サポート校の在籍生徒数を問われました

サポート校に関してある学校から問い合わせがありました。
それへの返事です(?)

私自身がより正確な状況を数値として把握したいところです。
しかし、調査で実態を把握するのは難しいと思います。
(1)例えば原書房発行「全国学校総覧」に記載されている通信制高校の生徒数は本校もサポート校の生徒も合計してカウントされています。
これらの総数が通信制高校の在籍生徒数に当たります。
文科省発行の学校基本調査における通信制高校生の生徒数は、理論的にはこれと同じ数値になるはずです。
詳しく計算したことはありませんがほぼ同数になるはずです。
(2)ご要望はこのうちサポート校にはどれほどの生徒がいるかという問いになります。
この場合、学習センターは本校の一部に扱われるはずですが、学習センターとサポート校の区分けが必ずしも統一的にはされていません。
学校によっては学習センターの生徒をサポート校の生徒と扱っているところもあると思われます。
(3)調査対象のサポート校自体が確定しない。
⇒サポート校になっている学習塾は該当する生徒が入ってきたときにサポート校としての活動をするが、該当生徒がいない時は自動的に離れる。
例えばこのような事情が実際にあります。
サポート校として確立しているという判断自体が固定的ではないのです。
そういう意味から生徒数100名以上のサポート校というとらえ方は意味があるのです。
(4)回答をお願いしても回答率は低い。
不登校情報センターのサイトに掲載している生徒数は回答をいただいた時点のものであり、学校により時期にかなりのズレがあります。
何回か連絡しているうちに返事をもらっているわけです。
時期をそろえて学校単位で生徒数を並べるのは私には不可能です。
(5)「全国で生徒数100を超える主なサポート校は300を超える。
(2018年8月10日現在、NPO法人不登校情報センター調べ)」
としていますが、そのようなことを書いた記憶はありません。
どこに書いてあるのでしょうか? 
数値自体は当たらずとも遠からずでしょうが、書いた記憶はありません。
以上をお返事とさせていただきます。
役に立てず恐縮です。

「親亡き後のひきこもりの生活戦略」ページ(仮称)

会報『ひきこもり周辺だより』に同封したアンケートに1人の当事者から要望が出されました。
親が高齢化しているのに伴う生活情報です。
親の看取り方、葬儀の手配、遺産相続、あるいは生活保護や障害者年金にどうかかわるのか…。
「ひきこもり理解と支援の促進」学習会における当事者の報告(2015年1月)にはこうあります。
<親が死んだ後のライフプラン。
持ち家の維持、相続税、固定資産税におびえている当事者がいます。
それから兄弟間のトラブル、遺産相続で裁判に発展しているケースもあります。
親の介護、生命保険信託など一般の人がこうむる問題がひきこもりにも降りかかってきています。
それが外出や社会参加のトリガーになりえますが、なかなか難しいと思います。
最後に住宅問題、低所得者向けの物件、単身男性入居可能なUR、親子で入居可能な老人ホーム、東京都など各自治体が提示するアパート・マンションの物件、空き家、公設宿泊所、公営の低家賃アパート、シェアハウス、緊急小口資金貸付、総合支援資金……働きもしないでそんなことばっかり調べてるんじゃないかと思われますが、制度や情報を知っているだけでもゆとりが違うので。>
そういう情報をこれまでは意図的に集めていません。
「親亡き後のひきこもりの生活戦略」ページ(仮称)をつくるのがいいのかもしれません。
取り組みの実例から集めるのがよさそうです。

*訪問型の理容・美容・鍼灸師、パソコン教師などを含む事業者の小さなページ「家庭教師・訪問活動」があります。
これ自体がまだ作りかけのものですが、それに類することから始めるしかなさそうです。
〔会報『ひきこもり周辺便り』に載せた紹介文を詳しくしました〕

