(55)『儚き小さな生命』

1月 6th, 2009

 ある朝、いつも大事に可愛がっていた一匹の文鳥が、無念にも世を去ってしまった。
 およそ三年という短い生涯だけに、自分との別れを告げた。
 おそらく病気が元で、排泄に不自由があったようである。
 三、四日程前辺りから、何だか元気がなく、どこかにおいて様子が変には思えていた。
 鳥は人間よりも遥かに寿命が短いものではあるが、やはり死に別れることは悲しい。
 年の暮れである時期に、実に無念であるとしか思いようがない。
 どんなに小さな生き物であろうと、命の尊さや愛しさは同じである。
 できることなら、小鳥が平常に元気でいた時の、何日か前での日付に戻ってみたいものである。
 今はただ、静かに永眠をしている小鳥を目の前にして、そのような悔いに浸っているだけである。

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