12月19日、人権と民主主義の教育をめざすネットワークの結成集会に参加しました。会場参加は30名余ですが、オンラインで70名ほどの参加があり、全部で100名あまりが参加しました。
教育関係の研究発表会に参加することがほとんど消失していたので、久しぶりにいい刺激になりました。
大学生の活動報告について――大学生協の全国組織である学生委員長の報告が参考になりました。今日的な学生運動ですが、全国組織ではアンケートで意見を集めました。最初のアンケートの回答は6万件です。学生の声からわかった学生の危機を3つにまとめました。2020年のコロナ禍における学生の状態です。
それが暮らしの危機、学びの危機、コミュニティの危機。
集会の最後に「まとめ的発言」をした呼びかけ人の制野俊弘さんは、この3つを、生きさせろ、学ばせろ、つながらせろ、の3つの声であると表現しました。
制野さんの発言で、印象的だったのは「青年は教えられることより、刺激されることを欲する」というゲーテのことばです。ただ制野さんは、ゲーテは少し間違っていて、これは青年だけではなく、全ての人間に通じることだといいます。このあたりの説明はなかなかユーモアがありおもしろかったです。
人生の先輩である教師が身につけた知識を教えても、学生は動かない。刺激が大事だというわけです。集会の終わりに近くなって、私は配布されたアンケートに記入しました。おおよそこういう内容です。
コロナ禍において人と人との関係が少なくなっている。それは子どもや青年だけではなく大人にも同じ状況。しかしひきこもりに関わっている私には、それは1990年代から始まってきたことです。いま世の中で「人のつながりが大事」という声があふれています。この様子は、症状が重くなってから病院を受診する人のようなものです。重くなって受診する人にも回復する人もいるでしょう。社会は多数の人がいますから、人類が死滅することはないでしょう。コロナ禍は平穏状態で生まれていた人のつながりの減少が、重大なものであることを明るみに出しました。その問題を暴露しました。
その症状を回復する試みは各方面から始まるし、強まるでしょう。コロナ禍における人と人とのつながりの減少という事実が、私には新しい刺激になっています。そういう一端に自分の経験を生かしながら参加するつもりです。
前日に古本のブックオフで一冊の本を買いました。『感染症の世界史』という学術性の高い本です(石弘之・角川ソフィア文庫・2017年)。covid-19の始まる前に出版されたもので、定価1080円(税別)ですが、ブックオフで660円。たぶんよく読まれているためなのか、あまり安くなっていなかったです。
自宅のある平井から集会会場のある大塚までの往復の間にこの本を読みつづけました。大塚はかつて働いていた場所でもあります。夕方の帰る時間に、付近を小一時間ほど歩きました。20年ぶりに見る周辺地域は大きく変わっていましたが、よく立ち寄った小さな文房具屋さん、お世話になった印刷所のビルも残っていました。