献体登録番号5867の松田武己です

東京医科歯科大学献体の会から書類等の一式が届きました。
なかには私の献体登録証などが入っていました。
携帯用の献体登録証もあって、どこかで倒れたらその場から連絡をしてもらうようになるのです。
5867が登録番号です。
これで献体の手続きを終わり、あとは利用を待つばかりですが、その前に死ななきゃいけない重大任務があります。
今のところその予定はありませんのでしばらく待っていただくしかありません。
冗談めかしく書きましたが、医学教育には“生きた教材”としての遺体が不可欠です。
高校時代に江戸時代に山脇東洋が死刑囚の遺体解剖をしたのが記録にある最初の遺体解剖と習ったのを思い出しました。
『解体新書』が出る前後の時代です。
比較的最近まで解剖学用の遺体が不足していたようで、これからも献体は必要とされます。
自分の目を解剖学の教材に出してもいいと考えたのはかなり前ですが、昨年ごろから献体を考え、ようやく手続きになりました。
会報『けんたい』第42号が入っていました。
解剖学の医師、医学生、献体の登録者などからかなり感動的な講演録や寄稿がよせられています。
篤志解剖全国連合会というのがあり、研修会も行われています。出席してみたいとも思いました。
私が献体をすると聞いて、「なんだか飛びぬけている」との感想を言った人がいます。
さっぱりして執着がないというほどの意味のようです。
そうかもしれませんが、それでいいじゃないですか。

「色覚補正めがね」にちょっと驚く

眼鏡屋さんの前を通ると「色覚補正めがね」と書かれた大きなポスターが貼られています。はて、視力矯正でなく色覚補正とは、色弱用のメガネなのか? ポスターに近づいて確認しました。どうもそのようです。
小学校のころ検査を受けた色覚検査の表を思い出しました。あれに似たものがポスターにも色刷りされています。学校の時のものはもっと明瞭だった記憶がありますが、ポスターは色の輪郭がぼやけています。あえてそうしているのでしょう。
他の子に読めて自分だけ読めない字があった。他の子は読めず自分だけがその文字を読めた。色覚検査の用紙はそれを鮮やかに示していました。
私が色弱とわかったのは小学校のこの検査の時です。2年生ではなかったかと思います。そのときはちょっと特別扱いされた記憶があります。
そのときの検査用紙(のちに石井式と知りました)は、鮮やかすぎて(現実よりも極端?)、ポスターの色覚検査の表はぼやけて見えるようにしてあるのでしょうか(?)
ちょっと驚きだったのは、色覚をメガネで補正できるという点です。色彩感覚が働いていれば(色彩感覚がない場合はできない?)、それを補正できるところです。
聴覚などで使う補聴器もそれと同じ原理でしょうか。聴覚の場合は音を拡大する(強度をます)ことでしょう。色覚の場合は、拡大ではなく色の質を変換する必要があります。それが「色覚補正」の技術的な難関でこれまで世に出なかった背景理由の1つかもしれません。たぶん生活上の困難が聴覚ほどではなかったこともあるのでしょう。
その技術的な難関をメガネで行うのがすごいと思いました。どんな仕掛けのメガネなのか時間があれば眼鏡屋さんに聞こうと考えています。感覚器官を操作するのは難しいと思いますが、その外側でなら補正できる、それを確認しました。(医療技術は感覚器官にも手が付けられるレベルになりそうです)

「週3日の仕事が限界で、週4日は無理」の心身状態

ある人から「週3日の仕事が限界で、週4日は無理」と聞きました。実は彼が初めてではなく、これに類することはかなり多数から聞いています。ここでいう限界とか無理というのは「自己都合」ではなくて、心身の状態として限界、無理という意味です。
「これに類すること」というのは非常に広範な状態を指します。典型的なものとして、
(1)週3日働き、週4日休む(1日7~8時間働く)。または「週4日働き、週3日休む」はそれに準じるものです。「2週間で5日働く」(2週にわたり月水金火木曜日に働く)もこれに準じるものとします。
(2)週5日・1日2~3時間働く。働く時間帯が昼型と夜型に分かれます。
(3)1か月働き・1か月休む(週5日で1日7~8時間働く)。これもいろいろなパタンがあります。
(4)登録派遣型の就労にしている人は、1か月1日働くタイプから1か月数日働くタイプの人もいます。複数の登録派遣会社に登録し、働き先を選択しながら1か月数日働くタイプの人もいます。
なお、聞く限り残業というものはありませんが、1日2時間働くことになっている人が3時間働くのは残業に当たるのかもしれません。

これらは「週5日働き、週2日休む(1日7~8時間働く)」という、今日の就業パタンとは違う働き方を示したものです。これらを「短期間就労タイプの諸形態」と呼ぶことにします。
私はこれを「心身の状態として限界、無理」といって紹介しています。これを超えるとある期間の後で全く働けない状態になります。そうなっている人は少なからずいます。ですからこれらの「短期間就労タイプの諸形態」が必要である事実を認めていただきたいのです。
「短期間就労タイプの諸形態」の人の休日の過ごし方はさまざまです。趣味・特技に精力的に動きまわる(動きまわれる)人もいます。完全に休息にするタイプもいます。ある人は「ひきこもるために働く」とその状態を表わしていますし、ひきこもりというよりは“趣味こもり”という人もいます。これら全体を否定的な心身状態、いいかえるなら障害として直す対象ではなく、正当な事実として受けとめとどうなるかを考えています。
考える材料はいくつかあります。ときどきまとめるつもりですが、今は項目だけをあげます。

