(35)『脇道に反れながら』

5月 1st, 2008

 人通りが多いような、主である本道だけを歩かない。本線道には出来るだけ足を運ばず、主ではない支線道へと好んで進む。
 全うな人生の表道ではないような出会いや発見などが、裏道にて出会える事もある。あまり一目には付かずに、土の中へと隠れているモグラや、又は溝に潜んでいる野ネズミのような、暗く目立たない場所を好む生き物だって生息をしている。
 彼らモグラや野ネズミなどは、それ程に可愛がられるような事はなく、ペット屋にも売り物として飼育をされている事はないように思う。
 中でも、ハツカネズミは実験等に扱われてしまう事が多く、そのような目的で飼育をするならば、自然の空気での野生へと返すべきにも思える。
 溝の中や下水道に生息をしている、通称「溝ネズミ」と言われている汚いネズミ達は、あまり誰からも可愛がられるような事はないかもしれない。
 だが、自分からしてみれば、溝ネズミも可愛い生き物に思う。どんなに人気がないにせよ、又、どんなに誰もからも好かれないにせよ、人目に付かない暗く汚い環境の中であっても懸命に生きる姿は、ある意味では人間よりも素晴らしい。
 この題目での話題としては、全うな人生の道を歩き、胸を張って生きる事が人生の主題ではなく、本道はない脇道へと反れる事によっては、自分にふさわしい生き方が発見できる場合があるかもしれないと言った事を強調して述べたい訳である。

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