輸出型の発展ではなく内需拡大型にー資本主義史(6)

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資本主義史として5回書いたのを読み返すとかなりわかりづらいです。
社会経済の大局からひきこもりを見る視点に出会ったので、自分なりに展開しようとしたのですが上手くいかなかったと思います。
十分に理解していないと言えますし、直接的な論証でもないのでわかりやすくしづらいのです。
それはさておいて、いったん最後まで書いておきます。次回の会報に載せるときには、整理しもう少しわかりやすくします。

現代の資本主義は、とくに日本は「ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレ」になりました。銀行は融資先が不足し、企業は内部保留を重ね462兆円といいます。これがゼロ成長です。民間資本の投資先を増やすために政府は財政出動とか積極財政として、国の借金額は1000兆円をはるかに超えました。この借金は少なくとも25年以上は積み重なっています。しかし20年にわたり超低成長は続いてきました。GNP(国内総生産)は1%ほどの低成長が続き、ときにマイナスの時もあります。これがゼロ成長です。
物価は上がらないのが低成長の理由と考えて日本銀行は年間2%の物価上昇の目標をもって、市中に多額の資金提供を図りますが利用者はいない。銀行は低金利で貸出先を求めていますが借り手はいない。財政出動による国の債権を買い受けて運営しているのが銀行です。一般庶民は銀行預金をしても利息はほぼない。これが金利ゼロ、ゼロインフレです。
『資本主義の終焉と歴史の危機』の著者、水野和夫さんはこの状況を、近代資本主義の終焉といいます。その打開策を政府はアベノミクスと称するわけですが安倍政権7年で成果はなく平成も終わった。
水野和夫さんはそれに代わる道を提示しています。景気優先の成長主義を脱して新しいシステムを構築すること、エネルギー問題の解消の2点です。
私なりにこれを言い換えますと、対人的なサービス分野、すなわち医療・保健衛生・福祉、介護、教育、保育、職業訓練への財政支出を行うことです。これにはひきこもり・虐待・いじめ対策も含まれます。これまでは削ってきた分野や新しく注目されてきた分野です。この分野への予算支出を増やすことです。
国内市場の拡大は飽和状態なのだからと海外市場をめざしても、相手国自体が国内産業の発展を図ろうとしているので行き詰まります。
考え方をGDPの拡大よりもGDPの分配に重点を移します。国民所得の分配を生産から移転させることです。この分野には国内産業の空白を招いているものもあります。今回の新型コロナの経験から人の生存に必要な基本的な物資は国内で最大賄う方向がはっきりしました。食料(第1次産業)と医療・保健衛生の用材がそうです。
対人的なサービス分野以外では環境、エネルギー、災害対策、情報、文化、公共交通が重要でしょう。水野さんはエネルギー問題を象徴的に上げました。私はこの分野はよく知らないので詳しくは書けませんが、これは観光業の振興につながるし、研究機関への財政援助なども挙げられそうです。広範な産業分野に及びますので頭がついては行きません。このなかにはGDPを拡大するものもありますが、相対的には大したことはないはずです。一部にソフトパワーとして評価する向きもあります。

私は水野和夫さんの意見を超えて説明した部分もあります。水野さんのことばでは経済成長を目的としない社会であり、現代資本主義とは違います。資本主義の終焉の一歩手前といいます。経済成長を目的としない「定常状態」といい、資本主義以前に長く存在して社会状態です。「家計でいうならば、自動車1台の状態から増やさずに、乗りつぶした時点で買い替える」(188p)と例示します。
この定常状態とは何か。水野さん「しかし、それがどのようなものであるかを人類はいまだ見いだせていません」(202p)と慎重です。社会主義とは言わないところが私には好ましく思えるのです。社会主義といって制度や理念から実像をつくりすすめる方法は、失敗の連続でした。社会経済の各現場の実態・実質に即して1つひとつの改善を重ねていくのがよいと思います。

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