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引きこもりの本人・家族とつながる手紙活動

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引きこもりの本人・家族とつながる手紙活動

〔2013年10月12日B〕
「手紙でつながる」新企画に質問がありました。
やり取りをする手紙を「手紙チーム」が内容を読む意図はどこにあるのかという趣旨です。
内容がアドバイスになっているのかどうかです。
説得する、誘導するようなアドバイスでは、引きこもり当事者との交流が始まらない、始まる前に終わってしまう可能性を強く感じるからです。
そこに留意したいのです。
手紙の内容はその人の経験や個人的な性格などが表現されて当然です。
それがなければ典型的な回答例をつくり、配布をすれば事足ります。
それでは感情的な共感は生まれません。
つながるのは個人と個人です。
理論のやり取りではなく経験に基づく感情的な交流です。
これはいくつかの経験に基づきます。
当事者のネット相談コーナーを作り、数件の相談事例がありました。
ここで生まれた相談は親からのものであり当事者からのものではありません。
ネット上の相談に当事者がネットと通して答えました。
このとき私は仲介として問い合わせもそれへの回答も転送の前に読みました。
読んでもまったく支障がなかったのです。
回答した当事者は2名ですが、いずれも私と面識があり回答内容には事前に安心感がありました。
いや、実際の回答は私の予測を超えて的確であり、丁寧であり、なによりも自分の経験に基づくものでした。
問い合わせてこられた方への自然な共感がありました。
今回の企画は手紙で答えようとする人を広げます。
そうしないと取り組みが広がりません。
私の知る範囲でさえ多数いる引きこもり状態の人との接点ができません。
そこではいろいろなタイプの人の参加を必要としています。
善意でありながら指導する人もいるかもしれません。
大事なことは手紙を書く人も書きながら理解し、自分にとって有益なものできることです。
以前に取り組んだ『ひきコミ』文通はそれができませんでした。
参加者は800名近くいたのですが、何が起こったのかはよくわからないままです。
始めてから10年後に状況をアンケートで調べもしました。
60人余りの方から回答をいただき、そのうち文通をしていたのは37名です。
文通を伸ばしていくには“何かがたりなかった”のです。
そのたりなかった何かを、親しくしていた名古屋の木村茂司さんの手紙を生かして引きこもりの人とつながる取り組みに教えられました。
たりないものはメールの時代における文通の「明確な目標」です。
「不登校・引きこもり・対人不安の人から発信する個人情報」(『ひきコミ』の発行スタンス)の文通を一歩進めた「引きこもりの人とつながる」ことです。
他にも明確にしたいと思うことはありますが省きます。
この目標をみすえて、企画全体を考え、手紙チームをそこの組み込んだのです。
その意図は上に書いたとおりです。

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