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ひきこもり国語辞典・辞書編た行

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==た行==
 
==た行==
た行 4
 
×たいいくのじゅぎょう (体育の授業)
 
運動が苦手なのでその日に体育があるだけで学校を休みたくなる。マラソン大会、運動会などでは本気で休もうと思う。休んだこともある。
 
〔註〕 運動・スポーツが苦手なひきこもりの人は多いですが、スポーツ観戦の愛好者はいろいろいます。プロレスリングなどの格闘技とプロ野球、サッカーなどの球技。
 
 
だいえっと (ダイエット)
 
体型面から太らない、痩せたいという気持ちを実現しようとする減食方法。多くは女性に特徴的にみられますが「大人になるのに抵抗感を持つ」ために行なうのが私の特色です。社会経験が少なく、大人になる資格がない。だからまだ“小人”でいたい気持ちも関係しています。
 
多くの人は痩せてきれいになるためにダイエットをするのかもしれません。私がダイエットするのは、大人になりたくないからです。痩せていると子どものままでいられる気がします。社会経験がなくて大人になる資格がないから、子どもでいたいのです。
 
 
たいけんき (体験記)
 
ひきこもりや不登校の体験記を発表する人がいます。創作活動の一つですが、ひきこもり当事者にとっては心理療法になっていることもあります。
 
〔本の出版〕 ひきこもりと周辺事情の体験記を出版した人。不登校情報センターに関係する人では次の四名です。水原香苗『学校なんてやだもんね』、三須かほり『マイペースがいちばん』、桜井愛『いじめとの九年戦争』(いずれも不登校情報センター監修、桐書房)、諸星ノア『ひきこもり セキラララ』(草思社)。出版でなく、二条淳也のブログ「中年ひきこもり」 http://www.futoko.info/zzblogd/の形もあります。不登校情報センターのホームページには寄せられた多数の体験記を紹介しています。
 
 
だいじょうぶです (大丈夫です)
 
心配そうに「大丈夫?」と聞かれました。「大丈夫」と答えました。そう答えてほしいことがわかるからです。本当は大丈夫なんてことはありません。相手を安心させるためです。「大丈夫じゃない」といったら困らせるのです。大丈夫? の答えは、「大丈夫」しかありません。
 
 
たいみんぐ (タイミング)     4コマ漫画
 
外出しようとしたところ髪のセットが気になりました。それを直しているうちに外出する気持ちが薄れました。電話をする、部屋を片付ける…など何かを始めるときのちょっとしたことで気持ちが揺れて薄れることがあります。これはタイミングの問題です。
 
 
たいわふよう (対話不要)
 
誰かと話したところでどうにもならないことはわかっています。ただ話を聞いて欲しいだけです。対話は不要ですし、もちろん否定や指摘はいりません。
 
〔註〕 居場所に参加する人のなかにもこの状態の人がいます。そこで関わりの持てる相手や状況を探しています。居場所に参加しているのが意思表示です。自宅にひきこもったままこの状態の人もいます。ネットを使って何かの手掛かりを得ようとする人もいます。接点がないのではなくて狭くて特殊なのです。
 
 
たからくじ (宝くじ) ※マーカーの理由の入れる? もう少し説明欲しいです
 
少ない小遣いのなかからなるべく宝くじを買っています。絶対に当たりますように念じながら。多くの人は当たらなくても当然みたいに買うと思いますが、私の場合は絶対に当たってほしいと思って買うんです。そこが違います。結局は同じとはわかっています。
 
 
だきまくら (抱き枕)※マーカーを話の柱にする
 
寝るときは大きな縫いぐるみのクマが抱き枕になり癒されます。私の安定剤です。入院することになり、それも病院に運びました。電車で入院先に向かったのですが、縫いぐるみはかなり大きいので空いていた車内で目立ち、じろじろ見られたのが修羅場でした。
 
 
だきょう (妥協)
 
自分を押し殺して周囲に同調する、溶けこもうとするのが妥協です。辞書では、互いに譲り合って解決するとありますが、しっくりきません。私にとっては妥協とは敗北に近い感覚です。自分の本当の気持ちを押し通せない、中間の折り合いは意味がなく、譲歩でしかありません。
 
 
△たすけて (助けて)
 
周りは冷たい人ばかりだと思ってきました。あのときはどうしても誰かに助けてほしかったのに声を出せません。手を差し伸べてほしい、思いやってほしかった…のに。それがあってから、どうしてほしいのかを口に出そうと思っています。
 
 
だだもれ (だだ漏れ)
 
