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教師の仕事

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教師の仕事

給食費を払わずに高価なブランド服を着させて… 教師が語る「集金」「ブラック部活」の現実〈dot.〉
教育学部の志願者数は約10年前と比べると減っている(c)朝日新聞社 
AERA dot.が9日に配信した「教育学部の志願者数が約10年で激減」の記事にもあるが、都市部の大学を中心に、教育学部の志願者数が大きく減少している。
長時間労働でブラックだと言われている教員だが、実情はどうか。
また、モンスターペアレント、モンスターチルドレンの出現で、教育現場にはどのような苦労があるのか。
ここでは特に苦労が多いと言われる小学校教員らの声をお伝えする。
*       *  *  *
「教職をブラック企業だと呼ぶのは風評被害。意欲と熱意ある教員は多い」
地方都市の小学校に勤務する50代の男性教員Aさんが、そう憤る。
長時間勤務であることは否定しない。
だが、ブラック勤務といわれる超過勤務に関わる内容は“自主的にやるもの”と、“命令でやらされているもの”の二つがあるのだという。
「私をはじめ、熱意を持って教員になった人たちは、教育の専門家なのだから、授業の準備や教材研究などのために時間を使うのは、まったく苦じゃないんです。
時間をかけて準備することによって、授業がうまくいくとうれしいし、やりがいがあります。
うまくいかなかったときには、より子どもたちが理解できるよう、改善を加えます」
Aさんが言葉を強めた「教育の専門家」という意味。
実は、教員を教育労働者としてとらえる日本教職員組合(日教組)と異なり、全日本教職員連盟(全日教連)は、「教員は教育労働者であるとともに、教育の専門家」と位置付けている。
Aさんは全日教連に所属し、“教育の専門家”と自負している。
■給食費払わずに、ブランド服を…
だが、命令でやらされているだけで、本音では「やりたくない」と思っているのが、教育とは直接の関係がない集金業務などの雑務だ。
新卒採用になった約35年前には、給食費や教材費の集金業務は事務員がやっていたが、20年ぐらい前からその雑務が教員の仕事になったという。
「実際に給食費を払えない家庭はそう多くはありません。払う気がないのです。
そういう家庭からはクレームも多いのですが、時間をかけてようやく信頼関係を築き始めた時に、『給食費を払ってください』の一言で、また元の関係に戻ってしまいました。
教員じゃなくてもできることは、事務員さんにお願いするなどして、集金業務をなんとかしてほしい。
給食費を払わないまま卒業したとき、管理職の先生が自腹を切って支払った学校もあると聞いたことがあります」(Aさん)
50代の小学校の女性教員Bさんも、給食費の督促業務には苦労している。
「いくら言っても給食費を払ってくれない保護者がいて、精神的に疲れます。
そのご家庭の児童が、『先生、昨日、この服買ってもらったんよ』と嬉しそうに言うので、「よかったね」と声をかけますが、それがブランドの高価な服だと、正直、複雑な気持ちになりますね」
■教師を襲う「ブラック部活」
“ブラック部活”の問題も避けては通れない。
多くは生徒の視点で部活の厳しさが問題視されるが、顧問を務める教師にとっても朝夕の時間が拘束され、しんどい生活を余儀なくする。
ただでさえ山積する仕事をこなすだけでも大変なだけに、部活は教師にとって頭痛のタネになりかねない。
前出のAさんは、部活の顧問は、自分がやっていた部活なら楽しく指導することができ、あまり苦にならないことが多いが、まったく興味も知識もない部活の担当になったときには苦痛だと言う。
「私は中学から大学まで吹奏楽部でトランペットを吹いていて、小学校の金管バンド部の顧問をしています。
放課後の練習だけではなく、土曜にも演奏会やコンテストなどがありますが、部活動は子どもにとって価値のあるもので、練習を通じて音楽面だけでなく精神的にも成長していきます。
その様子を目の当たりにし、私も自信を持って取り組んでいます。
部活動のために使う時間は苦ではないどころか楽しいため、部活動の顧問がブラックだと感じたことはありません。
しかし、中学の先生でまったく興味がない部活の顧問になった場合には、『やらされている感』が強く、ブラックだと感じる先生は少なくないと思います」(Aさん)
