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カテゴリ:周辺ニュース

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不登校・引きこもり質問コーナー・部外者回答編

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所在地 北海道
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目次

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ページ名市立尼崎高の女子いじめ不登校、()
いじめ不登校 申告も…学校が2年以上放置
兵庫県の市立尼崎高校の水泳部で、女子生徒がいじめ被害を受けて不登校になり、保護者が申告していたにもかかわらず、学校が調査せず、2年以上放置していたことがわかった。
教育委員会によると、市立尼崎高校の水泳部で、2017年、当時高校1年の女子生徒が、ほかの女子部員から悪口を言われるなどのいじめを受け不登校になった。
女子生徒の保護者は、いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」にあたると学校に申告したが、学校は調査せず、2年以上にわたり放置していたという。
教育委員会は、今月になり保護者に謝罪し、「重大事態」として調査を進める方針。
市立尼崎高校を巡っては、去年、バレーボール部や硬式野球部で体罰が発覚したほか、水泳部で別の女子生徒がいじめを訴え、学校が調査している。
〔2020年3/18(水) 日本テレビ系(NNN)〕

周辺ニュース

ページ名香川県ネット・ゲーム依存症対策条例、()
ネット・ゲーム依存症対策条例、香川県で可決「ゲームは1日60分」行政が決める必要はあるか、専門家に聞いた
ネット・ゲーム依存症対策に関する条例を賛成多数で可決した香川県議会=3月18日
香川県議会で3月18日、「ネット・ゲーム依存症対策条例」が可決、成立した。18歳未満のゲームプレイ時間について上限を盛り込んだことで全国的な議論になったこの条例は、4月1日に施行される。
条例には県が依存症対策を推進すること、ゲームを開発する事業者にも協力を求める内容も盛られているが、最も議論になったのは、ゲーム時間の目安が盛られた部分だ。
18歳未満の子どもを対象に、依存症につながるようなゲーム利用は、平日は60分、休日は90分までとする「目安」を設けた。
(1月20日の素案では「基準」としていたが、「目安」と変更している)また、使用する時間帯に関しても、中学生は午後9時まで、高校生などは午後10時までとした。
保護者はこの目安を「遵守させるよう努めなければならない」としている。罰則規定はない。
利用時間の上限が盛られていることに対しては、保護者などから賛成の声が上がる一方、「行政が個人の趣味に介入するのは行き過ぎ」「ゲームで救われる子もいる」などの批判も出ていたことに加え、パブリックコメントを募る期間が短いなどの進め方を疑問視する声も上がっている。
なぜ行政が個人の娯楽に介入するような条例を制定する必要があるのか。条例の制定に関わった医師や疑問を投げかける専門家、団体に話を聞いた。
久里浜医療センターの樋口進院長
「親がコントロールするのは難しい。行政が目安を設けるべき」
今回の条例制定に関わり、インターネット依存に関する外来も行なっている国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長はまず、「ゲーム依存は行動の行き過ぎとそれに付随する問題がセットになっているもの。ゲームのやりすぎだけでは依存とは言えない」と説明。
外来に訪れるのも、インターネットやスマートフォンではなく、ゲームに依存する人がほとんどだという。
ゲーム障害=ゲーム依存は、世界保健機関(WHO)が新たな依存症として認定している。
樋口院長によると、WHOによるゲーム障害の定義を整理すると下記のような状態。
・プレイ時間などをコントロールできない
・ゲームが生活の中心になっている
・学校や仕事などの社会生活に問題が出ている
・問題が出ているのに続ける
・これらが12カ月以上続く(重症の場合はのぞく)
同センターに訪れるゲーム依存症者は男性が多く、7割が未成年者。研究が始まって日が浅いものの、依存しやすい危険要因としてはゲームを始める年齢が早いことや仕様時間が長いこと、友人が少ないこと、衝動性が高いことなどが挙げられるという。
逆になりづらい要因としては、自己評価が高いことやクラスに溶け込んでいることなど、現実社会で自己実現している度合いが高いことが挙げられるという。
その上で、「ゲーム依存の大きな問題は、子どもたちが一番影響を受けるということ」と指摘する。
外来に来る子どもたちの中には、学校に行けなくなったり卒業できなくなったりするケースもあり、依存に近い状態になると物に当たったり、家族に暴力を振るうということも珍しくないという。
こうした現状から、「長時間ゲームをやらない方がいいという認識はあっても、どこまで減らすべきか分からないという人が多い。
罰則も設けていないので、目安を示すことは重要」と話す。
条例に反対する人からは「行政が規制するのではなく、家庭でルールを作るべきだ」という声もある。
これに対しては「従順な子どもの家庭はいいが、思春期の子どもを親がコントロールするのは非常に難しい」と指摘。オンラインゲームでは、仲間が続けていると付き合わざるを得ないという状況があるとし、条例で目安を設けることで学校や家庭が指導しやすくなるという利点があるとする。
「お酒やタバコなど体に害を及ぼす可能性があるものは、厚労省が摂取の目安を公表しているが、ゲームにはそれがない。
私は行政が目安を示すべきだと考えます」と繰り返した。
ゲーム依存の背景には他の原因があることも
一方で、「ゲーム依存は他の疾患との関わりも知られており、鬱やADHD(注意欠陥・多動性障害)は相関関係があるという研究結果がある」とし、そしてその疾患の背景には、学校生活がうまくいかないなどの原因が隠れていることもあるという。
樋口院長は「もちろん依存の背景には何があるのかを考え、解決することも大切」と述べ、背景に対人関係や生きづらさがあるならば、それを改善することも重視しているとした。
さらに「ゲームの良い面ももちろんある」とした上で、「何事もバランスが大切ですが、子どもたち自身で自分がやっていることのリスクを判断するのは難しい」と条例の正当性を強調した。
大阪大学非常勤講師の井出草平さん
「依存症対策」という名を借りたスマホ・ゲーム規制では
一方大阪大学非常勤講師で社会学と精神医学が専門の井出草平さんは、「多くの方が言われているように、行政が家庭のことに口出しをするということ、さらに、依存症の予防として効果があるかどうか分からないのに、時間的な『目安』を一律で県民に課すというのは問題があるのではないでしょうか」と指摘する。
香川県議会によると、条例は久里浜医療センターが行なった調査で、ゲームの使用時間が1時間を超えると成績の低下が顕著になること、県教育委員会が実施した調査で、スマホの使用時間が1時間を超えると正答率が低くなったことを根拠にしている。
ただ井出さんによると、ゲームの使用時間を制限するとゲーム依存になりにくくなるという研究結果はないという。
井出さんは、条例に賛成する人を含めて話を聞いていると、「ゲーム依存」として想定されているものが、本来の意味での「依存状態」とまでは言えないことが多いと感じているという。
食事中にスマホやゲームをしている、というような状態を指して「ゲーム依存」と捉えている人も多く、議論の前提に差が生まれているという。
「食事中のゲーム使用、というような状況は時間制限をすることで止められるかもしれないが、条例は『依存症対策』ということになっている。
エビデンスがないのに、『依存症対策』として時間の目安まで設けた条例を作るというのは、依存症という名を借りたスマホ、ゲーム規制ではないか」と疑問を抱いているという。
「背景にある不登校やメンタルヘルスの問題に目を向けるべき」
井出さんはひきこもりや不登校に関する研究を行う中で多くのゲームに関する問題を抱える人を見てきたという。ゲーム依存は他の疾患を伴ったり、学校での人間関係がうまくいかないなどの社会的な要因が合わさることが多いとし、井出さんは「ことさらゲーム依存だけを取り出して対策をするのではなく、前兆である不登校などの生活上の問題、メンタルヘルスの問題をチェックしていくことが、本当の意味でゲーム依存の可能性がある子どもたちへの対策になるのではないか」と指摘する。
「ゲーム依存」という部分だけを取り出して対策することで、その背後にある問題や、重症者への対応・対策がおざなりになるのではないかという懸念があるという。
さらに、ゲーム業界側の努力も求めた。ゲーム業界は、子どもがゲームをやりすぎないように親がプレイ時間や課金の可否などを設定するペアレンタルコントロールに取り組んでいるものの「こうした取り組みについての周知が不十分。
特にスマホのゲームアプリを開発している企業には、もっと力を入れてほしい」と話している。
香川県が公開したパブリックコメント実施結果より。進め方を問題視する声も寄せられた。
「とにかく不透明」議会の進め方に批判も
問題視されているのは、条例の内容だけではない。採決までの過程にも批判が集まっている。
メディアの規制に関わる法案に対し、情報収集や意見発信を行っているコンテンツ文化研究会の代表・杉野直也さんは、議会の委員会で一般には非公開、議事録もない中で検討されてきたこの条例に疑問を抱き、入手した資料をウェブサイトで公開している。
杉野さんは「依存症の方がいて、医療に繋げる、繋がりやすい環境を作るということは必要」とした上で、「今回の条例に関しては、しっかりとした調査や検討が行われているとは言えない」と指摘。
「まず、ゲーム依存に関する条例なのに、ゲーム業界関係者への聴取がない。
ゲームを規制しようというのに、当事者に話を聞かないというのはおかしいでしょう」と問題点を挙げた。
県議会はこの条例の素案に対するパブリックコメントを県民と全国の事業者を対象に募ったが、通常1ヶ月以上の期間を半分の2週間に設定。
パブリックコメントの詳しい内容が県のウェブサイトに公開されたのは採決の前日である3月17日で、その5日前に行われた委員会でも、議員には当日に資料が渡された。議員でさえパブリックコメントの全文を見ることはできず、これに対して一部の議員が「パブリックコメントの結果の公開を求める申入れ」を行なった。
しかし県議会側は採決の終わった後、3月18日の午後以降、委員のみに閲覧を許可すると回答。こうした一連の流れについても、杉野さんは問題視する。
「総じて閉じられた中での議論になっています。パブリックコメントを募る期間の短さも本当に意見を聞く気があるのだろうかと感じます。とにかく不透明です」
条例は4月に施行される。
香川県での動きを受けて、秋田県大館市でも同様の条例が検討されているという報道もあり、杉野さんは「新たに検討する自治体が出てくることは批判しませんが、しっかりと議論が行われ、本当に問題解決に繋がる施策にすることが大切だと考えています」としている。
〔2020年3/18(水) ハフポスト日本版 Nodoka Konishi〕