愛情不足で育つと周りの人への親切心に見境いがなくなります。自分の世界と相手の世界との線引きができなくて、誰にでも親切心を働かせたくなります。親切心のだだもれです。そういうときの親切心に限ってそれほどのいい結果になりません。押し付けやおおきなお世話になっていないか、途中で問い直すことがあります。
 
 
△たちどまる (立ち止まる)
 
家にいてばかりじゃだめだと動き始めました。動き出した勢いのまま相談窓口に通い、人の集まる場に参加しました。気持ちが急いているらしく動きの割には何も得られない日が続きます。気持ちのどこかでそうなるかもしれないと覚悟はしていました。そんな生活が半年ぐらい続きます。「少し立ち止まったら」という人がいて、はっとしました。「休憩!」と自分に言い聞かせて休みました。立ち止まりです。いまは再始動が重いテーマです。
 
 
だっしゅつ (脱出)
 
これまでは母のせいにしていたと気づきました。子どもの頃はそれでよかったのに、もはやそうもいきません。母のせい、誰かのせいから脱出し、逃げだし、自分の姿をつくらなければなりません。
 
 
△たっせいかん (達成感)
 
二十歳を過ぎているので年金の支払い請求が来ます。これまで支払っておらず、親が留守のときに自治体の職員が事情調査に来ました。相手は自治体ですし、親がいてもどうにもできないでしょう。正直に収入がない事情を職員に話しました。事態は何も変わりませんが、自分で事態を説明できたので少し達成感があります。
 
 
△たっぷりのじかん (たっぷりの時間)
 
仕事につきたい、仕事につけるようになりたい。そう思いながら居場所に通い、パソコンを使いながら人と関わる機会を持っています。パソコンの技術がどうとかよりも、人と関われるようになるのが自分には大事なんです。いつか仕事につきたいと思うので、たっぷりの時間をおくれ。
 
 
△たばこ (タバコ、煙草)
 
(1) たばこを吸っています。たばこは気持ちを落ちつかせます。たばこを吸える場所が限られるのでその場所はよく覚えます。
 
(2) たばこを吸わないと、薬の量が増えます。薬依存を少なくするためにタバコを吸っています。
 
〔註〕 (2)の場合に根拠があるかどうかをわかりません。たばこは健康によくない、たばこの臭いがきつくて苦手。そういう事情からタバコをやめる人が多いのは社会全体の傾向で、たばこを吸う人は少なくなりました。飲酒についても同じように飲む人・飲まない人は分かれます。ひきこもり当事者のなかにも喫煙と飲酒をしない・できない人はある程度います。
 
 
旅人 4コマ
 
 
ためご (ため語)
 
「タメ」とは同年齢の意味。「タメ語」とは敬語ではなく、対等の関係でのことば遣いです。自分は未熟者だという自覚があるので、せめてことば遣いだけでもよくしたいと思います。そうすると相手が同年齢以下なのか年上なのかが気になります。「タメ語」を遣っていいのかどうか戸惑います。いきなり相手の年齢をきくのも変なので、そのあたりを気にしながら話し始めます。
 
 
ためらいさんか (ためらい参加)
 
居場所に行くつもりでしたが入り口のドアを開けられずに帰ったことがあります。初回は特にたいへんです。これは参加のためらいであり、ためらい参加です。
 
 
△ためらいでんわ (ためらい電話)
 
ネット上の情報をよく見ています。この人ならわかってもらえるかもしれないと思える人がいました。あるとき思い切って電話をしました。しかし、コールの音がするかしないうちに電話を切りました。こんなことが何度かあり、ある日「もしもし」と相手先から応答がありました。焦ってすぐに電話を切りました。ワン切りや無言電話ですが本当は違います。ためらい電話です。何度かためらい電話を重ね、いまはときどき話せるようになりました。無言電話やワン切りのなかには私のような場合もあるはずです。
 
 
△たんきばいと (短期バイト)
 
アルバイトでは失敗しないように、怒られないように、迷惑をかけないように上司や同僚に神経を遣います。仕事よりも、誰かに対する気遣いの方がはるかに疲れます。短期バイトになる原因です。。
 
 
たんじょうび (誕生日)
 
何も得られないまま年をとってしまったことを思い知らされるのが誕生日です。でもこの世に生まれたことを祝う日でもありますから、誰かが誕生日を覚えていてくれると嬉しいのも事実です。
 
 
たんじょうぷれぜんと (誕生プレゼント) ※マーカーを掘り下げたい
 
数少ない友達の誕生日にプレゼントを考えます。なぜか高すぎるものをプレゼントに買ってしまいます。何かの競争心が働いていて、自分を少し大きくアピールしたかったみたいです。
 
