加工貿易国日本の将来―資本主義史(5)

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60年前の1960年、というよりは私が中学生であった1960年ごろのことです。
山陰の漁村に住む野球と社会科の好きな中学生でした。時期は2年か3年かははっきりわかりませんが、社会科の山崎先生のテストを覚えています。山崎先生がいつもとは違う記述による回答を求めるものでした。
それはテストの最後の問題で7~8cmほどの空欄が設けられていました。問題名は加工貿易国日本の将来、というようなものでした。
私の回答はテスト用紙の裏面にも7~8㎝ほど続く長さなりました。とっくの昔にテストはなくしていますから回答内容はおおよそしかわかりません。300字~600字の回答であると思います。
後進国(まだ発展途上国という言葉はなかったと思います)が工業化すると、原料を輸入し、工業製品を作って輸出する日本の将来はどうなるのか、を考え答えました。
日本の工業製品は軽工業から重工業に向かうので、後進国における工業化は日本のためにもなる。
後進国が発展すると製品をより多く、より違う種類の製品が輸入できるようになるという意味を書きました。しかし、それはいつか限界が来るかもしれないが、その先のことはわからないにしても、解決策は出てくるはずだ。回答はこのようなものだったと思います。中学生の私に書ける力ではこのあたりが限度でした。
山崎先生はこの問題の配点10点のところ20点を付けました。他の問題で間違ったところがあり、満点ではありませんがテストの点は100点を超えていました。

『資本主義の終焉と歴史の危機』を読みながら、このテストのことを思い出していました。あのテストに日本の加工貿易国のどこか不安を感じながら(いろんな状況は全く違いますが)回答したことが、こういう形で扱われていると読み取れたのです。この質問への正解はないでしょう。今日の中学・高校の社会科教師でこれに正解できる人はあまりいないと思います。これを感覚的に社会の行き詰まりやゆがみを察知した人たちは、心身状態でそれを示しました。ひきこもりとはその1つだと思います。
山崎先生がこの設問に記述式の回答を求めたこと、それに対する私の回答は不十分であったけれども問題意識を認めて20点を付けたことに、この2点にいまさらながら驚きます。
私の頭の中にあった未解決の問題が呼び起こされた気分です。
それは資本主義の、地球全体に広がった資本主義のその先に出てくる問題を考えるしかないからです。
著者の水野和夫さんは、そこを資本主義の卒業、あるいは定常状態社会、非歴史的選択肢(ヘドニ―・ブルが説いた用語)として説明しています。次回はそれを紹介します。

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