40代女性からの相談が多いので詳しく聞くつもり

ふと振り返って思うと40代ぐらいの女性からの連絡、相談が多いと思います。
何らかの不安、特に対人関係における不安や恐怖感、それを何とかしたいと思い解消策としての「場さがし」です。
「死にたい願望」の人も混ざっています。
推測ですが不眠傾向、過食傾向、うつ傾向という心身の状況も出ていると思います。
お医者さんに行くとその現われた部分を解消するために薬を処方されることが多くて、背景にある部分に目を向けられません。
私がよく聞くのはその不全感です。
発達障害が関係しているのかもしれません。
学習障害、自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害などが発達障害とされています。
しかし、それでうまく説明できない人も思い浮かびます(私の理解不足・経験不足もあります)。
「発達障害と似た心身状況になる」としていじめや虐待を受けた人たちの後遺症が伝えられています。
杉山登志郎さんなどは虐待を受けた後遺症状を第4の発達障害と呼んでいます。
これらを念頭に(基本的に私が関わってきた人の多くは“ひきこもり”ですから)特に子ども時代の体験を詳しく聞いていこうと考えているところです。
“虐待”の様子が暴力ではなく、「無意識の、善意の、執拗な、愛の嵐のなかで」進んできたのかもしれません。

この下書きを書いている途中に、まさに40代の女性の一人から電話がありました。
まずは彼女が第一候補になるかもしれません。
心当たりのある方は時間を決めて、詳しく話しに来てください。

過年度生としての高校入学

新年度を前にして高校入学・再入学の問い合わせや相談が入ります。
ちょっと特徴的と思えるのは、過年度生に関することです。
中学を卒業して数年たっている、そういう人が高校に入る場合を高校側では過年度生と称しています。

ある程度のひきこもり経験がある人が、よし働こうとなったときに「高校卒業」でないことがネックになる場合があります。
そういうタイプに人が高校入学や再入学を目指す相談が数名。
高校に行かないで高卒資格を得る方法が「高卒認定試験」に合格する方法です。
かなりの市区町村が「高卒認定試験」を受験するための学習塾等の学費援助をしています。
通信制高校やサポート校をめざす人にも就学援助金が出ますの。これも市区町村で確認してください。
もちろん全日制高校や定時制高校の入学にも就学援助金が受けられます。
不登校情報センターへの相談でやや特徴的なのは、過年度生からの相談ではないかと思います。
ようやく動けるようになった、その意欲が出てきたという人が例年に比べて多いように思いました。

先日、北星学園余市高校(全日制)の紹介情報の更新連絡がありました。そこにこうありました。
「4人に1人が過年度生。過年度生の半分は大学生くらいの年代です。
過年度生がこれだけいれば、年齢を気にせず全日制で高校生活を送れます」
高校においても生徒の年齢幅が徐々に広がり、20代後半の生徒が必ずしも珍しいとは言えない、というかよくいる高校も現われ始めたのです。

ひきこもり「80・50問題」はすでに始まっている

「大人のひきこもりを考える教室+ひきこもりから<できそうな>仕事探しの説明会」を何とか(手堅く?)終えました。
ひきこもりを考える教室では、近い将来の危機を思い切って打ち明けたあるお母さんの話が波紋を呼びました。
現在の落ち着いた親子間の平穏を壊すかも知れません。
しかし、今のうちに伝えておかないと手の打ちようがなくなる、という思いから年末に伝えました。
40代の息子さんはうつむきかげんに「わかっている…」と答えたそうです。
この危険な個所を通り抜けないと、先に続く道に進めないせっぱつまった気持ちです。
同席の方も、「うちも…必要かも」とうなずいていました。
2020年といわれる、「親70代・子40代」といわれる「70・40問題」または「80・50問題」はすでに始まっています。
<できそうな>仕事探し説明会は、いろいろな質問を繰り返しながら介護現場の仕事の様子がわかってきたように思います。
子ども側の状況を考えながら、採用する事業所側にはいろいろな注文をしてしまいます。
今回は〈出来そうもないと承知のうえで〉親子合同の採用みたいなことができれば…というような話も出ました。
頭から問題にならないというのではなく、それならできるかもしれないという発想から出たものなので、〈やるとしたらどんな条件になるのか〉を考えてみてほしいと思います。
次回は見学者を募り、グループホームを実際に訪ねて話を聞く機会にしたいと思います。
今回の企画のもとの考え方「ひきこもりから働き始める可能性と条件」をサイトにアップしておきました。
http://urx3.nu/I9yO