休日に部活動で出かけた場合、自治体によって「部活動手当」が出る学校と出ない学校とがある。
全国一律ではない不公平感も、精神的に追い打ちをかける。
■“自宅で丸付け”姿に子どもたちは…
Aさんが勤務する小学校では、2017年の6月からICカードを導入し、教員の勤務時間の調査と管理を始めた。
「定時の勤務では仕事が終わりません。先ほどもお話しましたが、教育のために使う残業時間は苦ではありません。
教育とは関係がない雑務を以前のように事務員さんや他の担当の方がやってくれると、長時間勤務を少しは改善できます。
また、単に時間の問題だけではなく、保護者対応などで苦悩する教員の精神的なフォローも大切だと思います」(Aさん)
だが、教員の仕事をするのは学校だけではない。県の郡部にある小学校に勤めるベテランの教員Cさんはこう話す。
「自宅にプリントを持ち帰り、自宅でも丸付けをしています。
そんな父親の姿を見ていたからか、3人の子どもたちは全員、教育学部に進学しませんでした」
学校によっては、個人情報保護のために、自宅にプリント類を持ち帰ることを禁じている。
このため、宿題の量を減らす教員もいるという。
■親の"罵り"を、子どもが真似
首都圏で幼児教室の先生をしている女性は、幼児や小中学生に勉強を教えているため、小学校の情報も自然と入ってくる。
そんな中、最近の小学生で気になっているのは、生活態度の異変だ。
「驚いたのは、『学校の先生の教え方が悪いから、成績が伸びない』という小1がいたこと。
保護者が子どもの前で、『あの先生は教え方が悪い。ハズレだ。だから、あなたの成績が伸びない』などと言うため、子どもが真似しているのだと思います」
小1だけではない。高学年の児童からは、耳を疑いたくなるこんな言葉も。
「昔は、高学年の児童が先生の悪口を言うときには、『教え方が下手』『わかりにくい』など、授業に関するものでしたが、ここ数年は、教員の容姿に対する悪口を言う児童が増えました。
特に、『あの先生、キモい』『ネクタイのセンスが悪い』などとボロクソに言う小6の女の子もいます。
先生が馬鹿にされたり、悪口を言われたりしているのを見ている今の子どもたちは、『将来、教員になりたい』とはなかなか思わないでしょう」
ちなみに、2019年入試の教育学部志願者数は、リーマン・ショックの影響を受けて公務員や教員の人気が高まった2010年と比べると、埼玉大(-844人)、東京学芸大(-963人)、横浜国立大(-1145人)、大阪教育大(-1285人)、福岡教育大(-1362人)などと、都市部で“大幅減”が目立つのはAERAdot.で既報のとおりだ。
「教育学部の志願者が減り、教員採用試験の倍率も下がっているため、以前なら不合格になっていた人たちも合格しているのでしょう。
正直に言って、ここ数年、言動が少し変な人も教員になっているようにも思えます。
教員全員がフォロー、カバーしながら指導し、一人で何かさせないように気をつけています」(Aさん)
言動がおかしい先生のせいで、児童が不登校になるケースもあるという。
教師不足解消のために合格者を増やしたとしても、児童たちに悪い影響が及んでしまっては、まるで意味がない。
また、教員がうつ病になって休職したり、長時間勤務やモンスターペアレントの対応に嫌気がさして、新卒採用の若い教員が退職したりするケースも以前より増えているという。
■学園ドラマは「3年B組」から「A組」へ…
前出のCさんは、教育学部の志願者数が減っているのは、魅力的な教師が主人公として活躍するテレビドラマが減った影響もあるのではないかと考える。
Cさんが学生の頃には、学園ドラマの金字塔ともいうべき「3年B組金八先生」が人気を集めていた。
「熱血漢の金八先生に憧れて、教師になった人も少なくないと思います。
ほかにも『熱中時代』や『教師びんびん物語』『GTO』などたくさんの学園ドラマがありましたが、最近のテレビドラマで主役になる職業といえば、医師、弁護士、刑事が多い。
熱血教師や理想の教師が出てくるドラマが少なくなったのが残念ですね」
最近で人気の学園ドラマといえば、俳優・菅田将暉が演じた「3年A組-今から皆さんは、人質です」。
時代が変わったと言えばそれまでだが、教員を見る目も変化しているのか。
〔2019年3/29(金)(文/庄村敦子) AERA dot.〕

未納給食費は教員でなく市職員が徴収 働き方改革で福井市
