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ひきこもり国語辞典・辞書編か行

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==か行==
 
==か行==
えかき (絵描き) 「かいが」にエピソードとして入れる?
 
絵を描いていました。油絵もあってその内の一点を父の知り合いが買ってくれました。かなりの高額です。しかし後になって手放したのを残念に思うようになっています。取り戻す方法はないのですが。油絵のほかにも鉛筆画、水彩画なども描きました。
 
〔参考〕 太田勝巳作品「ART BANANAFISH」
 
http://www.futoko.info/kojin/artbananafish/newpage1.htm
 
〔註〕 創作活動のうちの絵画(イラスト・漫画を含む)を描く人は多いです。現代アート作品、洋画を持参した人がいます。
 
 
おまもり (お守り)
 
刃物を持ち歩くことはよくありません。それはよく分かっています。けれども、私は自分を守るためにかばんにカッターナイフを入れて持ち歩いています。ナイフですが、私にとってはお守りです。かばんの中は絶対秘密です。
 
 
か行 4
 
かいが (絵画)
 
絵画はことばよりも、イメージで伝えられるので楽な気がします。文章(ことば)だと賛成、反対、共感、好感、嫌悪、疑問、保留、理解などがはっきりします。絵のばあいは固定的な意味づけや価値づけがされず、自分なりの解釈、理解ができます。しかし、個人的な絵の傾向の好ききらいはどうしようもありません。
 
 
がいこくじんろうどうしゃ (外国人労働者)
 
もう四十代でいままで働いたことがない人間ですから、これから働き始めるといってもだめでしょう。コンビニに行っても外国人が働いていて、雇う側もこんな私よりもあの人たちがいいと思ってしまいます。それも働く意欲をそがれる理由です。
 
〔註〕 外国人の受け入れとともに、競合が対立に向かわない社会的整備も大事です。あわせて三十代以上のひきこもり経験者が働ける環境と条件づくりが切実になっていることを示しています。
 
 
△かいしゃみたいなば (会社みたいな場)
 
二十歳を過ぎたころひきこもりの相談活動をする人がいて、そこに行きました。当事者数人がお互いに自分の状態や希望などを話すことになりました。話す順番がきて「自分に必要なのはトレーニングをしながら収入が得られる会社みたいな場です」と話しました。うっすらと考えていたことですが、その場になったらまとまった言い方になりました。現実的には会社じゃないのに収入があるわけだから、居場所でもなく難しいみたいです。
 
 
△がいしゅつ (外出)
 
外出はそれだけで一種のイベントです。 前夜に風呂に入り、何を着るのか、靴、めがね、他の身につけるものを総点検し、玄関を出るときにも改めて確認をします。玄関を出るまでのエネルギーの消耗だけでもたいしたものです。朝から大急ぎで準備をするのですが、実際に家を出るのは予定していた時間を大幅に過ぎています。
 
〽〔川柳もどき五七五〕 ひきこもり 服買いに行く 服がない  〔古菫〕
 
 
かいならされたぞう (飼いならされた象)
 
象を飼いならすときは初めは鎖をつけて調教します。やがて象の足に縄を結んだだけで象は飼い主の指示に従います。私は子どものころから自分に拘束を掛けやすくなっています。気がつかないうちに飼いならされた象と同じです。
 
 
かいもの (買い物)
 
ウィークデイの午後の早い時間、いつものお店で買い物をします。お店の人から「仕事は休みですか」とか「お子さんは何歳?」なんて尋ねられる関係になったら困ります。買い物に行くときにも必要以上には親しくはならないようにバリアをはって出かけます。
 
 
かがいもうそう (加害妄想) 
 
【質問】 新しい服を着て出かけるのも、人に嫌な思いをさせないためですか?
 
被害妄想はよく聞きますが、反対の加害妄想もあります。新しい洋服を買ってもらって外出しますが、人に嫌な思いをさせてしまわないか。外食したときあまり旨いと思わなかったのが表情に出て、お店の人に迷惑をかけていないか。こんな感じです。
 
〔註〕 極限を超えた心根の優しさの表われに見られますが、それは予想外の反応です。
 
 
かがみ (鏡)
 
ついつい表情が暗くなります。鏡を見て表情を確かめて気を取り直します。外出したときもどこに鏡があるのかを覚えていますし、お店のウインドでも自分の姿を確認します。家の中も同じで、少しずつ鏡を置く場所を増やしました。いまは家のあちこちに鏡が置かれています。ときどき鏡に追い込まれる気分です。
 
 
△かぎょう (家業) もう少し説明が欲しいです
 
アパート経営が家業なのでそれを引き継ぐつもりです。宅建(宅地建物取引主任者)の資格を取るために勉強していますが、営業的なことが苦手で不安を持っています。
 
〔註〕 親がアパートを建てて自分に引き継ぐようにいわれ、ときどきそのアパートの様子を見に行く人もいます。家業引継ぎはクリーニング店、八百屋、商店などです。
 
 
かくえきていしゃ (各駅停車)   挿し絵
 
人生の進み方が各駅停車みたいです。自分以外の人たちは
 
、人生を新幹線や特急や快速でうまく乗り継いでいます。私は快速にさえ乗ることができません。うっかり乗ると、乗り越したり、他の乗客に迷惑をかけてしまいそうだからです。社会で生活できる気がしないのと、特急や急行に乗れないのは似ています。尻ごみしたくなる気持ちです。だから電車に乗るとしても各駅停車になるのでしょうね。
 
 
かくさづくり (格差づくり)
 
人との違いをこまかく計りがちです。気心の合いそうな人と付き合い始めますが、相手のあれこれに優越感や劣等感を感じて気疲れすると付き合いが途絶えます。許容範囲が狭くてうまく妥協できません。相手のことばを八〇%ぐらいは聞き流せないとうまくいかないのでしょうがそれが難しいのです。相手との格差を意識し、自分から格差をつくっていることは、分かっています。
 
 
△かくせい (覚醒) エピソードのみ
 
三・一一の地震のときです。ちょうどコピー機の横に座っていました。大きなコピー機が揺れて動き出しそうです。「危ないっ!」と思い、力を入れて押さえました。火事場のバカ力ですよ。あのときは神経が覚醒していました。
 
 
かくとうぎ (格闘技)
 