ついに可決…香川県「ネット・ゲーム規制条例」がニセ科学と言える理由
科学的根拠はあるのか?
香川県議会では現在、18歳未満のネット利用を1日60分、休日は90分とし、ネット、スマホ利用を夜9時まで、休日は夜10時までに制限する条例が提出されている。
今日3月18日に採決が行われ、可決する見通しだ。
香川県に続き、秋田県大館市でもネット・ゲーム規制の条例化が検討されている。また、他の自治体の議会でもネットやゲームの依存について質問が増えてきている。
こうしたネットとゲームの規制の動きは香川県や大館市にとどまらず、今後、多くの自治体に広がっていくと思われる。
条例という形で、個人のネットやゲームの使用に制限をかけることには議論がある。
スマホやゲームの使い方のルールは家庭で決める問題であって、行政のすることではない、という批判も多い。
ルールを決めるのは行政か家庭かという争点はあるが、本稿ではこうしたいわゆる「ネット・ゲーム規制条例」の内容に科学的な根拠はあるのか、ということに着目して考えてみたい。
ネット依存やゲーム依存は現代社会の問題であり、その対策を行うこと自体は誤りではない。
治療や援助のための機関も不足しており、対策のための資源を増やしていくことは社会的な課題でもある。
しかしだからといって、ネット・ゲーム規制が依存症対策に有効か否かは別問題である。
対策をするのであれば、科学的な根拠のある正しいやり方で行わなければ、効果は見込めない。
その第一歩として、ネット・ゲーム依存についての正しい理解が必要になる。
規制派の典型的な「3つの誤解」
ネット・ゲーム規制を推進する立場の主張で、しばしば前提とされるのが、「依存症」についての誤ったイメージだ。
たとえば2018年12月11日、東京都東大和市の市議会で荒幡伸一議員(公明党)が下記のような質問をしている。1
〈ネットやゲーム依存に一度陥ると、治療は困難であることから予防が大切であるが、依存の怖さを子どもだけでなく、大人も学習する必要がある〉
この質問には、依存症に関する典型的な3つの誤りが含まれている。
1. ネットやゲーム依存に一度陥ると、治療は困難
2. 予防が大切
3. 依存の怖さを学習すべきである
これらのどこが不適切かを解説していきたい。
「ギャンブルより依存性が高い」は本当?
依存症は「一度陥ると回復しない」というイメージがあるようだが、一般に思われているよりも容易に治る。
容易に治らないケースは、もともと家族関係や学校・仕事での問題があったり、リスクになる精神障害がある場合などで、こうした根本的な問題が解決しないうちは依存症が続きやすいという傾向は確かにある。
しかし、一般に依存症というのはそれほど強固なものではないし、さらにネットやゲームに関しては、依存症の中でも依存性が高くないことがわかっている。
香川県の条例を支持する四国新聞では、精神科医の和田秀樹氏が「特にゲーム依存はギャンブルやアルコール以上に依存性が指摘されている」と述べている(2020年1月21日朝刊)。
ここでは客観的な研究結果があるかのように紹介されているが、このような研究は存在しない。
むしろ反対に、ゲーム依存研究で有名なプシビルスキやワインシュタインらがアメリカの調査を分析した研究2
では「インターネットゲームはギャンブルよりもはるかに依存性が低い」とされている。 
この研究では、ギャンブル障害の有病率は若年成人(18~24歳)で2.6%、すべての成人で1.0%程度と推定されている。
一方で、インターネットゲーム障害の有病率は若年成人で1.0%、すべての成人で0.5%程度と推定されており、この結果からインターネットゲームはギャンブルよりも依存性が低いとしている。
未成年にとって、ゲームはギャンブルよりも身近な存在である。日本では20歳未満が公営ギャンブルで賭けをすることが禁止されている。
プシビルスキらの調査したアメリカは、州によって異なるが原則20歳未満は禁止されており、場所によって18歳未満が禁止というところもある。
加えて、基本的にギャンブルは金銭を賭ける遊びであるため、収入の乏しい子どもには参加が難しい。
一方で、ゲームは多くの家庭にあり、自室や居間で簡単にプレイできる。
ゲームの方が圧倒的に敷居が低いのである。にもかかわらず、ギャンブル依存に比べてゲーム依存は半分程度と少ない。これがプシビルスキらの主張の根拠だ。
「治療が必要な人」は何%か?
では、ゲーム依存になってしまった人々の回復は困難なのだろうか。これに関して、ドイツで追跡研究が行われている3
この研究では、研究開始時点・1年後・2年後の3回、2年間にわたってデータを取っている。
対象はゲーム利用者であり、生活に支障をきたす問題のあるゲーム利用がされているかを調査している4
その結果は下記の通りだった。----------
・ゲーム利用者の91.6%は問題を抱えない。
・もともと問題がなかったのに、2年後の計測で問題を抱えたのは1.7%。
・2年間ずっと問題のあるゲーム利用をしていたのは1%。
・最初は問題があったが、2年間のうちに問題がなくなった者が2.7%。
・一時的に(1年後時点だけ)問題があったが、3時点目で問題がなくなっている者が1.8%。
一般的に危惧されるような、継続的にゲームに依存的な利用者は1%に過ぎない。
この1%が依存治療の対象であり、さらに依存予防の対象(新たに依存するようになった人々)は1.7%であるから、計3%程度が依存対策の対象者ということになる。
また、自然に回復する人が2.7%、一時点だけ問題を抱えた人が1.8%で、この5%弱のグループは支援がなくても回復している。
医学用語では治療がなくても治ることを自然寛解という。精神障害では自然寛解は珍しいことではなく、ゲーム依存も例に漏れず、自然寛解が多いことが確認できる結果である。
この研究から得られる知見は2つある。
1. ゲーム依存症の治療や支援が必要な人は、大きく見積もっても3%程度と少数である。
2. 5%程度は自然に治り、その数は治療や支援が必要な人より多い。
この研究はドイツの結果なので、日本で同様の研究を行ったとしてまったく同じ数値が出る保証はないが、少なくとも、「ゲーム依存に一度なると、回復は困難である」という認識が誤りであることは確認できるだろう。
「時間制限」は解決策になるか?
依存症からの回復が困難であれば、予防に力を入れるべきだというロジックにも説得力が出てくる。
しかし、実際は自然に回復するケースの方が多いため、このロジックは適切ではないことがわかる。
また、予防が大事だといっても、ネットやゲーム依存の予防に効果的な方法が明らかになっていないことも、指摘しておく必要があるだろう。
「回復が困難だから予防をすべき」という論は、実態を反映していないだけではなく、予防の方法が確立されていないことも考慮していないのだ。
香川県の条例では、予防法は「使用時間を制限すること」だと考えられている。
しかし、時間制限が予防策として有効であるというのも、誤った考えである。
このことは韓国の政策をみると明らかである。
韓国ではネット・ゲーム依存が早くから社会問題化しており、2011年にインターネット依存を予防する目的で「シャットダウン制度」という政策が実施されている。
シャットダウン制度とは、16歳未満の子どもは韓国全域で午前0時から6時までオンラインゲームにアクセスできないようにするものである。
ゲームをプレイするには、国民識別番号の入力が必要になり、16歳未満の番号を入力してもゲームが起動しなくなった。
しかし、韓国のチェらの研究5
によれば、シャットダウン制度が施行された直後の2012年こそインターネット利用時間は減少したが、その後着実に増加してゆき、2014年の段階で2011年の利用時間を抜いたと指摘されている。
また、ネット依存や睡眠時間の改善についても有効な結果は得られなかったとしている。 
チェらは「シャットダウン政策は青少年のインターネット使用を削減できなかったため、政策立案者は異なる戦略をとるべき」と結論づけている。
もっとも、香川県の条例と韓国のシャットダウン制度には違いもある。
香川県の条例は「ゲームは60分以内、ネット利用は9時まで」といった制限である一方、韓国のシャットダウン制度はゲーム時間を0時までに制限するというものである。
しかし、時間制限をかけるという点では共通しており、さらにその制限が人々の行動を根本的に変えられなかった、という点で参考になるだろう6
マスコミが拡散する「過剰な恐怖感」
「ネット・ゲーム依存の怖さ」を主張するのは、これまで引用したような政治家や識者だけではない。
大きな影響力をもつのが、マスメディアである。
2020年1月26日の「産経新聞」では「香川のゲーム条例 子供守るルールは必要だ」と題する社説が掲載され、その中で「自分からやめられないのが依存症の怖さだ」との主張がなされている7。
既に見たように、依存症というのは短期的なものがほとんどであり、産経新聞の社説の記述は科学的な研究に反している。
依存症の「どうしてもやめられない」というイメージは、産経新聞の社説の筆者だけが持っているものではなく、長年にわたってメディアで醸成されてきたものである。
最も有名なものは、1980年代に日本民間放送連盟(民放連)によって作成された「覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?」という公共広告であろう。
「人間をやめないといけないほど依存症からの回復は困難」という「思い込み」を植え付けたCMである。
もちろん、メディアが依存性を過度に強調しているからといって、違法薬物に手を出していいと言いたいわけではない。
依存の性質や度合いを客観的に判断しなければ、誤った対策を講じることになる、という点が重要なのである。
また、覚せい剤のメディアイメージを、そのままネットやゲームにもあてはまるものだと考えることにも問題があるだろう。
依存症という用語は共通していても、言うまでもなく、ゲームは覚せい剤とは根本的に異なるものだからだ。
「回復が困難だから予防が必要」「その一環として依存症の怖さを植え付ける」という発想は、推測と誤解に基づいた誤った対策を導くことになる。
「規制」ではなく「治療・支援」を
ゲーム依存の依存性がさほど高くないとはいえ、長期間にわたり、ゲームへの依存に近い状態に陥っている人がいることも事実である。
ドイツの研究の数値でいえば、ゲーム利用者のうち1%程度が2年間にわたり問題のあるゲームプレイを続けていた。
ゲームの依存性の低さや、ゲーム依存になる人の少なさを根拠に、彼らの存在を無視するべきではないだろう。
生活に困難を抱えるような過度のゲーム利用やスマホ利用があれば、何らかの対策を考えるべきである。
少なくとも、本人や家族が専門家に相談したいと思った時に対応できる機関と、治療・支援のプログラムを組み立てていくことは必要である。
実際にどのような治療・支援を行っていくべきかについては稿を改めるとして、今回は香川県の条例で挙げられている「対策」に有効性があるかどうかを考えてみたい。
先に述べたように、時間制限はネット・ゲーム依存予防の効果が期待できない可能性が高い。
少なくとも有効性を示す研究や成功した類似の政策が存在するわけではないので、無理があるだろう。
また、ドイツの研究をみる限り、ゲーム依存の治療・支援が必要とされる人は多く見積もっても3%程度である。
ほとんどの人たちはゲーム依存とは無縁であり、節度のあるゲーム利用をしている。
そういった実態を無視して、全員一律に利用時間の制限を行うと、関係のない人たちを多く巻き込むことになるのは言うまでもない。
依存症対策という題目を掲げれば、何をしてもよいわけではない。政策を実行する際には、政策によって起こる副作用についても考えなくてはならない。
効果のない時間制限に躍起になったり、科学的根拠のある予防策がないにもかかわらず予防ができるかのように説くことは、無駄なばかりでなく有害ですらある。
行うべきは、スマホやゲーム依存の治療・支援に力を注ぐことである。
これらの依存症に対応できる医療機関や相談機関は全国的にまだまだ少なく、資源もかなり限られている状態である。
こういった資源を増やしていくことが、最も現在求められている。
さらに、時間制限を主体とする対策が、一般家庭にネットやゲームの誤った知識を広めることの副作用も考えなくてはならない。
スマホやゲームの使用方法や時間は、最終的には保護者が決めるという家庭が多いだろう。その際に、保護者が「ゲームやスマホはギャンブルやアルコール依存よりも依存性が高く、依存症になれば『人間をやめることになる』くらい怖いものだ」と思い込んでいれば、適切なルールが作れず、誤った家庭教育につながるだろう。
私たちの生活は、もはやデジタル機器と切り離せないものになっている。
そのような時代に生きる私たちにとって、正しい知識をもってデジタル機器との付き合い方を考えていくことが、何より必要とされているのである。



1)「平成30年第4回定例会」一般質問通告一覧(https://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/36,979,c,html/979/20181205-150121.pdf)。
2)Przybylski AK, Weinstein N, Murayama K., 2017, Internet Gaming Disorder: Investigating the Clinical Relevance of a New Phenomenon. Am J Psychiatry. 174(3):230-6.
3)Scharkow M, Festl R, Quandt, 2014, Longitudinal patterns of problematic computer game use among adolescents and adults--a 2-year panel study. T.Addiction. 109(11): 1910-7
4)例えば、不登校で家にいると暇なのでゲームをしているというケースは少なからず存在しているが、ゲームによって不登校が起こっていないので、こういったケースはゲーム依存とはならない。
5)Choi J. et al. 2018, Effect of the Online Game Shutdown Policy on Internet Use, Internet Addiction, and Sleeping Hours in Korean Adolescents. J Adolesc Health. 62(5): 548-55.
6)シャットダウン制度は2014年9月2日から親の申請によって解除できるようになり、深夜のインターネットゲームをしてよいか否かは家庭で決められるようになっている。
7)https://www.sankei.com/column/news/191211/clm1912110002-n1.html
〔2020年3/18(水) 現代ビジネス 井出 草平(大阪大学非常勤講師)〕

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ページ名スマホ安全アドバイザー、(SNS)
カード請求40万円も! 子供のスマホ「アカウント共有」の危険
子供のゲーム課金をどう防ぐか?(イメージ)
『今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査』(MMD研究所の2020年調査)によれば小学生の約40%がスマホを持っているのが実情だが、それに伴い、トラブルに悩む親も増えている。
「小3の息子にスマホを与えた翌月、40万円ものクレジットカード請求が! 原因は子供のゲーム課金でした(泣)」(43才・パート)
無料のゲームアプリにはたいてい、お金を追加で払うことで、ゲームを有利に進められる課金制度が設けられている。
スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんが解説する。
「ゲーム上では、あえてお金を“円”などで表示しないため、金銭感覚が失われやすいんです。子供ならなおさら。
クレジットカード情報を登録した親のスマホアカウントを、子供のスマホでも共有していると、2クリック程度で簡単に数千~1万円単位の課金ができてしまいます」
防止するには、子供専用のアカウントを作り、そこにはクレジットカードを登録しないこと。
または、クレジットカードの自動請求機能を解除することなどだという。
さらに、親が気づいてあげなければいけない問題もある。
「小6の娘がいじめで不登校に。先生に相談したところ、仲間外れにされている様子はなかったといいます。
でも調べてみたら、LINEのグループから外されていたんです」(38才・パート)
無料でメールや通話ができるアプリ「LINE」。
気軽にメッセージを送り合えるため、友人と深い人間関係が構築できるメリットはあるが、その一方で、LINE内でのいじめは確かに増えているとして、鈴木さんはいう。
「いじめの温床になっているのは、複数人で会話ができる『LINEグループ』。ターゲットの子は、この中で無視されたり、グループから外されます」
例えば、ターゲットが呼ばれていないことを知りつつ、グループ内で「Aちゃんの誕生日会楽しかったね」などとメッセージを送り合う。
ターゲットは招待されていないことを知り、傷つく。
しかし、学校ではみな、親し気な態度を取るので混乱する、というわけだ。これでは先生も気がつきにくい。
いま、いじめの舞台は、現実世界にはない。子供の様子がおかしいと感じたら、スマホを見せてもらおう。
勝手に見たり、取り上げるのは、親への信頼を失わせるので控えた方がいい。
叱らずに子供の気持ちを受け止め、問題のLINE画面を証拠としてスクリーンショットで撮影して学校に提出するなどして、親が介入して対応を考えよう。
〔2020年3/4(水) マネーポストWEB※女性セブン2020年3月12日号〕 <br

周辺ニュース

ページ名GIGAスクール、(文部科学省)
レノボとNTT Com、「GIGAスクール」構想を後押しするパッケージ商品を提供開始
「GIGAスクールパック」
■補助金額内での導入が可能
NTTコミュニケーションズとレノボ・ジャパンは、昨年、文科省より発表された「GIGAスクール構想」の実現に向け、小中学生の学習向けパソコン、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」、端末管理ツールの3つをパッケージ化した「GIGAスクールパック」を共同開発し、本日3月3日より申込受付を開始した。
文科省が提唱する「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」とは、児童生徒1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークを全国の学校現場で一体的に整備し、誰ひとり取り残すことなく、ひとりひとりに最適化された創造性を育む教育ICT環境の実現を目指すもの。
グローバル市場で教育機関向けICT端末を提供してきたレノボ・ジャパン(株)執行役員副社長・安田稔氏は「1人1台時代に向けた必要十分な端末を低価格で提供し、現場の教職員の負担を軽減するクラウドをフル活用した効率的な運用が可能な仕組みを実現することで、利活用率の向上を目指したい」とGIGAスクール構想の実現に向けた強い想いを訴えた。
「GIGAスクールパック」のパソコンには、「Lenovo ideapad D330(Windows10)」「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」の2機種を用意。
NTTコミュニケーションズが2017年から提供するクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」は、すでに全国60以上の教育委員会、400以上の学校、20万人以上の児童生徒・教職員が利用する実績を備え、今回の「GIGAスクールパック」では、基本機能であるシングルサイオン、学習履歴管理等に加え、各種教材等をアップロードして授業で活用し、児童生徒の学習状況をリアルタイムで確認できる授業支援システム、学習コンテンツ、授業記録システム、オンライン研修をセットにして提供することで、教育現場への円滑な導入を目指す。
端末管理ツールは、大量の端末の設定やセキュリティを一括して管理することが可能。
想定価格は1台44,990円(税込)。国からの1台45,000円の補助金内で導入実現を可能とする。
■プログラミングツールやクリエイティブツールも
「GIGAスクールパック」の学習コンテンツには、特別学習コンテンツとして、教科書出版の東京書籍から学校用プログラミング教材「みんなでプログラミング」、アドビシステムズからビジュアルプレゼンテーションを手軽に作成できるクリエイティブツール「Adobe Spark(アドビ スパーク)」が提供される。
東京書籍(株)教育文化局教育文化総轄本部本部長・長谷部直人氏は「この春から新しい指導要領となり、プログラミングが教科書にも入ってくる。
GIGAスクール構想の実現を追い風に、PC1人1台が当たり前となる中で、課題はそれをどう効果的に活用できるかだ。
GIGAスクールパックは、運用や利活用までがパッケージされている、これは非常に重要なこと。
今回、重要なプログラミング教材の開発・提供に向けた共同開発にお声掛けいただき大変責任を感じると同時に、キックオフにワクワクしている」と意気込みを示した。
一方、アドビシステムズ(株)マーケティング本部バイスプレジデント・秋田夏実氏は、「Adobe Spark」がすでに、世界中の学校で1,800万人以上の児童・生徒が活用されていることを紹介。
操作も簡単で、「特に教えることなくいろいろなものをつくることができる。
クリエイティブな学習活動には “手軽で楽しい” ことがなにより重要。クリエイティブな学びに最適なツール」と訴えた。
■実際に利活用していただくことが何より大事
NTTコミュニケーションズ(株)代表取締役常務取締役・菅原英宗氏は「GIGAスクール構想は教育を変えていくトリガーとなる。
今回のGIGAスクールパックの導入にあたっては、抱いている想いはレノボさんと同じ。とにかく実際に利活用していただくことが何より大切だということ。
多くの皆様に活用いただき、生徒の教育を変えていくことに寄与していきたい」と訴えた。
すでに、全国60以上の教育委員会、400以上の学校、20万人以上の児童生徒・教職員に利用される実績を持つ「まなびポケット」。
ある学校では、授業支援システムを活用した「朝の会」を実施する。
児童が今日の目標や体調を書き込み、お互いに情報を共有するもので、距離が離れていた子どもがお互いをよく知り合えることができたり、また、不登校の生徒が朝ノートには参加し続け、2学期からは登校することができるようになったりなど、「ICTならではの強み」をアピールする。
なお、新型コロナウイルスの影響で休校を余儀なくされた学校に対し、NTTコミュニケーションズでは「まなびポケット」と教材を5月31日まで無償で提供している。
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
〔2020年3/3(火)PHILE WEB〕

