八戸あおば高等学院
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「ふれ愛・あおば食堂」で、調理に熱中する生徒たち=12月2日、あおば学院 <br> | 「ふれ愛・あおば食堂」で、調理に熱中する生徒たち=12月2日、あおば学院 <br> | ||
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〔2017年3月10日(金)東奥日報WEB〕 <br> | 〔2017年3月10日(金)東奥日報WEB〕 <br> | ||
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2017年12月26日 (火) 21:09時点における版
八戸あおば高等学院
所在地 | 青森県八戸市柏崎二丁目7-14 |
---|---|
TEL | 0178-22-3470 |
FAX | 0178-22-3475 |
【連載・命はぐくむ】「食」で社会とつながり/孤立乗り越え生きる力に
「ふれ愛・あおば食堂」で、調理に熱中する生徒たち=12月2日、あおば学院
コト、コト、コトッ…。男子高校生が、おぼつかない手つきで包丁を持ち、ニンジンを切っていた。
12月2日、「八戸あおば高等学院」(青森県八戸市)で開かれた「ふれ愛・あおば食堂」。
不登校などを経験した生徒ら10人が、地域の人たちと一緒に、この日のメニュー「ビビンバ」づくりに取り組んでいた。
2013年に開校したあおば学院は、県教委が指定する技能教育施設。市内外の不登校経験者や高校中退者ら26人が通う。
食堂は、学院を支援する人で構成する「NPOあおばの会」が運営。
みんなでご飯を食べ、遊んだり勉強したりしながら仲間をつくる-との狙いで、今春から毎月第1土曜日に開かれている。
食事代は高校生まで無料、大人は300円。
「子どもたちにとって食堂は、社会に出る最初のステップ」とNPO事務局長の晴山一貫さん。
「家庭状況の急変で金銭的に大変になる生徒が何人かいる。そのような生徒にも安心して食べられる場にする意味合いもある」
小学校からいじめられ、中学校にもほとんど行っていないという3年男子は「ここ(あおば学院)に来て自分の居場所を見つけた」と調理の手を休めて語った。
市内の進学校から編入した2年男子は、食堂の雰囲気に溶け込み、友人と冗談を言い合っていた。
「ここは、人との距離が近い。雑談したり、笑い合うことができる。前の学校では勉強に追われ、余裕をなくしていた」
どの生徒も口調は柔らかいが、語る言葉はしっかりとしている。
NPOは今年、家庭や企業などから食品を募り福祉施設や生活困窮者に提供する「フードドライブ」(フードバンク)事業を始めた。
「外にも出てこられない貧困家庭の子がいる。その子どもたちにどう食糧を届けられるか。その方法を模索している」。晴山さんは力を込める。
八戸地域のスクールソーシャルワーカー(SSW)によると、1日1食しか食べられない子、昼食代がないため昼休みに教室からいなくなる高校生、友人から食べ物をもらったりする子どもなど、貧困は見えづらいが、確実にあるという。
NPOはこれまで、ライオンズクラブ、市内の青果店、子育て支援団体から、レトルト、冷凍食品などを受け、生活困窮の高校生らに提供してきた。
しかし、事業が知られていないためか、寄贈される食材は十分ではないという。
NPOの類家伸一理事長は「県内の豊富な食材を無駄にしないようにしたい。福祉団体、生産・流通関係の協力も得ながら、事業を持続していきたい」と語った。
あおば学院の生徒も、食糧の搬入やデータ管理などの手伝いをする。孤立するつらさを知っているだけに、作業にも熱が入る。
前田謙吾さん(3年)=仮名=は「人の命を救うため、できることはしたい。外の人と接し、支援することは結局、自分の成長にもつながる」と話した。
あおば学院に来て自分のやりたいことが見つかったという前田さんは来春、建築関係の専門学校への進学が内定している。
〔2017/12/24(日)東奥日報社〕
あおば高等学院「食堂」閉店へ
3月いっぱいで閉店する八戸市柏崎のあおば食堂
不登校経験者や高校中退者らが対象の青森県八戸市の技能教育施設「八戸あおば高等学院」の生徒が、接客などを体験学習する場となっていた同市柏崎の飲食店「あおば食堂」が、施設の老朽化などのため3月いっぱいで閉店する。
体験学習が就労や進路選択のきっかけになった生徒もおり、同学院関係者は「何らかの形で再開できれば」と話している。
〔2017年3月10日(金)東奥日報WEB〕