①、ある団体グループが週4日労働をアピールしています。歴史的な推移としてはその方向だと思います(オランダでは広く普及)。私が働き始めた50年前は週6日働き(土曜日半日)の週休1日でしたから、この流れは根拠があります。それを意図的に選ぶのではなく、心身状態からそうなる形の先駆性はありうるのでしょうか?
②、求職が安定期になると、早期退職者が増える傾向があります。やりたい仕事探しという潜在的な傾向が表面化するわけです。これとの関係もありそうです。苦痛としての労働からの解放(技術の発展などによる)の次は、個人の自己実現としての労働選択になるのかもしれません。
③、労働と趣味(遊び)の区別がなくなる時代が近づいてはいないか。さらには「人間にとっての労働とはなにか」もテーマになるはずです。

発達障害を進化論から説明する協力者を探しています

11月末から12月にかけて、「発達障害を歴史性と進化論からみる」を書きました。発達障害を進化論から説明しようとする試みです。
その支えとなるのが中原英臣氏などの考え方です。具体的には『ウィルス進化論』(中原英臣・佐川峻、早川書房、1996年)によります。しかしまた、他のいくつかも参照にしており、この『ウィルス進化論』とは異なる進化の説明もあります。先日は「種の変化、定向進化を含む“ウィルス進化論”を肯定的に参照しています」と含みのある表現にしたのはこのためです。
手元にある参考書は『ウィルスは生物をどう変えたか』(畑中正一、講談社ブルーバックス、1993年)と『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一、講談社現代新書、2007年)などです。
例えば、新ダーウィン主義での突然変異を中原説では否定的に受け入れていますが、畑中説と福岡説では突然変異をウィルスの働きとしています。
このような点を含めての確認事項が多数あります。当然、それを理解するのに必要な文献も多いでしょう。実験・観察する条件はありませんので、文献から合理的に理解し説明できる道をたどることになります。
しかし、私にはそれ以前に生物学の基本とか、DNA及びRNAなどの基礎知識が欠けています。それらの分子生物学の理解から取り組まなくてはなりません。たとえば『DNAと遺伝情報』(三浦謹一郎、岩波新書、1984年)というのがあります。
以上の2点は、いわば裾野のところであって、その上にウィルスの働きで人間が進化する、それも現在進行形にあると進みます。発達障害は人間進化の途上の現象と説明したいと考えます。
これらを一緒に取り組もうとする方を探しています。また文献紹介(入手可能な)もお願いします。

保健所における相談・訪問・家族会の広がり状況

不登校情報センターは数年前から、保健所などの公共機関がひきこもりにどのような対応をしているのかをアンケートの形で調査してきました。さいわいかなりの公共機関から回答をいただいています。
来年3月予定の全国若者・ひきこもり協同実践交流会には居場所、訪問、相談について可能な企画提案をしたいと考えています。その材料としてまず保健所の状況をまとめました。回答をいただいた保健所は130か所あります。
保健所は従来から精神障害への保健師の訪問を含む対応をしてきました。保健師はそのために精神保健分野の研修を行い、それが今日の精神保健福祉士の資格制度につながったと理解しています。その対応の延長がひきこもりや発達障害への保健所の対応になっているのです。
それがひきこもりへの対応に自然につながった所もあるし、また精神障害への対応の色合いを残しているとも感じる所があります。
また精神保健福祉センターとの領域分担のしかたや、さらには発達障害者支援センタ-の設立による発達障害領域の移管により、現在は移行期のいくつかの状態が表われています。

〔保健所におけるひきこもりと発達障害への対応形態の調査〕
http://www.futoko.info/…/%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%89%80%E3%81%…

アンケート「引きこもりの人が望む将来生活の姿」

2001年から2003年にかけて行った「引きこもりの人が望む将来生活の姿」というアンケートがあります。将来どんな仕事に就きたいのか、仕事でなければどういう生活をしていたいのかを尋ねたものです。
ほとんどの回答者は、不登校情報センターに通っていた人です。本音を聞き出した信ぴょう性は高いものだと思います。〔希望者には「まとめ」を送ります〕
それと同じ内容のアンケートをおよそ15年の歳月が経たところでお願いしています。すでに今年の初めから始め、数名から回答をもらっています。歳月が過ぎても似たところがあるのか、回答者の年齢が高くなっており切実感・現実味はどうでるのか、興味を持ってみています。
ただ、私のいまの状況は引きこもり経験者との接点が質・内容に移り、以前ほど多くの人との接点がありません。そこで、サイト上にアンケート用紙を掲載しました。心当たりのある当事者のみなさんにこのアンケートへの回答をお願いいたします。

