来年の「かつしか進路フェア」に北星余市高校も出席か?

8月に開催された「かつしか進路フェア」には、かつしか子ども・若者応援ネットワークの一員として相談コーナーにつきました。
また不登校生、発達障害生の受け入れ校の案内パンフの扱いをめぐり、実行委員会の方と話す機会もありました。
これらの学校に出席していただくと今後の「かつしか進路フェア」の性格に関わるかもしれません。
そこで来年度の「かつしか進路フェア」の準備が始まる前に気づいたことを葛飾区教育委員会「かつしか進路フェア」担当者に送りました。
主要なところを紹介します。

8月中頃に「かつしか進路フェア 2018」の配布資料20部をお送りいただきました。
不登校生や発達障害生を受け入れる寮のある高校、通信制高校、高等専修学校、通信制サポート校に来年の「かつしか進路フェア」への関心を問い合わせるために送り、意見を聞きました。
いくつかの高校等から参加希望、学校案内パンフの参加希望を受け取りました。
不登校生、発達障害生の進路選択の条件が少し前に進む感じがします。
今年度の「かつしか進路フェア 2018」に私は非公式に6校の学校案内パンフを持ち込みました。
実行委員会の方と話したところ、来年は実行委員会から案内するのがいいのではないか、ということでした。
問い合わせをしたのは寮のある高校を除くと東京都内と周辺地域に所在する学校です。
しかし、参加校が急に増えると、会場スペースや運営で検討すべき状況が出るかもしれません。
それで20校にしたわけです。
問い合わせた高校等にも戸惑いがあると感じます。
寮のある高校(北海道の北星学園余市高校、愛知県の黄柳野高校)は参加を希望しています。
他は学校案内パンフだけを考えているようです。
高校の進路相談会に高等専修学校や通信制サポート校が参加するのはどうかと懸念しているのかもしれません。
私の日常の進路相談では通信制高校や通信制サポート校の紹介をすることがあります。
それは不登校情報センターだからであって、一般の進路相談会に参加するのはどうか迷うのかもしれません。
もし「かつしか進路フェア」にその色彩が強まると、葛飾区外からの参加者が増える可能性も考えられます。
そのよしあしの判断は私にはできません。
案内する高校等を選び、様子を見ながら対処するのがよかろうと勝手に判断して20校への案内でした。
ある程度制約した高校等のリストを用意したいと思います。
実行委員会からの案内する参考材料になるかもしれません。

人の中にいられない人が難しくなる

「中高生の不登校でいちばんの問題はどうなりますか?」との問いに、カウンセラーのMさんが「人の中にいられないことじゃないかな」と即座にこたえました。
うん、これは私も納得できます。
学習塾のZさんを含む3人で、不登校をめぐる最近の状況を話している中でのことです。
よく考えてみるに中学生・高校生の不登校の様子を直接に聞く機会が少なくなっています。
以前に関わっていた人たちは大学生になった、大学で不登校気味だ、社会人になった…ということはよく出てくるのですが、中学生・高校生の現在はあまり聞かなくなりました。
中学生・高校生の不登校の生徒は確かにいるのですが、以前に比べて深刻さが下がっている感じがします。
もちろんこういうことは比較によって深刻さを計るものではありませんが。
不登校の様子を聞いたとしても聞いている私も「何とかなる」という感じが初めからするのです。
相談に来る家族が以前とは違っているのはそこです。
Zさんは、情報としていろんなことがわかるようになったし、社会の対応もできてきているからじゃないか、といいます。
それも確かで、以前はこんなことをしているのは自分だけじゃないか、うちの子だけじゃないか、という気持ちでいたと思います。
それがこの10年、20年のなかで変わってきたのです。
そうすると今の時点で中高生の不登校でいちばんの問題はないか、というのが冒頭の質問です。
不登校というだけではなく「人の中にいられない」状態であることが、将来にわたりマイナス要因として働きそうと思えるのです。
周囲の人の影響を受けやすいにしても、ともかくは同じ場にいられる状態であれば、徐々に力もつくしエネルギーも湧いてきます。
しかし、「人の中にいられない」状態では、そういうものもなかなか出てこないのではないか。
Mさんはそういう面を感じ指摘したのです。
言われてみると納得できます。
情報センターに通所しつづけるうちに(初めのうちは人がいない時間をねらっているように思えても)、対人関係のそれぞれのハードルをわずかずつ超えてきたように思います。
その時間は個人差があるのですが、その人なりのペースで少しずつ対人接触の経験を重ねてきたのです。
そういうのがないと人との接触を避けるひきこもり状態から、ほとんど浮上してこない感じはします。
私とは接点ができても対応として難しくなります。
これまでかかわった数人を思い出しながらこれは1つの判断材料になります。

自然発生的な認知行動療法?