二条淳也さんの恋愛相談と自身の結婚報告

二条淳也さんの恋愛相談日を無事終えました(14日)。
かなり熱のこもった内容になったようです。終わった後「自信になりました」との実感を聞きました。
相談室をこれからも継続します。次回は2月18日(第3日曜日)の午後です。
その際、二条さんは相談の対象を親御さんにも広げたいといいます(予約制です)。
相談室の名称をどうするのか。「二条淳也さんの恋愛相談室」ではそぐわない面が出てきます。
ここはもう少し考えてもらうことになります。

二条淳也さんブログ「高齢ひきこもり」は1月3日に「結婚報告」をした後、それまでの経過や思いを「ひきこもりでも結婚できる」というタイトルで書き続けています。
14日までに7回になりました。
関心がある人・ない人、現実感がある人・ない人、嘘かと思う人、希望が持てるようになった人…いろいろでしょう。
どうであれ人間として誠実であり、それだけに「ひきこもりながら結婚する」という状態になった人の葛藤や言葉は、並のドラマでは見られない人間の真実を見せてくれます。
二条淳也の相談室にするとブログ「高齢ひきこもり」は投稿は700件に達しました。
今回の結婚報告シリーズはその最近状況です。
こちらです⇒http://www.futoko.info/zzblogd/

手紙やメールなど通信方法による意見交換の手段

ブログ「引きこもり居場所だより」にコメント・投稿がありました。意見交換を希望されています。
対面型でないと、なかなか意見交換できる方法がありません。
不登校情報センターがかかわって主に手紙やメールなどの通信方法で意見交換する方法をまとめました。
投稿者への回答は次の通りです。
コメント・投稿は「引きこもり居場所だより」の右側サイドバーを見てください。

投稿・コメント受け取りました。ありがとうございます。対応できる方法は次の4つあります。
(1)2013年10月に書いたブログへのコメントの形になっています。
これはすでに表示しました(お名前をS・Tとしました)。
⇒投稿時の実名とした方がいい場合はお知らせください。
(2)「ひきコミWEB版」という文通希望のページがありますので、そこにも転載できます。
その際は、お名前(ハンドルネームやペンネームも可)、年齢(アバウトなものでもOK)、住所(都道府県や市町村レベル)がほしいです。
返事をいただけるかどうかはわかりません。
文通であって各自の経験や気持ちを表すことはあっても相手のことにどうこういうのは難しいと思います。
アドバイス的なことを受けると多くは「できもしないことを言われた」気持ちになることが多いのです。
これを利用するときは手紙になりますから住所と送料(92円切手2枚)が必要です。
(3)昨年末に「手紙で意見交換するグループ」を呼びかけました。
これは、数人が近況などを書いて3~4ページの冊子にまとめて配布する方式です。
この2号を2月初めに発行するのでそこにも掲載できます。
この利用は月刊の会報代金(年間1200円)が必要です。
冊子は年間3~4回発行ですが、会報は毎月(12回)送ります。
(4)友好グループに「1*3お悩み相談」というのがあります。そのグループにも送ります。
こちらはメールアドレスと一緒に送ります。たぶんメールで返事をもらえるはずです。
ひきこもりの経験者3人グループです。
どういう返事になるのかは見当が付きませんが、彼らの体験によるはずです。
不登校情報センターはこのグループの手紙の受取窓口をしています。
(1)はすでに表示しました。他の方法(2)~(4)も考えてください。
全部をご利用いただいてもいいです。
費用(郵便為替など)や切手がいるときは不登校情報センターに送付してください。

「女性を念頭にしたエッセイの続き」を希望されました

会報11月1日号のエッセイは「厳格な社会人父と家庭を守る母のもとで成長した女性」でした。
できれば感想を寄せてほしいと書いたところ、数名から感想をいただきました。
「私のことを書いたのですか?」という方もいました。
全体を通してそういう人はいませんが、共通する部分を想定するとそう受け取れる人がいるかもしれません。
「女性を念頭にしたエッセイの続き」を希望する方もいます。
どういう形・テーマになるかはわかりませんが、しばらく間をおいてまた書くつもりです。
「感受性がベースですがストレスの問題も影響しています」という意見がありました。
参考になります。私は学説ではなく、自分で実際に見聞きしたことを中心に書くことしかできません。
うまくまとめらるかどうか、ですね。
60代の女性で、ご自分の体験記に相当することを書いていただいた方もいます。
それ自体が貴重な経験談なので、ご了解を得られれば発表したいと思います。
男性からもご自身の体験に照らして感想を寄せていただきました。
今日の親の会に参加された人からは娘さんがそれを読んで泣いていたと聞きました。
通じることがあったものと思います。

