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カテゴリ:上郡町(兵庫県)

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==上郡町==
 
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[[Category:兵庫県(地域)|かみごおりちょう]]
 
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==[[里山ICT能開学校]]==
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'''特集 負担にならないような歩幅で、私もいっしょに。里山ICT能開学校(2)'''<br>
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兵庫県上郡町
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■気持ちの整理ができないから<br>
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この学校に踏み出せたあと、「就職とか、これからどうするの?」といったことは、タイミングを見て言わないといけないですね。<br>
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来て少ししか経っていないところで言ってしまうと、私との関係がだめになってしまう。<br>
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だから、「この”尾鼻”という人間は、なんか違うな」っていうような関係づくりを、まずはしっかりやっていく。<br>
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そうすれば、自分から話してくれるんですよ。<br>
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ちょうど今来ている子が、昨日「一人暮らししたいです」って言ったんです。<br>
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もうすぐ、来て3年になるんです。やっとですよ!自分から。<br>
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多分、私から焦らすようなことを言っていたら、だめなんですよね。<br>
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時間はかかるかも知れないけれど、どこかで階段を上がってくれる。そのタイミングがどこかにあるんです。<br>
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そのタイミングが来るまで、じーっと待っているんです。<br>
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私はその間、親のブレーキ役になるんです。ご家族は「早く立ち直らせてほしい」ということを言われるんですよね。<br>
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ですけど、私は「それを言ってしまうと、学校に来なくなりますよ」って伝えるんです。<br>
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とりあえず来て、来れている状態を維持することが大事。元の状態に戻ると、「もういやだ」となってしまうので。<br>
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本人もわかっているんです。頭で考えているから。それを言葉にできない、行動にできない。<br>
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人間、困っていることを相談して、相手に言われて「そんなんわかってるわ」っていうことあるじゃないですか。<br>
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たとえば異性関係で、うまくいかなかった。<br>
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「男も女もいくらでもいるやん」「そんなんわかってるわ!」っていう話と同じです。<br>
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気持ちの整理ができないから、悩んでいるんです。<br>
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だから、新しい彼氏や彼女を見つけたらって言われても、簡単にできたら苦労しないよって思うのと同じですよね。<br>
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■支援ってなんだろう<br>
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いろんな悩みのなかで、「支援ってなんだろうな」って考えるんです。<br>
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10人いれば、10通りの支援の仕方がある。<br>
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でも、引きこもりの子だから特別ではなくて、みんな違って当たり前なんですよね。家族でもそうでしょう。<br>
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毎日顔を合わせて「今日、ちょっと言葉を選ばなあかんな」とか「今日は、結構好きに言ってよさそうやな」というのと同じなんです。<br>
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そこを常に考えながら、一緒に歩んでいく。<br>
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この学校で言うと、しんどそうにしていたら、「(請け負っているホームページ制作の)写真を撮りに行こうか」なんて声をかけて「この時季ベストやな」とか話すんです。<br>
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やっぱり恵まれた自然環境に助けられます。そこが、都会と違うところ。<br>
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暑い寒いを感じられるのは良いことですね。<br>
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以前、私は車で学校まで来ていたんですけど、特にすごく寒い冬でした。マイナス8度だったと思います。<br>
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そんななか、佐用から50分かけて原付(原動機付自転車)で来ている子がいたんです。<br>