高校を中退して通信制サポート校に転入した男子生徒の話です。
高校3年生になり、いまは大学受験の準備をしています。
その学校の柔軟性は前々から聞いていたのですが、どうやら彼の工夫もまたよかったようです。
いっぺんに全部を改善しようとはしないで少しずつ重ねます。
少し上のレベルで落ち着くと次な課題に進む。それを繰り返したようです。
「自然発生的な認知行動療法みたいですね」と私は感想を述べました。
カウンセラーのYさんもうなずいてくれました。
実のところ私は認知行動療法についてそれほど詳しく知るわけではありません。
だからYさんがうなずいてくれたことは自分にもよかったわけです。
以前にOくんがある体験発表をした時に対人関係のところで、いろんな工夫をしているのを聞いて、それも認知行動療法的だなと思ったことがあります。
Oくんにしても上の男子高校生にしても認知行動療法を意識していたとは思えません。
ということは人が自然にあることに取りかかるときのオーソドックスな方法、少なくとのその一つは認知行動療法的なのかもしれません。
その自然発生的な、療法とは意識していない、自分の心身状態を自分で感知しながら、自分で採用しているのが認知行動療法的なのかもしれません。
それを掘り下げて理論づけ、精密に体系化しようとするのが認知行動療法なのではないか。
少なくともそういう要素もあると感じています。
確信をもって言うつもりはないのですが、自分の感覚を信じてもよいといえます。
土曜日の不登校の親の会、セシオネット親の会でのことです。

進路相談会で不登校周辺の相談を受ける

「かつしか進路フェア2017」に参加し、相談コーナーに座りました。
数件の相談を受けましたが多くは親子そろってです。
数年前の相談内容とくらべるといくらかの変化を感じます。
(1)不登校が長期になっているのではなく、比較的短かいいわゆる“さみだれ登校”タイプが多いこと。
不登校を看板にしていない進路相談会では長期のひきこもりになっている不登校は相談に見えないのかもしれません。
不登校のきっかけが起立性調節障害などの体質によるという直接の理由がはっきりしている人もいました。
この場合も起立性調節障害という病気を治すことよりもそういう体質に沿った生活スタイルをめざすのがよいと答えました。
外傷など一時的なものは治療優先でいいと思いますが、体質や気質に関することは必ずしも“治す”ことが優先しません。
アレルギー体質のばあいも基本は同じです。
“治す”動きは長期に続く場合が多いのでそれに沿った生活スタイルをめざすことだと思います。

(2)数人が発達障害といわれるアスペルガー障害(自閉症スペクトラムという)やADHDであること。
これはすでにそのように診断されている人もいるしそうでない人もいます。
発達障害については、否定的に考えることではない。
優れていることもあれば、不便なこともある。
そういう自分を理解してどう対応するのかを経験から学び、自分なりの対応策を身に着ける方がいい。
こういうスタンスで答えました。
相談では「自分の発達障害のタイプ」を理解すること、教科書的な全般の理解ではなく、自分のタイプを知るのが大事だと改めて感じました。
浦河のベテルの家では統合失調症の人たちが自分で自分の病名・症状に名前を付けていると聞きました。
発達障害も同様にしていいと思います。
自分の発達障害の表われと教科書的な発達障害の表われは矛盾しません。
なぜなら発達障害は多様に表われ個人差が大きいからです。
むしろ大事なのは「自分に表れる発達障害の特徴」です。
発達障害を理解するというよりは、自分を理解することが大事で、それに沿った対応方法を経験的に身に着けるのがいいと考えるのです。
相談のなかでこの点を話しました。