〔引きこもり経験者へのアンケート〕
http://www.futoko.info/…/%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%…

登校拒否・不登校問題研究会の結成に参加しました

全国登校拒否・不登校問題研究会の結成総会が開かれ参加しました(24日)。東京電機大学の前島康男さんの呼びかけです。
研究課題として12項目が揚げられました。研究方法は、文献研究(約40万点あるといいます)と調査研究などをあげています。私はたぶん実践からの研究になるでしょう。サイト制作のために学校、相談室、適応指導教室、フリースクール、親の会などの情報も継続的に入手できるのでそれらを生かすことができるかもしれません。
研究報告は『報告集』を適宜発行することになっています。
結成総会の場では、新潟大学の世取山洋介さんが「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案の批判的検討」と題する報告を行いました。

社会福祉協議会「ひきこもり」等への取り組み(中間1次コメント)

各地の社会福祉協議会宛に「ひきこもり・ニート・若年無業者」対象の取り組みをしているのかどうかの問い合わせ(アンケート)を実施しています。回答件数はまだ少数ですが、気づいたことをまとめます。
(1)主目的は取り組み内容の調査です。
昨年施行された「生活困窮者自立支援法」の事業を受託するところが一定程度あると予測しました。これは大田区のJOBOTAを訪問したのが重要なきっかけになっています(2015年12月)。予想通りですが、その程度を判定するには十分な情報が集まっていません。回答数が少ないこととともに、法の施行から期間が短いことも関係します。
社会福祉協議会は制度としては不可欠のセーフティネットです。民生委員がいて、何らかの問題のある人・家庭を把握して行政機関に結び付ける役割を持っています。しかし、それが必ずしも十分に機能していないかもしれません。それには制度上の問題も、運用上の問題もあります。制度の補充として生活保護法や生活困窮者自立支援法を制定してきたものと思えます。
運営の問題とは、制度の理解のしかた、運営担当者の特にリーダー役の能力と個性、国民性や地域性、福祉制度の関する思想や階層性・宗教観も関係すると思えます。
数年来の国の福祉予算の削減や、地方自治体の施策と予算配分などもおおいに関係します。
社会福祉協議会の取り組みは重層的になっています。都道府県としての対処、市町村および支部としての対処があります。それらが民生委員の活躍に負わされている地域もありそうです。今回は原則として市区町村の社会福祉協議会に情報提供を依頼しました。
(1-2)生活困窮者自立支援法
「生活困窮者自立支援法」の役割もここから評価していけると思います。自治体の担当者から、生活保護の受給者を減らすための対応策と聞かされたことがあります。以前から社会保障を考える時いきなり生活保護に突き当たるので、そこに至る中間的な対応策を必要と考えてきたのですが、それに該当するのかもしれません。
「ひきこもり」という言葉が公式に入る福祉的な法制度として受け取っていいと思います。「生活困窮者自立支援法」の施行は自治体間にかなりのばらつきがあると感じています。それがどの程度なのかを少しは知ることにもなります。
回答を見ると対応をしている例には、相談レベル、関係機関への紹介レベルにとどまっているところが多いようです。ここを実質的なものにするには担当者の力量が関係します。特に社会福祉協議会から業務委託している所での実質的な取り組みの実例を期待しています。

(2)技術的な面
全国的に統一された社会福祉協議会のリストが見当たりません。それは必ずしも悪い方ばかりに出るわけではありません。市区町村の社会福祉協議会の一覧を集めているのですが、それが県単位でできていないところがあります。政令指定都市が別になっている。市町村の下部になるはずの支部単位になっている、都道府県が載っていない、など。県別に調べる担当者の検索する能力を高めています。
(3)このコメントの性格
この分野の専門的な知識はありません。回答件数が少ない中での、覚書的なコメントです。100件ぐらいからの回答を期待しています。2月8日現在、12件です。「取り組み内容なし」と寄せてもらったのが11件あります。これも貴重です。
コメントは情報収集により得た事情をまとめたものです。参考になればいいのですが…。あわせて福祉分野を専攻する学生等の協力も欲しいところです。

〔市区町村社会福祉協議会〕http://www.futoko.info/…/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%B4%E3%83%…