「狂詩曲」のあとがき

 私は子供の頃から詩を書いてきましたが、これらの詩はだいたい学生時代から今日に到るまで書きつづったものです。

 私にとって詩は、天使の環でもあり魔の足かせでもあります。つまり身体の一部と化し、私の生に根幹とした関わるものなのです。

 と、言うと少し大げさなようですが、だから私はこれからも詩を書き続けなければいけないのだと思います。

 詩は言葉です。言葉は第一にコミュニケーションの手段ですが、詩の言葉はそこにとどまるものではありません。また、感情の吐露や自慰だけであってもならないと思います。

 それは少なくとも私自身にとってのことではありますが。言葉を超えた言葉によってしか詩は生まれないと思います。その点で私は本当に詩を書き得ているか、考えさせられずにいられません。

 詩は書き上げらえた途端、作者の手から離れていくと感じられます。ひとつひとつの言葉が重くなったり軽くなったりしながら、一種のダイナミズムにつらなっていきます。詩の言葉は、クールでドライでかつクリアに、発現するものであってほしいと願います。

 私の詩は、ある時は憑かれたようにあるときは難渋しつつ、身を削るように書いたものですが、舌足らずであったり観念的すぎたりするかもしれません。

 詩が原因なのか結果なのかわかりませんが、精神的病とも供にしています。しかし私は、可能な限り書きつづけるでしょう。

 縁あって私の詩を読んで下さったすべての人に感謝します。