福井市役所=福井県福井市大手3丁目
福井県福井市は新年度から、各小中学校が行っている未納給食費の徴収業務を市職員が担当する。
これによりこれまで実施していた教職員による徴収業務がなくなる。
教職員の負担を減らす働き方改革の一環。
児童や生徒に向き合う時間が増え、学力向上や不登校児への対応といった本来の業務に専念できるようになる。
2月25日の市議会一般質問で、吉田琴一議員(市民クラブ)がただした。
市保健給食課によると、同県おおい、高浜両町は教職員ではなく町職員が未納給食費を徴収している。
給食費は各校が口座振り込みや実費で徴収しているが、未納分は教職員が電話や保護者懇談、家庭訪問時などに納付を依頼している。
未納者が多い学校では最大で月約30件の納付依頼を行っている。
金銭的な問題で保護者と教職員の関係性が悪化すると、子どもの教育に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、精神的な負担になっていた。
文部科学省は2017年12月、学校給食費の徴収は学校以外が担うべきだという緊急対策をまとめた。
同課は未納給食費の徴収を市が行うことにより、教職員が精神的だけでなく、時間的な負担軽減につながると説明。
児童や生徒の状況を観察する時間が確保され、相談や悩みにきめ細かく対応ができるようになるとしている。
長野県塩尻市の事例では750人規模の学校なら毎月3、4日分の仕事量が減少する効果があった。
新年度から未納者の徴収は、市保健給食課、各学校給食センター職員が対応するほか、新たに雇用する非常勤職員が補助に当たる。
2015~17年度の給食費未納額の平均は274人の1260件約538万円。
このうち会計年度内に平均218人1007件約411万円が納付された。
〔2019年2/26(火) 福井新聞ONLINE〕

なぜ減らない?教員の仕事量 「思い込みと周囲の期待」指摘する声も
長時間労働の是正策などについて意見を交わす全国の教員たち=2日、北九州市
学校現場で常態化する教員の「働き過ぎ」は解消できるのか-。
北九州市で3日まで開かれた日教組の教育研究全国集会では、教員の働き方改革が大きなテーマになった。
長時間労働の是正策を議論してきた中教審は1月、答申の中で時間外勤務の上限規制などを示したが、教員たちは実効性を疑問視。
定数増や支援態勢の強化を求めつつ、前例に基づいた「学校あるある」からの脱却を訴えた。
2017年度から、教職員のパソコンによる出退勤管理を始めた新潟県。
勤務時間外の業務を記録に残すなど意識して仕事の工夫に取り組んだという小学校の女性教諭(40)は、17年に107時間だった6月の超過勤務時間が18年、68時間に減った。
「ただし、本来業務の教材研究はほとんどできず、自宅に持ち帰るなど数字に表れない勤務実態がある」と言う。
別の小学校で教科の年間計画や指導に携わる教務主任、体育主任の昨年6月の超勤はそれぞれ108時間と140時間。
いずれも残業時間を「原則月45時間以内、繁忙期でも月100時間未満」とする中教審のガイドラインを軽く超える。
女性教諭は「個人の努力だけでは、多忙化の解消は困難だ」と訴えた。
教員の仕事量が減らないのはなぜか。
福島県の小学校教諭、鈴木芳崇さん(41)は「従来やってきた教育活動を続けなければならないという思い込みと周囲の期待がある」と指摘した。
勤務時間前のあいさつ運動、毎日の清掃や委員会活動、各種コンクールの取りまとめ、地域行事への参加…。必ずしも必要のないものも請け負ってきた。
鈴木さんは、勤務する学校で毎年行われる水泳やマラソンなどの校内大会を記録会と位置付け、体育の授業内で行えるよう改革を進める。
「賞状作成や大会の記録などの業務が簡素化できる。『伝統』を見直す勇気も大事だ」と強調した。
業務改善では他にも多くの実例が示された。
鹿児島県の小学校で複式学級の担任を務める男性教諭(50)は、一部教科担任制や研究授業の回数減による負担軽減策を報告。
長時間労働の遠因とされる部活動について千葉県の中学校教諭は、冬場の基礎体力向上などのため複数の部活動による合同練習を行い、仕事量を減らしていると説明した。
学習指導要領の改定で授業時間数は増え、いじめや不登校など現場の課題は深刻化している。
福岡県の小学校教諭(58)は「教員の大変さがようやく注目されるようになった。あくまで子どものことを第一に考えつつ、学校、家庭、地域、行政がそれぞれできることを考えていければ」と話した。