周辺ニュース

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子の気質 子の生まれ持った気質、親の力で伸ばすには?
【最終回】わが子に合った伸ばし方を考えるために不可欠な「2つの目」とは?
最近、「教育虐待」の問題が広く知られるようになってきました。「いい大学に入れるように、勉強を頑張らせないといけないと思っていたけど…」「将来につながるスキルを身に付けさせたくて、子どもが小さい頃からいろんな習い事をさせているけど…」など、親としてのスタンスや子どもとの関わり方に迷いが生じることもあるかもしれません。
そこで、自身も教育虐待のサバイバーで3歳の女の子のママでもあるライター、本庄葉子が、コーチングの専門家であるNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんに教育虐待が起きるメカニズムや予防法、起きてしまったときのリカバリー法について根掘り葉掘り聞き倒しました。最終回は、子どもに「生きる力」をつけさせるために親が心掛けるべきことを考えていきます。
第1回 遠方の私立小通学で頭痛体質 これも教育虐待?
第2回 親に自分軸があれば、子の心の痛みにも気付ける
第3回 子が親の顔色うかがうように 私の二の舞い避けたいが
第4回 親の過干渉、子の学びを妨げる原因に
第5回 親の罪悪感と正当化は表裏一体、どちらも子には負担
第6回 子の生まれ持った気質、親の力で伸ばすには? ←今回はココ
●ネットの情報に惑わされるときは2つの目を持つ
本庄葉子(以下、本庄):世の中には子育てや教育に関する情報が氾濫しています。「〇歳では☆☆ができているのが当然」「あの人気受験塾の○○校は、小1時点で入っておかないと、後からはもう入れないらしい」など、見聞きする情報に焦り、惑わされがちなのですが、雑多な情報に振り回されず、自分の子どもに本当に合った、いい子育てをするには、どうすればいいのでしょうか。
菅原裕子さん(以下、敬称略):これまでもお話してきましたが、一番大切なのは、やはり子どもの気質をきちんと見極めることです。詳しくは拙著『自分と子どもがよくわかる本』(二見書房)に書いていますが、私は気質の判断にエニアグラムという手法を用いています。私の孫のように自分の意思をはっきりと伝えるタイプもいれば、本庄さんのように、親の期待に沿おうと頑張ってしまうタイプもいる。持って生まれた気質は変わりません。ただ、親の力でその気質を伸ばしたり、健全化させたりすることはできます。
本庄:気質を生かすも殺すも親次第ということですか。
菅原:半分は親の責任です。親は2つの目を持つことが大切。1つは「世の中の流れを見る目」。今がどういう社会で、今後はどうなっていくだろう、といった見通しをつけることができれば、将来のために今、こういう力を伸ばしてあげようと逆算して考えることができます。もう1つは「子どもをよく見る目」ですね。自分の子どもがどういう気質を持って生まれてきた子なのかをしっかり見極め、その上で、その子に合った伸ばし方を考えていく。そうした2つの目を持たず、ただやみくもにいい学校に入れることだけを考えて子どもに勉強を強制しても、子どもの「生きる力」は身に付きません。
本庄:「生きる力」、ですか。
菅原:はい。世の中がどう変わろうとたくましく生き抜き、どんなときも自分でしっかり考えることができる力。それは子どもにとって、どの学校に行くか、といったことより、はるかに価値のある「財産」になります。その力があれば、子どもは自分自身で「コレ!」と思える生き方を見つけられるはずですし、どんなときも「自分は心から幸せだな~」と感じることができます。
本庄:心から「幸せだな~」と思えるような子ども時代を、私も送りたかったです……。私が未就園児だった頃、母親に手洗いを厳しくしつけられたことから、数十秒に1度手を洗わないと落ち着かない強迫性障害の症状が出たそうなんです。親がそこで私の気質を見極めてくれていたら、と思いますが、自分の反面教師にするしかないですね。
菅原:結局、トマトはトマトにしかなりません。いくら親がメロンが好きで、自分の子どもをメロンにしたくても、トマトとして生まれた子どもをメロンに変身させることはできないわけです。親の役目は、トマトをいかにおいしく育てるか。これに尽きます。
本庄:面白い例えですね。でも納得です。ちなみに、トマトを無理やり、メロンに育てようとしたらどうなりますか?
知識は生きる力になる。ただ適性を見極めずに学問を強要するのはNG
菅原:当然メロンにはなりませんし、おいしいトマトにもなれません。
本庄:がーん……。そう考えると、親が子どもの気質を見極めず、別の人間に育て上げようとすることの罪深さがよく分かります。
菅原:ただ、私は勉強を否定しているわけではありません。知識は、しっかり身に付けさせたほうがいいと思います。生きる力の1つになりますから。ただ、それも「適性に応じて」が絶対条件です。
本庄:すべての子どもにとって、東京大学に入ることが幸せというわけではありませんものね。
菅原:そうです。でも中には、自分が求める着地点に上手に子どもを連れていこうとする人がいます。これが問題です。
本庄:子どもに悟らせず、うまくコントロールするということでしょうか。
菅原:そう。小学校受験であれば子どもは絶対に拒否できませんし、中学受験でさえ、はっきり拒否できる子どもは限られます。私の知っている親子は、中学受験を目指していたのですが、途中から子どもが学校へ行けなくなってしまいました。母親が中学受験経験者で、子どもの意思とは無関係に「受験するのが当然」という雰囲気の中で突き進んでしまった結果です。 本庄:母親の意思に面と向かって背くことはできなかったけど、不登校という形で、受験したくないという本当の気持ちが表れたわけですね。
菅原:そうです。本当は子どもはもっと早くからそのサインを出していたはずなので、親はそこで見極めるべきだったのですが、サインに気づかなかったか、気づいていたとしても、見て見ぬふりをしてしまったのだと思います。
だ、このケースでは、子どもの不登校を機に受験をやめることにしたら、3カ月後には元のように通学できるようになりました。その後も平和に公立の中高へ通ったと聞いています。子どもからのサインを認識した時点でちゃんと態度を改めれば、軌道修正は可能だということです。
本庄:分かりました。私も、自分が受けてきた教育虐待を子どもにもしてしまわないよう、自分の子どもとしっかり向き合いながら育てていきたいと思います。6回にわたり、貴重なアドバイスをいただきありがとうございました。
取材・文/本庄葉子 
本庄葉子(ほんじょう・ようこ)
ライター・翻訳家
3歳の女の子のママ。小学校から名門の私立育ち、大学からは大都市の有名校に進学。その後大学院で修士課程を修了。大手メディアに勤務後、フリーランスに。海外経験を生かして翻訳業務にも携わる(本庄葉子はペンネーム)。 菅原裕子(すがはら・ゆうこ)
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事
ワイズコミュニケーション代表取締役。人材開発コンサルタントとして企業の人材育成に携わる一方、その経験と自身の子育て経験から、子どもが自分らしく生きることを援助するためのプログラム<ハートフルコミュニケーション>を開発。『子どもの心のコーチング』(PHP文庫)、『コーチングの技術』(講談社現代新書)など著書多数。https://www.heartful-com.org/
〔2020年3/4(水) 日経DUAL〕

