差別と偏見を克服して貧困問題への理解を進めるために 貧困報道シンポジウム

★「差別と偏見を克服して貧困問題への理解を進めるために 貧困報道シンポジウム」

テーマ:
日本の「貧困」をめぐる報道は、21世紀に入ってから新聞・テレビ・雑誌等で一時的に活況を呈したものの、社会全体の貧困化の進行やネットメディアの隆盛に遭遇し、人々の関心や共感を獲得することが次第に難しくなっている。近年、長時間労働が背景になった過労死・過労自殺が次々に報道される一方で正規労働者と非正規労働者との間の格差も広がり、福祉、労働の分野での合意形成が難しい現状になっている。 
精神病の患者が理由なく数十年間も入院させられる実態も報道で明らかにされ、「貧困」問題は生活困窮や社会保障だけでなく、精神医療の問題などにも複雑化・重層化して波及し、政府や自治体などの作為や不作為で「つくられる」構図も露わになっている。
こうしたなか、日本の貧困研究の第一人者を招き、貧困と報道の戦後史を概説してもらう一方、貧困報道に携わる新聞記者やテレビ制作者らに実践を報告してもらい、問題が複雑化する中で理解が進まない報道の課題や問題点、工夫などを議論したい。

日時:2018年10月21日(日) 14時00分〜17時00分
場所:上智大学 2号館 1702会議室
主催:上智大学 メディア・ジャーナリズム研究所
参加無料 予約は不要)

第1部 14:00-15:00
基調講演 「貧困報道と貧困の「かたち」〜『貧困の戦後史』を追って」 
岩田 正美 日本女子大学名誉教授(生活保護をはじめとする貧困研究の第一人者) 

第2部 15:15-17:00
パネルディスカッション 「複層化する“貧困”をどう伝えるか」
・ 清川 卓史 朝日新聞社 編集委員  (介護保険や認知症、貧困・生活困窮問題の取材。介護福祉士)
・ 東海林 智 毎日新聞社 新潟支局長 (貧困問題、とりわけ労働関係を記事を発信。「年越し派遣村」の運営もかかわる)
・ 青山 浩平 日本放送協会 大阪放送局 ディレクター (ETV特集「長すぎた入院〜精神医療・知られざる実態〜」で精神病患者の長期入院問題をスクープ。戦後史証言プロジェクトで「格差と貧困〜豊かさを求めた果てに〜」を担当。ETV特集「長すぎた入院〜精神医療・知られざる実態〜」で精神病患者の長期入院問題をスクープ)
・ 岩田 正美 日本女子大学名誉教授
・ モデレーター 水島宏明 (上智大学 文学部 新聞学科教授)