〔2019年2/6(水) 西日本新聞〕

「教室にいる生徒でさえ…」不登校対応に影を落とす長時間労働 教師のジレンマ
教師である女性の1日をまとめた表。0時に就寝し、次の日は5時半から始まる。
不登校の子どものことを考えたいけど、「時間がない」――。
教員を対象にwithnewsが行ったウェブアンケートには、教師の悲痛な声が寄せられました。
ある教員の1日を聞くと、休憩時間がないほどの超過密なスケジュールでした。
教室にいる生徒たちでさえ十分にコミュニケーションをとれないもどかしさを感じながらも、不登校の生徒に関わり続けたい。
そんな教師のジレンマを追いました。
不登校、困惑する教師たち
文部科学省の調査によると、2017年度の不登校の小学生は35,032人(1千人あたり5.4人)、中学生が108,999人(同32.5人)でした。
少子化で子どもの数は減っているものの、不登校の小中学生の数は前年に比べて約1万人近く増えており、過去最多になりました。
14.4万人という不登校の子どもたちには、担任の先生がいます。
不登校について取材するなかで、文科省が不登校指導を「学校復帰のみを前提としない」という方針を示していても、「不登校は担任の責任」とされ、孤立してしまう現場の先生の苦悩が見えてきました。
withnewsが独自に実施した、インターネット上で教員を対象に調べたとしたアンケートには44件の回答が集まりました。
アンケートでは、最初に教員であるかどうか自己申告してもらい、不登校についての考えなどを聞きました。
「不登校の生徒への対応について、困ったことがありますか」という質問には、不登校の担任経験がある教員39人全員が「ある」と答えています。
「もっと時間があれば……」 
近年、問題視されている教師の長時間労働問題。
教師の半数以上が、過労死ラインとされる週60時間以上の勤務を超えていたとの調査もあります。
教員を対象にしたアンケートでは、忙しい業務の中で、不登校の子どもへの対応に悩む教師の声がありました。
「もっと時間があれば学校以外の選択肢を考えたり、サポートしたりできたかもしれない」
そう語るのは中学で教師をしている30代の女性です。
これまで担任や学年の担当として、不登校やその傾向がある生徒を見守ってきました。
「でも、時間が本当にないんです」
ある教師の1日
教師の1日とは、どんな生活なのでしょうか。
幼い子どもを育てながら働く女性のある1日を教えてもらいました。
起床は5時30分。ただ、これも家に持ち帰った仕事の量によるといいます。
仕事が残っていると、それより早く起きる必要があります。
子どもを起こして家事をこなし、7時には家を出ます。
8時に学校に着いてからは、教室の状態や連絡事項を確認、授業で使うプリントを印刷します。
すぐに職員全体の打ち合わせがあり、終わると学年の打ち合わせ。
一息つく間もなく、担任するクラスのホームルーム、1時間目が始まります。
「行事の前には朝練をやろうという提案もあるのですが、現実的にこれ以上早く来るのは無理です。
朝練はしない方針で、本当によかった」
女性は担当教科と総合など、1日に4~5コマの授業を行います。
「だいたい1コマの空きがあって、2コマ空きがあればいい方」と話します。
空いているコマでは、提出物の整理や小テストの採点、授業の準備をします。
連絡なく欠席している生徒がいると、この時間を使って家庭に電話。相談室に登校している生徒がいれば、顔を出します。
気付くと、授業が終わるチャイムが鳴っているそうです。
昼休みは生徒の様子を知ることができる重要な時間。
教室でしばらく談笑した後は、職員室に戻って次の授業の準備です。
午後からは不登校の生徒が相談室に登校することもあり、あいさつに行くことも。
6時間目の授業や帰りの会が終わり、生徒全員が教室から出て行くのを見届けた16時頃、向かうのは部活です。
職員室に戻ってくるのは18時半近くになっています。
欠席だった生徒の家庭に電話連絡をし、子どもを保育園に迎えにいく時間までに、片付かない仕事は家に持ち帰ります。
家事を終え、子どもの寝かしつけが終わった後、22時頃から仕事に着手。
授業準備はもちろんのこと、会議に提出する資料づくりや担当する生徒会の仕事など、やるべきことは山積みです。
結局、女性が眠れるのは0時頃。また、翌日は5時半から生活が始まります。
女性によると、教科によっては空きコマがほとんどない教師もいるそうです。