周辺ニュース

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子どもの貧困 日本で起きている「子どもの貧困」の現実と私たちができること
『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』  1500円+税  石井光太著 / 文藝春秋刊
日本では今、7人にひとりが貧困で苦しんでいます(厚生労働省による2015年国民基礎調査より)。モノが溢れかえる豊かな国である一方で、日本は“貧困大国”と呼ばれることさえあるのです。広がり続けるこの格差は、現代の子どもたちにどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
昨年、17歳の読者を想定して書かれた生き方の指南書『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』(文藝春秋)を出版した作家の石井光太さんに、貧困家庭で暮らす子どもたちの現状と未来について、話を聞きました。
OECD加盟国の中でワースト10位の貧困率
近年、国内における貧困問題はますます深刻化しています。日本では、ひとり世帯あたりの可処分所得が122万円以下の層を貧困としていますが、その割合は15%と、OECD加盟国36カ国の中でもワースト10位をマークしています。そのうえ貧困率は今後悪化していくと予想されているのです。なかでも母子世帯の貧困率は50%以上と世界最下位、何とシングルマザーのふたりのうちひとりが、月に10万円以下で子育てをしていることになります。
そう言っても“世界の貧しい国と比べればマシだ”と考える人がいるかもしれません。たしかに日本には、生活保護や医療サービスのような福祉制度があり、最低限の生活は保障される仕組みが成されています。しかし、そうした制度だけでは救えない現実があると石井さんは指摘します。
誰もが貧困になり得る現代社会
―――そもそも、人はなぜ貧困に陥ってしまうのでしょうか?
石井「ひとつには、貧しい家庭で育った子どもは進学率が低く、満足に教育を受けていなかったり、不登校になったりした結果、うまく職に就けていないことがあります。貧困が貧困を生んでしまうパターンです。
もう一方は、もともとは普通の生活をしていたのに、病気や怪我、離婚、失業などの状況によって生活が一変してしまうパターンです。後者は誰にでも起こりうることと言えますよね。また、生活保護などのセーフティーネットからこぼれ落ちてしまい、支援を受けられていない人がいることも、貧困家庭を増大させていく要因のひとつになっています」
―――どうして適切な支援を受けられないのでしょうか?
石井「制度の存在自体、知らないことがあります。たとえば困っているとき、普通だったら友だちが教えてくれるかもしれませんが、そういう人間関係が築けていないために、情報が入ってこない。あるいは、せっかく人と繋がれるチャンスがあっても、コミュニケーションがうまくできず関係を維持できないので、連絡しても返事を返せなかったりして支援の機会が失われていくんです。
人との繋がりがあるか、繋がれる強さを持っているかどうかは、うまくいく人といかない人との分かれ目でもあります。助けてくれる人や応援してくれる人がいると、貧しくても幸せに生きていける可能性が高いんです」
―――孤立しやすい社会の在り方も、原因のひとつでしょうか?
石井「都市部では近所付き合いもそう多くないでしょうし、必要なものはネットで買い、ゲームがあれば退屈しないから、困らないんですよね。以前は引きこもりを続けたくても、夜中にはテレビが終わっちゃうし、暇に耐えられなくなって出てくるしかなかったんですよ」
―――では、福祉制度が届いていても救えない現実とは何でしょうか?
石井「適切な支援を受けられていれば、食いつなぐことはできるかもしれません。でも、人間の生活ってそれだけがあればいいというわけではないですよね。こと子どもに関して言えば、食料だけあれば育つわけではありません」
―――心の成長を伴っていかなければならない、ということでしょうか?
石井「そうです。食べものが充分にない、何かが買えない、ということが貧困の根本的な問題ではなく、貧困によって、やる気や自己肯定感が損なわれてしまうことがいちばんの問題なんです。
2019年9月に出版した『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』の中では“心のガン”という表現をしていますが、貧困によって失われた自己肯定感が、人生に対する諦めを生んでしまうんです」
―――なぜ今、この本を出そうと思ったのでしょうか?
石井「お説教したりデータを発表したりしたかったわけではなく、どんな環境にいる子どもたちでも、自分の力で未来を変えることができる、ということを知ってほしいんです。これから幸せをつかむために、希望を持って生きていくための手がかりになったら、と思っています」
何かを“諦める”瞬間の連続が、子どもたちの心を蝕んでいく
―――貧困家庭の子どもは、日々どのような生活をしているのでしょうか?
石井「たとえばシングルマザーの家庭では、満足な収入が得られないために、お母さんが日中と夜のダブルワーク、トリプルワークと仕事を掛け持って働いている方が多く見られます。子どもは、夜中になってしまう親の帰りを待っていようと明け方まで起きているので、朝起きられず、学校での遅刻や欠席が増えていきます。
おしゃれするようなお金がないのでいつも同じ服を着ていたり、洗濯などの家事が行き届いていなかったりして、『汚い』とか『ダサい』と言われていじめられることもあるでしょうし、授業がわからなくなって先生に怒られたり、テストでいい成績がとれなかったりする。
そういう挫折があっても、親とのコミュニケーションが円滑だったり、子どもに他の居場所があったりすれば救われるのですが、習い事をするゆとりがないので別の居場所作りが難しい。また、親も仕事で忙しく疲れているので、子どもに構う時間がなく、普通の家庭にあるような何かで褒めてもらえる経験や、親子で話をして学ぶ経験に乏しいのです」
―――だんだんと子どもは居場所や、人と対話する機会を失ってしまうのですね。
石井「そうですね。多くの子どもの事例を見てきて感じたのは、うまくいかなかった子どもたちには、同じような経験があるということです。それはたとえば、ある子がサッカーに興味を持って、習いたいなと思ったとしますよね。でもその子は自分の家が貧しいことを知っていますから、親にサッカーを習いたいとは言い出せないんです。仮に言えたとしても、『そんな余裕ない』と親に言われれば、諦めるしかありません。
そういうことが続けば、やりたいことに向かえなくなり、次に何かおもしろそうなことを見つけても、『どうせまたダメに決まっている』と諦める癖がついてしまう。子どもたちはこのようなことを繰り返し経験していて、これが少しずつ“ガン”として心の中に増殖していくのです」
「貧しくてもがんばれ」は通じない
―――戦後の日本のように「貧しくても努力すれば何とかなる」という意見はどうお考えですか?
石井「ある年齢から上の方は貧しさを体験しているので、そういう意見もよく聞きます。そこから見ると、親と連絡を取るためとはいえスマホを持っている子どもが本当に貧困なのか、がんばりが足りないんじゃないかと思うかもしれません」
―――そのころは国全体が貧しかったわけですよね。
石井「そこが今と大きく違うところで、戦後の日本は誰もが貧しかったんですよね。だから貧しい中にも助け合いがあり、声を掛け合ってがんばることができた。それはみんなが同じ状況にあったからです。スラムで暮らす人々も同じで、周りも同じ状況で生きてるから、馬鹿にされることもないし、自己肯定感をすり減らさずに済むのです」
―――今の貧しい子どもたちは、同じ境遇の友だちを探すのが難しいのですね。
石井「そうなんです。日本では、富裕層も貧困層もごちゃ混ぜになって暮らしているので、学校に行けば、毎年海外旅行をするような家の子がいたり、習い事や塾に通わせてもらえる子が大勢います。
貧困家庭の子どもにしてみたら、どうしてそんなに裕福な生活ができるのかわからないだろうし、逆に一般家庭の子は、旅行できない家庭があるなんていうことを考えたこともないかもしれない。同じ場所で生きていながら互いのことを理解し合えずにいる上、貧困層の子どもは『なぜ自分だけがこんな目にあうのだろう』という思いを抱えることになってしまうのです」
自分と違う価値観にふれる機会を増やすこと
―――他人と比較することで、貧困家庭の子どもが自己肯定感を失っていくのだとしても、スラムのように富裕層と貧困層が分かれて暮らしたら、更なる分断が起きますよね。
石井「そうですね。そうなってしまうと、富裕層と貧困層の関係はさらに悪化していくと思います。実際は会ったこともないのに、『金持ちには嫌なやつが多い』『貧乏人は努力しなくて嫌だ』などと自分と違う価値観の人への憎しみが募り、犯罪やヘイトスピーチのようなものを生む世の中になっていくでしょう。 それよりはむしろ、さまざまな人が交われる場を作ることが大切だと思います。たとえば以前、こんなことがありました。新宿の歌舞伎町にある小学校の卒業式に呼ばれたときのことなんですが、ある生徒が『できるだけ早く働けるようになって親を支えていきたい』とスピーチしたんです。
そうしたらそれを聞いた富裕層の子どもはびっくりしたんですよ。まだ小学生なのに早く働いて親を助けるだなんて彼は考えたこともなくて、そんなふうに考えられてすごいなあと尊敬したそうです。スピーチした子にしてみれば、家が貧しくて一刻も早く自分も稼がなければと思うのは普通のことだったのでしょうが、お金持ちの子にしてみれば、自分が稼いで家計を支えるというのは新しい価値観ですよね」
―――違う意見にふれて学べる瞬間があった、ということですね。
石井「人は分かり合える生き物なのに、接点がないことでお互いのことが理解し合えなくなってしまうんです。ふれ合えるきっかけは地元のお祭りでも町内会でもなんでもよくて、いろんな価値観とリアルに接する機会こそが、子どもたちの生きる力になっていくと思っています」
人に対するバリアフリーな気持ちが人を繋げていく
―――そういう意味では、お金を持っていてもガンに蝕まれてしまう子どもはいるかもしれませんね。
石井「そうだと思います。貧しい子どもたちのためにさまざまな事業やボランティアが立ち上がっていますが、普通に考えて、彼らはそれを必死で隠しているでしょうし、貧困の子は貧困だと分かる容姿をしていません。それに、たとえどの子が貧困かわかったとしても、その子に向けてだけ支援する必要はないと思うんです」
―――子ども食堂では、支援が必要ではなさそうなご家庭の子どももやってくるので困る、という話を聞いたことがあります。
石井「困っている子だけに支援したいって、こちらが勝手に描いたストーリーを押しつけて、達成感を得るために人とつきあおうとするなんてケチですよね。
実際は、本当に困っているかどうかなんて誰にもわからないんです。お金があっても、家族に相手にされていないかもしれないし、家にお母さんがいても、叩かれているかもしれない。逆に貧乏でも、家族が仲良くて毎日楽しく暮らしていれば、その子は大丈夫だったりもしますよね」
―――もっと損得なしに人とつきあう場が必要、ということでしょうか?
石井「人と人とが接するのは、心と心の混じり合いですよね。メリットデメリットでつきあうものではありません。現時点では何にも困っていなくても、いつか何かで困るときがくるかもしれない。でも、そこから繋がっても遅いんです。
困っている人がいるから支援する、ではなく、誰もがどんな人に対してもバリアフリーな気持ちを持つことが、結果的に誰かを救うことになる。隣の人は何をしているのかな、って、いつも人との交流を楽しむことが大切だと思います」
すぐにできる、支援に繋がる行動とは?
―――わたしたち大人ができることとは何なのでしょうか?
石井「寄付や衣類提供などの支援も大切な役割だと思います。でも支援って、実はモノを与えるだけじゃ届かないところがあるんですよね。本当に困っている人は、ただ『おはよう』と挨拶されただけでも、その繋がりにホッとできることがあるんです。人に対して垣根を作らず、地域の子やよく見かける子どもに興味を持つ。支援支援ってがんばってすることではなくて、自分が楽しんでやれることがいちばんです」
―――楽しい、というのが大事なんですね。
石井「若い人たちは徐々に、社会が定めた権力やお金という価値観じゃなく、『自分が楽しい』という価値の大切さに気づきはじめています。そうやって大人が楽しそうに働いたり生きていたりする姿が子どもから見えてくると、未来に希望が持て、心の健全さを取り戻せるようになっていくと思います。
こういうことは言葉で教えたり授業として教育することでどうにかなるものじゃなく、やっぱり実体験として触れることが学びになっていくんです」
恵まれない環境を経験した人たちが希望を持って生きていくために
―――すでに恵まれない環境で育った方が、自己肯定感を築き直すために、できることはあるでしょうか?
石井「経験したことは変えられません。そこに囚われてしまうことや、その経験が足を引っ張ることもあるでしょう。でも、その経験は場所を変えれば活かせることがある、ということを知っておいてほしいんです。
以前、薬物についての講演を依頼されたとき、覚醒剤で捕まったことがある人に一緒に登壇してもらったんです。薬漬けで底辺の生活をしていた人が、大勢の医師から『薬を使うとどんなふうになるんですか?』『依存への意識はありましたか?』なんて質問されて。その人は、どうしようもない自分を責めていたけれど、そうして聞いてもらえたことで、自分にもできることがある、必要としてもらえる場があると思えるようになったんですよね。
もうひとつの例では、虐待を受けて育った子が、いろいろと乗り越えて保育士になったんです。保育園で子どもや親と接することで、虐待だったり親のイライラだったり、子どもの微妙な変化にも敏感に気づくことができて、フォローに回ることができているようです」
―――マイナスの経験を活かせる場を見つけられたということですね。
石井「当事者ってすごく貴重なんです。当事者だからこそ、その渦中にいる人の苦しみをいちばんわかってあげられる。
薬もやったことない人に、『やめるの辛いよね』って言われてもうわべの言葉にしか聞こえませんけど、実際にそれを体験して『努力してやめたんだ』って言われたら信頼に繋がるし、今現在苦しむ人がそこを抜け出すひとつのきっかけになるかもしれない。そうやって経験したマイナスのことを社会に還元していければ、感じられる存在価値は何倍にもなっていくと思います」
先日ツイッターで、赤ちゃんを持つお母さんが『すれ違いざまに呟いてもらった“赤ちゃんかわいい”に今日も救われた』と書き込んでいました。さまざまな環境にいる子どもたちや親にとって、周囲からのささやかな働きかけは救いの手になり得るのです。
誰もが幸せに生きられる社会を形成していくために、わたしたち一人ひとりがどうあるべきかを考えていきたいですね。
【プロフィール】作家 / 石井光太
大学在学中、アフガニスタンの難民キャンプに行ったことをきっかけに、作家の道へ。アジア8カ国を旅しながら路上で生きる障がい者とともに暮らし、その経験をまとめた『物乞う仏陀』(文春文庫)にてデビュー。その後もアジア各国に足を運んでは、ストリートチルドレンや物乞いの生活、途上国の妊娠出産事情などを取材、執筆。一方で、日本国内における貧困問題や少年犯罪、虐待などのテーマでも深く取材し、書き下ろしている。近著に『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』(文藝春秋)、『育てられない母親たち』(祥伝社新書)がある。
@Living
〔2020年3/5(木) GetNavi web〕

周辺ニュース

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旅立ち[大弦小弦]異例の春と旅立ちの決意
卒業式シーズン真っただ中。1日にあった県立高校の卒業式は新型肺炎の影響で規模が縮小されるなど静かな門出となったが、卒業生たちは新たな旅立ちへの決意を固めていた
▼小中学生時代に不登校となり、その後、ひきこもりの日々を経験した古波あやかさん(25)=名護市=も北部農林高校定時制を卒業した。高校入学は21歳の時。農業の面白さを知り、4年間1日も休まず通い続けた
▼昨年あった高校定時制通信制生徒生活体験発表大会にも出場した。「自分への挑戦」と題し、「遠回りだったかもしれない。しかしこの道でしかできない経験、たくさんの出会いが私を大きく変え、今までの人生の全てを輝かせてくれた」などと発表した。卒業後は琉球大学農学部に進学。教員になる新たな目標に一歩踏み出す
▼きょう5日は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。季節の変わり目で、地中で冬ごもりしていた虫たちが、春の訪れを感じて目を覚ます頃とされている
▼自然界の息吹と呼応するように卒業、進学就職、人事異動など人生にとっても節目の時期だ。新たな挑戦を前に不安を抱えている人も多いかもしれない
▼例年とは違い、自粛ムードが広がる異例の春だが、啓蟄の「啓」には「ひらく」の意味がある。人生のプロセスに試練はつきものだが、温かい春の風がきっと背中を押してくれる
  〔2020年3/5(木)沖縄タイムス(吉川毅)〕

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ページ名高度プロフェッショナル制度、(教育のニュース)
教員の働き方が非効率なのは「タイムカードがない」からだ
昨年、一部の専門職で労働時間の規制を外す「高度プロフェッショナル制度」が始まった。
この制度では「残業代目当ての居残り」はできない。
しかし、この仕組みを事実上先取りしている公立学校では、教師の長時間残業が問題になっている。なぜそんなことになってしまったのか――。
※本稿は、江澤隆輔『先生も大変なんです いまどきの学校と教師のホンネ』(岩波書店)の一部を再編集したものです。
■「高プロ」を先取りしている仕事があった
2019年4月に始まった、高収入の一部専門職を対象に労働時間の規制から外す仕組み「高度プロフェッショナル制度」。
労働時間と給与の関係を切り離すこの制度には、際限のない長時間労働を生む可能性が懸念されている。
同時に、現在は1075万円以上とされている年収要件が引き下げられるなど、幅広く適用される恐れも指摘され続けている。
実は、この高プロに酷似した労働条件を、50年前から導入している職業がある。
それが公立学校の教師だ。
現役の公立学校教師である江澤隆輔氏は、こうした「定額働かせ放題」の制度が、非効率で長時間労働の学校現場を生み出していると指摘している。
江澤氏の著書『先生も大変なんです いまどきの学校と教師のホンネ』から、実態を紹介する。
■タイムカード」を見たことがない
ふつう、会社員が朝出勤して最初に行うことは、タイムカードへの打刻だと思います。
物理的にタイムカードがない企業でも、個人のパソコンのログイン時間などの方法で、出勤時間と退勤時間を記録していると思います。
その記録は、勤務時間の把握や残業代の計算に当てられ、管理職による労務管理の大事な資料になっていると思います。
ここまで「思います」としたのは、実は教員である私は「タイムカード」を見たことがないからです。
これは、私が勤務してきた学校が特殊だったということではありません。
少なくとも最近まで、タイムカードのある公立学校はほとんど存在していませんでした。
教師は勤務時間をどのように管理しているのでしょうか。それは、「押印」です。
職員室には出勤簿という冊子がおかれており、朝にはその日のページが開いた状態になっています。
それぞれの先生は、毎朝出勤したらそこにすぐに印鑑を押すだけです。退勤の時は、特に手続きはありません。
■何時間働いているのかがわからない
この手続きで分かるのは、「その日〇〇先生が学校にきたのかどうか」ということだけです。
朝何時何分に出勤してきたか、また何時に退勤したのか把握するツールがないのです。
極端なことを言えば、遅刻して定時に退勤した教師と、早朝から部活の朝練で出勤し、夜中まで担当する行事の準備で残っていた教師との間に、書類上違いが記録されていないことになります。
さらに言うと、学校によっては「押印」すら行っていないことが分かっています。
平成28年に実施された教員勤務実態調査によると、小学校では35%、中学校では46%の学校で、出勤の確認は「目視・報告・点呼」のみとなっています。
記録として出勤の状況が残ってすらいないのです。
ですから、もし過労死などの重大な災害が起こった場合、教師の勤務時間を客観的に証明することが難しい状況で教師は働いていることになります。
■残業代がないから、労働時間を測る必要がない
なぜ、タイムカードがない学校ばかりなのでしょうか。
一言でいうと、公立学校の教師には残業代がないからです。
普通、所定の勤務時間を超えて働く場合には、時間外労働手当(残業代)が発生します。
給与額を時間換算で1.25倍(深夜の場合は1.5倍)にあたる額を支払うもので、当然公務員にも適用されます。
ですが、公立学校の教員にはあてはまりません。
これは、通称「給特法」という法律に基づいています。
ごく簡単にいうと、教師の仕事の特殊性に鑑みて、給与総額の4%にあたる教職調整額を上乗せする、その代わり時間外手当を支払わない、というものです。
これは、1週間あたり2時間程度、月に8時間程度の時間外労働分に相当します。
■中学校の先生の半数は過労死ライン超え
給与を4%多くもらえる、とだけ書かれると、なんだか得をしているように感じられるかもしれません。
ただしその一方で、どれほど働いても残業代は払われず、給与が変わらない「定額働かせ放題」の状況にあります。
日本の教師の多くが長時間の時間外労働を行っていることは、今や有名です。
中学校では半数、小学校でも3分の1の教師が過労死ライン超えの時間外労働を行っています。
それだけ長く働こうが、給与は全く変わらないのです。
制度上、現実的に行われている時間外労働は、ないことになっています。
労務上「自発的行為」、つまり、学校が必要とする業務ではなく「教師が勝手にやったこと」として処理されているのです。
増えていく仕事のことや、受け持っている子どもたちのことを考えると、教師は定時になったからといってさっさと帰るというわけにはいきません。
ですが、いくら学校に残って残業していても、労務上・給与上は「なかったこと」になってしまうわけです。
これでは、タイムカードで勤務時間を計測しても意味がない、と考えてしまうのも当然です。
■「給与4%増の代わりに残業代ナシ」になった理由
教師の給与を4%上乗せする代わりに残業代を支給しない、この「給特法」について、もう少し詳しくご説明しましょう。
この法律ができたのは、1971年のことです。
当時、教師の残業代をどのように支給するか、ということが議論されていました。
その少し前の1966年に行われた教員の勤務状況調査によると、当時の教師は1週間あたり2時間ほどの時間外労働を行っていました。
この調査に基づき、給与総額の4%を上乗せすることで、この時間外労働分をカバーできるだろう、ということで、この金額になったのです。
なぜ一般企業のように、時間ごとの残業代を支払う、という仕組みにならなかったのでしょうか。
いくつか理由はあるのですが、その理由の一つが、教師は「仕事」と「仕事ではない」ことの線引きが難しい、というものです。
例えば、自宅で教育実践のための書籍を読んで、「どうすれば子どもたちに分かりやすく教えられるか」と勉強することは、仕事でしょうか。
例えば、休みの日に授業で使う教具を考えたり、つくったりすることは仕事でしょうか。
また、日々の生活から「これは授業で使える」と着想して生かすのは、教師としてはごく普通のふるまいです。
このように、「仕事」と「仕事でないこと」の線引きが難しく、勤務時間のみで考えることがなじまない、という点に、当時の政治家たちは着目しました。
その「特殊性」に対して給与に上乗せをしよう、そしてその上乗せ額は実際の労働時間(当時)にあわせよう、というのが、この給特法という法律でした。
■仕事はどんどん非効率になり、長時間労働が普通になる
とはいえ、この法令が出来たのは1971年のこと。約50年前の教師の働き方が基準になっています。
昭和が終わり、平成になり、そして令和になって、教育への考え方が大きく変わってきています。
この50年間で、「学級崩壊」「校内暴力」「不登校」「インターネットいじめ」など、教育の大きな問題がクローズアップされるようになりました。
そして、それに対応するという教師の業務範囲も広がっていきます。
また、昔のように子どもたちに一斉に指導をして大半が終わり、ということにはならず、子ども一人ひとりと手厚く向き合う必要が出てきました。
それ自体は重要なことなのですが、結果、教師の時間外勤務が増えてきたのも事実です。
ですが、時間外勤務が増えようが、「定額働かせ放題」の下で教師の給与は変わりません。
企業であれば残業代が膨らんだとき、「時間外労働を減らして予算を減らそう、そのために業務の整理をしよう、効率化を図ろう、管理職はそのために部下の状況を注視して必要な対応を……」といった、時間外労働を減らすためのインセンティブが企業に働くでしょう。
他方、公立学校ではどうでしょうか。
教師が働いても給与が変わらないのであれば、学校や教育委員会としては、特にそれを抑制する理由はありません。
結果、慢性的な長時間労働、そして、非効率な面が多い学校の働き方が生じているのです。
■このままでは「教育の質」が維持できない
社会の要請を受けて仕事量が増え、そしてその歯止めが利かない状況ゆえに、給特法制定当時は週2時間程度だった時間外労働は、現在その数倍、人によっては十倍以上へと膨れ上がっています。
こうして、法律の制定から約50年を経て、教師の働き方の実態と給料がかけ離れる現状が生まれてしまったのです。
ある試算によると、日本全国の教師に適正な残業代を出そうとする場合、新たに年間9000億円から1兆円の財源が必要だと言われています。
月あたりの金額で考えると約10万円、もし新任から定年退職まで勤めた場合、1人当たり数千万にもなります。
そんな額の分をただ働きする中、仕事はさらに増加しつづけているのです。
こうした中、精神疾患で休職する教師の数は年間5000人を超え、また教師を目指す学生の数は減って、2019年には倍率が一倍台の自治体すら出てくるようになりました。
教師の労働環境の悪さが明らかになり、教師の数も減っていく中、公教育の質をこのまま維持することができるのでしょうか。
「定額働かせ放題」の状況に手を打たずしては、その見通しは暗いと言わざるを得ないでしょう。