 
だんぜつ (断絶)
 
生まれてからずっと同じ家に住んでいます。アイツ(父)も同じ家に住んでいます。顔は合わせないようにしていますが、ときには顔を合わせます。声をかけ合うことがなくなってもう二十年以上になります。これはけんかや衝突を超えた冷たい断絶です。
 
 
ちかくがだんだんとおくなる (近くがだんだん遠くなる)
 
近いと思っていた場所が遠く感じられるようになることです。家からあまり出ない、運動をしない。それが重なり、時間が過ぎていく。以前は近いと思っていた場所をだんだん遠く感じるのです。
 
 
ちかづかないこうどう (近付かない行動)
 
よく行くお店の人には顔を覚えられたくないです。顔見知りになると、普通の感じで買い物ができそうにありません。必要な物を買うのではなく、相手にどう思われるのかを気にして買い物をするからです。そのお店の前を通るのを避け回り道をして帰ることもあります。
 
〽〔川柳もどき五七五〕 コロナより 他人の目怖い ひきこもり  〔古菫〕
 
 
ちかづかないでおーら  (近付かないでオーラ)
 
人に近づいてほしくないときは「近づかないでオーラ」を出していました。いつのまにか人といたいときに、どうしたらいいのかわからなくなっていました。人といたいのに近づかないでオーラが出ています。
 
 
△ちかんかがいもうそう (痴漢加害妄想)※マーカーを掘り下げたい
 
電車に乗ると痴漢をしたと捕まるのではと加害妄想、加害予想感がでます。電車内では両手とも吊り革をつかむようにしています。ドアの横や車両間の接続部に立つのも多いです。そうすれば痴漢と疑われることはないです。電車に乗らないのがいちばんいいのです。
 
 
ちちおや (父親)   挿し絵
 
社会の掟、約束事、世間体を示す原理主義者になりやすい立場の人。家族内の独裁者。家庭ではいろいろと弱点を示すけれども外に対してはいい親をしたがります(いわゆる外面がよい)。その落差は驚くほどですが、当人はそれに気付いておらず一個の統一体を続けられる不思議な存在です。私の父親観です。
 
〽〔自作格言〕 「無理偏にげんこつ」は父親、「過干渉に暴言」は母親。
 
 
△ちちのぼうこう (父の暴行)※エピソードが強いのでマーカーを掘り下げる?
 
母に文句を言っていたら父が止めに入ってきました。止めずに文句を続けていたら後ろから羽交い絞めにされました。暴れたら首を絞められ気絶です。母は救急車と警察を呼び、父とおれはそれぞれ事情聴取。父は暴行といわれ警察に連れていかれました。警察からは「本当はお前の問題だから」と言われました。父と母のこれまで不愉快な扱いなんかは不問です。このとき発生した事態の対処ですから、警察の言うのはわかりますが、納得いかない気持ちもあります。
 
 
ちてきなおや (知的な親)
 
親が妙に賢いと理屈でものをいいます。筋道は通っているので聞き入ります。しかし、その理屈に流されていくと子どもは自分を失います。子どもの感覚や気持ちを受けとめて、「ノー」のところも見てほしいです。子どもは理屈で育てるよりも愛情をもって受けとめてほしいのです。
 
 
△ちーむのりーだーせき (チームのリーダー席)
 
パソコンの技術はそこそこあると思います。IT関係の求人募集をみて入社面接に行きました。その場でいくつかの技術的なことを試されました。そのあとで数人チームのリーダー席を用意し採用したいといいます。予想外であり「考えさせてください」とその日は帰りました。技術的なことはともかく、体調やメンバーとのかかわりを考えると不安が強まります。安全策としてこの申し出はお断りしました。
 
 
△ちやほやされたい
 
数人で食事に行ったとき二、三人が酒を頼みました。少しもらって飲んでいるうちに、軽く酔って饒舌になり、「ちやほやされたいかな」とつい漏らしました。一緒にいた人が仲良く話していたのを見ていた私も認められたくなり、勝手に口からこぼれ出た感じです。
 
 
ちゅうせい (中性)
 
中学のころかなぁ、大人になりたくないと思ったんです。というか大人の女性になりたくなかったのです。そういうもやもやした時期が続いて、だいぶんたってからじゃあ何なの、と考えだしました。そのときに、頭に浮かんだのは中性になりたいです。女性でも男性でもなく、中性です。結局といっていいか、大人的ではない童顔のままなのはそれ影響していませんか?
 