話をするとき、いつも口先だけでぶつぶつ言う感じです。聞く側からは「何を言っているのかよく聞き取れません」といわれます。怒ったように言う人もいて困ります。自分では普通に話しているつもりなので、人と話をするときは格闘技みたいに気を張って言うしかありません。
 
〽〔川柳もどき五七五〕 ひきこもり 誰かと居ても ひとりごと 〔古菫〕
 
 
△がくれきとらうま (学歴トラウマ)  ピンクの部分を広げる
 
中学校までの成績はかなりいい方でした。途中で不登校になり、そのまま卒業しました。その後、通信制高校に進み、通信制大学も卒業しました。 不登校になったのは後悔していないつもりです。ほとんど知られていない通信制大学を卒業しているのがトラウマです。そのトラウマをひきずっています。
 
 
がけっぷち (崖っぷち)
 
「いま何かしていますか?」と聞かれて、「崖っぷち」と答えました。聞かれたことの答えにはなっていないかもしれませんが、本当の気持ちです。「崖っぷち」が口癖になっています。ゆっくり落ち着いて座っていると見られることもありますが、気持ちは追いつめられ、崖っぷちにいます。
 
 
△かじてつひめ (家事テツ姫)
 
家事手伝い。就職して働いていない女性の場合に使いやすい準職業(?)。社会的にも認められている社会的身分のひとつともいえます。私の場合はたいした家事はしていません。単なる無職、準ひきこもりですが家事手伝いと見られています。しかも“姫”なんかがついて家事テツ姫ですよ。申しわけありません。
 
 
△かしょく (過食)     挿し絵
 
食欲がコントロールできず、いちじるしく食べ過ぎてしまうのが過食です。摂食障害のひとつです。私の場合は過食が続いて体重が増えると自分が醜くなった気がして人に会えなくなり、ひきこもります。摂食障害には食べられなくなる拒食の人もいますが、ひきこもりにはそれよりも過食の人が多いように思います(?)。ダイエットしてやせると、少しハイになり外に出て行きますが、これも一時的です。
 
 
△かーすと (カースト) もう少し説明が欲しい
 
ひきこもりの当事者間にもカースト(階層)が生まれます。親が資産家で人生逃げ切れるひきこもりが最上位バラモン級。働かざるえない貧しい家のひきこもりは社会につながり働こうとしがちで苦悩します。不可触民みたいにひきこもりの集まる場でも下位に置かれます。中間諸階層からはいろいろな才能を生かそうとする動きが見えます。
 
〔註〕 インド社会のカーストでは最上位のバラモンは司祭者階級、カーストの外側に置かれるのが不可触民です。
 
 
かそうしごと (仮想仕事)
 
ひきこもりの居場所で「失敗しながら覚えていく」つもりで簡単な作業を続けています。自分にとっては、いっしょにいる人と関われるのが大きいです。本当の仕事ではありませんが、仮想仕事という感じです。
 
 
かね (金)
 
お金は現実を象徴し、現実そのものです。金の話をしたり、金のことを思うだけでいやな気分になります。頭の中では、社会をスムーズに回転させる役割をする人間の発明品だとはわかっています。けれども、それ以上に人を追いつめたり、悪徳を招いたりする役割をすると感じる自分です。
 
 
かねのあるいえ (金のある家)
 
親には金があるようです。家が貧乏ならひきこもらなかったと半分本気で思いました。貧乏な生活を知らないのも確かですが、貧乏だったらひきこもりも知らなかったかもしれません。
 
〔註〕 家が裕福・貧しいにかかわらずひきこもりはいます。いろんな条件や経験の組み合わせなのです。
 
 
△かぶしきとうし (株式投資) エピソード
 
(父親からの話)三十代になる息子が〇万円貸してほしいと言ってきました。株式の投資を考えているようです。貸した金が返ってくるとは思いませんが、珍しく自分から言ってきたので、応援するつもりで貸しました。
 
〔註〕 本業にするのではなさそうですが、人から聞いて株式投資を始める、郵政民営化に伴う株式発行時に購入した人もいます。株で儲けたと高級時計をプレゼントされた親もいます。親がするFX(外国為替証拠金取引)を一緒にする人もいます。利益が出た時は話しますが、話さないときは損益になっているかもしれません。
 
 
△かべはうすい (壁は薄い) エピソード
 
親から「少しは動け」とかいろいろ攻められた。むしゃくしゃして廊下を足でドンっと蹴ったら穴が開いてしまいました。ストレス解消よりも壁が薄かったのに驚きました。その後もストレスで自分の部屋の壁をこぶしでたたいたらそのときも穴が開きました。蹴らなきゃ大丈夫みたいに思っていたのに簡単に穴が開く。どんだけ壁が薄いんだか。
 
 
がむしゃら
 
自意識過剰なところがあり、人の思惑を考えすぎて勝手にくたびれています。あるときどうしてもやらなくてはならないことがありました。周りを気にせず一心にやりました。こんなにがむしゃらになるって人間っぽくてよくないですか? でも、それが続くと強迫神経的といわれますね。何もしないか、がむしゃらになるか、どちらかになりやすいです。
 
 
△からおけるーむ (カラオケルーム)
 
居場所に集まる大勢でカラオケに行くことになりました。五人前後の部屋に分かれて入るのですが、なかなか部屋を決められません。多人数が分かれてグループになるとき、どのグループに入るかは切実です。あの人がいるとちょっと気まずい、あの人がいるところがいい。それを自分で選ぶときがこのカラオケの場合です。部屋をのぞきながらその選別をする人が何人もいるので決まりません。
 
 
からっぽ (空っぽ)もう少し説明が必要 誰が来た? 支援者?
 