江澤 隆輔(えざわ・りゅうすけ)福井県公立学校教諭
1984年福井県坂井市生まれ。広島大学教育学部(英語)卒業後、福井市立灯明寺中学校、あわら市立金津中学校、坂井市立春江東小学校と小・中学校に勤務。教師の働き方改革や授業改善への提案をテレビや書籍等で積極的に提案し続けている。
著書に『教師の働き方を変える時短』(東洋館出版社)、『苦手な生徒もすらすら書ける! テーマ別英作文ドリル&ワーク』(明治図書出版)、共著に『学校の時間対効果を見直す!』(学事出版)他。



福井県公立学校教諭 江澤 隆輔
〔2020年3/5(木) プレジデントオンライン〕

周辺ニュース

ページ名[[]]、()
発達障害 「発達障害」と言い難い子どもが量産される背景
医療現場では発達障害の誤診・過剰診断が起きているといいます
私は半世紀にわたり発達障害を研究し、たくさんの子どもたちを診察してきました。25年前に出版社からの依頼で初めて「発達障害」をテーマに執筆したとき、専門書以外に類書はほとんどありませんでした。近年、テレビや新聞などを通じて、今までにないほど、一般の方にも発達障害への認知・理解が広がっていることを実感しています。
一方、発達障害への認知・理解が広がるほど、正しいものと、必ずしもそうではないものが混在し、頭を抱えたくなるようなこともあります。
拙著『子どもの発達障害 誤診の危機』では、発達障害にまつわる誤解、あまり知られていない真実についてお伝えしています。なかでも最も伝えたいことは、医療現場で起きている発達障害の誤診・過剰診断についてです。
発達障害が広く知られるほど、受診者が増え、これまで取り残されていた当事者が診察を受ける機会を得たのはよいことですが、現場では、発達障害とは言い切れない子どもへの過剰な診断が多く見られます。
この半年の間に私が経験した自閉症スペクトラム障害の誤診・過剰診断の例を紹介します。個人情報保護のために、年齢や症状を少しだけ変えてありますが、重要なポイントはそのままです。
地元の発達障害専門のクリニックで「重度自閉症」と診断された8歳男児のケースです。
受診の理由はセカンドオピニオンを聞きたいとのことでした。当の8歳の男児は、ちょっとふてくされた表情で母親を見ていました。母親の話を聞く前に、本人にいくつか質問をしました。保護者の受診理由や、それまでに受診した医師の診断書や心理テストの結果によって先入観を持たないようにする、私の診療スタイルです。
私「学校は楽しい?」 男児「うん、楽しい」
私「先生に叱られることない?」 男児「あまり叱られることない」
私「お勉強の成績はどうなの?」 男児「勉強は普通」
私「好きな科目は?」 男児「全部好き。95点取ったこともある」
私「友人はいるの?」 男児「いる。5人以上」
私「好きな遊びはなに?」 男児「鬼ごっこ」
私「じゃあ、走るの速いんだ」 母親「800メートル走が速いんです」
■この男児は「重度自閉症」なのか
ここで、私は母親に受診の理由を聞きました。母親は、診断書を取り出し私に渡しました。そこには「重度自閉症」と書かれていました。
私は当惑しながら、「どうして(診断書を作成したクリニックを)受診したのですか?」と聞きました。
しりとり遊びをしていた友達をばかにした結果、その子が不登校になったこと、登校班で一緒に通う子どもとけんかになり、その子を押し倒してしまったことなどが重なったため、学校から発達障害かもしれないので受診するように言われた、とのことでした。
私が当惑した理由は、そもそも成績が普通で、友達と鬼ごっこやしりとり遊びができ、私の質問に的確な答えを返してくるこの男児に「重度自閉症」という診断書を出す医師、それも発達障害専門をうたっている医師がいる、ということです。その医師がどのようなアセスメント(診療、査定)や心理テストをしたか、ということは、この男児の場合には関係ありません。
小学校の通常の学級に通い、普通の成績をおさめ、さらに褒められることではないにせよ、口げんかで友人をやり込めることのできる子どもに、重度自閉症という診断をすることの医学的な矛盾に気がついていない医師がいる、ということに私はびっくりしてしまいました。もちろん、医師は誤診をすることがあります。いわゆるグレーゾーンに入る自閉症などの診断は専門医にも難しく、結果として誤診することはありうるでしょう。
しかし、この男児を重度自閉症とすることは、血糖値が高くないのに糖尿病の診断をするのに匹敵する誤診だと思います。発達障害の専門医であるならば、重度自閉症といえば、まず言葉によるコミュニケーションがほとんどできない状態の子どもを想起するのが普通なのです。
その後、母親に男児が保育園に通っていたころの行動の特徴について思い出してもらいました。保育園では落ち着きがなく、日常生活のルーチンができない子どもだったそうです。
重度自閉症というよりはむしろ、注意欠陥多動性障害を思わせる特徴であったために、母親と現在担任の教師に、注意欠陥多動性障害のスクリーニングで使用されるチェックリストをつけてもらいました。その結果、とくに学校での行動で注意欠陥多動性障害を疑わせる結果でした。
普通学級に通う、成績が中ぐらいの小学生が、友達に乱暴をしたことで発達障害を疑われ、地元の発達障害の専門医から「重度自閉症」という診断をつけられて、セカンドオピニオンを求めて私の外来を受診したという事実に、発達障害の診療の医学的水準に危機が迫っていることを実感しました。
現在の日本の教育体制の中で、重度の自閉症の子どもが通常学級に通い、普通の成績を取るということはまずありえないのです。そのことに気がつかない医師がいることは極めて憂うべき事態です。
■女性の注意欠陥多動性障害は見逃されてきた
また、近年新しく知られるようになったこともあります。これまで主に子どもの障害であると考えられていた注意欠陥多動性障害が、大人にも見られることがわかったのです。また、圧倒的に男児に多いと見なされていたことも誤りであったことが明らかになりました。
男児に多いと思われてきた第一の理由は、そもそも注意欠陥多動性障害の症状に大きな男女差があり、女性の注意欠陥多動性障害は見逃されてきたことがわかったのです。気づかれず、診断されず、そして当然のことながら治療されずに生きてきた成人女性で、対人関係の構築や、日常生活の困難により、うつや不安障害などの二次障害に悩む人が大勢いるのです。
発達障害とは直接関係のない、ある特殊な才能が、発達障害と誤診されていたケースがあることも近年明らかになりました。
発達障害、とくに自閉症スペクトラム障害との関連で語られる特殊な才能には、サバン症候群があります。一度聴いただけで曲の演奏ができるとか、過去未来のある年月日が何曜日であったか一瞬で答えることができるといった一種の特別な能力を持っている人のことです。
しかし、映画などの題材となり、よく知られるサバン症候群のことではなく、実は、一般的にはギフティドと言われる、とくに知能指数(IQ)が非常に高い子ども(や大人)が、往々にして自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害といった発達障害と誤診されることが多いということがわかってきたのです。
アメリカではギフティド児(者)に関する社会的認知が進んでいますが、そのアメリカにおいてさえ、発達障害と誤診されることが多かったのです。私の外来にも、ギフティド児で発達障害と誤診されたと思われるお子さんが近年、増えてきています。
■日本の発達障害への理解と対応に警鐘を鳴らす
こうした予期せぬ事態は私の診療に大きなインパクトを与えています。
医学的判断に基づいて、単純に診断し治療するだけでは、子ども本人とご家族の要望に沿うことができなくなってきているのです。これまでは、発達障害とその医学的な意味について、講演や取材を通して伝えてきたつもりでした。
しかし、それとともに、発達障害に関わる医療や心理、教育職の専門家に対しても、日本の発達障害への理解と対応について「なにか変だよ」と警鐘を鳴らさなくてはならない状況になっていると感じています。
なによりも、臨床の場で出会う、誤診や過剰診断で苦しむ子どもたち、そのご家族、また、学校や社会で当事者と関わるすべての方に、いま発達障害を取り巻く現場で起きていることを知ってもらいたいと、切に願います。
榊原 洋一 :小児科医師・お茶の水女子大学名誉教授
〔2020年3/6(金) 東洋経済オンライン〕

周辺ニュース

ページ名一斉休校・2020年、(教育のニュース)
一斉休校により突然、学校生活が終わってしまった卒業生の親たちへ
新型コロナウイルス感染拡大予防のための一斉休校ですが、卒業年次にあたる子どもたちとその親は大きな戸惑いを覚えていることだと思います。
親は、子どもたちの「喪失」にどのように寄り添えばよいのでしょうか。
◆唐突に失われた日常、子どもの「喪失」にどう寄り添えば?
新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、3月2日から全国の多くの小中高校で一斉休校が始まりました。
金曜日に「今日でこの学年での生活は終わりです」と告げられた子どもたちも多かったことでしょう。
ひとり親家庭、共働き家庭に激震が走ったこのたびの一斉休校ですが、卒業年次にあたる子どもたちとその親は、やむを得ないとあきらめながらも、学校生活が突然断ち切られたことに大きな戸惑いを覚えていることだと思います。
親や周りの大人たちは、子どもたちの「喪失」にどのように寄り添えばよいのでしょうか。
◆「卒業」は、その準備を含めての分岐点
「いつか同窓会で笑い話になる」「セレモニーよりも日々の思い出が大事」という声も聞かれます。
そう思わなければやってられない、他に声のかけようがない、ということでもあるのでしょう。
でも、それは当事者ではないから言えることかもしれません。
「自分の(子どもの)卒業年次じゃなくてよかった」という安堵がどこかにないでしょうか。
「卒業まであと○日」とカウントダウンしていた仲の良いクラスもあったでしょう。
好きな子に告白しようと勇気を奮い立たせていた子もいるかもしれません。
授業での最後の課題に一生懸命取り組んでいた子もいたでしょう。
卒業までには1日くらい登校してみようと決意していた不登校の子もいたかもしれません。
多くの学校で、卒業式は簡略化して在校生や来賓の参加はなくなり、送る会や謝恩会も中止となっているようです。
30分程度の卒業式の後は速やかに帰るようにとの指示。
今年の卒業生は、卒業式後に友だちと写真を撮ることも、部活の後輩から花束をもらうこともないのです。
毎日顔を合わせていたクラスメートの中には、もう二度と会わない子もいるかもしれない。
「卒業」に対するそのような感慨は、あまり学校に思い入れがないタイプの子どもでも、あるいは、そういうタイプであるがゆえに、持つものかもしれません。
卒業証書を手に、大泣きする子、照れ笑いの子、それらを斜に構えて見ている子。
様々な情緒を体験することが、筆者は「卒業」なのではないかと思います。
大人になってみれば「大したことのない思い出」になっているかもしれません。
でもそのように評価できるのは、自分が何事もなくそこを過ぎ去ったから。
経験そのものを奪われることへの想像力を働かせながら、親は子どもに関わりたいものです。
◆「喪失」のケアで今大切なこと
かけがえのない人や物を失うことを「喪失(loss)」といいます。
9年前の3月に起こった東日本大震災では、多くの人が、一斉休校とは比べものにならない喪失を体験しました。
でも、「だから、たいしたことない」というのは違うのではないでしょうか。
卒業前の、あるいは進級前の、残りわずかな学校でのかけがえのない時間を失った子どもたちは、ていねいにケアされていいはずです。
大切な人を亡くした時などに、その悲しみをサポートする「グリーフケア」というものがあります。
グリーフケアでは、喪失からの回復プロセスとして「ショック期」「喪失期」「閉じこもり期」「癒し・再生期」という4つの段階があると考えられています。
そして「早く立ち直らなければ」という焦りとともに、これらのステップを行きつ戻りつしながら回復していくとされます。
これは様々な喪失体験に応用できると思います。
休校が始まったばかりの今、最も大切な関わりは「悲しい気持ちや、落ち込んでいる状態を否定しない」ということです。
いきなり日常が失われて「早く気持ちを切り替えろ」というのは無理な話。
親や周りの大人ができるのは「残念だね、ショックだね」と子どもたちの気持ちに寄り添うことです。
卒業を控えた中高生の中には、受験を控えている子どもたちも少なくなく、休校に伴う様々な感情を「棚上げ」している時期かもしれません。
その場合、気持ちの落ち込みは、受験が終わり、落ち着いた頃に時間差でやってきますので「今頃ショックを受けているのか」と軽く扱わないようにしましょう。
〔2020年3/6(金) All About福田 由紀子(子育てガイド)〕