〔註〕 人は大人になる前に男性になり、女性になります。その前の少女期が必要で、それが表われています。
 
 
ちゅうそつ (中卒)※マーカーを掘り下げたい。 
 
中学校を不登校のまま卒業しました。高校に行っていません。学歴は中学卒業です。年齢も年齢だし、世の中を見ると中卒で仕事につけるとは思わないです。とても仕事に就きたいとはいえません。そういう中卒の人は自分からは声を挙げていないでしょう。聞いたことはないです。中卒のハンディをもとにする要望を見たことがありません。中卒と自己紹介する人を見たとき、その気持ちと状態に自分と同じ匂いを感じました。
 
 
ちゅうもくされる (注目される)※少し書き換えてみましたが、意図するものと違えば、修正してください
 
家の近くで自動車事故が発生しました。いつもは人に見られないように、声を聞かれない潜んだ生活をして、人の集まる場には出かけません。しかし、このときは現場に出かけ事故の様子を見ました。集まった人たちは事故に関心が向いて私には関心が向かないので安心です。 注目して見られる感じが耐えられないです。
 
いつもは人に見られないように、声を聞かれないように潜んだ生活をして、人の集まる場には出かけません。注目して見られている感じが耐えられないのです。けれども事故現場に遭遇したとき、集まった人たちは事故に注目して誰も私を見ませんでした。その感じが忘れられません。
 
 
ちゅうやぎゃくてん (昼夜逆転)   4コマ漫画
 
生きていく目標がわからない、今日も何かをする予定もない。そうすると朝起きだす理由がなく昼まで寝ています。しかも運動もしない。からだは疲れないので夜遅くまで起きている。昼夜逆転の生活が徐々に定着しました。ひきこもり生活の悪循環です。不眠状態になりやすいです。
 
 
ちょうはつ (長髪)※(1)(2)をまとめてひとつの文にする
 
髪が長くなるのを意図的にまたはやむを得ず、長く伸ばしたままにします。
 
(1) ある一線を超えて社会に入ってはいかない、馴染むつもりはないことを暗黙のうちに表現する自己表現です。副作用として自分で髪を切ったり、セットする技術を身につくことがあります。
 
(2) 美容院に行くのを節約しています(女性)。髪が顔を隠すカーテン代わりになり、長髪は自分に合っていると思います。これは一石二鳥か?
 
 
ちょうへいせい (徴兵制)   挿し絵
 
保守系論者が言いがちなひきこもり・ニートへの特効薬的対策です。横暴な父親が家でしていることを国レベルに広げるのです。私にとってはこの社会自体がすでに徴兵制みたいなものです。
 
 
ちょっとのいっぽ (ちょっとの一歩)
 
ちょっとの一歩は人によってレベルが違います。あいさつが普通にできる人は、あいさつプラス一言を添える。あいさつができない人は、勇気を出してあいさつをしてみる。あいさつする勇気もまったく出ないなら、人のいないところであいさつの練習をしてみる。ちょっとのことでいい。あいさつに限らず、いろんなところでちょっと一歩を踏み出してみる。ぼくはそうやって少しずつ改善してきました。
 
 
△ちょっとやすむ (ちょっと休む)
 
居場所における作業中の休みの取り方です。居場所に数人が並んでパソコンに向かい作業をしています。三時に休憩の合図がありますが、手を休めません。他の人も同じで休んでもごく短時間。でも疲れたなあと思ったら三時に関係なく「ちょっと休む」と席を外したり、パソコンでYouTubeをのぞいたりします。一斉休みではなく、それぞれのペースによるひとり休み。これが居場所での休み方です。
 
 
ちんもく (沈黙)
 
数人が集まり話し合うとき、場が沈黙するのが苦手です。特に一対一で話すときが難しく、人数が多いと楽ですが多すぎるとまたダメです。雰囲気にのまれないように場から離れ、感覚を閉ざす対応もしています。これは軽い情緒不安です。沈黙に耐えられず、ついどうでもいいことを話して、話さなければいい失敗もします。
 
 
ついていく (着いていく)※マーカーを掘り下げたい
 
中学校の帰りらしい女の子が歩いていました。あ、私もあんな頃があったなと思い目で追いかけていました。でもからだも動いて、少し離れて後ろを着いて歩いていました。あの子はこれからどうするのかと気になったんです。あの頃の私を確かめるような気持でした。ちょっと怪しい行動でしたかね。
 
 
つうしんせいだいがくせい (通信制大学生)
 