この過密スケジュールの中で、不登校の生徒の家にプリントなどを届けに行くこともあります。
限られた時間で、女性が考え続けるのは「不登校の子どものために学校に何ができるのか」。
「登校するかしないかではなく、不登校の生徒がどう考え、どうしたいのかに寄り添いたい。
場合によっては、フリースクールなどの居場所になりえる機関と連携したいけれど、情報を吟味する時間がないんです」
「全員の生徒とは話せない」
アンケートからも「不登校の子どもを決して軽く見ていないが、後に後になってしまう(40代女性)」というもどかしさや、「管理職から(対応を)指示されるが、その時間は自分で確保しなければならない(30代男性)」という実情が見えました。
ある教師(40代女性)は「地域との連携、学力向上、新学習指導要領、道徳教科化、いじめ、生徒指導、諸々の研修を背負いながらやっている。
不登校の生徒だけではなく、教室にいる子とも関わる時間がない」と嘆きます。
取材した女性にとっても、授業の空き時間に最優先しているのは、担任するクラスの生徒に任意で提出してもらっている「連絡帳」の確認です。
日々あった出来事を日記のように生徒に書いてもらっています。
時間がかかるのでやらない教師もいますが、女性は「どう頑張っても全員の生徒とは話せないから」といいます。
「突然白紙で提出したり、字に乱れが出たりする生徒もいます。
接する時間がなくても、シグナルを見落としたくないんです」
共働き増加「必然的に勤務時間外に」
教師の長時間労働問題に詳しい名古屋大学の内田良准教授は「先生が忙しすぎるあまり、不登校の生徒などの個別対応は後回しになっている」と話します。
「教室にいる子どもに対してでさえ、忙しくて時間が割けない。『SOSを見逃していないか』と不安でいっぱいの先生もいます」
部活に費やす時間が長いことが問題視されている中学校。
小学校でも2020年に英語やプログラミングなどの教科が必修になり、ただでさえ教師が対応するべきことが多いにもかかわらず、その負担は増すばかりです。
一方、生徒指導などの個別対応は時間がとられている訳ではなく、教師個人の裁量に任せられているといいます。
共働き家庭が多いため、昼間の時間帯は保護者には連絡がとりづらく、家庭訪問をするとなると土日に行う場合もあるといいます。
内田准教授は「必然的に勤務時間外で対応せざるをえなくなっている」といい、その残業代は、教員に適用されている法律(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)によって支払われることはありません。
「年配の先生などが、プライベートで不登校の子どもと向き合って絆を深めた、と美談として語られることもありますよね。
しかしこれは個別の裁量で行われていることであり、やろうと思っても時間がないということを保護者の方にもご理解いただきたいです」
「現状、家庭との連携は教師が担わざるを得ない」としつつも、「新しい対応が必要になるのであれば、学校外の人材を含め人員を追加してすすめる、という議論をするべき」と指摘します。
〔2018年11/30(金) withnews〕

【学校の働き方改革のゆくえ】月45時間、年360時間まで残業上限の意味とインパクト
先生たちも、月30時間残業できるかできないか
本日、国の審議会(中教審)で公立学校の教師にも時間外勤務(残業)に上限を設けていくガイドライン案が出た。
教員の長時間労働に歯止めをかけるため、文部科学省は6日、時間外勤務(残業)の上限を原則「月45時間、年360時間」とする指針案を公表した。
年度内に決定した上で、各教育委員会に指針を参考に上限規制を定めるよう求め、2020年度の適用を目指す。
出典:読売新聞2018年12月6日
「月45時間、年間360時間を超えないように」という数字は、どこから出てきたのかと言うと、それは、先般、働き方改革関連法が成立したことで労基法に改正があり、企業や私立学校等でそういう原則となったからだ。
例外規定があるとはいえ、公立学校も民間の原則と合わせた。
なお、どんなときでもこの原則が適用されるわけではない。
たとえば、災害時には公立小学校等は避難所となることも多い。
東日本大震災や熊本地震のときなども、教職員は地域の方らとともに、避難所運営や児童生徒の安否確認に尽力した。
これは、地方公務員としては、もともと職務のひとつでもあろう。
