仕事内容の変化が世代間の価値観の相違につながる

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1989年、私は『中学生高校生のための仕事ガイド』(高校出版)を就職研究会(編)として発行しました。そのあと数回改訂を重ね、2002年版を最終としました(進路・就職研究会・編、桐書房発行)。それ以降の改訂を中止したのは職種内容の変化が広範囲にわたり、とても調べきれないと判断したからです。
その最終版の「まえがき」の一節です。
「今回は、コンピュータに関して生まれた新しい職種のうち、DTPオペレータ、サーバオペレータ、ヘルプデスク、ホームページ制作・管理およびマルチペディア技術者などを加え、いくつかの職種をはずしました。
コンピュータ(パソコン)の普及と活用は広範な分野に及んでいて、さまざまな職種に影響を与え、仕事内容を変化させています。
従来型の仕事の多くも継続していますが、その内容もとても変化していて、ベテランといわれた人たちがその仕事を続けていくのが困難になっています。
その職種自体が縮小していて、リストラ(退職)後、同じ職に就くことができない事態も続出しています。
これはコンピュータの普及だけでは説明できない、大きな社会の変化が進行中であることを感じさせます。
この変化の時代に、自分の感覚や知識を生かして、新しい仕事に取り組んでほしい、新しい仕事を広げてほしい、と思います。
その仕事に就くときに大事なのは、対人コミュニケーションの力です。
この力は人間への信頼感や安心感が土台になっているものです。
互いに違いを認めて協力しあう、その経験で得たものが、仕事に就いたとき、自分を生かす素になるのです」

しかし事態はこのレベルで収まるはずはありません。2040年代には現在ある職種のかなり多くがなくなると言われています。この半世紀余の仕事内容・職種の変化もまた、少なくとも日本においては高度経済成長期につづく社会の変化の大きさを物語るものです。あわせて職場環境の変化も大きいと思います。
そうした仕事に関係する社会経済構造の変化は、そこに生活する人間の意識の変化をさせずにはおきません。世代間の意識、何をより重視していくのかの価値観の違いを生み出しました。大半の人はそれに慣れていったものですが、そうはなれない人はいます。他方では過剰適応型もうまれ、1980年代に始まる子どもたちの不登校やひきこもりは、そのはじめの大きな表われと見なくてはなりません。こういう変化の多くは子ども世代から表われるものです。

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