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それで私、車なんか乗ってたらあかんなと思って、バイクで来はじめたんです。<br>
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自宅から10分くらいですけど、マイナス8度のなかを走っていたら、学校近くの標識が見えた時点で、手が痛くて痛くて、仕方ないんです。<br>
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そんななか佐用から50分かけて原付で来ている子がいたら、「今日寒いね」なんて整然とした言葉は出ないですよ。<br>
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「今日、痛いな!」って言ったら、やっぱり通じるんですよ。<br>
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「よくこんななか50分辛抱したなぁ!」っていう会話になるんです。<br>
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そういう風に、身をもって自分も同じような環境に持って行く、それが大事だと私は思っています。<br>
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そうでないと、「この人が言っていることをとりあえず受け止めてみようか」って思ってくれないんです。<br>
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世間一般の、整然としたことを言っても届かないですよね。<br>
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さっき言ったように、みんなわかっているんですから。<br>
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本人の気持ちに立って考えていく必要があると思います。<br>
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本人が悩んでいる部分に共感していくことが大切ですね。<br>
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すると、やっぱり変わっていくんです。<br>
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■あたらしい居場所<br>
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この学校を卒業して、就職した子もいます。仕事が終わってからでも、どこかで時間を使ってから帰ってくるらしいんです。<br>
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ご家族からすれば、そこが喜びみたいですね。会社の行き帰りで、その子の世界が他にもできた。<br>
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社会に出たことで違う居場所を見つけてくれたって。<br>
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自分の働いたお金で家族にプレゼントしたりもして、やっぱり「思いやる」気持ちが大きいかなと思いますね。<br>
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今までは、その子の面倒を見ていたのが、気遣ってもらえるようになった。180度違いますよね。<br>
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人間が本来持っているパワーを出させてあげることが大事だと思っています。<br>
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共感することで、抑圧で満たされていた気持ちをどうやって出してあげるか、そんなことを考えながら接しています。<br>
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専門学校時代の経験がなかったら、若い子が苦しんでいるという気づきがなかったら、多分今、引きこもり支援はしていないと思います。<br>
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やっぱり「共感」が、私の根底にありますね。<br>
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■電子居場所<br>
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対面でのコミュニケーションや外出することが苦手な人など、引きこもりの状態にある人が、自宅にいながら他者と直接会うことなく、安心して会話できる電子媒体上の居場所。<br>
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仲間づくりや社会とつながるきっかけを作り、社会参加を支援する。<br>
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支援期間:支援中~令和3年3月31日(1年更新)
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支援内容:カウンセリング・プログラミングホームページ制作など<br>
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支援料:無料(通信機器、通信費など実費あり)<br>
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問い合わせ:<br>
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【E-mail】obana@tiikisaisei.or.jp【電話】090-1147-0602(尾鼻さん)<br>
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■里山ICT能開学校<br>
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兵庫県赤穂郡上郡町野桑1303番地<br>
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ホームページ【URL】http://tiikisaisei.or.jp<br>
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問い合わせ:【E-mail】toiawase@tiikisaisei.or.jp【電話】0791-55-9499、090-1147-0602(尾鼻さん)<br>
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〔広報かみごおり 令和2年10月号<br>〕