そのときは自室でパソコンを使いいろいろやっていました。呼ばれたような気はしたのですがよくわからないので、好きなことを続けていました。突然にドアが開いて、わけのわからないことを言われ、しかられ続けました。関係ないだろうと頭にきたんですが、言い返す間はなくどなられ続けます。怒りがわいたのですが終りにはそれも消えて、怒りで頭が空っぽです。
 
 
からっぽげんき (からっぽ元気)
 
全然動かないとまずいではないかと思い、外出しました。これという目的はなくその場かぎりの元気です。これがからっぽ元気、から元気です。
 
 
△からまわり (空回り)
 
目標があるのに無駄な動きを重ね、一人よがりの行動をするのが空回りです。
 
(1) 友人の結婚式に出席しました。式の途中に花嫁・花婿が一緒に席を回る場面がありました。友人は独りどんどん先に進み、花嫁とはだんだん距離が開いていきます。自分のことを考えても周囲の人の様子を振り返らず自分のペースで進み、気が付くと一人で何かしています。空回りです。その友人とはこんなところも似ています。
 
(2) 大きな花火大会でした。参加するためいくつかのグループができました。当日になってそれらのグループを一か所に集めようと呼びかけました。あっちと連絡ができればこっちはまた離れていく。それを繰り返していました。協力的な人もいましたが、意味が感じられなかった人もいたのです。グループの前部が集まることはなく空回りに終わり疲れました。それでもいい経験でした。
 
 
かりすまひっきー  (カリスマヒッキー)
 
ちょっとした特殊な分野にカリスマっていませんか? 特定の職業や社会グループで特異な能力を持つ目立つ人です。ひきこもり当事者にも、絶大な知名度をもつカリスマ的な人がいます。しかし、なかなか一般社会に出ていく動きは見せません。歯がゆいような私のこの感情は嫉妬なんでしょうか。それともいらだちですか、それとも何か別物?
 
 
かりてきたねこ (借りてきた猫) ピンクを書き換えたい。たいがいが借りてきた猫状態だから疲れる・・・とか。
 
借りてきた猫みたいにある場面でしゅんとしておとなしくなります。慣れた場面でないとふだんと違って静かになる様子です。私の場合はたいがい借りてきた猫みたいです。慣れていない感じで、生きいきするときとの差が大きい。
 
〽〔川柳もどき五七五〕 ひきこもり 植物のように 聞いている  〔古菫〕
 
 
かれかけのはな (枯れかけの花)
 
水をやっても生気をふきかえしそうもない花が枯れかけの花。ちょうど私みたいです。それでも水を与えられると少しは元気になります。私にとっての水は、私に関心を持ち、思いを寄せてくれることです。枯れかけの花も水がほしいのです。
 
 
かんこんそうさい (冠婚葬祭)
 
親戚が久しぶりに集まる場が冠婚葬祭です。「いま何をやっているの?」ときかれると、返答に困ります。ついにはほうぼうからの質問責めにされ、針のむしろと化してしまう場です。予防措置として、そういう場には出ないようにしたいです。
 
 
がんばったちょきん (がんばった貯金)
 
うつ気分で何をするにも億劫です。そんななかでも少し片付けができた、がんばって課題をひとつやり遂げた。そんな自分へのご褒美に貯金箱に小銭を入れます。がんばった貯金と呼んでいます。ときどき隙間からのぞいたり重さを確認してたのしんでいます。
 
 
かんぺき (完璧)
 
何事も隅々まで行き届くように心がけてはいるものの、自分では不十分で完璧ではないと思います。それでも完璧主義といわれます。自分では気づかないうちに完璧でないといけない、どこかに見逃しはないかと思います。私にとってはこれが当たり前の現象です。
 
 
ぎえんきん (義援金)    挿し絵
 
働いていないので収入はありません。必要な行動と買い物のために毎月(またはそのつど)親からお金をもらいます。これは小遣いというよりは義援金と考えています。
 
 
きおくれ (気後れ) 「きおくれ」は、ひるむ、尻込みする。相手の勢いや雰囲気などに押されてひるむ
 
気分が乗らない、その気にならない、気持ちがそがれるのが気後れです。ある音楽イベントの会場に一人参加するつもりで向かいました。前を若い男女が並んで歩いています。会場に近づくとカップルが増えてきます。一人で歩く自分は気後れして、次の信号で会場の方向から離れる道に進みました。いったい自分はどこに向かうのでしょう・・・か?
 
 
△ききじょうず (聞き上手)
 
話し下手、口ベタの対角線的な反対語が聞き上手です。聞くの反対は話す。下手の反対は上手。だから話し下手の対角線的反対は聞き上手です。私は話し下手(口ベタ)ですが話し上手になる自信はありません。でも聞くことならできそうです。聞き上手を密かにねらっています。
 
 
ききみみ (聞き耳)エピソード
 
親が呼んだひきこもり支援者が自宅に来ました。絶対合わないと言っていたのに無視されました。二階に自分の部屋があり、その人が来ても部屋からは出る気になりません。一階で親と話しているので、聞き耳を立てて様子をうかがいます。話す雰囲気でどういう人なのかは見当がつきます。ときどき話し声や笑い声も聞こえますが内容はわかりません。あまり強引な人ではなさそうで少し安心。それでも会う気にはなれませんでしたが、様子うかがいはできました。
 
 
×ギクッとする もう少し“ひきこもり“によせたものにしたい
 
外出時にめったにない親からの連絡があると、ギクッとしませんか? 不測の事態を予期するからだの反応です。親も年だし何があってもおかしくないですから。嫁に行った妹が来たから早く帰れとか言うのならいいんですが…。
 
 
×ぎじれんあい (疑似恋愛) もう少し“ひきこもり”によせたものにしたい
 
家族間の親子の愛、きょうだい愛、先生と弟子・生徒の師弟愛、友達間の友情、男女間の恋愛。愛情にはいろんな形があります。ある人とかかわりがあり、その人との関係を考えました。私はこの人との関係を恋愛に感じたときがいちばんです。自分のなかでいちばんエネルギーが強まり、自分を変化させる関係が恋愛だと気づきました。本当かどうかはさておき疑似恋愛と考えています。
 
 
きすいいき (汽水域)
 
川が海にそそぐ場所は真水と海水(塩水)が入り混じる地域で、汽水域といいます。一般人とひきこもりの両方が接触し混じり合う場所は、汽水域みたいです。役所や職場などですが、居場所にもそれらしい面があります。自分は一般社会に入る前に両者が混じり合う汽水域を経験して慣れていきました。
 
 
きずつく (傷つく)
 
身体的な傷ではなく、心理的なダメージを受けるばあいも傷つくといいます。
 
(1) 絵を描いて教室に貼っておいたんです。それを見た人が「あんまり丁寧に描いていなくて~」だめみたいなことを言っているのを偶然聞きました。一人こっそり傷つきました。
 