エッセイの全文を掲載しました。
http://ur0.pw/GZDl

メンタルな問題から抜け出す工夫にも華がほしい

メンタルな問題があって、過食(摂食障害)、不眠(眠れない)・過眠(オーバースリープ)、うつ状態が代表的な3つで、複合的にもつ人は少なからずいます。
女性が多いので女性の場合で考えます。
先日もそのような人の相談を受け、話を聞く機会がありました。
本人なりにいろいろな工夫や努力をされています。
体質・気質、親子関係と生育過程と現在の家族関係、人間関係がうまくいかずこれという友達がいない…これらの問題が入り組んでいるので一度に全部を取り除くことは困難です。
できるところからを少しずつ広げようとしています。
カウンセラー、医師、家族、少ない知人…などそれぞれがアドバイスをくれます。
誰かから“絶対これ!”というアドバイスを受けることもあります。
でも自分の納得のなかで進むしかありません。
車の運転は1人でするしかなく、2人運転は危険です。
同じように自分の問題は人の意見を参考にながら自分1人で取り組むしかありません。

相談に来た人が何とかできつつあるのは部屋の掃除です。
生活のリズムづくりを全体の中心にしようと考え掃除から始めました。
以前に比べて部屋はかなり整頓されています。
朝早く起きたら近くを散歩してみます。
出勤時間に重なると仕事をしていない自分が「何やってんだ」という気持ちになるので、それよりやや早めの時間です。
これはときどき成功しています。
食べ過ぎにならないように注意をしていますが、ストレス解消法のためか気づけばずいぶん食べてしまう失敗もあります。
気分転換はYouTubeを見る、スマホ検索(依存的と思えるほど)…です。
時間をつぶす感じで、いまひとつ生産的、積極的な雰囲気ではありません。

メンタルな問題をもつ人にはわりと生真面目な性格な人が多く、この人もそういう心がけや努力を感じます。
何か“花”が欲しいと思いました。
そうしたら「手芸をしています」と。「あっ!これかな」と思いました。
「でもとても下手ですよ」と続きます。
手芸をしているほとんどの人が、下手です、個人的な趣味、見せられません…という意味を答えます。
上手い下手は関係なく、その判断は自分でしなくていいし、続けることです。
ストレスの解消法ですし、デトックス(毒だし)の役割もあります。
私が聞いた範囲では、絵を描く(イラストや漫画絵)、塗り絵をする、俳句を作る、詩を書く、格言をつくる(これは男性に多い)、折り紙、ケーキづくり、料理に挑戦(料理はいろいろ聞きましたが私の記憶に残っていない)、ネイリング、お化粧、ファッションなど。
相談に来た人が自分なりにしていると話したなかで、手芸は花になる可能性を感じました。
それぞれの興味を持つもの、関心を生かすことが花=華になるのじゃないでしょうか。

少し前に藤沢周平『漆の実のみのる国』(文春文庫)を読みました。
江戸期後半の米沢藩上杉鷹山を描いた作品です。
極貧財政状態を特産品開発により改革した過程を描いたものです。
藤沢周平さん最後の作品です。
改革の途中で大倹約策が出された時期があります。
倹約策は「ごくまっとうな、理詰めの結論だった。――しかし、いかにも華がないの」。
これが鷹山の感想を言葉にしたものです。