(3)いじめに関係する不登校の相談もありました。
相談例は生徒を取り巻く周辺事情(家族関係、転校など)が絡んで複雑になっています。
それでも中学校でできそうなことはあるのですが、「確認できない」などと答えられ“逃げている”との印象を持っています。
このような場合の対処法を話しました。
以前に書いたことなのでここでは省きます。

(4)不登校が続いていることによる学習の遅れを心配する生徒(親)は、多くいます。
身体的な理由が少なければ、このような生徒への学習面での補充を考えてもいいのではないでしょうか。
あえて言えば「公的な個別学習サポート制」です。

今回の相談コーナーもカウンセラー、社会福祉協議会からも相談メンバーが座りました。
コーナーを設けて3年目ですが「通常の進路相談会にこのような相談コーナーを設けた成果が出てきた」との感想が出ました。

7月15日は不登校の親の会・セシオネット親の会

私が長くかかわる中学生・高校生の不登校親の会にセシオネット親の会というのがあります。
新宿・高田馬場で毎月第3土曜日に10年以上つづいています。
運営者は4人いて2人はフリースクールと学習塾の先生、1人はカウンセラーでフリースペースを開いています。
そこに私が加わって4人です。
もともとは杉並区社会教育センターで進路相談会を共同開催していたメンバーです。
10代の高校生や中学生の親が中心ですが、“卒業組”の親も顔を見せます。
先輩の親からの体験的な話も交えて参考意見を交わします。
次回は7月15日(土)午後2時から
場所は高田馬場から歩いて5分の団地の1室です。
希望者には会場地図など1枚の案内がありますから必要な人にはお送りします。
入会金1000円(初参加者)と当日参加費500円。

7月9日のひきこもりの親の会(会の後半は仕事場の紹介と交流会)と並び、7月に予定しているもう1つの親の会です。
中学・高校生年齢の子どもを持つ方にはこちらをお勧めします。

文科省の夜間中学お勧めポスター

かつて小学館『中学教育』に「進路指導のはざまで」という連載を担当しました。
その2000年9月号に「私は中学校を卒業していないの?」というのを書きました。
不登校のまま中学校を卒業している人が十分な読み書きできないまま世に出ている、そういう人からの相談内容を書いたものです。
「義務教育から放置されている」状態を感じたのです。
あれからずいぶん時間が過ぎました。
昨夜、メーリングリスト「子どもの貧困ネットワーク」に、1つの投稿がありました。
文科省が夜間中学を進めるポスターをつくっている、駅近くでそれを見たという話です。
ついにそういう時代が来たのかという思いです。
私の「社会問題化する」予測はある意味で当たっていました。
しかし、まだ期待できるほどの状態にはなっていません。
世の中の大事なことが実現するには時間がかかること、諦めてはならないこと、いろいろな人がそれぞれの分野で取り組んでいる…を改めて知りました。

〔私は中学校を卒業していないの?〕http://www.futoko.info/…/Center:2000%E5%B9%B49%E6%9C%88%E3%…

〔文科省の夜間中学お勧めポスター〕http://www.futoko.info/…/%E6%96%87%E7%A7%91%E7%9C%81%E3%81%…

私は20代のころ町中の診療所で働いていました。
Aさんという人のいいおじさんが患者でした。ほとんど学校に行っておらず字が読めません。
自分の名前の入った診察券を大事にしていました。
今回もAさんを思い出しました。

かつしか区民大学「不登校は問題行動か?」に参加しました

かつしか子ども・若者応援ネットワークの企画のうち、参加者と一緒に意見交流する機会です(26日)。
今回は第1部で葛飾区教育委員会の加藤憲司さんに講演をしていただきました。
そして第2部の小グループに分かれたとき加藤さんと同じグループに入り一般参加者と一緒に意見交換をしました。
そこでの1つが文科省(および教育委員会)が調査し発表する不登校の生徒数の状況です。
全体数でこの数年増加していますが、そのうち年間の不登校日数が30日から60日ぐらいの生徒が多いという点に注目しました。
文科省基準では30日以上が不登校ですが、生徒本人の意識では“学校を休みがち”ぐらいの意識で、自分が不登校になっている感覚があまりないようです。
これは教員の判断にも同じ傾向がみられるようです。
私の相談活動では全く登校していない生徒か、年間数日登校する程度の不登校が多かったと思うのですが、視点を広げる必要を感じました。
そして、学級30人の生徒全部の様子を担任が細かく把握する困難への対応と並んで、休みがちな生徒(病気欠席であれ、家庭の事情などの他の理由であれ)の個別の状況を把握して対応する必要を感じました。
加藤さんは「不登校というよりも長期欠席への対応が大事になるのではないか」という趣旨の発言をされました。
病気欠席とされているものに意外と不登校基準の欠席があるかもしれないのです。
学校が相対化されていく過程を「不登校」以外の視点からも考えていくことになるかもしれません。