これだけにする(2) 些細なこと(?)でよく傷つきます。攻撃されるなどのはっきりしたことではありません。好きな食べ物が違う、音楽の趣味が違うためで落ちこんだこともあります。これも傷つきの一種です。人に関わらない、関わりを避ける、人と会わない、外出がおっくうになる。自分のこの状態は、自分が傷つかないための予防処置かもしれません。傷つきやすいとそこまで予防的になるのです。
 
 
きせき (奇跡)
 
友達になれそうな人ができ、その人が好きという音楽を聞かせてくれました。あまりいい曲とは思わないでいたところで感想を聞かれました。一瞬迷いましたが「二〇点くらい」と答えました。そうしたら「よかった。正直に言ってくれたから信頼できる」というのです。上辺の調子を合わせるような付き合いを続けてきた私には嬉しい出来事でした。思いもしない反応は奇跡だと思います。
 
 
ぎそう (擬装)    挿し絵
 
自分の正体をあからさまにするといいことはありません。強そうに見られたい、賢そうに見られたい、明るい性格に見られたい、友達がいるように見せる…そのために工夫します。自分のことはわかっているので、それが一時しのぎとわかっています。擬装工作している気分です。
 
 
きたい (期待)  4コマ(ノア)
 
(1) こんな状態でいると、自分に対して誰かからの働きかけがあったとき、その人が私に対して期待しているものも一緒に見えます。働きかけはあってもいいときはあるけれども、期待が一緒についてくるのが重荷です。働きかけてほしいけれども期待はしないでください。
 
(2) 調子のいい人が「あのアニメはとてもいい」と言うので見たら、悪くはないのですが「とてもいい」は大げさだと思います。「あの人はほんとにいい人!」というのでその気になって会ったのですがそれほどでもありません。こういうことばを聞くと何かいいことがあるかもと過剰に期待するところがあります。そのぶんがっかりします。
 
〔註〕 期待は相手の性格が関係し、信頼度も違います。期待だけを先行して関わると相手不在になります。
 
 
きたくぶ (帰宅部) ピンクの部分を広げる
 
運動が苦手で中学・高校時代は文化部にいました。しかしその文化部も休みがちで気づくと授業が終わるとすぐに帰る生活です。どの部活動にも参加しない、帰宅部です。私には誰かにかかわる気持ちがなかったみたいです。
 
きちとのそうぐう (既知との遭遇)
 
未知との遭遇の反対語。未知との遭遇は、少しわくわくしながらも何となく怖いものだったりします。既知との遭遇は、散歩していて既に知っている人と思わぬところでばったり会ったときのことです。どんな顔つき、どんなことば、どんな挙動をすればいいのか戸惑います。未知との遭遇よりも、衝動は大きいです。
 
△きづき (気付き)  ⇒失敗、を見出しにする?ひきこもりに少しよせる
 
気付くことが大事です。関わっていることに改めて何かを見つけるのが気付きです。いい話を聞く、何かに挑む人を見る、本や映画によっても気付くこともあります。でも私がいちばん気付いたのは失敗したときです。何かをしようとしてうまくいかない人に手を貸してあげようとしました。そしたら「今までこれができないので、自分でやりたいんです」と手助けを断られました。はっとしました。それができるかできないかが問題じゃない、自分にできるようにするのが大事なんだって。そこに気付いたときです。
 
 
きにしすぎ (気にし過ぎ)
 
仕事で取り返しがつかないことをしました。恐るおそる隣の相棒に話すと全然気にしていません。それぐらいならおれはよくあるといいます。確かに自分は細かなことを気にするたちかもしれませんが、それでも失敗は失敗です。相棒にはそれぐらいは個人差と言われました。物事は決まった通りにするものと考えてきましたが、一人ひとりで微妙に違うし、相棒なんかはそのつど違うとも言います。その判断ができないのが自分の弱点です。
 
 
きはく (希薄)
 
人と話していると自分が消える感じがします。相手の調子にあわせているばかりで自分の感じたままを話していません。自分が考えや意見のない人に思え、存在すら希薄だと思います。
 
 
きばらし (気晴らし)
 
落ち込んだときに必要なこと。少し重い気分のときに必要なのは気分転換や気晴らしです。気分を変える、気分転換、切り替えが下手です。無理やり「気晴らし」といっていますが、何分ももたず気が重くなります。気晴らしをしても気が晴れてはいません。
 
 
きもちがついていかない (気持ちがついていかない)
 
ピンクの部分を掘り下げたい
 
福祉の相談のため役所に行きました。いざ窓口に着こうとしたとき尻込みしました。ここでお願いではなく、もっと別の方法があるのではないか、自分の気持ちをつかみかねていました。「待って! 気持ちが…」と同行した人に声をかけていました。慎重なのか不決断なのかもしれませんが、責任感にも負けていました。
 
 
おんち (気持ち音痴)
 
(1) 人の気持ちがわからずKY(空気読めない)と言われています。歌が歌えない音痴がいるなら、気持ちがわからない音痴もいる。それが気持ち音痴。感情音痴でもいい。そう受け取ってもらいたいです。
 
 
別の題語をたてる(2) 公平や客観性を重視して生きてきた私の最大弱点が人間の感情音痴です。 嬉しいとか悲しいはわかるつもりですが、何か違います。だから気持ちや感情はよくわからないことにしています。それで人の直接の意見を聞かないで相手の身の周りの判断をするのはやめています。私の生きづらさの根っこです。知識や世界のことなど感情が関係しない分野は楽です。
 
 
きもん (鬼門)
 
私にとっての家族は鬼門です。うまくいかない場所、苦手なことを鬼門といいますが、私には疫病神がやってくるところが家族です。その意味で家族は鬼門です。
 
 
ぎゃくひきこもり (逆ひきこもり)
 
家から出かけてわりとたのしい時間をすぎた日のことです。なんだか家に帰りたくないと思いました。そういうことが何回か重なってきて、これはひきこもりの反対、逆ひきこもりだと思いました。
 
 
×きゅうきゅうたいいん (救急隊員) エピソード
 
救急隊の本来の仕事は、病気や怪我の人を医療機関に送る役割だと思います。ひきこもり対応をしているわけではありません。ただ私はパニックになって救急車を呼んだあと、繰り返して救急隊に電話しました。それが重なり隊員と顔見知りになりました。あるとき救急車に乗せてもらい病院ではなく近辺を回り、気分を落ち着かせるドライブ(?)になりました。こういう知り合いになるとは全く想定外です。ありがたかったです。
 