周辺ニュース

ページ名[[]]、()
給食の食品ロス 新型コロナウイルス休校措置で給食の食品ロス フードバンクびわ湖が受け取り無償提供
"堀さんから食材を受け取る林さんと藤田さん"
新型コロナウイルス感染拡大防止のために小・中学校が休校になった影響で余った給食の材料を預かり、必要としている施設に無償で提供する取り組みを「フードバンクびわ湖」が始めた。(びわ湖大津経済新聞)
破棄直前で引き取られた牛乳
野洲市は3月4日からの休校中も学校での預かりを実施し、給食の提供をしているが、出席者は小学校で約30%、中学校で約5%となり、1日当たり約1900人分の給食が余る。9日分からの発注は減らすことができた食材もあるが、4~6日の3日分はすでに納入済みだった。野洲市学校給食センターの所長遠藤美穂子さんは「牛乳は賞味期限が短いので破棄しようかと考えたが、なんとかできないかと野洲市が協定を結んでいるフードバンクびわ湖に連絡して、牛乳を引き取ってもらえることになった。食材を廃棄するのは心が痛く、違う形でほかの人に提供できるのはありがたい」と話す。4日、5日合わせて6000本の牛乳と、イカフライ13箱、タマネギ85キロなどが野洲市給食センターからフードバンクびわ湖に寄付された。
フードバンクびわ湖は2018(平成30)年から活動を始め、企業や家庭の余剰品を集めて無償で提供している。共同代表の堀豊さんは「今回の休校要請が発表されたときに、すぐに学校給食の食品ロスが出ると思い、各市の市議や市職員に連絡した。3トンの冷凍車を借りて野洲市、東近江市、甲賀市、高島市の給食センターを回り、食材を引き取っている。誰かが本気で動かないと食品ロスがなくならない」と話す。5日は3トントラック3杯分の食材を集めた。
集めた食材は休校措置によって朝から子どもを預かっている放課後等デイサービスや託児をしている施設、介護施設などに無償で提供する。5日にフードバンクびわ湖の食品保管場所であるFuturelab(守山市吉身)に牛乳800本を受け取りに来た放課後等デイサービスなないろ(大津市大平)の大和幸子さんは「昨日、堀さんから連絡があり、大津と草津のデイサービスを取りまとめて、4件分の牛乳と食材をもらいに来た。手作りの給食を提供しているので、とても助かっている」と話した。
NPO法人「好きと生きる」の理事林ともこさんは「長浜市で不登校の子どものための施設を運営している。休校措置を受け、普段来ている子ども以外も預かっている。お昼ご飯を提供しているのでありがたい。走り回ってくれる堀さんに感謝している。食べる時に、食材がどのようにして届いたか子どもたちに話している。不登校の子どもたちは大人の嫌な部分も見ているので、子どものために一生懸命動いてくれる大人たちもいることを知ってもらえれば少しでも大人を信じられるかもしれない」と話す。
〔2020年3/6(金) みんなの経済新聞ネットワーク〕

周ニュース

ページ名大阪市立小学校女子いじめ不登校、大阪府大阪市(いじめのニュース)
女子児童がいじめ受け 教委が約半年間も放置 松井市長「対応は非常に不適切。反省を促したい」
大阪市立小学校の女子児童が受けたいじめについて、教育委員会が約半年間、放置していたことがわかりました。
関係者によりますと、大阪市立小学校に通う2年の女子児童(8)は、去年5月以降、同級生の男子児童から顔に爪を立てられたり、突き飛ばされたりするいじめを受けました。
女子児童側から訴えを受けた学校は、市の教育委員会に報告しましたが、約半年間、放置していたということです。
女子児童は、その後、不登校になり適応障害の診断を受けました。
女子児童の父親は「この問題の本質は、責任をとろうとしない大人が、子どもを傷つけてでも自分の立場を守ろうとしていることだと思う」と話しました。
議会で問題を追及された松井市長は「教育委員会の対応は非常に不適切だった。反省を促したい」と話しました。
〔2020年3/6(金) ABCテレビ〕

周辺ニュース

ページ名オリヒメ、山口県宇部市(不登校のニュース)
宇部・ロボットから児童に映像のプレゼント
新型コロナウイルスの感染拡大で外出が難しくなった児童に、ちょっとしたプレゼントです。
宇部市が、遠隔操作の小型ロボットを使って動物園の映像を楽しんでもらいました。
新型コロナウイルスの感染拡大で外出がままならない児童のために、宇部市が企画しました。
市内のめぐみ保育園で学童保育を受けている児童7人が、ときわ動物園から届いた餌を食べるコツメカワウソなどの映像を楽しみました。
映像は、小型のロボット「OriHime(オリヒメ)」から届けられました。
OriHimeは、遠隔操作で距離や身体的問題で行きたいところに行けない人の代わりをさせようという「分身ロボット」です。
高さ23センチ、重さ660グラムで、東京のオリィ研究所が開発しました。
シロテテナガザルも興味津々でした。
児童は「テナガザルの手が長かったから楽しかった」と話し、宇部市の観光・グローバル推進課の木原大介さんは「外出困難な方がたくさんいると思う。
そういう人もテクノロジーを使うことで、今まで行けなかった動物園や植物園に行ったりすることができるようになれば」と話していました。
市では、OriHimeを使って不登校の児童や生徒に授業の映像を届けることや、遠隔地からの会議の参加などにも役立てたいとしています。
〔2020年3/6(金) tysテレビ山口〕

周辺ニュース

ページ名横浜市立女子中学生いじめ、神奈川県横浜市(いじめのニュース)
女子中学生の服脱がせ、動画撮影し拡散 横浜市でいじめ
横浜市教育委員会は6日、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態調査の結果、市立中学校で1件、小学校で2件、いじめがあったと認定し、調査した報告書を公表した。中学校では、女子生徒が同級生から服を脱ぐよう要求されるなどし、その様子を撮影した動画が近隣中学校まで拡散されていた。
報告書などによると、中学2年だった女子生徒は2015年6月に2回、同級生の女子生徒5人に校外の多目的トイレに連れて行かれ、上半身を触られたり、服を脱ぐよう要求されたりした。同級生の1人が、一部始終をスマートフォンで撮影。動画を5人で共有した上、同級生に転送するなどした結果、同学年の男子生徒や近隣中学校の生徒まで拡散した。生徒は不登校になり、その後、転校した。
超小型カメラでスカート内を盗撮、1ミリ未満の穴にレンズ
学校は6月末に同級生の保護者から連絡を受けるまで、把握していなかった。学校は対策委員会を開くとともに警察に通報し、市教委にも報告。警察は児童相談所に通告した。
調査した市いじめ問題専門委員会は被害生徒の精神的ケアも含め、学校、教育関係者らだけでの対応には限界があると指摘。被害生徒側が申し立てるまで、市教委がいじめ重大事態として扱わなかった点も問題視した。
小学校の1件は、15年当時小学2年だった男児を巡る事案で、学校関係者と弁護士ら第三者でつくる「市立学校いじめ防止対策委員会」は、被害児童の保護者が申し立てた12件のうち、3件をいじめと認定。保護者が学校に不信感を抱いた背景に「組織対応の遅れ」を挙げた。
小学校のもう1件は、17年当時小学4年だった女児が、同じ学年の女児に前髪を切らされるなどし、不登校になった。専門委は担任がほぼ一人で対応していたとし、学校や市教委がチームで対応していれば、事態が改善した可能性があると指摘した。
〔2020年3/7(土) カナロコ by 神奈川新聞〕

周辺ニュース

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ボーダレスミュージカル 関大生が手がけるボーダレスミュージカル 障害者も高齢者も不登校生もみんなが主役
クライマックスの“全員ダンス”を特訓するメンバーら=堺市堺区の関西大堺キャンパス
障害のある人や不登校生、高齢者…。互いの特徴や年齢差を才能や個性としてとらえ、誰もが輝ける舞台を目指した公演の計画が進んでいる。関西大の学生らが企画し、当初は11日に予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて5月に延期が決定。本番が待ち遠しいという参加者たちは「みんなが主役になる」を合言葉に稽古を続けている。
  2月下旬、堺市堺区の関大堺キャンパスの体育館に幼稚園児からお年寄りまで約40人が集まり、和気藹(あい)々(あい)とした雰囲気で公演の稽古に励んでいた。
公演名は「Create Our Festival~誰もが輝く主役であれ~」。ミュージカル「オズの魔法使い」やバンド演奏などさまざまな演目を行う予定で、最後には参加者全員がダイナミックな創作ダンスを披露する。
関大人間健康学部4年の岩月聡志さん(23)が発案。ゼミの授業で車いすに乗った認知症のお年寄りの「山登りがしたい」という夢をかなえた経験から、「若い力は人の可能性を広げるお手伝いができる」と気づいたことがきっかけだ。舞台ならば出演者がそれぞれ自由に自分を表現でき、新しい可能性を広げられるのではないか-。昨年1月から学内で仲間を募り、やがてそれぞれの知り合いや地域の人々も参加するようになった。
ミュージカルで主演を務めるのは、京都府八幡市の中学1年、乗鞍(のりくら)愛花さん(13)。学校では人間関係に悩み不登校だというが、「やっと居場所を見つけた。自分の性格が好きではなかったけど、ありのままの自分を受け止めてもらえて楽しい」と話す。
一方、高校時代にラグビーの練習中に重傷を負い、車いすで生活するようになった金澤功貴さん(22)は障害者になった心情をラップで表現する予定だ。「知的障害者の人がセリフを言えるようになったとき、周囲の人もうれしそうにしていたのが印象的だった。彼らと同じ時間や目標を共有することは意味がある」と力を込める。
11日に開催予定だった公演は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大学からいったん中止の要請を受けた。だが「どうしてもやりたい」とのメンバーらの強い思いから、延期して上演することに。スタッフの一人で同学部4年の西川真由さん(21)は「この仲間や場所が大好きと改めて感じる。一人たりとも欠けることなく本番を迎えたい」と思いを強めている。
公演は5月2日に堺市堺区のフェニーチェ堺で開催される予定。問い合わせは実行委(createourfestival@gmail.com)。
〔2020年3/7(土) 産経新聞(北村博子)〕

