頭にさまよいながらに少しずつ先へと歩み続けていくことが、自らにとっては相応しい生き方であるかもしれない。
 そのように居直るしかないであろう。

Leave a Reply