 
ギュっとされる (1)(2)をあわせてひとつにする
 
安心できる人から抱きとめてもらうこと、ハグです。心が満たされる感じです。
 
(1) 体調が悪くて電車ではなくタクシーで帰ることになりました。同乗してくれる人がいました。途中で座っている状態がきつくなり、座席から崩れ落ちそうです。そしたら後ろからギュっと抱えて支えてくれました。とても大切にされた気持ちになりました。
 
(2) 親からの愛情を感じたかったんです。大きな安心を感じるのがギュッと抱きしめてくれるとき。理屈抜きで、とにかく安心したかったんです。
 
 
きょうかいのいのり (教会の祈り)エピソード
 
毎週とまではいきませんがキリスト教の教会に行きお祈りをしています。お祈りすれば落ち着くというか穏やかな気持ちにさせてくれます。信者ではありませんが、牧師さんと話すと安心です。
 
 
きょうき (狂気) もう少し説明がほしい
 
この世に生きているという存在感覚がうすれて、あるとき異次元に入っていった瞬間がありました。その時の自分の姿は見えませんが凄惨だったかもしれません。倒れていたと思います。気持ちのいいものではありませんが、正気と狂気の境目は、それほど厚くないと実感がしました。
 
 
きょうく (共苦) もう少し説明入れたい
 
さまざまな理由で「弱くあること」を共通の媒介として人と人とがつながる関係。弱さを出せる人がいると助かります。そういう思いから相手の弱さを聞いてあげられるように心がけ、その聞く力をつけたいと思います。
 
 
きょうだいげんか (きょうだい喧嘩) きょうだいとの関係性とか、微妙な感じが分かるものにしたい
 
兄がすごく怒り、けんかになりました。怖くなって生活用具を大きめのキャリーバッグに詰め込んで家を出ました。行く先は相談先です。その日はそこに泊めてもらいました。親とは連絡が取れるので家を出た事情を話しました。親の手配したところでしばらくは生活し兄との関係を落ち着かせたいです。
 
〔註〕 きょうだいの関係で家を飛び出した女性もいます。短期のワンルームマンションに入ったあたりで父親と連絡がとれました。ひきこもる人には、きょうだい関係が険悪になったとき、父母が緩衝役になる場合は落ち着きやすいです。
 
 
きょうどうせいかつあん (共同生活案) エピソード 
 
「住むところ」に焦点をあてる?
 
遠い先のことになります。Pくんとの共同生活を考えています。Pくんは一人っ子で家族一緒に一軒家に住んでいます。自分には兄がいるので、いまの家は出なくてはなりません。それを知っていてPくんが話してきたのが、将来Pくんの家で共同生活をしようです。まだかなり先のことで決まっているのではありません。住むところがなくて、収入が少ないのなら、住むところの解決策になるかもしれません。
 
 
きょうふう・きょうう  (強風・強雨)   挿し絵2点
 
嵐のような強い風や強い雨の日が晴れている日よりも好きかもしれません。通りから人影が消え、そんな時は意外に外に出られます。雨の中をべちょべちょにぬれながら歩いていました。「どうしてこんなことをしているんだろう」と思いつつも、いつもは人影を気にして生きているとわかります。
 
 
きょじゃくきしつ (虚弱気質)
 
虚弱体質という人がいますね。からだが弱くて体育なんかをよく休んでいる人です。同じように心が弱い人を虚弱気質と認定してほしいです。自己主張ができない、自分に正当性があるとわかっていても言い返せない性格のことを指します。虚弱気質が公認ならば、もっと自分のことも認められそうな気がします。
 
 
きょしょく (拒食) エピソード
 
拒食と過食を繰り返していますが、もともとはダイエットから始めた拒食です。十代のころ自分はだめな人間、体型が太り気味なのでそれを何とかしようと思って始めたのがダイエットです。
 
〔註〕 拒食症という極端な人は見かけず、過食に悩む人が多かったと思います。見た範囲ではストレスや服薬に関係します。
 
 
きょぞう  (虚像) 4コマ(ノア)
 
人の前では多少とも元気に振る舞って大丈夫オーラを出しています。そういう私を見て私のことをわかったつもりの人もいるはずです。それは私の虚像です。だから本当の私の姿をちっとも理解してはいません。そういう虚像づくりに毎日を費やしている気がします。
 
 
きょどる (挙どる) もう少し“ひきこもり”によせたい
 
挙動不審の動詞形。初めてのことに取り組む、人が見ている場で話す、そんなときは失敗してはいけない気持ちが強くなります。緊張感が高まり、自分でも動きがおかしいと思います。傍から見たら挙動不審でしょう。そういう自分は挙どっています。
 
 
きらわれいでんし (嫌われ遺伝子) 
 
人に会うと自分は相手に嫌われているのではないか、相手を不快にさせるのではないか、と思ってしまいます。ほとんど瞬間的に相手の言動に敏感に反応してしまうので先天的ではないかと思うほどです。これは遺伝子レベルの問題です。それくらい身に付いた感覚です。
 
 
きりのなか (霧の中)
 
周りがよくわからないまま生きてきました。ある所で生活相談したのですが、話されることばは確かでしょうが、実感がわきません。よくわからないまま生きてきた、霧の中の生活だったと思います。いまなおそんな状態でいます。
 
 
△きれる (切れる) 
 
怒りの感情が臨界点を突破するときの感覚です。それまで抑制していたのに抑制しきれなくなって爆発します。その爆発のしかたは個人差があって、「ばかやろう」と叫ぶ、物を壊す人もいます。私のその瞬間にわれに返るみたいで鬱になります。
 
〔註〕 切れるときに、落ち込んで寝込むタイプは少なくありません。
 
 
きをつかわれる (気を遣われる)
 
手元にあるものを「取ってください」といわれると気軽に手渡しできます。でも気を遣ってわざわざ取りに来る人もいます。気を遣わないで声をかけて欲しいと思います。立場を逆にしたとき、私は誰かに気安く取ってくださいとは言えそうにありません。変かもしれないけど、これが私です。気を遣うけれども、気を遣われたくないのです。
 
 
△ぎんこういんのにおい (銀行員の臭い) ピンクの部分を掘り下げる?
 