二十代後半になり通信制大学に入学しました。所属ができ、社会的身分を取り戻した気分です。それがなければ単なる無職、せいぜい形だけの就職活動中にしかなりません。通信制大学生という社会的身分を得て、精神的には半分は女性の家事手伝いに近づきました。何も身分がないよりは落ち着きます。
 
 
△つうはん (通販)
 
通信販売。家から出ないでネットで注文して必要なものを手に入れる便利な方法です。通販が広がり定着したからひきこもりが増えたわけではありません。そうとは思いますがひきこもりの条件としてよくなりました。必要とするものが趣味的なものに偏ること、買うお金が親からの小遣いしかないのが問題ですね。
 
 
つかれた (疲れた)
 
居場所に通い始めたころは、周りにいる人を見て、羨ましいとか自分はもう手遅れなんじゃないかとを気にしていました。でも、他人のことはどうにもなりませんから、どうでもよくなりました。いろんなことに疲れて気を抜いたら少しは自分のペースになったみたいです。
 
 
つけあがる (つけ上がる)
 
人付き合いが苦手です。親しくしてくれそうな人が現われたので、人付き合いが苦手だったのを忘れて、馴れなれしくしていました。その人から「頼られすぎても困る」といわれ、つけあがっていたかもと反省しました。
 
 
つつぬけかん (筒抜け感)
 
精神状態が悪いときに自分が誰かに乗っ取られているのではないかと怖くなることがあります。考えていること、想像していることが周辺や気になる人に自動的に伝わってしまう感覚になります。
 
 
×つのがはえる (角が生える)
 
だんだんと怒りが出てくる気分。以前はよく使われていたみたいですが、いまはあまり使われません。しかし、私のなかでは復活しています。思い通りに進まない、止まったままだと頭の片隅から怒りがわいてきます。人が関係すると怒りがその人に向かいます。それが角が生えるです。
 
 
ツンでれ※エピソードが強いので、マーカーを少し掘り下げたい
 
すごく愛情欲求が強く、甘えたいのに甘え方がわからないために、小グループの世話役になりました。注目をあびて一瞬は嬉しいのですが、リーダーシップを発揮し、輝くことはあっても、甘えるどころか甘えられるのに嫌気がさしてきます。ついにはキレたり、うつに陥ったりします。こういうことがわかると、ツンツンしているようでも、内心はデレデレしたいのだとわかります。親がきびしくて甘え知らずに育ったのが原因と思います。
 
 
てぃーじがた (T字型)
 
思春期から二十歳ぐらいまでの子どもが寝ている母親の布団に潜り込むのはよくあるようです。でも私は三十歳を超えた男です。母と話していると母のおなかのあたりに頭を置いたT字型の姿で眠ってしまいます。安らいだ気持ちが心地いいのです。
 
 
ていたらく (体たらく)
 
これまで取り組んだことには一つとして身についた仕事はありません。これが自分の体たらくです。自分をことばのうえで貶めると自分の実態と自分の評価のバランスが図れるみたいです。
 
 
できないじまん (できない自慢)
 
別に自慢をしているつもりはありません。「これはどう、あれはどう」と勧められるたびに「できない」と思うのです。確かにやってみないうちから「できない」というのはどうかとは思うのですが、とても「やってみます」とか「できます」とは言えません。勧める人には「できないと答えるばっかり」のできない自慢をしていると思われています。
 
 
×てきぱき
 
流れ作業のある食品製造会社で短期のバイトをしました。自分が担当するところにも品ぞろえの順番が次つぎに回ってきます。とろとろしていたら流れが止まります。てきぱきと思っていたところに「もっときびきびと!」と声がかかりました。とろとろvsてきぱき・きびきび、です。
 
〔註〕 作業に慣れないこと、それに加えて判断動作が遅くなりがちだからです。
 
 
てちょう (手帳)    4コマ=白い手帳
 
手帳は持っていません。これまで持ったことはないです。毎月の予定はほんの少ししかなく、頭で覚えられる程度ですから。手帳を必要とする生活になりたいです。
 
 
てづまりかん (手詰まり感)
 
それほど多くのことに挑戦してはいませんが、自分のなかでは何をしてもうまくいかない予測がつきます。知識、常識、技術、容姿、特技、好感度などいろんなことに何一ついいところがないのです。他の人からはあれがいい、これがどうと言われてもまったく実感がありません。何事にも意欲がなく、人生が手詰まりな感じです。
 
 
でとっくす (デトックス)
 
毒消し、解毒という意味がデトックスです。身の回りや過去の経験のため気持ちがうつっぽくなりやすいです。その話を誰かに聞いてほしくなります。時間がかかりましたが、話しを聞いてもらえる相手が数人できました。話は長くなりやすいです。その人たちに話をするのがデトックスです。前は話し相手がいなくてからだに毒が回り蓄積するようでした。誰かに話せると少し解消します。
 
