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N高等学校・トピックス

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N高等学校・トピックス

N高等学校
N高とnoteが語る「これからの教育」――なぜN高は生徒数100万人を目指すのか?
学校法人角川ドワンゴ学園のN高等学校(N高)はインターネットを駆使する広域通信制高校だ。
開校から4年で生徒数は1万5000人を超え、理事の川上量生氏は「100万人を目指す」と述べるが、この言葉には別の意味が込められているようだ。
川上氏がnoteの創業者で代表取締役を務める加藤貞顕氏らと対談した。
左上から時計回りに、note株式会社 代表取締役CEO 加藤貞顕氏、同社 CXO 深津貴之氏、学校法人角川ドワンゴ学園理事 川上量生氏、N高等学校 副校長 吉村総一郎氏
noteのオンラインイベント「多様性を後押しするN高×note共同イベント #これからの教育」では、角川ドワンゴ学園理事の川上氏、N高副校長の吉村総一郎氏、noteの加藤氏、そしてCXOの深津貴之氏が、N高の取り組みを通じ、将来の教育について語り合った。
学校は社会に適応するための場所
N高は広域の通信制課程を持つ私立高校で、授業は基本的にオンラインで行われる。
コミュニケーションツールである「Slack」のチャンネル上で、全校のお知らせを通知したり、クラス内で連絡を取りあったりするなど、インターネットをインフラとしてフル活用している。
なお、Slackのチャンネル数は6000以上存在し、興味関心のある生徒同士が集まってSlackのチャンネルを次々と作っているそうだ。
物理的な施設は本校が沖縄にあるほか、東京、大阪など全国各地に19カ所のキャンパスを抱える。
どのような生徒が通っているのか? 慣習的に通信制が受け皿となってきた不登校の生徒については、「初年度は多かったが、現在はそれ以外の生徒も多い。ネットで学べることが選択肢になってきており、志望校として選ばれている」と吉村氏は言う。
入試に類するものはない。「基本的には来るもの拒まず」(吉村氏)だが、プログラミング専門コースには適性を見るためのテストがあるという。
しかし、「学力や偏差値で不合格とするようなものではない」と吉村氏。
これを聞いた加藤氏は、「全員が入れる学校ってすごい。学校が入試で不合格にする理由は校舎という物理的限界があったから。画期的ですよね」と感想を述べた。
一方で、川上氏は「『誰でも受け入れる』とはうたっていない。それは逆に不誠実だと思っている」と念を押す。
「学校は社会に適応するためにあると思っている。そこで(学校が)目指さなければならないのは、抱えた生徒を一人前に自活できる大人に育てること」とミッションを説明した。
自立の方法はさまざま「東大に行きたい人は行けばいい」「自立」の方法はさまざまで、プログラミングはその1つだ。
「僕らが得意なものが中心になっている」と川上氏。
「ドワンゴは社会不適合者が多くて(笑)、プログラミングさえできれば一人前だし、社会の中で活躍できるというのが僕らの中で成功体験としてある」と続けた。
吉村氏も、「社会に出て活躍できる武器を得て踏み出せるようにしているが、その武器は全員が同じものではない。
多種多様な武器を作ることを目標にしている」と述べる。
それを実現するために、教員はWeb会議システムの「Zoom」などで面談のやりとりを重視しているという。
約200人いるという教員側も、海外とのプロジェクトが得意な人、アート系、ダンスやスポーツに詳しい人とさまざまな人がいるとのことだ。
アルバイトやTA(ティーチングアシスタント)を入れると、1000人の規模だという。
これを聞いた加藤氏は、「1万5000人を1000人で面倒を見るということは、生徒1人あたり15人――普通の学校よりきめ細かい指導が可能」と驚いた。
実際の指導の中には、プログラミングなど特定のジャンルに特化したコーチングサービスもある。
週1回30分程度で、プログラマーとして活躍しているエンジニアや大学生から1対1で指導を受けることができるという。
大学進学を目指す生徒もいる。2020年度大学入試では、東京大学や京都大学など、難関と言われる大学の合格者も出た。
川上氏は「生徒が望むものを提供する」とスタンスを説明、「東大に行きたい人は行けばいい。そこに行かないと入れない世界もある」と言いつつも、「どうして東大に行くのかという理由は考えてもらいたい」と付け加えた。
「単純に理系で高い報酬が欲しい、AI時代でも失業しない仕事に就きたいと思っているのなら、プログラマーのほうがいいよ、とは伝えたいが」と川上氏が言うと、吉村氏は、「『東大の情報科学でCPUの実験をやりたい』など明確なモチベーションを持っている生徒もいる。それはサポートしてあげたい」という。
