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教育機会確保法案

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教育機会確保法案

不登校対策法案 漂う差別的なまなざし
不登校の子どもの学びの保障はもちろん、大切だ。では、なぜ不登校に陥るのか。学校の側に問題はないのか。
根源によくよく目を凝らしたい。子どもだけの責任に帰すかのような法律では危うい。
文部科学省のまとめでは、昨年度に年間三十日以上休んだ不登校の小中学生は十二万六千人。
うち七万二千人、全体の57%は九十日以上休んでいた。
授業があるのは年間二百日ほどだから、事態の深刻さが分かる。
不登校の小中学生はもう二十年近く前から、年間十万人を超え続けている。
子には学校に通う義務はないけれど、学ぶ権利はある。大人はそれを守らねばならない。
問題意識を共有する超党派の国会議員らは、不登校の子のための「教育機会確保法案」を国会に出している。
だが、賛否が割れており、慎重な審議を望みたい。
当初目指したのは、自宅や民間のフリースクールなどでの学びも、一定の条件つきで義務教育とみなすという法案だった。
公教育を担う場が多様化し、不登校現象が解消する可能性があった。
ところが、不登校が助長されるとの反対に遭い、骨抜きになった。
不登校は逸脱行動であり、学校復帰という正常化に努めるべきだ。
そんな旧来の発想に根差したような法案に変わってしまった。
前者では、学校一本やりの制度に風穴が開き、自尊心も取り戻せただろう。
後者では、これまでと同様に病人視され、社会の偏見や差別のまなざしも消えまい。
法案によれば、文科相が不登校と認めた子について、学校外の学びの重要性や休養の必要性に配慮して、心身や学びの様子をみながら親子を支援するという。
けれども、学校外の居場所や休養の機会は、不登校の子に限らず、すべての子にとって大事なはずだ。
不登校か否かを問わず、悩みを抱えている親子には、等しく手を差し伸べるべきでもある。
学校に通っている子と切り離して対策を練ることに、どれほどの意味があるのか。
かえって、社会の分断や亀裂に通じないか心配だ。
不登校の子を受け入れてきたフリースクールの中には、学校外の学びが公認され、公教育参入へ向けた一歩になると評価する声もある。
もっとも、教育行政の単なる下請けになって、自由が失われては元も子もない。
不登校やいじめ、暴力の現状をみれば、横並び圧力や競争主義を強める学校のあり方を省みる姿勢こそが、本当は求められている。
〔◎2016.11.18 中日新聞・社説〕

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