身のまわりや過去の経験が積み重なって心に毒がたまると誰かに話を聞いてほしくなります。長くて楽しい話ではありません。けれども、話をしてデトックスしないと、体に毒がまわって苦しいのです。
 
でるくいはうたれる (出る杭は打たれる)
 
「優れた者はねたまれる」、そこで出ないようにするのが普通の意味。ひきこもり界隈では「調子に乗って何かをすると結果はよくない」という意味になります。居場所で目立つことをすると排除・排斥されます。ときには「2ちゃんねる」でたたかれます。これは自分が「出る杭」になるためです。
 
 
てんいんかるま (店員カルマ)
 
お店で買い物をするとき他の買い物客と比べると店員から雑に扱われる感じがします。被害妄想ではないと断言できます。店員は意識してそういう態度をとるわけではないはずです。その場の雰囲気で、ひきこもりの私が放す何かの雰囲気を店員は無意識のうちに察知し人物判断をしています。
 
 
△てんけん (点検)
 
ファストフードに入って、カウンターの前に立ったところで何を注文するかを考えました。メニュー表を見ながら、一つひとつの品をチェックしていたのですが、店員さんの様子がなにか妙です。 気がつくと私の後ろには数人が並んで「早くして」の雰囲気です。メニュー選びの点検では、こんなことが何度かありました。
 
 
△でんしゃ (電車)
 
スペースが限られ身動きも制限されるのが電車です。夜、 電車で家に帰る途中、向かいの席に見覚えのある人がいます。親しくはなかったけれども高校時代の同級生です。見つけられて「どうしてる」と声をかけられたら答えづらいです。気付かれないように目をつむり眠った振りです。車内を動くと目立ちます。耳はそれとは反対に敏感になり、元同級生の動きや通過駅を間違わないようにしました。気が付かれなくてよかった…のでしょうか?
 
 
でんしゃオタク (電車オタク)※マーカーを掘り下げたい
 
電車の写真を集めています。車両の種類などには詳しくなりました。知らない人でも電車の話をしていると聞き耳を立て、情報集めをしています。
 
〔註〕 オタクは特定分野に関心をもち、情報集めでも特別な動きをします。対人関係が苦手なひきこもりが社会とつながる一つの方法です。電車はいろいろな角度から関心を持っています。車両の機械設計図を集める、駅ごとのダイヤ改正表を作成する、山手線を何周も回る、写真を撮るなど。車いすの利用者を想定して地下鉄を含む多数の駅のトイレの所在場所を作成した人もいます。
 
 
×テンパる
 
麻雀(マージャン)であと一つの牌がそろえば完成する状態をテンパイといいます。その動詞形がテンパる。他のメンツ(面子)がその牌を捨てないか、自分で積もるのではないかと、ドキドキして待つ感じをさします。意味が転じて、緊張感が高まる、私のばあいは追い詰められて焦りが募る、そういうときにテンパる、または「テンパっている」と表現します。私は、何事でも自分の番になるとおどおどし、自然に動けず、挙動不審になります。
 
 
といれ (トイレ)※(1)(2)をひとつにまとめる。ひきこもりにとってトイレはいろいろな意味で大事なところ・・・という流れにしますか?
 
(1) することがなく一人で過ごす学校の休み時間。長い時間を過ごすためにトイレに行きます。他の生徒とは離れていられる場所です。そこで髪をとかしたりしています。
 
(2) 自宅のトイレ以外は使いづらいです。神経質なためです。学校や駅のトイレは周りに人の動きを感じられて特にダメです。個室の独立性が高いデパートなどはまだ使いやすく、出かけるときは街中の使えるトイレを頭の中で整理しています。
 
(3) JRのK線駅のホーム近くのトイレの場所はチェックしています。腸過敏なのでトイレの失敗が心配です。この線はよく乗るので、どの駅もトイレはどのあたりにあるかを調べています。それによほどのことがないと各駅停車にします。駅と駅の間が長いと心配になるからです。
 
〔註〕 ひきこもりには電車に乗れない人がいます。空間恐怖(電車という狭い空間にいると不安が高まる、パニックになりやすい人)以外に腸過敏が要因の人もいます。
 
 
とうきょういなかぐらし (東京田舎暮らし)※マーカーを掘り下げる?
 
