94 時の中で

世界に
ひっかかっていた頃
一日がこんなにも
短くはなかった

めくるめく
ひと日ひと夜
濃密だった
日々過ぎて

今は
もう
たいらな時間の
うすい夢

過去と未来を
蹴とばして
近づく何かに
おびえつつ

刹那のような永遠
永劫のごとき一瞬
流れる空の
無の様相

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