「きょう来るときに銀行員みたいな臭いがしていた」、「銀行員? 病院の臭いならなんとなくわかるけどな」、「うん、仕事人というかビジネスマンにあるような臭いですよ」、「へー、そんなのを嗅ぎ取るんだ」「サラリーマンの臭いかな。電車が混んでいたんでね」。嗅覚が優れているのでしょう。
 
 
きんしげんそう (禁止幻想)
 
思い描いた方向への道はストップをかけられました。そうすればストップをかけた人の思う方向の道を選ぶはずだから。そんな思いの中で育ちました。何かをしたいときストップをかけられた思いだけが残っています。それが禁止幻想。いまも自分でしたいことがあるとき、自分で自分にストップをかけてしまいます。禁止すれば、思い通りの方向に進むという幻想のなかで生きている感じです。
 
 
ぐしゃ (愚者)
 
愚か者です。心の奥底では愚者であればよかったと思っています。へんにいろんなことがわかるから、迷い、苦しみ、自己嫌悪になるのじゃないか。いろんなことが理解できない人間だったら…それがいいのか本当はわかりませんけど。でも本当はすでに愚者かもしれません。
 
 
くすり (薬) ピンクの部分を話の中心にもってくる?
 
睡眠薬、向精神薬などを服用している人は少なからずいます。実際の服用の状況はさまざまです。長期の服用者は、肥満や便秘などの副作用に悩む人もいます。
 
(1)医師から処方された薬はちゃんと飲むように言われています。几帳面に守っています。決められた約束事を外せない性格になっています。
 
(2) うつになりやすい時期には抗うつ薬が欲しくなり、医師にその薬に見合う症状を訴えて薬の処方をしてもらうことがあります。
 
〔註〕 薬の効能などをよく知っている人は多いです。医師との間でちょっとした情報戦を交わしています。
 
 
くちげんか (口げんか) ピンクの部分を掘り下げる?
 
二〇人近く集まり教室ほどの広さの場で数人が話をしています。一か所で口げんかが始まりました。心配になり主宰者を見たら、少し離れて様子を見ています。なぜすぐに止めないのか…と焦りました。あとで聞いたら「お互いの言い分を聞きあうことができればいいから~」といいます。暴力でなくても暴言で傷つくこともあるのに。納得できなかったのですが誰かが中に入って止め二人は離れました。
 
〔註〕 自分の考え方や意見を互いに話せる関係づくりが目標の一つです。意見が違うのを恐れて言わない、雰囲気に流されて心にもない同調をする、その繰り返しの向こう側に本当の意見交換があります。
 
 
くつ (靴) ピンクの部分を話の中心にする?
 
自宅近くで火事がありました。心配になって(好奇心もあって)見に行こうと玄関に急ぎます。自分の靴がない! そうかこのところ外に出ていなかったので、どこかに片付けられたようです。やむなくセッタのような履物で出かけました。近所の火事は消防車が来たわりにはたいしたことにはなりません。それよりも自分の靴はどうなったかが気がかりな一日でした。靴は外出行動の象徴です。
 
 
クリスマス (Christmas)    挿し絵
 
クリスマスになると周りの人たちがどことなく元気になり、置いていかれる私は少し寂しくなります。でも一日だけうらやましいと辛抱していればやりすごせる日がクリスマス。それよりも後の年末年始の休日は数日つづき、親戚なんかがやってくるからそれ以上に気が重くなります。身の置きどころに困る、姿がさらされる気分になります。
 
 
△クレイマー (claimer) ピンクの部分を話の中心にもってくる?
 
一人住まいをしています。今月は水道料金が異様に高いです。私はいろんなことに不正や怒りを感じやすいので、これをそのまま水道会社に言うのが心配になりました。文句を言いがちなクレイマーとして目をつけられるかもしれません。ある人にその請求伝票を見せたら驚いて、こんな料金ありえないと言います。勇気を奮って水道会社に電話をしたら、すぐに謝り、訂正すると言いました。日ごろからおかしいと感じやすいと、本当におかしいこととの区別がつかないみたいです。
 
 
△ぐれる
 
すごく頭にきたときのストレス解消はゲームです。気分はぐれながらゲームをしています。怒った親への不満をゲームにぶつけます。それがぐれる。そのままおもしろくなってゲームを続けるときもあれば、なかなか気分が晴れないときもあります。どっちにしてもゲームの時間は長くなります。
 
 
くんれん (訓練) ピンクの部分が少し分かりづらいです
 
社会参加には訓練が必要といわれます。「できない」「したことがない」「わからない」ことが多いので、それはわかります。けれども、仕事に関係することで訓練すると言われると、自分が納得していない社会に適応を迫られる気持ちになります。自然な移行ではなく、無理矢理にレールに乗せられる感じ、それが訓練です。同じようなことでも練習といわれるのがいいです。自然に進むのがよくて、無理矢理はダメです。
 
 
けいたいでんわ (携帯電話)
 
外出も少ないし、電話をかけてくる人もいません。一人でも親しい人ができると、携帯電話をもっていないとその「知人」を確保し「友人」にする可能性をなくしそうです。それで安心のために携帯を持つようになりました。心の底には人と関わる気持ちがあるので、それを引き出す小道具にできるはずです。数か月しても使うのは知人相手ではなく、天気予報を確かめることです。
 
 
げた (下駄)     挿し絵 ピンクの部分が分かりづらいです
 
自分以外子どもは親から愛情という名の下駄をはかせてもらっています。私は裸足(はだし)で、自分の実力だけで勝負し、そして負けています。なんか悔しいけれどもそれしかなりません。愛情は心の背丈を高くするエネルギーを与えてくれますし、その象徴が下駄をはかせてもらうことです。
 
 
けっこん (結婚) 再考します
 
結婚はひきこもり当事者には高いハードルです。特に男性はそうですが、男性で結婚したケースもあります。
 
(1) 彼女が妊娠したと言います。ひきこもりが子育てできるのか。その前に結婚できるのかと心配になり居場所に相談に行きました。いろいろなことを話したと思うんですが、「これはおめでとうじゃないの」と言われました。そのことばが決定打だったのかな? そのあと結婚し子どもも産まれました。
 