※12月6日22時追記:無限定に教師に災害時対応が求められるわけではない、という指摘をいただきました。
また、いじめ問題や生徒指導事案で、子供の命が危ないとき、「残業規制があるので」などとはもちろん言っていられない。
こうした臨時的な特別な事情については、原則の枠外である。
ただし、そういう例外的な場合であっても、一定の制約は設ける予定だ(年間720時間までなど)。
とはいえ、ひとくちに生徒指導と言っても、学校だけの責任ではなく、家庭の責任、役割も大きいことには留意が必要である。
とりわけ学校外で起きた事件・事故への対応が、本当に教師の業務なのか、そこは家庭の責任だろうということはよくよく精査したい。
また、どうしても時間外に及ぶことも、勤務の割振りで対応することが原則である。
※12月6日22時追記:いじめや生徒指導事案についても、原則は勤務の割振りで対応するべき、との指摘をいただき、修正しました。
たとえば、部活の大会があるから時間外にもっと部活指導をしたいとか、行事の準備が残っているからといった事情は、緊急性が非常に高いわけではないし、例外規定には、おそらく当てはまらない(今後、国や自治体で精査していくこととなる)。
年間360時間までとなると、月あたり単純平均すると、30時間までということだが、これは現状の過労死ライン超えの多い実態からすると、すごく高いハードルである。
なぜ、こんな数値目標とするのか? 
「文科省や中教審は学校現場を分からず、何を机上で高い目標だけ言っているのだ。また現場への押しつけか!」との批判、声はあろう。
だが、この残業の上限目安、目標というのは、少なくとも、次の3つの趣旨がある。
第1に、先ほど述べたとおり、民間もその原則で頑張ろうとしているし(例外規定はあるとはいえ)、民間は上限に違反すると罰則まで付く。
労基署が入ることもある。実際、私立学校には労基署が入り、指導している例がある。
そんななか、今のところ公立学校には罰則規定はないし、労基署も入らない(これは市役所など、他の公務員も同じ制度)。
とはいえ、公立学校も社会全体の動きと歩調を合わせていく必要がある。
第2に、むしろ、学校は社会全体の動きに受け身になるのではなく、社会をリードしていくくらいが必要だ。
未来ある子供たちを育てる仕事をしているのだから。
教育現場が長時間労働をよしとして、生産性無視の、ど根性魂で疾走していては、子供たちへも悪影響だと思う。
このガイドラインと同じく示された中教審の答申素案では、こんな一節がある。
学校における働き方改革は,より短い勤務時間で高い成果を維持・向上することを目的とするという点において,我が国の様々な職場における働き方改革のリーディングケースになり得るものである。
出典:中教審働き方改革答申素案p7(一部を要約)
第3に、現実に過労死や過労自殺となっている教師があとを絶たない。
つい最近も富山と大分で中学校の先生が過労死と疑われる事案で倒れている。
◎参考記事:【学校の働き方改革のゆくえ】なぜ、教師の過労死は繰り返されるのか
過労死ラインは月80時間残業などだが、これは過労死してもおかしくないくらい、危険水準という意味である。
なお、残業が45時間を超えて長くなるほど、過労死リスクは高まるというのが、医学的な知見を整理した厚生労働省の見解だ。
公立学校には上記のとおり、例外的な緊急時もあるし、通常時には過労死ラインよりもはるかに下の残業に押さえておかないと、健康経営にならない。
関連して、ガイドライン案で次の記述も重要である。
関係者は、本ガイドラインが、上限の目安時間まで教師等が在校したうえで勤務することを推奨する趣旨ではなく、「学校における働き方改革」の総合的な方策の一環として策定されるものであり、他の長時間勤務の削減方策と併せて取り組まれるべきものであることを十分に認識すること。
決して、学校や教師に上限の目安時間の遵守を求めるのみであってはならないこと。
出典:公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン案
つまり、月45時間までなどと言っても、そのくらいまで目いっぱい残業させたい、という趣旨では全くない。
もちろん、残業はないに越したことはない。
※教職調整額について、月残業30時間前後と比較しても、4%では安すぎるのでは、という批判、声も大きいが、この点は別稿としたい。
平均月30時間までなんて、実現するのか?