普通の社会人の父と家庭を守る母のもとで成長した女性

先日アラフォー世代の女性から電話がありました。
久しぶりに長電話です。彼女をN1さんとしましょう。
十数年前に1人の女性が亡くなりました。
N1さんはその女性N2さんと親しかったのです。
電話の中でそのN2さんについてかなり話しました。
N2さんが亡くなった原因は事故か自殺かははっきりしません。
しかし、私は同じようなものだと思っています。
酒類と薬をかなり大量に一緒に飲んだ形跡があります。
死ぬつもりはなかったけれども、死んでも構わないという精神状況ではなかったかと推測しています。
N1さんと電話をして改めてそれが裏付けられたように思います。
N1さんとN2さんはよく話をしていたそうです。
通り魔による事件や自然災害などで誰かが死亡したときは、「私が代わってあげてもよかった」という気持ちになると語り合ったといいます。
ビルの屋上に上がったとき、一緒に飛び降りる気持ちになったこともあったといいます。
その時はもう1人いたのでその人が止め役になりました。
死ぬつもりはなかったが、いつ死んでも構わないという気持ちは同じであったといいます。
N1さんとN2さんには、その生育過程に共通性があります。
この日、N1さんが話したのはこの点です。
簡単に言えば、厳格な父親と過干渉的な母親のもとで育ったということです。
こういうとひどい家庭を思い浮かべるかもしれませんが、社会的に言えばちっともひどい家庭ではありません。
そこにN1さんもN2さんも自分が理解されない理由が隠されているのです。
厳格な父親と聞けば違った想像をするかもしれませんが、一人の社会人としては普通です。
2人の父親がどの程度の人なのかを正確に表わせませんが、社会的にはかなり責任ある立場です。
N1さんの父親はある大手企業の幹部クラスの人と聞いています。
N2さんに父親も普通以上の社会人といえます。
母親が過干渉的と聞くと、何か否定的な雰囲気を感じてしまうかもしれませんが、周囲の人の印象はそうではありません。
しっかりと家庭を築いているお母さんです。
父を尊敬し、父には逆らわない母でした。
その母のめざす女性像に向かって育てられたのがN1さんとN2さんです。
そこからはみ出すことは許されず、そのつど自分の何かが少し削られ、少し曲げられた気持ちで過ごしてきたようなのです。
子ども時代のN1さんとN2さんが、この家庭状況をだれかに伝えてようとしてもうまくは伝わりません。
娘である自分がその家庭でつらい思いをしていることなど本気にしてもらえないのです。
いい父親であり、いい母親である。
その印象を子どもの力で覆すことはできないのです。

N1さんとN2さんに似た家庭環境や生育過程を通った人はほかにもいます。
最近また、そういうタイプと思える相談を受けています。
これまでかかわり、相談を受けた経験を生かしたいと思います。

ひきこもり高年齢化に対する制度も必要です

こういう場合はどうでしょうか。
家計の大黒柱となるご主人が亡くなりました。
残ったのはかなり多額の借金と成人家族3名です。
年老いた母、事情があって定職につけずときどきバイトの1人。
そのなかでひきこもり傾向の1人が重大決意をして働くことになりました。
しかし、彼1人の収入で家族3人の生活を支えることは困難です。
彼1人なら生活できるけれども、大人3人は無理です。
自治体窓口に行き相談をしました。
彼が1人別に住み、残った2人に対してならば生活保護などの制度利用が可能かもしれないという説明です。
借金はどうなるのか。
これは年老いた母が遺産相続をしたうえで自己破産手続きにするしかない…。
とてもきびしい状況です。
それが示さた現在の制度で可能な最小限の(?)方法。
何とか改善策ができないかと思うこともあります。
家族3人が同居のまま、生活支援を受けられる制度があってもいいのではないか
(場合によっては別住まいがいいかもしれません)。
3名が2世帯に分かれるのは、それだけで不都合や不便や別の負担が発生する可能性も考えられます。
すでにある制度を最大限利用して危機を切り抜けなくてはなりませんが、それだけでは十分とは言えません。
ひきこもり高年齢化の状況の中では、具体的な状況に合わせて新しく制度をつくる取り組みが必要と考えるのはこのような例があるからです。
そういう制度を求める運動、社会活動が必要です。
相談を受けた対応を参考にいくぶん変形して紹介しました。

父親が亡くなった人の相続の相談を受けて

7月2日に書いたブログのテーマは「親亡き後のひきこもりの生活戦略」です。
先日これに相当する、父親が亡くなった人の具体的な相談を受けました。
一般的な方法や情報も必要ですが、それだけでは十分ではなさそうです。
個別に対処するためには、制度の知識を持った関係者(専門職)、公的機関の窓口だけでは十分だとは思いません。
決まったことを決まった通りに処理するだけではなく“裏技”的な知識、
あるいは制度の不十分さを補う社会運動的な取り組みとその連絡先、
さらには自治体の議員などの情報も必要です。
今回相談に来られた人には「自分の問題で解決するとともにこれから直面する人の参考になる方法を探そう」と話しました。
必要なことを具体的に調べる中でまとめています。
実際はそこまでの余裕ができるかどうかはわかりません。できるだけそのようにしたいと思います。
今回は住宅に関係することのウェイトが相対的に高いと思います。