例えばある生徒の場合、AIを使ったプログラムを作るために大学レベルの数学が必要とわかり、高校数学だけでなく、中学で学ぶ数学までさかのぼって学習・復習し、「短期間で全ての数学を習得して大学レベルの数学を超えるところまできた。目的がある学びは習得も早い」という。
多様性と偏差値
川上氏の著書で、加藤氏が編集を担当した『ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち』
対談のテーマである多様性については、川上氏の著作『ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち』の編集を手掛けた加藤氏が「noteで多様性をいかに保つかという点で(川上氏の考え方から)影響を受けた」と切り出し、noteの深津氏が「noteは多様性の優先順位が高い」「ゆがみやすい施策などのリストを作成して共有している」と続けた。
それを受けて、「noteはコミュニティを大事にしていて素晴らしいと思っている」と吉村氏、「PVやブックマーク、リツイートなどの指標だけでランキングされたコンテンツシステムは、炎上コンテンツがトップになってしまう問題がある」とインターネット全体の課題を指摘した。
「KPIを持ってしまうとそこに最適化してしまう。
KPIと名がつくものは全て、最終的にAIのほうが得意。
KPIをやるのが重要という価値観があるのなら、最終的には人間はいらないという結論になる」と川上氏。
加藤氏も「KPIは人間がやる必要はない」と同意した。
大学受験における偏差値などでも同じことが言えるという。
「偏差値を高めるために勉強することになる」と吉村氏、例として、センター試験でまんべんなく、戦略的に点数をとることができる生徒が、受験では強くなる現象を指摘した。
なお、川上氏は「日本で優秀な大学の卒業生がベンチャーで失敗するパターンは、(競争を前提とした)受験勉強が原因」と持論を語る。
競争するということは、誰も手をつけていない分野に入らないことを示すからだ。
N高の多様性について川上氏は、「重要なのは人数。僕らが作りたいのはコミュニティだから。N高には生徒が1万5000人以上いるから、どんなマイナーな趣味でも、マイナーな大学に行きたい人でも、同じようなことを考えている人が何人かいることになる」と述べた。
100万人を目指す――狙うは公教育への刺激
角川ドワンゴ学園は今後N高から大学、あるいは小中学校に拡大する計画はあるのか? 中学については数年の実験を経てプログレッシブスクールとしてN中等部を展開しているが、川上氏は「大学はやらない」と断言する。
N高自体は、「まだまだ大きくなる?」という加藤氏の質問に対し、川上氏は「最初から100万人を目指している」と述べる。
日本全国で高校生に相当する年齢の子供は1学年約100万人であることを考えると大胆な目標と言える。
「日本全国の高校生が300万人くらいだとして、100万人がN高生ということ?」と加藤氏が尋ねると、「半分ぐらいがN高というのが最終的なゴールかな」と川上氏は返した。
ただ、「100万人」という目標を宣言する背景には、「逆説的に言うなら100万人になる必要はない。
ただ、N高の登場により、(プログラミング教育など)ある程度日本の公教育に刺激を与えることができていると実感している。
N高が成功例を作り、放っておいたらN高が全部勝つのではないかという状況になれば、僕らは日本の教育を良い方向に変える刺激を与えることができる」と説明した。
「公教育の世界でN高が100万人を目指す――それはとても悪いこと(笑)。
願っちゃいけないが、そうなったほうが明らかに日本の教育が良くなる。『N高がやっていることは良いことだから、N高のようなことをやりなさい』となるといいなと思っている」。
そして、「営利企業が『良いこと』をするのは難しい。
『営利企業が教育市場を席巻しようとするのは許せない』と言われるが、やっていることが明らかに良いこととなれば、みんなはどうするのか――これを見てみたい」と川上氏は続ける。
加藤氏は、「N校がやっていることは、個々人の個性を生かした教育を実現するために、テクノロジーで学校を再定義するということ。
noteもそこはすごく似ていて、一人ひとりが発信して、仲間を見つけて、幸福な人生を送る――これが僕らが目指していること」と共感を寄せた。
末岡 洋子[著]
〔2020年7/21(火) EdTechZine〕

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