「月45時間、年間360時間」つまり、平均月30時間残業できるかどうかという目標は、本当に実現できるだろうか。
そのために、公立学校教師の現状の典型的な1日をイメージ、共有したい(小学校4年の学級担任・女性のイメージ)。
7:20 出勤。
職員室で荷物を整理して、すぐに教室へ。窓を開けて空気をフレッシュに。
あっ、そういえば、2時間目の国語のプリントを印刷しなきゃ。
7:40 早い子は登校してくる。
挨拶を交わしつつ、前日にやり残った仕事を片付ける。
でも集中できない。インフルが流行ってきて、欠席連絡の電話が今日は多い。
職員室と教室を行ったり来たり。
8:05 不登校ぎみだったAさんが保護者と数日ぶりに登校。保護者ともしばし話をする。
8:15 実はこの時間からが正規の勤務時間。
★すでに時間外は1時間近く発生しちゃった。
8:15~8:30 朝学習。漢字の練習や読書など。
担任にとっては、体調の気になる子へのケアや連絡帳の確認などをこなす時間。
8:30 朝の会。出欠をとる。
日直の進行を見守りつつ、宿題のチェックもする。
8:40~12:10 授業(4コマ)。
たまにB君は情緒不安定で、教室を飛び出す。休み時間もなかなかトイレにも行けない。
今日も、数の少ない重たいICT機器を持ち運ぶはめに。腰痛めないかな、とほほ。
12:10~12:55 給食。
配膳係がちゃんとできているか、やけどや嫌がらせはないかなど、目が離せない。
1人アレルギーの子もいるので、毎日献立も細かくチェックしている。
自分の分は10分もかからず、早食い。これが食育かしら?
そのあとは、国語の時間に提出してもらったプリントのコメント書き。
よくできましたハンコだけだと、前にクレームがあったしなあ。
12:55~13:10 掃除。担当場所を巡回。
実は掃除用具は子どもを傷つける武器にもなりかねないので、やんちゃな子への目配りは欠かせない。
13:10~13:30 昼休み。児童の。
担任はここでやっとコーヒーを飲めるときも稀にあるが、昼休みの外遊びに付き合っている先生も多い。
わたしの場合、今日は5時間目の理科の実験の準備。理科はニガテなんですけど・・・。
13:30~15:10 授業(2コマ)。
眠くなる子もいる、そりゃそうだよね。
15:10 帰りの会
15:20~15:30 校門で下校の見守り
15:45~16:30 
  一応、規定上は休憩時間ということになっているらしいが、採点作業をしたり、翌日の授業準備をしたり、会議が入ったり、わたしも含めて誰も休憩なんて取っちゃいない。
16:45 ★はい、ここで正規の勤務時間は終了。
でも、閉店です~とはいかないのよ。。。
16:45~19:00
授業準備や行事(PTA主催の1/2成人式など)の準備。
やばっ、教育委員会に提出する書類、締め切り、過ぎてる?
  19:00 帰ろうとしたところ、ある保護者から電話。
どうも、帰宅後、児童が別のクラスの子と遊んでいて、ちょっともめているらしい。
そりゃ、我が子のことは心配でしょうが、親同士で解決してくれないのかなあ。
でも、むげな対応をすると、もっとややこしくなるし。結局1時間近くかかったよぉぉ。
20:00 やっと学校を出ます!おなか減ったよ~。
似たような学校は多いのではないだろうか?
この場合、残業は休憩時間も勤務していたことを足すと、夕方・夜で実質4時間近く。
これに早朝出勤の分もあるから、合計5時間近い時間外勤務である。
これが毎日続くと、5×約22日=月・約110時間。
土日の勤務がゼロだとしても、すでに過労死ラインをはるかにオーバーで、とても危険である。
が、そういう先生も少なくないのが実情である。
今回は小学校を例としたが、中高と一部の小学校では、部活動指導もあるので、よけい長時間労働になりやすい。
これを仮に1日2時間残業という半分以下に圧縮できたとしても、2×22=44時間で、月45時間はクリアーするが、年間このままだと、ガイドラインを超過する。
今回のガイドライン案はもっと、1日の残業を2時間より少なくしないといけないという意味だ。
ハードルが高いといった意味が理解いただけると思う。
では、どうするか?
