日本人の感覚が鋭い点について

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味覚の中に旨味(うまみ)を見つけた日本人。
甘い、辛い、酸っぱい、苦いという人類共通の味覚に、旨味を追加しました。
味覚についての詳細は省略します(そのうち書くかも…)。
虫の声を、騒音ではなく、音色として受けとめるのは日本人の音認知の特徴です。
この聴覚の特徴は角田忠信さん(東京医科歯科大学講師)の研究が知られています。
(角田忠信『右脳と左脳―その機能と文化の異質性』小学館、1981年)
ここでは聴覚の特徴を『記憶のメカニズム』(高木貞敬、岩波新書、1976年)〕により紹介します(165~171ページ)。
日本人の聴覚は「大部分のヒトについて、母音と子音をふくめたヒトの声、また虫や動物の声は、すべて左半球が優位、つまりそちら側で聞いていることがわかり、それら以外の機械的な音はすべて右半球が優位、つまり右側の脳で聞いていることがわかった。
日本人は母音と子音とを区別なく言語中枢のある優位の脳(通常左半球)で聞いているが、印度ヨーロッパ語を母国語とする外国人は子音は優位の脳(通常左半球)で聞き、母音は劣位の脳(通常右半球)で聞いていることがわかった。
角田はこの結果から世界の言語を単脳言語(日本語パターン)と複脳言語(印欧語パターン)とに分類している」。
ある方法により「日本人について得られた成果は先天的なものではなく、日本語で育ったための後天的なものであることが証明され、日本語の特異性があらためて注目される結果となった」。
「このような左右の脳機能の分担は西洋哲学で認識過程をロゴス的(理性的―言語、計算)とパトス的(感性的)とにわける考え方と合致するから、外国人の優位の半球はロゴス的、劣位の半球はパトス的というふうにはっきり区別できるが、それに対して日本人の優位脳はロゴス的であると同時にパトス的であるといういわば二重構造をもっていることになる」。
 
日本人の特異な聴覚が後天的要因である文化によること、ロゴス的とパトス的な二重構造の認識過程が備わる特長を示しました。
これを別の面からみれば日本人の聴覚の特異性は人種的な(生物学的な)優位性を示すのではなく、特長の1つを示したことです。
長い文化的な生活・生存環境のなかで蓄積されたものです。
余談ですが角田忠信『右脳と左脳―その機能と文化の異質性』、高木貞敬『記憶のメカニズム』の2冊はともに古本屋さんで入手しました。

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