2020年10月20日 (火) 16:31時点における版

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上郡町

里山ICT能開学校

特集 負担にならないような歩幅で、私もいっしょに。里山ICT能開学校(2)

兵庫県上郡町 ■気持ちの整理ができないから
この学校に踏み出せたあと、「就職とか、これからどうするの?」といったことは、タイミングを見て言わないといけないですね。
来て少ししか経っていないところで言ってしまうと、私との関係がだめになってしまう。
だから、「この”尾鼻”という人間は、なんか違うな」っていうような関係づくりを、まずはしっかりやっていく。
そうすれば、自分から話してくれるんですよ。
ちょうど今来ている子が、昨日「一人暮らししたいです」って言ったんです。
もうすぐ、来て3年になるんです。やっとですよ!自分から。
多分、私から焦らすようなことを言っていたら、だめなんですよね。
時間はかかるかも知れないけれど、どこかで階段を上がってくれる。そのタイミングがどこかにあるんです。
そのタイミングが来るまで、じーっと待っているんです。
私はその間、親のブレーキ役になるんです。ご家族は「早く立ち直らせてほしい」ということを言われるんですよね。
ですけど、私は「それを言ってしまうと、学校に来なくなりますよ」って伝えるんです。
とりあえず来て、来れている状態を維持することが大事。元の状態に戻ると、「もういやだ」となってしまうので。
本人もわかっているんです。頭で考えているから。それを言葉にできない、行動にできない。
人間、困っていることを相談して、相手に言われて「そんなんわかってるわ」っていうことあるじゃないですか。
たとえば異性関係で、うまくいかなかった。
「男も女もいくらでもいるやん」「そんなんわかってるわ!」っていう話と同じです。
気持ちの整理ができないから、悩んでいるんです。
だから、新しい彼氏や彼女を見つけたらって言われても、簡単にできたら苦労しないよって思うのと同じですよね。
■支援ってなんだろう
いろんな悩みのなかで、「支援ってなんだろうな」って考えるんです。
10人いれば、10通りの支援の仕方がある。
でも、引きこもりの子だから特別ではなくて、みんな違って当たり前なんですよね。家族でもそうでしょう。
毎日顔を合わせて「今日、ちょっと言葉を選ばなあかんな」とか「今日は、結構好きに言ってよさそうやな」というのと同じなんです。
そこを常に考えながら、一緒に歩んでいく。
この学校で言うと、しんどそうにしていたら、「(請け負っているホームページ制作の)写真を撮りに行こうか」なんて声をかけて「この時季ベストやな」とか話すんです。
やっぱり恵まれた自然環境に助けられます。そこが、都会と違うところ。
暑い寒いを感じられるのは良いことですね。
以前、私は車で学校まで来ていたんですけど、特にすごく寒い冬でした。マイナス8度だったと思います。
そんななか、佐用から50分かけて原付(原動機付自転車)で来ている子がいたんです。
それで私、車なんか乗ってたらあかんなと思って、バイクで来はじめたんです。
自宅から10分くらいですけど、マイナス8度のなかを走っていたら、学校近くの標識が見えた時点で、手が痛くて痛くて、仕方ないんです。
そんななか佐用から50分かけて原付で来ている子がいたら、「今日寒いね」なんて整然とした言葉は出ないですよ。
「今日、痛いな!」って言ったら、やっぱり通じるんですよ。
「よくこんななか50分辛抱したなぁ!」っていう会話になるんです。
そういう風に、身をもって自分も同じような環境に持って行く、それが大事だと私は思っています。
そうでないと、「この人が言っていることをとりあえず受け止めてみようか」って思ってくれないんです。
世間一般の、整然としたことを言っても届かないですよね。
さっき言ったように、みんなわかっているんですから。
本人の気持ちに立って考えていく必要があると思います。
本人が悩んでいる部分に共感していくことが大切ですね。
すると、やっぱり変わっていくんです。
■あたらしい居場所
この学校を卒業して、就職した子もいます。仕事が終わってからでも、どこかで時間を使ってから帰ってくるらしいんです。
ご家族からすれば、そこが喜びみたいですね。会社の行き帰りで、その子の世界が他にもできた。
社会に出たことで違う居場所を見つけてくれたって。
自分の働いたお金で家族にプレゼントしたりもして、やっぱり「思いやる」気持ちが大きいかなと思いますね。
今までは、その子の面倒を見ていたのが、気遣ってもらえるようになった。180度違いますよね。
人間が本来持っているパワーを出させてあげることが大事だと思っています。
共感することで、抑圧で満たされていた気持ちをどうやって出してあげるか、そんなことを考えながら接しています。
専門学校時代の経験がなかったら、若い子が苦しんでいるという気づきがなかったら、多分今、引きこもり支援はしていないと思います。
やっぱり「共感」が、私の根底にありますね。
■電子居場所
対面でのコミュニケーションや外出することが苦手な人など、引きこもりの状態にある人が、自宅にいながら他者と直接会うことなく、安心して会話できる電子媒体上の居場所。
仲間づくりや社会とつながるきっかけを作り、社会参加を支援する。
支援期間:支援中~令和3年3月31日(1年更新) 支援内容:カウンセリング・プログラミングホームページ制作など
支援料:無料(通信機器、通信費など実費あり)
問い合わせ:
【E-mail】obana@tiikisaisei.or.jp【電話】090-1147-0602(尾鼻さん)
■里山ICT能開学校
兵庫県赤穂郡上郡町野桑1303番地
ホームページ【URL】http://tiikisaisei.or.jp
問い合わせ:【E-mail】toiawase@tiikisaisei.or.jp【電話】0791-55-9499、090-1147-0602(尾鼻さん)
〔広報かみごおり 令和2年10月号

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