たしかに、1日2時間残業よりも少ない水準にもっていくのは、簡単ではない。
一定の予算はかかるが、不可能でもないと思う。
この例をヒントに考えてみると、たとえば、次の4点を進めないといけない。
第1に、この担任の先生おひとりにあらゆることを背負わせ過ぎている。
おそらく他の先進国と比べて、日本の教師ほどマルチタスクな人はいない。 たとえば、不登校ぎみの子や家庭へのケアは、カウンセラーやスクールソーシャルワーカーらと分業・協業したいが、現状では、予算が少なく、来訪頻度が少なくて連携しにくいなどの問題がある。
給食や休み時間中の見守り、掃除の時間なども、教員免許がないとできないことではない。
担任の教師の役割がゼロにはなりえないが、スクールサポートスタッフあるいはランチスタッフのようなかたちで、分業を進めていくべきだろう。
地域人材がボランティアで協力している事例もあるが、安全管理もかかわるので、ボランティア依存だけでは問題もある。
退職した教職員や、育児中で短時間勤務を好むワーキングマザー(orワーキングファーザー)などをもっと学校に入れていくべきだろう。
第2に、今日の中教審でも発言があったが、児童生徒の登校時間の設定がそもそもおかしい。
お店やレストランで、開店前から客を入れているようなものだ。
保護者の理解、協力を得て、正規の勤務時間よりあとの時間まで遅らせる。
それが嫌、あるいは無理というなら、学童のように見守りスタッフを入れる予算を保護者ないし行政が負担していくしかないだろう。
第3に、そもそも、その仕事、業務が必要か、もっと見直せる余地はある。たとえば、PTAとの1/2成人式などは、学習指導要領で絶対やりなさいとはなっていない。必要性は高いだろうか?
ちなみに、清掃指導も、義務付けられていないのだから、外注もありである。
運動会だって、指導要領上は、絶対やりなさいとはなっていない。
学校の裁量で、児童生徒と保護者等の理解も得ながら、見直せることは実は多いのだ。
また、早朝や夜の保護者からの電話も、緊急時のものをのぞき、遠慮してもらうことや留守番電話対応にすること、出欠連絡などはメールやITで対応することなども考えられる。
実際、そういうふうにしている学校も出てきた。
小学校の教師等では採点、添削なども時間がかかっており、残業のひとつの要因となっているが、これも近い将来的にはITやAIをもっと使えるようにしたい。
よくできました、などのコメントも簡素なもので児童や保護者に納得してもらう。
採点作業に時間を使うよりは、採点結果を参考にして、授業をよりよくするほうに時間とエネルギーを割くべきだ。
もちろん、なんでもかんでもカット、カット、時短、時短と言いたいのではない。
真に重要なものは残せばよいし、やればよい。
ただし、過労死などの健康被害のリスクを冒してまでやるべきではない。
第4に、この事例の場合、先生の授業が6時間目までびっしり6コマ入っているが、それを教員の増員などで、たとえば、4コマ程度とする。
そうすると、空いている2コマ分の約90分のあいだに、授業準備などが進む。
いまは小学校はこうした空き時間が少ないのだが、大きな問題である。
以上、この例からもわかっていただいたと思うが、学校の働き方改革は、ひとつやふたつの対策、施策ではダメである。
もちろん、残業に月45時間などと目標設定しただけで、「あとは教師のみなさん、よろしくね!」でもダメダメである。
いくつかの相当思い切った改革、改善を並行して進めなければならない。
それに、多くのものが保護者等の理解、協力が必要となるし、一部は保護者等にガマンしていただくことになる。
今回のガイドライン案と中教審の答申素案には、そんな選択の意図、覚悟があるのだと思う。(了)
妹尾昌俊 教育研究家、学校業務改善アドバイザー、中教審委員
徳島県出身。野村総合研究所を経て2016年から独立し、全国各地で学校、教育委員会向けの研修・講演などを手がけている。
学校業務改善アドバイザー(文科省、埼玉県、横浜市等より委嘱)、中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員、スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」委員、NPO法人まちと学校のみらい理事。主な著書に『変わる学校、変わらない学校』、『思いのない学校、思いだけの学校、思いを実現する学校』、『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』。4人の子育て中。
〔2018年12/6(木) 妹尾昌俊 教育研究家、学校業務改善アドバイザー、中教審委員〕

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