かつしか応援ネットワークで「不登校」講座の準備

かつしか子ども・若者応援ネットワークの全体会がありました(6日)。
世話人代表の森さんが体調都合で欠席になるなど、参加者が少なかったのですが、
26日に区民大学の講座「不登校は問題行動か?」の準備があり、中止もできません。
2人の世話人と教育委員会の担当者がまとめた準備案を出席者で確認していきました。
他にも来年度の取り組みの進捗状況も報告しあいました。ネットワークとして責任を負う企画以外にも、進路相談会や子育て支援の会合もあります。
最後に出席者それぞれが取り組んでいる状況報告を出し合いました。子ども食堂に取り組んでいる方のリアルな話、発達障害の専門機関の様子も聞くことが出来ました。

〔かつしか子ども・若者応援ネットワーク〕
https://sites.google.com/site/katsushikaouennetwork/

サポート校の生徒募集の参考情報を求められる

ある通信制高校サポート校の先生が訪ねてこられました。
生徒募集がうまく進まない、どうすればいいのかを考えたいので参考情報を聞きたい、という趣旨です。
話しは多岐にわたりましたが、そのうち一点についての感想です。
広報活動をネット上の情報にたより、それに左右されているのではないか。
ネット上の情報は非常に大きく広がるけれども、見聞きした人からの反応は驚くほど少ないことです。例えばYoutubeを見てください。閲覧する人は100万人いても、何らかの反応する人は1万人未満です。すなわち1%未満、ばあいによっては0.1%未満も珍しくはありません。ネット情報というのは大きく広がるけれどもとても薄い広がり方になるのです。
素通りが通常であって、立ち止まって見ることが少ないのです。1万人が見たといってもそれだけではあまり期待はできません。
立ち止まらせるには、もう一つ要素を加えないと広がりは薄いままで何らかの反応は期待できないのです。
もう一つの要素とは何か。いろいろですが、人が関わることに行き着くでしょう。そうするための材料として案内パンフや説明会、公開授業などの古典的な方法です。
実際世の多くのばあい、この古典的な方法にネットを加えた使い方をしていると思います。その逆ではないのです。少なくとも今現在はそのような状況になっているのではないでしょうか。
ネット上の情報を1万人見ていたものから2万人にするというよりも、1万人にもう一段の要素を提供するのがよかろうと思います。もう数年すればこれは変わるかもしれませんが…。
現在の状況を極論すれば、全国展開の広域性通信制高校が比較的堅調であり、小規模の単体のサポート校は苦戦となるでしょう。ただ広域性通信制高校には昨年、ウィッツ青山学園高校で表面化した危うさもあります。ネット情報を強力に広げることで地道なことを省略したのも一因でしょう。

不登校支援の教室の紹介

滋賀県で不登校生など「子ども達の自信を育む取り組みを行っている教室」から、こちらのサイトに情報紹介を希望する連絡がありました。
不登校、引きこもり、発達障害などへの取り組みをしている学習塾、フリースクール、サポート校などからの情報提供を歓迎いたします。親の会や相談機関・心理相談室なども同様です。
所定の用紙があります。各種ありますので適合すると思えるものを選んでください。
該当する用紙がなければ、近似的なものに追加項目をつくり、空白項目もありとして内容を記入してください。
学習塾については、以下の順で用紙を探してください。
不登校情報センター>情報・広告の掲載>(1)学校・支援団体の紹介ページをつくりたい>学校・支援団体の情報紹介用紙>学習塾など
http://www.futoko.info/…/support_konin_juku_freeschool_enqu…
〔短縮形〕http://ur0.biz/ApDp
これに記入の上、FAX,メール、郵送などでお送りください。
お待ちしています。