(2) 結婚しましたが最初から一緒に住んでいません。一緒に住むのが苦痛です。それで別居結婚。働いていなくて親の仕送りも受けています。妻の意見でこの形ができ、続いています。
 
〔参考〕 二条淳也のブログ「中年ひきこもり」http://www.futoko.info/zzblogd/
 
〔註〕 男女差があります。
 
(男性:相手は一般女性) 生活をしていくのに責任が重くて踏み込めず、結婚をあきらめる。その前に個人的な付き合いもあきらめやすいです。女性の強い要望、子どもができた、などにより結婚する人もいますがレアケースです。
 
(女性:相手は一般男性) 男性より壁は低く、一般男性と結婚する人が多いです。しかし日常生活、結婚した後の親族との付き合い、子育ての喜びに伴う苦労、子育てを通じてつながる保育所・学校との関係で悩みが生まれます。
 
 
けつだん (決断する) ◎コラム(保留します)? このままでOK 
 
物事をなかなか決められません。自分の気持ちに沿って動き、進むことが難しいのです。自信がない、能力がない、失敗を恐れる、完璧でないといけないなどの気持ちがあって邪魔をするのです。ときには相反することを同時に求める気持ちから決められないこともあります。これは優先順位や相対的な重点がわからなくなるためです。
 
〔参照語〕 自分不信、責任感、助けて。
 
〔註〕 愛情を受けることは心の背丈を高くしてくれます。ものを決める力が付きます。
 
 
△けっちゃく (決着)
 
父がまだ比較的若い(五〇代)で病死しました。これまでの父との関係や家族のこと、自分がなかなか仕事に就けずにいたことなどを話し合いたかったのに。話す時期はまだ来ていなかったと思うけれども、父との間ではその決着ができていなかったのが心残りです。
 
 
けはい (気配)
 
電気自動車は音が静かでいいけれど、近づいているのに気づかず危険もあるそうです。それでわざと音を出す工夫をしています。私は動くとき気配を消して動きます。いつ来たのかいつ離れたのかわからなくしたいのです。あるとき知り合いのすぐ近くにいたらびっくりされました。近くにいるのがわからずにいたのです。音を出し、気配を伝えないと危険を感じさせます。
 
 
ケミストリー (chemistry)
 
化学反応のことですが、人間関係から生まれる相互の反応として使われます。とりわけ積極的、肯定的な反応について使われることが多いようです。ひきこもり同士の人間関係においてはそれが著しく少なく、いつまでも単独の原子・分子のまま隣の原子・分子と接点や組み合わせを持てません。それはケミストリーがないことです。
 
 
ゲームオーバー (game-over)
 
生活が成り立たなくなり、生活保護を受けることになりました。そのときに出たことばが「これで人生ゲームオーバーかな」でした。人生は終わった(ゲームオーバー)はずですが、その後も人生は続いています。本当はそこから人生が始まったのかもしれません。
 
〔監修者の心構え・その4〕 「ピンチはチャンスになりうる」
 
 
げんじつかいひ (現実回避)
 
「現実」とは毎日の生活、社会です。そこにいると栄養もあるのでしょうが毒を感じます。毒を「ストレス解消」で適当に処理できる人は問題ないです。私はそれが苦手です。不登校やひきこもりは私のストレス解消でしたが、現実回避(逃げている)といわれます。自分が自分であるにはストレスの解消が必要です。私には喫煙や空想と同様にひきこもりも現実回避であってストレスの解消法です。
 
 
けんてい (検定)   挿し絵 エピソード
 
検定や資格のために勉強するのが好きです。ただそれが仕事につながるとは考えませんし、わかりません。受検して合格して資格を取る、それ自体が目的になります。それなりに集中できるので時間つぶし、気分転換になります。私には充実した時間です。検定や資格を得た後のことはわからず、コレクターになります。
 
 
こうこうのさんそんりゅうがく (高校の山村留学)
 
ピンクの部分を掘り下げたい
 
二十代後半の男です。家族と離れたいので高校の山村留学先を探しています。その前に高校卒業認定試験はどうか、定時制や通信制高校はどうかも考えました。親に話したのですが何の反応もなし。無関心かもしれません。常日頃から親と話せず、一緒に家に居づらいので離れたいと思いました。それが親と離れて高校の卒業をめざし、寄宿舎のある高校に入る方法です。二十代も後半になると自分で道を探すしかなく、簡単ではありません。
 
 
ごうそっきゅう (剛速球)
 
楽しみなところに行くので朝早く起き、準備を始めます。八時には家を出て余裕を持って待ち合わせの場に行くつもりです。いつもの自分と違いてきぱきと外出に必要なものをそろえます。気分は剛速球の動きです。でも待ち合わせ時間には間に合いませんでした。これでもよくやったほうなんですが、遅れたことを謝る羽目になりました。
 
 
△こうだんじゅうたく (公団住宅) 住宅として書き換える?
 
家族で公団住宅に住んでいます。親の名義なので親が亡くなれば出ていかなくてはならないでしょう。しかし、行く先はないし、行く先ができたとしてもそのための金が心配です。もしかしたら生活保護になるかもしれません。とにかくどうであれいまいる公団住宅に住み続ける方法を考えたいです。
 
〔註〕 住宅問題は高年齢化したひきこもりには避けがたい問題です。
 
 
こうつうひ (交通費) エピソード
 
意欲、時間、交通費の三つが居場所に行くために必要なものです。いまバイトで働いています。バイトをする前は時間がありました。バイトをすると時間が取れなくなりました。居場所に行く回数が減ったのです。いちばん大事なのは意欲があることです。前は人とのコミュニケーションをとれるようにしたくて居場所に通いました。いまは親しくなれた人と会うために行きたい気持ちになります。どの場合でも交通費は必要です。往復千円以上になるので、前はそれが毎月の小遣い支出の重要項目でした。いまはアルバイトの収入があるので少しは楽です。しかし、行くと飲食代もいるので費用的には楽とは言えません。
 
 
こえられない (超えられない)
 
自分と合いそうな女性がいました。個人的に付き合うとなるとどうしても先を考えます。「結婚して幸せになる」と言うんですが、幸せにする自信はないし、苦労を掛けすぎるかもしれません。「ともに苦労するのが結婚」ともいいますが、気持ち的にその人と付き合う方向には進めませんでした。何か超えられないです。
 