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犯罪者予備軍 ひきこもりを「犯罪者予備軍」扱いする人の愚行
ひきこもりの人は「犯罪者予備軍」ではありません。なぜそのような偏見が生まれてしまったのでしょうか?(写真:Satoshi KOHNO/PIXTA)
なぜ「ひきこもり=犯罪者予備軍」という間違ったイメージが世の中で拡散されてしまったのか?  その理由と実際の状況について、新書『中高年がひきこもる理由―臨床から生まれた回復へのプロセス―』などの著作を持つ臨床心理士の桝田智彦氏が解説します。
【2020年3月8日11時15分追記】初出時、サブタイトルと本文でひきこもっている人が起こした殺人の割合の数字について誤りがありましたので修正しました。
自己肯定感があまり持てなかったり、就活でつまずいたり、解雇されたり、いじめや、親の介護などで退職したり、あるいは、再就職した先で屈辱的な思いをさせられたり……。生きていれば、誰にでも起こりうるこのようなことがきっかけとなって、今、多くの人たちがひきこもっています。
つまり、ひきこもっている人たちの大半は少し運が悪かっただけであり、善良で、心やさしく、人づきあいも人並みにできる、ごく普通の人たちなのです。
■なぜ「偏見」が生まれたのか?
  ところが、2019年5月28日早朝、川崎市の登戸駅近くでスクールバスを待っていた小学生の児童や保護者が、刃物を持った男に次々に襲われるという痛ましい事件が起きました。負傷者18人、死亡者3人(犯人も含む)。幼い子どもたちを無差別に切りつけるという残忍きわまる手口に、犯人に対する激しい怒りの声が上がったのも当然であり、決して許されるものではないと考えます。
犯行自体の残忍さとともに衝撃的だったのは、51歳の犯人の男が伯父夫婦と同居していて、長年、ひきこもり状態だったという事実でした。人々は50歳を過ぎてもひきこもっている人間がいることに驚いたと推察します。そして、ひきこもりと犯罪を関連づけるような形で報道がなされたことで、ひきこもり、すなわち「犯罪者予備軍」というようなイメージが世の中に流布され、拡散されていったのです。
また、この登戸通り魔事件のわずか4日後に、元農林水産省事務次官という東大卒の超エリート官僚だった76歳の父親が、44歳の息子の上半身を包丁で数十カ所も刺して殺害するというショッキングな事件が起きました。殺された息子もやはり、ひきこもりで、家庭内暴力もありました。殺害の前日には隣接する小学校の運動会があって、「うるせーな、子どもをぶっ殺す!」とわめき散らしたともいわれています。
この事件もまた、ひきこもりは人を殺しかねない犯罪者予備軍との印象を人々に植え付けたように思います。
しかし、ここで声を大にして伝えたいことがあります。それは、「ひきこもり=犯罪者予備軍」では決してないということです。私どもは21年以上、カウンセリングを通して数多くのひきこもりの方々と関わってきましたが、他人を傷つける重大な他害案件に遭遇したことはただの1回としてありません。
実際、ひきこもりの方たちは、その場の空気を読みすぎる傾向さえあるほど繊細で、やさしくてまじめな人たちが大半です。私の体感としても、彼らが無差別殺人などを起こすなどとはとても思えません。登戸の事件はごくごくまれなケースと言って間違いないと思っています。
■「ひきこもりの犯罪率」は高くない
ひきこもりに関して著名な筑波大学医学医療系社会精神保健学教授の斎藤環先生も、2019年7月9日号の『婦人公論』で、登戸の事件と元農林水産省事務次官の事件を念頭に、ひきこもりと犯罪の関係について次のように語っていらっしゃいます──。
「私が今回のことで強調したいのは、家庭内暴力の延長線上に、通り魔的な暴力があるわけではない、ということです。この2つは方向性がまったく違う。現在のひきこもり人口は、100万人規模に達しているという内閣府の統計があります。しかし、それだけ当事者がいながら、明らかにひきこもりの人が関わったという犯罪は数件しかない。とくに無差別殺人のような重大犯罪は今まで見たことがありません」
斎藤先生は最後に、「ひきこもりは決して犯罪率の高い集団ではない」と言い切っているのです。
しかし、斎藤先生のお話以上に説得力のあったのが、東京新聞の2019年6月6日の「こちら特報部」の記事です。「こちら特報部」では共同通信の記事データベースに当たり、殺人・殺人未遂の容疑者・被告で、ひきこもりと報じられたケースが何件あるかを調べました。その結果、1999年から2019年までの20年間で43件あり、これを年平均にすると約2件だったのです。 さらに、記者たちが警察庁のまとめた各年の犯罪情勢を調べたところ、殺人の件数は1999年に1265件、2003年頃に1400件を超えましたが、それ以降は減少傾向にあります。過去5年間では年間900件前後です。
ひきこもっている人間が起こした殺人の年平均2件という数字は、過去5年間の900件前後という全体件数のわずか0.2%でしかないことを東京新聞は証明してみせたのです。ひきこもりの人間が起こした殺人事件は全体のわずか0.2%──。ひきこもりが犯罪者予備軍ではないことを示す決定的な数字です。
とはいえ、元農林水産省事務次官に殺害された息子さんは母親や父親に暴力を振るっていたと言われています。実際、ひきこもりの人の3、4割に家庭内暴力があるように、私自身も感じています。そのような暴力的な人間なら、殺人事件を起こしても不思議はないと思われるかもしれません。
しかし、たとえ家庭内暴力があったとしても、外でそれが起きることはほぼ皆無です。ひきこもりでも、また不登校でも、家で怒りにまかせて暴力を振るっていても、外では決してやりません。なぜでしょうか。
怒りは、相手との距離が近くなるほど強く感じるものです。人は赤の他人にはめったに怒ったりしません。友だちや恋人、配偶者、親、兄弟姉妹、子どもなど、近しい関係になればなるほど怒りを感じるのです。
さらに、心理学では「怒りは第1感情ではない」と言われています。怒りの前には必ず「別の感情」が生まれていて、この「別の感情」が第1感情であり、怒りは第2感情です。つまり、怒りの前に生まれる第1感情が怒りの正体なのです。
■家庭内暴力は彼らの「悲鳴」だ
では、怒りの正体とはなんでしょうか。それは悲しみです。こうあってほしいのにそうじゃない、こうなるはずだったのに、そうならないという悲しみが怒りの正体であり、第1感情なのです。それでは、なぜ相手が距離の近い人間であるほど怒りが湧き、悲しみを感じるのでしょうか。
それは「愛情」があるからです。愛情があるから悲しくて、愛情があるから怒るのです。家庭内暴力の正体は、彼らの愛情が愛する人に伝わっていないことへの悲鳴なのです。ですから、ひきこもりの人は、母親や父親など家族には怒って暴力を振るうことはあっても、愛情のない外の人間に対して決して暴力行為を行うことはないのです。
かく言う私も、口論などで母に怒ったりすると、罪悪感を覚えたものでした。しかし、心理学を学んでからは、母に怒って大声をあげても、そのあと落ち込むこともなくなりました。「ああ、母に対して愛があるからなのだなあ」と思えるからです。
家庭内暴力があっても外へ向かって暴力を振るうことはほとんどないということや、ひきこもりの人が殺人事件を起こす割合が全体の0.2%でしかないという事実を考えても、ひきこもりが犯罪者予備軍というのはまったくの的外れな考え方であり、このことはいくら強調しても強調しすぎることはないと考えています。
〔2020年3/8(日) 東洋経済オンライン 桝田智彦:臨床心理士〕

周辺ニュース

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発達障害 「うちの子、発達障害かも…」と悩んだときの相談先と準備すべきもの
近年、発達障害に関する認知が高まり、「うちの子もそうかも」と、我が子の成長過程に関心を持つ親も増えている。しかし、障害の兆候に気づいていながら、その後の就学先やケアサービスへの不安から二の足を踏んでいる家庭も多いようだ。
発達障害児が受けられるサービス そこで、今回は「我が子は発達障害かもしれない」と悩んだときの相談窓口、実際に発達障害と診断された場合の就学先やケアサービスについて紹介する。
発達障害の専門医である宮尾益知氏(どんぐり発達クリニック・院長)も、「子どもの発達障害は早めの対策が症状の改善につながりやすい」と述べている。少しでも気になるようなら、早めの行動を心掛けたい。
シングルマザーでありながら発達障害・知的障害の息子「ぽんちゃん」を幸せにするために奮闘する吉田可奈さんの場合も、早めの発見と行動が功を奏したケースの一つだ。3月6日に発売されたエッセイ『うちの子、へん?発達障害・知的障害の子と生きる』ではその際の葛藤とポジティブシンキングに至るまでの経緯が克明かつリアルに描かれており、参考になるだろう。
主なルートは「自治体の相談窓口」と「医療機関」の2種類
相談窓口には主に2つのルートがある。ひとつは自治体の相談窓口。必要に応じて適切な相談窓口や専門医を紹介してくれるほか、アドバイスや発達判定を行う機関もある。もうひとつは検査や診察、確定診断を行う医療機関だ。
●自治体の相談窓口
<児童相談所>
子どもについてのさまざまな相談を受け付ける機関で、障害に関する相談だけでなく、しつけや性格などについての育成相談にも応じる。なかには発達障害の専門電話相談を設置している自治体も。
<発達障害者支援センター>
各都道府県に設置されている、発達障害児(者)への支援を総合的に行う専門的機関。保険、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、発達障害児(者)とその家族からのさまざまな相談に応じ、指導や助言を行う。
<保健所・保健センター>
地域住民の健康の保持と促進を行う機関である保健所や、保健所の機能をより身近にした機関である保健センターでも、発達に関する相談を受け付けている。乳幼児はもちろん、学童期の子どもの相談も可能。
<教育相談所・教育センター>
各自治体に設置されている、教育に関する相談窓口。学習に関すること、不登校、いじめ、心理的な問題などとともに、発達障害の相談にも応じる。多くの機関で電話相談と来所相談の両方を行う。
●医療機関
<かかりつけの小児科> 子どもの成長の過程をよく知っているかかりつけ医は、相談しやすく頼れる存在だ。不安なことがあれば定期健診などを待たずに相談し、適切な相談窓口や専門医を紹介してもらうと良い。
<専門医>
発達障害は小児神経科や児童神経科が専門。日本小児神経学会のホームページで小児神経専門医と発達障害診察医師の名簿を公開しているので、近くの施設を探せる。発達障害外来などが置かれている総合病院もある。
事前の準備と心構えも忘れずに
病院や相談所などでは、まず最初に保護者から子どもの発育歴や家庭での様子、園や学校での様子、不安に感じていることなどを聞かれる。大事なことを伝え忘れないよう、事前にメモを用意したい。
健康保険証や母子健康手帳、健診などの検査結果のほか、専門医を受診する際はかかりつけ医に書いてもらった紹介状があるとスムーズ。子どもの普段の様子が記された園や学校との連絡ノート、育児ノートも役に立つ。
診断基準があるとはいえ、発達障害は特性の現れ方がそれぞれなので、すぐには確定診断が出ない場合も。数ヶ月通い、やっと診断がつくことも珍しくない。「様子見」となったら、家庭で注意して様子を見る点や、再受診のタイミングを確認しておきたい。
発達障害の子の就学先は多様
一般的な就学先相談の流れとしては以下のようになる。まず、入学の前年になったら市区町村の窓口で就学相談の申し込みをし、説明会に出たり相談員との面談を受けたりする。その後、相談員の作成した資料をもとに就学支援委員会が就学先を検討し、その結果を踏まえて委員会と話し合いをし、最終的な就学通知が届く。
障害のない子と一緒に授業を受けることもできる軽度の障害から、専門的なケアが必要な重度の障害まで、障害の種類や程度は様々。どの子もみんな楽しく学校に通えるよう、多様な学びの場が用意されている。
●主な就学先
<通常学級と通級指導教室>
「通級指導教室」=通称「通級」とは、通常学級に在籍しながら、支援学級やほかの施設などに通って障害に応じた特別の授業を受ける制度。普段は地域の学校の通常学級で障害のない子どもたちと一緒に授業を受けながら、週に1~8時間、通級に通う。
<特別支援学級>
地域の学校の中に設置された、障害のある子どもたちを集めた学級。障害の種類ごとに分けられた1クラス8人を上限とした少人数の教室で、専門の支援スタッフや教諭が保育を含めた教育を行う。共同学習を行うなど、通常学級の子どもとの交流もある。
<特別支援学校>
障害のある子どもたちを対象とした学校で、それぞれの障害の状態に合わせた授業が行われる。少人数の教室で専門性の高い教職員が授業を行うので、重度の障害でも通うことが可能。研修を受けた教員が、常駐の看護師と連携し特定の医療ケアも行ってくれる。
専門的な治療・教育は療育センターで受けられる
発達障害のケア施設の主流となっているのが療育センターだ。ここでは障害のある子どもに対し、それぞれに合った専門的な治療・教育が行われる。施設ごとに治療・教育の方向性やスタイルが異なるので、子どもに合う場所を選びたい。
●受けられる主なサービス
<診察>
小児科、児童精神科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科などの外来診察を受けることができる。発達障害のある子どもは音や明るさ、皮膚への刺激に過敏なこともあるが、一般の病院と違ってそれらに対応できる態勢も整っている。診察後には、個別または集団での療育も行われる。
<療育>
個別療育では、発語やコミュニケーションの練習をする言語聴覚療法、作業を通して手指や腕などの動きを訓練する作業療法、起き上がる、座る、歩くなどの基本的な動作の発達を促す理学療法などが行われる。集団の場合は、集団ならではの刺激や喜びを通して発達を促すプログラムが用意され、親子遊びなども行われる。
<相談>
療育センターの相談窓口では、ソーシャルワーカーに個別でさまざまな相談をすることができる。
子どもに必要な医療や訓練といった療育相談をはじめ、日常における子どもとの関わり方や障害の捉え方、経済的な問題、家族の問題など幅広い相談に応じてくれるので、障害児の保護者の心強い味方となる。
障害児へのサービスは、施設に通って支援を受ける「通所系」、障害児が通う保育所や学校などを訪問して集団生活への適応を支援する「訪問系」、施設に入って支援を受ける「入所系」の3つに大きく分けられる。
利用できるものを市区町村の福祉相談窓口に相談したい。
〔2020年3/12(木) 週刊SPA!<取材・文/日刊SPA!取材班>〕

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ページ名フラワーデモ、(事項百科)
<声をつないで>長崎でもフラワーデモ 元民放記者の女性、黄色い花を手に被害吐露 国際女性デー
フラワーデモで性被害への理解を訴える女性=長崎市で2020年3月8日午後0時51分、松村真友撮影
国連が定める「国際女性デー」の8日、花を手に集まり、性暴力に抗議するフラワーデモが長崎市、北九州市など各地で開かれた。
全都道府県の一斉開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開催を見送った地域もあった。
東京都に暮らす元民放記者の50代女性は、25年ぶりに訪れた長崎市で、集まった約50人の前で1輪の黄色いガーベラを手に思いを吐露した。
「私が声を上げなかったばっかりに、後輩の女性記者たちも被害を受けたのでは。責任を感じて参加を決意しました」
入社2年目で警察担当だった1993年、取材相手の男性から性暴力に遭った。
取材のため飲食中に意識を失い、女性が目を覚ますと、男性は飲み物に睡眠導入剤を入れたと明かし、被害写真を見せて脅した。
当時の上司は「これを踏み台に記者として成長しろ」と守ってくれず、社外で心ないうわさも流され、2次被害に苦しんだ。
心身の負担から休職して関西の実家に戻り、95年3月退職した。
子供2人を育てながら発達障害児や不登校児の支援活動に打ち込んだ。
2019年、教育現場のセクハラ根絶を訴えようと東京のフラワーデモに参加。
女性たちの告白を聞き「自分に非があった」と納得させてきた思いが間違いだと気づいた。
同年秋、自らマイクを握り体験を語り始めた頃、取材相手の長崎市幹部から07年に性暴力被害に遭ったと訴えている女性記者がいることなどを知り、長崎行きを決意した。
8日のデモ後、女性は取材に「語ることが誰かを支えることになると気づき強くなれた。今は語れなくても生きて」と性被害に苦しむ女性に呼びかけた。
一方、北九州市では約15人がJR小倉駅前で「#WithYou」などと書かれたメッセージを黙って掲げる「サイレントスタンディング」を実施した。
約50人が集った東京駅前では生中継によるオンラインデモを初開催し、6000人以上が視聴した。
この日で全国規模の定期開催は区切りとするが、冒頭、呼びかけ人で作家の北原みのりさんは「性暴力は私たちの日常で起きている。今日は区切りだけれど終わりではない。今度は社会が変わる番だ」と力を込めた。
ツイッター上のデモを企画した地域でも発信が相次いだ。
デモは19年3月に福岡県などで相次いで4件の性暴力事件に無罪判決が言い渡されたことに抗議するため、翌4月に始まった。
  〔2020年3/8(日) 毎日新聞【松村真友、安部志帆子、椋田佳代】〕

