Archive for the ‘ひきコミ88号’ Category

36. 宮本百合子の文学講演会と女性問題

金沢文庫の特別展
 1月22日、神奈川県金沢文庫(横浜市金沢区金沢)という歴史博物館にて、開催中の「特別展 神奈川県金沢文庫80年 運慶 ―中世密教と鎌倉幕府―」を見ました。
 この展覧会は、1月21日より3月6日まで開催され、鎌倉時代の仏師で、日本を代表する彫刻家である運慶の代表作の仏像やそれにかかわる資料などを展示しています。
 2月15日より3月6日の期間限定で、真如苑という宗教団体が所属する大日如来像が展示されます。

宮本百合子没後60年
 1月23日には、日本民主主義文学会/婦人民主クラブ/多喜二・百合子研究会の主催による「宮本百合子没後60年文芸講演会 百合子の文学を語る集い」が池袋のみらい座池袋でおこなわれ、参加しました。
 具体的なプログラムとしては、鼎談「現代の眼で読む百合子」と題して作家の旭爪あかね氏と作家の松本たき子氏、文芸評論家の岩渕剛氏による鼎談がおこなわれ、その後、高木雄治氏(日本フィルハハーモニー交響楽団等で活躍)によるチェロ演奏がおこなわれました。
 チェロ演奏のピアノによる伴奏は斎藤和音氏(山形交響楽団やルーマニア国立オーケストラと共演した経験を持つ)がつとめました。
 その後、作家の朴慶南氏による講演「百合子さんと、今を生きる私たちをつなぐもの」がおこなわれました。宮本百合雄は、日本共産党の議長をつとめた宮本顕治の夫人としても知られていますが、小林多喜二と並ぶ、日本を体表するプロレタリア文学の作家です。
 近年、格差や貧困が社会問題となり、小林多喜二の「蟹工船」がブームとなり、プロレタリア文学への関心が高まりました。また、宮本百合子は、戦前の旧民法や男尊女卑の風潮から、女性差別のひどかった時代に、「伸子」などで女性の自立を説き、女性差別に苦しむ女性の共感をえました。
 女性に選挙権もなかった当時にとっては、画期的なことであり、こんにちの「男女共同参画社会」がさけばれるようになった時代のさきがけともなったといえるでしょう。
 女性解放運動にさきがけをした人物としては「青鞜」という雑誌で活躍した平塚雷鳥、女性参政権の運動に尽力した市川房枝、日本国憲法に男女平等の条項を書き残したGHQのベアテ・シロタ・ゴードン、平塚とともに女性解放運動や平和運動に尽力した櫛田ふき(日本婦人団体連合会会長をつとめた)などが挙げられますが、宮本百合子も彼女らと同様の視点で見ると、興味深いと思います。
 私は、学生時代に東京女子学生セミナーという女性史や女性問題の研究会や、就職難に泣き寝入りしない女子学生の会(就職活動における女性差別に反対する運動をおこなっている)に参加し、卒業後も川崎の男女共同社会をすすめる会に参加し、男女共同参画社会の問題には、関心があります。
 鼎談で話をした旭爪あかね氏(作家)には、ひきこもりで苦しむ少女が農業をとおしてたちなおっていく姿を描いた「稲の旋律」という小説があり、映画にもなっています。

早稲田大学の演劇博物館と周辺
 1月28日には、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(新宿西早稲田)にて、「第三エロチカの時代 1980-2010 解散記念展」(昨年の9月13日より、今年の2月5日まで開催)を見ました。
 第三エロチカは、明治大学の演劇研究会がもととなって、川村毅氏を主宰として1980年に創設された劇団で、私も何度か、芝居を見たことがありました。
 その解散を記念して、写真や小道具などの展示を通して、劇団の歴史を紹介する展覧会です。また、同博物館では、「時代劇映画史展 ~演劇コレクションから~」(昨年の11月27日より2月5日まで開催)という企画展もおこなわれており、見ました。
 常設展示では、日本の民俗芸能に関する展示を見ました。また、早稲田大学では、大隈重信の銅像や大隈講堂の写真も撮りました。
 周辺には、観音寺、穴八幡、放生寺などの史跡があります。観音寺には、恵比寿や大黒天の石像、穴八幡には布袋尊の石像、放生寺には、馬頭観音の石像や地蔵菩薩の石像があります。また、穴八幡では、冬至の日のお祭りをやっており、数多くの露店が出ていました。