 
×こくられた (告られた)
 
十人以上集まる食事会がありました。会の途中で席を立ったときKくんが近づいてきて私に告って来ました。うれしくなって場に戻ったとき「Kくんに告られた」と発表しました。あとでKくんに怒られ破談です。まだ私はいいともいやとも返事をしていないのにひどいと言われました。始まる前に終わりです。アルコールも関係して有頂天になっていましたね。
 
 
こころのカーテン (心のcurtain)   挿し絵
 
いつも部屋を閉めきり、窓のカーテンも閉めています。カーテンを閉めている以上に心を閉めているのです。人や社会に向けて心が開かないとカーテンも開けられません。
 
 
 
こころのていおんやけど (心の低温やけど)
 
低温やけどはカイロなど低温度に長時間触れ続けることで生じるやけどです。気づかないうちになっていることもあるようです。同じように軽い心のダメージでも長くさらされているとダメージが深く残ります。それが心の低温やけどです。自分で気づいていない程度でも後に重症のこともあります。いじめを受けたダメージが後で出てくるのがそれです。
 
 
こころのなかではいそがしい (心の中では忙しい)  4コマ(ノア)
 
昨夜考えておいた予定に沿って九時には出かけるつもりでした。朝早くおきて、準備開始ですが思うように進みません。頭の中では次はこれ、その次はあれ、と働いているのですがいっこうに進みません。かばんの中に入れた物に忘れ物がないかと調べなおし、材料はこれでよかったのかともう一度考え直し、頭は少しも休んでいません。結局、九時をかなり回ってから家を出ました。
 
 
こっぱみじん (木っ端微塵)
 
自己主張できない結果を予測した状態です。私にとって人と言い争いになることはとんでもないことです。争う前から、ことの正当性がどうであれ、徹底的に打ちのめされてしまう予感がします。これは木っ端微塵な目に会うことです。
 
 
こどくかん (孤独感)
 
私の孤独感は詩的表現にあるような孤独感とは違い、うつ状態の一つです。自分が無価値に感じて苦しくなります。心臓がドキドキと打つ、唇が乾くなどの身体症状が出ることもあります。子ども時代に孤独体験をしていると、それが思い返されて回路ができているように孤独感に陥りやすくなります。
 
 
こどくし・こりつし (孤独死・孤立死)
 
親が亡くなると家族はいません。そして最後に避けられないのが孤独死・孤立死と予想できます。それを覚悟して(知り合いがいると負担をかけそうなので)一人でいる時間を多くし、人と会わないようにしています。
 
〔註〕 社会的なバックアップがいる課題です。
 
 
△このままじゃおわらない (このままじゃ終わらない)   挿し絵 ひきこもりにもう少しよせたい
 
一発逆転をねらいジタバタして失敗しました。「このまま終わらせない、終わってたまるか」と思う一方、本音のところでは不安もあります。これまでもこの繰り返しでしたが、次はじっくりと着実に進もうと思います。いずれ何かを得られると心に描いています。
 
 
×ごひゃくえんこうか (五百円硬貨) ひきこもりにもう少しよせたい
 
居場所の玄関付近に五百円硬貨が落ちていました。スタッフに届けておいたところ「五百円硬貨を落とした人は連絡ください」と玄関にお知らせが書かれました。何か月たっても持ち主は現れずに、五百円硬貨はそのままみたいです。自分が落としたと証拠立てられないと持っていけないのでしょう。正直にもほどがある! と思います。
 
 
こもる (籠る) 4コマ
 
 
△ごみやしき (ごみ屋敷)    挿し絵 ピンクの部分を掘り下げる?
 
物が捨てられなくて、ついに部屋からあふれて、ときには家の周囲にまであふれます。これをごみ屋敷といいます。自分の部屋の様子をみると、他人事とは思えません。ごみ屋敷にはなりませんが、片付けられない点はほんとに似ています。
 
 
コモリンみさき (Cape Comorin) コラム? 別立てで入れる?
 
インド亜大陸最南端、インド洋に突き出ている岬がコモリン岬。そんな話が出たところで、ひきこもった生活を説明するとき「インドの最南端にしばらく行っていた」と引き取って話した人がいます。
 
 
ごらく (娯楽)
 
娯楽(ごらく)は堕落(だらく)の類義語のような気がします。文字は異なっているけれども、発音は似ています。たのしむことを堕落していると感じるので物事を自然にたのしめないのかもしれません。たのしむのをうとましく思ってしまうのです。
 
 
×コレクション (collection)   4コマ(ヒーリングストーン)
 
(1) 古いレコード・CDを集めています。買うのは高いですが、売ろうとしたらよほどのものでないと金にならず売らないほうがいいです。部屋の片づけならいいです。
 
(2) パソコンの部品で部屋はいっぱいです。道端に置かれている廃棄パソコンを拾うこともあります。コレクションというよりは組み立てる、バージョンアップや修理に使う部品で実用的な用途があります。
 
〔註〕 コレクションはその分野のマニア的な話は通じる人でないと話さないし、聞いてもわかりません。監修者には話してもらえず、知らない分野のことが多いと思います。石、貝殻、木片(流木)、パワーストーンなどを集める話はありました。
 
 
コンビニ (convenience store)
 
コンビニ(コンビニエンスストアー)とスーパー(スーパーマーケット)は似ています。厳密にいえばコンビニの方が行きやすいです。スーパーは、生活感の表われやレジの人と顔なじみになりやすく、コンビニのレジはほとんど通過するだけです。だからスーパーでのコミュニケーション圧力が「ちょっと上」、少しハードルが高いです。
 
 
 
 
 
 
 
  
 
◎『ひきこもり国語辞典』を出版することになりました。<br>
 
◎『ひきこもり国語辞典』を出版することになりました。<br>

2020年5月29日 (金) 15:21時点における版

か行

◎『ひきこもり国語辞典』を出版することになりました。
編集の事情があり、当分このページは取り下げます。
手作り版『ひきこもり国語辞典』の販売を中止します。
2020年の販売をお待ちください(発行は時事通信出版局)。
2019年12月21日
不登校情報センター 松田武己


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