出身の田舎には、お店や病院などに子ども時代の知り合いや同級生がいます。場所を選ぶ余地がなく顔を合わせます。東京にはひきこもり関係の講演会やイベントも多いのに、それにも参加できなくなります。だから田舎には戻りたくないです。農業とか手作業型のことができれば東京に居続けたいです。田舎と東京を合成したもの、東京にいて田舎暮らしができれば理想です。
 
 
とうこう (投稿)  4コマ
 
登校と投稿は同音異語・同音異文字です。登校は好きではなかったですが、雑誌や同人誌などへの投稿はひそかに常連だったりしています。「とうこう」と聞こえるとどっちなのか気になります。
 
〔註〕 新聞・雑誌への投稿・投書、体験記や詩作を投稿します。懸賞クイズやアンケートに答えるのはこの変則タイプです。
 
 
とうじしゃべんけい (当事者弁慶)    挿し絵
 
おとなしそうな人には饒舌です。普通の人には接触したくありません。優位でなくてはダメ、同列ではいられないのです。自己否定感があり、それが逆に表われるのです。例えるなら、当事者弁慶だと思います。
 
×どうせい (同棲)
 
男性と親しくなり、しばらくして彼が私の部屋に移ってきて同棲になりました。ある時けんかになり「出て行ってよ!」と追い出しました。夜になって空しさと悔しさとが混じった気持ちで落ち着きません。話を聞いてくれる人に夜遅く電話しました。一通りの話の最後に「でもまだ好きなんじゃないか?」と聞かれました。「わからない」としか答えられません。電話を終えた後、自分の気持ちを確かめ、同棲解消と断絶にしました。
 
〔註〕 同棲解消ばかりではなく、結婚や事実婚にすすむカップルもいます。
 
 
とうみん (冬眠)     挿し絵
 
人間にも冬眠があります。私は一人勝手に長い冬眠生活です。。動物とは違って、春がいつ来るのかわからないまま、一年中ずっと待ち続けています。
 
 
とおい (遠い)
 
ひきこもりの世界では、「遠い」には交通費がかかるという意味があります。時間や距離は関係ありません。自分の場合がそうです。だから地球の裏側であろうが、冥王星であろうが、交通費を出してもらえたら「近い」になります。
 
 
とかい (都会)※ピンクの部分をわかりやすくして青マーカーをまとめてひとつの文にしますか?
 
人間関係が濃くなりやすいのが田舎とすれば、その反対に人間関係が薄いのが都会です。ひきこもりにはこの違いが個人差に大きく表われます。
 
(1) 都会にはさまざまな人がいます。昼間出歩いていても群衆に埋もれて誰からも関知されないのはメリットです。都会にいる方がほっとします。
 
(2) 町中を歩くと、光るもの、主張するものが並んでいるのが都会です。周りのものに影響されやすく、流されて自分本来のものが薄くなりがちです。自分らしいもの、関心を集中することが都会生活をする対策です。実際の自分がどこまでできているかは別ですが。
 
 
とけい (時計)    挿し絵
 
時間が無為に流れていることを突きつけてくるのが時計です。時間が進むのがイヤで気になって仕方がありません。家中にある時計をすべて止めてしまいます。
 
 
×とししたのじょうし (年下の上司)
 
働き始めたのは二十代も終わりでパート勤務でした。数人の小さな職場で自分よりもだいぶん年下の大学を出たばかりの人が中心で上司になります。学生時代からアルバイトをしていて何でもわかっているといいます。気持ち的にやりづらいですが、数年はやめないと決めています。この葛藤のなかで働きつづけています。
 
 
としょかん (図書館)   4コマ
 
図書館はいい。金は不要だし、本を探すだけで時間がすぎていく場所が図書館です。気に入った本を見つけ、読み始めれば、それだけで時間がもちます。誰かと話すこともいらないし、人気(ひとけ)があるので人間界にいると実感できます。たまに図書館が「整理中」とかで休館だとがっくりし、行くところがなくなります。月曜日(休館日)だったりすると、自分が曜日を忘れた生活をしていると実感します。
 
 
とじまり (戸締り)※エピソードが強いので、マーカーを少し掘り下げませんか
 
相談した人の家に泊まらせてもらいました。寝る段になったのですが相談先の人はアバウトな人でそのまま寝ようとします。こっちは玄関の戸締りがすごく気になります。たぶん締めていなかったはずだからと、自分で確かめに行きました。実際は締まっていました。自分は心配性なんです。
 
 
どちらさま (どちら様)
 
ずいぶん久しぶりに午後の日差しの中で外出しようとしました。たまに外出していたのですが、ほとんどが夜です。玄関先で一息ついていたら「どちら様ですか?」と声をかけられました。後で親に聞いたら声をかけたのは近所の方です。子どものころからここにいるのですが、ここに私が一緒にいるのは近所では忘れられています。
 
