(62)『幸福だけを求めてはならない』

5月 2nd, 2009

 ただ、何の苦労もせずに気楽にして生きているだけでは、心に痛いような思いなどをしなくても済むかもしれないけど、他に喜びなどを得られることも少ないかもしれない。
 自分が心に傷を負い、誰よりも弱い気持ちとなって心の弱さをさらけ出したときが、最も人間らしい本性が現われてくる。
 それは、なにも人や社会のために役に立たなければいけないということではなく、場合によっては自分が何かのときに自ら犠牲を払える心構えである。
 いかなるときや場合においてでも、自分が自己犠牲を払うことはないが、その状況や相手によっては自己犠牲となってもいいと思える気持ちを持てること。
 それが一つの人間らしさでもあるように思う。
 自分に自信が持てない哀れな奴として、何でも自分に自信をもてるような強い人間には出来ない人生を生きてみたい。
 強く生きるだけが人生の全てではないと。
 勝ちや負けで、人の生き方を決められるものではない。

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