 
×とっきょ (特許)
 
発明をしています。生活に役立つ物づくりのアイデアはいろいろあり、いくつかは申請して特許権も取りました。次は製品化・商品化ですが、まだされていません。メーカーに手紙を出して商品化の売り込みをしています。これも私にできる社会活動です。
 
 
△とつぜんのほうもん (突然の訪問)
 
母が家に帰ってきたら玄関横にある自分の部屋をガラっと開けました。母は「来てもらいました」と言って、年輩の人を紹介します。びっくりです。そういえば訪問する人が来るかもと聞いていたのですが、まさかこの日になるとは全く考えていません。いや来てほしいと言った記憶もありません。自分の驚いた表情を見てその人は「どうする? 今日はやめとく?」と言われたので「はい」と答えました。翌週から訪ねてきて話しを聞きあっています。突然の訪問でしたが家族以外の人と話せる糸口でした。
 
 
どっとつかれる (どっと疲れる)
 
玄関先まで行ったのに入れなかった居場所にやっと入りました。黙っていることができなくて、話せそうな人がいたので、長い時間話しました。緊張していたらしく帰った後は、どっと疲れてズーっと寝込みました。疲れすぎて数日間寝込みました。長いひきこもり生活の後にはよくあるらしいです。そういえば「また来なさい」と言われていました。次にそこに行ったのは一か月以上も経ってからです。
 
 
とてもよかった
 
十人近くが集まって公園で花見をしました。周りの花見客と見比べるとずいぶん静かな、地味すぎる花見でした。数日後、そこに一緒にいた人から「とてもよかったね」と言われました。この人もこれまであまりたのしい経験をしてこなかったのでしょう。共通のものを実感しました。
 
 
ともだち (友達)※マーカーを掘り下げる
 
気心が通い合うのが友達です。ひきこもり的な友達関係を示す例があります。
 
(1) 「友達の話ですか? おれ(Mくん)には友達なんかいません。友達の話といっても何を話せばいいのか、話すことはないです」。そう答えたら前にいたOくんが「Mくんとは友達だと思っているよ」といってくれました。「ありがとう」と言ってしまいました。嬉しかったです。
 
(2) 自分から「この人と友達になろう」として友達になれたことがありません。親しくなれる友達はいつも相手が選んでくれた場合です。自分で選ぶよりも安心して付き合えます。
 
(3) 仕事についてからは当事者同士が集まる居場所には行けなくなりました。指定の日時・場所が合わないし、生活に追われ時間的にも体力的にもいっぱいいっぱいです。それでも前の居場所で知り合った二、三人でたまの休日に顔を合わせます。街中をぶらつき、Macに入ったり。とくに何かをするわけではありませんが、がんばれるのは彼らがいるおかげです。彼らが友達です。
 
 
△とりかえししょうどう (取り返し衝動)
 
長くひきこもっていたあとはそれまでの空白を取り返そうと活発に動きました。見るもの聞くものに次つぎ手を出しながらこれというものがつかめません。急がずに着実に積み重るように勧められています。動いた分の成果は後に出てくる、と慰められました。
 
 
△とんそう (遁走)
 
珍しく父親から話しかけられました。ひきこもり支援をしている人がいるから会ってみたらといいます。父親からはめったに話がないので、ついうなずいてしまいました。当日になったらどんな感じで怒られるのかを想像し、怖くなります。親がいないのを見計らって家から出て、夕方まで遠くの図書館に逃れました。文字通りの遁走です。家におそるおそる帰ると、父親は意外にも静かで拍子抜けしました。怒られるような話ではなく申しわけないことをしました。
 
 
とんねる (トンネル)
 
トンネルに入ると初めは真っ暗ですが、そのうち向こうに明るい点が浮かびだんだん大きくなります。それが出口です。自分のひきこもり生活はトンネルに似ています。やっと人には会えるほどになりましたが、向こう側にはまだ明るい点は見えません。
 
 
 
  
 
◎『ひきこもり国語辞典』を出版することになりました。<br>
 
◎『ひきこもり国語辞典』を出版することになりました。<br>

2020年5月29日 (金) 15:23時点における版

た行

◎『ひきこもり国語辞典』を出版することになりました。
編集の事情があり、当分このページは取り下げます。
手作り版『ひきこもり国語辞典』の販売を中止します。
2020年春の販売をお待ちください(発行は時事通信出版局)。
2019年12月21日
不登校情報センター 松田武己


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