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ページ名[[]]、()
震災から9年 「これ以上わがままは言えない…」震災から9年、被災者向け仮設住宅からの退去期限が3月末に迫る 避難指示の一部解除、一方で仮設住宅の退去期限迫る 東京電力福島第一原発事故で避難指示を受け、公務員宿舎などの応急仮設住宅に身を寄せた住民の退去期限が3月末に迫っている。今回、期限を迎えるのは、原発事故の際、「避難指示区域」として強制的に避難をさせられた富岡町、浪江町、飯舘村の住民である。

「退去しないと裁判」恐れ…被災者の生の言葉

富岡、浪江、飯舘の3町村の住民は原発事故の際、福島県内外に避難することを強いられ、そのうち応急仮設住宅に住むことになった人たちが今回の退去期限の対象となる。 つまり、被災者たちは強制的に避難をさせられて住んだことのない土地に移り住み、なんとか慣れて生活を再建したところで、今回、そのようやく慣れた家から出ていかなくてはいけなくなるのである。 被災者が住む応急仮設住宅の中には公務員宿舎が仮設住宅扱いで被災者に提供された場所もある。東京都内では、江東区東雲にある公務員宿舎が被災者に提供され、そこに避難をしていた被災者も3月末に退去期限を迎える。 東雲住宅は都内では最大の応急仮設住宅で、36階建て、総世帯数900戸のうち、18階以上が応急仮設住宅として提供された。元々は被災者約400世帯が住んでいたが、まずは自主避難者が退去対象となり、自ら退去した世帯もあり、現在は、だいたい半分の約200世帯が退去期限対象となっている。

一方、富岡町、浪江町、飯舘村では徐々に避難指示が解除されてきている。そして、その避難指示の解除に歩調を合わせるかのように、仮設住宅からの退去期限が設定されてきた。 しかし、被災者は「『戻れるようになったのだから出て行ってください』と言われても生活の基盤は既に東京にあり、元の場所に戻っても、仕事など、生活のメドは全く立たない」という。 「戻れるのだから出て行け」と言われている気がします 浪江町から避難してきた斉藤達也さん(24・仮名)も、そんな一人。 斉藤さんは中学生の時に、被災した。

「正直、浪江は『子供の時の思い出の町』という感じで、今はもう東京での生活が当たり前になっています。浪江には戻れるけど、戻っても仕事もないだろうし、生活はしにくくて、先が全く見えないんです。東京の方が、いろいろ可能性もあるような気がするし」 被災した当初、斉藤さんは親とは離れ、兄弟とともに子供たちだけを集めた専用の施設に入れられた。その後、東雲の公務員宿舎を仮設住宅として提供され、親兄弟と一緒に住むことが出来るようになった。そして都立高校に進学。さらに専門学校に進学し、卒業後は派遣社員、アルバイトなどをしながら生活をしている。 「私はまだ東京になじめたから良かったんです。でも、弟はこっちで『福島出身の被災者』ということで『いじめ』にあったりもして不登校になってしまったんです。父も都内で仕事をしたんですが、元々が自営だったこともあり、使われる立場で、しかも割に合わない仕事だったので、かなり苦労していたようです。母は、弟のこともあり、東京は早く離れたいと言ってましたね」

今回の退去期限については「『避難指示』が出たから避難しろ。『避難指示解除』で戻れるようになったのだから仮設住宅からは出ていけ、と言われているような気がしますよね」「父の仕事や弟のこともあり、両親と弟は一旦浪江に戻りました。でも、私は浪江に戻っても何もできない気がするので、東京に残ったんです」 「これ以上わがままは言えない」 迫る退去期限、今後どうするのかを聞くと、「とりあえず荷物の整理をして運んだりはしているんですけど…。どうしましょう?どこかシェアハウスとかを探すしかないのかな?もしかしたら当面はネカフェで寝泊まりすることになるのかもしれません」

被災者の住処を奪うことでネットカフェ等で寝泊まりするような人を生み出すことになるかもしれないことが窺われる。 斉藤さんによると、被災者は「退去しないと裁判を起こされるのではないか」と恐れているという。 自主避難をしてきた被災者が2年前に退去期限を迎え、その後も残り続けた人たちに対して住宅の提供元となっている福島県の議会が、2019年11月、裁判を提訴することを可決した。次は自分たちなのではないかと言うのである。

被災者の気持ちを斉藤さんは「すごく多くの人に助けられて、すごく迷惑をかけているという気持ちがあるんです。だから、これ以上わがままは言えない」と表現する。 「でも、実際に出ていくことになったらどうすればいいのか…」 斉藤さんたちの住む東雲の国家公務員住宅は、被災者が退去した後、国家公務員であるキャリア官僚の住居になるのではないかと見られている。 (執筆:フジテレビ情報制作局 森本太郎) 〔2020年3/11(水) FNN.jpプライムオンライン〕

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ページ名スクールセクハラ、千葉県(千葉県教育委員会)
「教え子の体触る」「現金着服」教諭ら免職 体罰・暴言は減給 千葉県教委処分、本年度30件到達
千葉県教委は11日、部活動の教え子を呼び出して体を触るマッサージを繰り返したとして県北西部の県立高校の男性教諭(54)を懲戒免職とし、保護者から預かった現金を着服したとして別の県立高校の男性事務職員(29)も懲戒免職にした。
併せて、体罰や暴言を続けたとして柏市立小学校の女性教諭(60)を減給10分の1(6カ月)。
ひわいな落書きをした疑いで逮捕された船橋市立中学校の男性教諭(47)は減給10分の1(3カ月)となり、依願退職した。
監督責任の校長らも含め、この4件で計7人を懲戒処分した。
県教委の吉野美砂子教育次長らが県庁で記者会見し陳謝。
再発防止を図るとしたが、これで本年度の教職員の懲戒処分は30件(うち監督責任9件)に達した。
昨年度の20件(監督責任4件)を大きく上回る。
県教委によると、免職の男性教諭は昨年3~8月、運動部活の女子生徒1人に対し、車の中や遠征宿泊先でマッサージと称して体を触らせたり、相手の体を触った。
セクハラ行為を調べる校内アンケートで発覚。
教諭はわいせつ目的を否定しているが、県教委は免職に相当する不適切行為と判断した。
教諭の氏名は明らかにしていない。
着服で免職は、県立船橋啓明高校(船橋市)の白鳥翔太主事で、昨年6月~今年2月に約22万円を金庫から抜き取り、パチンコなどに使ったという。
監督責任で男性校長(60)が減給10分の1(1カ月)、調査を怠った男性事務長(52)は減給10分の1(3カ月)。
体罰で減給の女性教諭は昨年4月~今年1月、担任する3年生の男女児童12人に対し、授業中の態度を理由に足を蹴ったり、肘をたたいた。
うち男子児童1人は暴言も受けて昨年11月から不登校になったという。
〔2020年3/12(木) 千葉日報オンライン〕

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ページ名ギフテッド、(事項百科)
のんが“ギフテッド”の少年に密着「普通にはないものを持っている」
ナビゲーターののんがギフテッドの素顔に迫る
のんがナビゲーターを務める「素顔のギフテッド」(夜10:00-10:50、NHK Eテレ)が3月12日(木)に放送される。
11歳にして高度な計算も!ギフテッドの少年にのんが密着
同番組は、生まれながらにさまざまな才能を与えられた“ギフテッド”を紹介し、その素顔に迫る。
アインシュタインやザッカーバーグなど、生まれながらに特別な才能を持ち、数学が得意な人もいれば、言語の才を持った人、芸術の感性が飛び抜けた人などがおり、日本でも250万人程度いると言われているギフテッドだが、「周囲から浮いてしまう」「不登校になった」など生きづらさを抱えているという。
そんなギフテッドの11歳の少年にのんが密着し、魅力的な素顔をひもといていく。
のんは「才能があるっていうことは、普通にはないものを持っているっていうこと。大変で辛いときがあるかもしれないけれど、前に進んでみてください。
抱えている悩みや苦しみも、生きていく中で明るく消化されていくと思います!」と語った。
〔2020年3/12(木) ザテレビジョン〕

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ページ名浜松トランスジェンダー研究会、静岡県浜松市(校則のニュース)
浜松市の「ブラック校則」がバズった舞台裏
「下着の色は白限定」「ポニーテール禁止」のようにあまりにも厳しく、不合理な「ブラック校則」。
昨年末から年明けにかけて、浜松市の「ブラック校則」とそれを見直す動きが話題となった。
その背景には、市議会議員と市民団体が地道な調査を行って、浜松市と教育委員会を動かしていたことがある。
PublicLabの小田編集長が、浜松市の鈴木恵議員にインタビューした。(JBpress)
※本記事はPublicLab(パブラボ)に掲載された「多様性こそ子供たちの財産。「ブラック校則」という見えない鎖を解き放つ」を再構成したものです。
(聞き手・文=PublicLab編集長 小田理恵子)
――鈴木さんが、ブラック校則について取り組み始めた経緯を教えてください。
2019年8月に、トランスジェンダーの中学生が私のもとに相談に来たのがきっかけです。
浜松トランスジェンダー研究会(以下:TG研究会)に同伴されて来たのは、身体的性別は女性ですが性自認は男性という生徒でした。
彼の話によると、入学当初から、セーラー服は着たくない、学ランを着て登校したいと訴えていたのですが、学校からの許可が出なかったそうです。
生徒指導からは制服で登校するルールだが、「皆に見つからないように体操服を着て早めに登校すれば良い」と指導されたそうです。
でも友達と一緒に登校したいから、嫌々セーラー服で登校していたそうです。
――体操服を着て早朝に一人で通えと言うのはずいぶん乱暴ですね。
TG研究会と一緒に来た当初、彼はずっとうつむいて声も小さくて。
セーラー服は着たくない、学ランでないと学校に行きたくない。
もう不登校になるしか・・・と追い詰められていましたね。
我々が話を聴くうちにだんだん顔を上げて話をしてくれるようになったので、やっと話を聴いてくれる大人に会えたという想いだったのだろうなと感じました。
――学校に理解がなかったのは残念な話ですね。
ここ数年で、LGBTに関する認知と理解は上がってきたと思っていたのですが。
その中学校では、その年の夏休みにTG研究会がLGBTについての講座を開催していたのです。それでも理解がなかったということですね。
私は以前よりトランスジェンダーの方と付き合いがありまして、そうした方々の悩みや置かれている環境はずっと気にかけていたんです。
そんな折、文部科学省から指針が出たので、それを受けてすぐに性的マイノリティに関する議会質問を行いました。それが2015年のことです。
当時の(浜松市)教育長からは「個別の配慮をするよう各学校に伝える」「教職員が性的マイノリティーについての理解を深めていくよう努める」と答弁があったのですが、それから4年経っても現場では合理的配慮がなされていなかったということですね。
――この生徒の抱える問題からブラック校則にはどう繋がっていったのですか? 
この話を聞いて「きっとほかにもまだ同じような子がいるに違いない」と考えまして、まず「なぜ男子は学ランで女子はセーラー服なのか?」を調べてみることにしたのです。
TG研究会と一緒に、浜松市内の公立中学校48校の校則を調べ始めました。
最初は保護者に聞いたり、SNSで情報を募ったりして、校則が記載されているものの写真を送ってもらいました。
これで23校ほど集まりました。
ただ、このまま進めても全校網羅するのは難しいと判断し、11月初旬に情報公開請求を出して全48校分の校則を集めました。
――校則って「校則」という冊子があるわけではないですよね。どういう形でどこに掲載されているのですか?
  各校バラバラです。何らかの文章として記載はされています。
でも媒体はさまざまですし、名称も「校則」と書いてあったのは1校で、あとは「生徒の心得」とか「〇〇中学校の一日」とか。
――それが「校則」だと認識していない場合すらありそうですね。
製本されたものが配布される学校もあれば、入学時に手引としてプリント1枚が渡される学校もあります。
それだと保護者が気づかず捨てちゃう場合もありますし、おっしゃるように、これが「校則」だと保護者や生徒が認識しているかどうかも不明です。
そうやって集めた校則を調べてみました。
最初は男子と女子の服装や髪型の違いなどを調べていたのですが、続々と「変な校則」が見つかりました。
例えば「うちわ・扇子不可」「マフラーは不可」。
暑さ寒さを我慢せよということなのでしょうか。
それから10校では「下着の色は白」と決まっていました。
下着の色をチェックするのは人権侵害ですよ。
――白い下着って、制服だとかえって透けますよね。
浜松市では48校中46校が登下校は制服でも、学校に到着したら即座に校内服(体操服)に着替えるという決まりがあります。
夏の校内服は白いジャージだから透けないように下着は白という理屈だと思われます。
しかし、終日体操服で過ごさねばならないので、体育の授業があっても着替えられず汗臭いまま一日過ごさなければならないこともあります。
だから制汗剤の使用について「制汗剤は無臭のものに限る」という校則がある学校もあるくらいなんです。
――つまり登下校だけ制服なんですよね。なぜ制服で授業受けてはならないのか理解できません。
「登校したら速やかに着替えること」と校則に書いてあります。
ちなみに上着の裾はジャージの中に入れるようにとも書いてあります。
――多感な時期に、上着の裾をズボンに入れた格好をさせられるとは・・・辛いなあ。
おしゃれとは無縁ですね。髪の毛は耳より上で縛ってはいけないのでポニーテールもダメです。
このように校則の中に、合理性に欠けていたり今の時代に合っていなかったりする校則が多く見つかりました。
いま公立の中学校には外国ルーツの生徒もたくさん入学してきますし、なにより生徒それぞれの個性や多様性を大事にしてもらいたいと思っています。
そうした中で、学校が下着の色や髪型まで指定するのは、生徒たちに無言の同質化・同調圧力をかけることにほかなりません。
そこで調査結果をもとに、12月の浜松市議会一般質問で、市に対して多様性の尊重という観点から校則に関する考え方を質しました。
教育長の答弁は、「グローバル化が進む社会の中においては、学校生活に必要な一定のルールやマナーは保持しつつ、多様な価値観を尊重する社会の変化に対応するように、常に見直され、更新されていくべきものである」
「生徒指導主事・主任に対し、多様な価値観を尊重する視点を持てるように研修を行った上で、校則についてより積極的に見直していくことを促していく」というものでした。
また市長からは「自主性や自発性を尊重することは重要である」という答弁を受けました。
――ほぼ満点回答だったわけですか?
  議会質問が12月10日だったのですが、教育委員会はすぐ動いてくれました。
全小中学校に校則を時代に合わせて見直す旨の通知を出し、12月24日には生徒指導の先生向けの研修会を実施し、そこで下着や靴下の色指定などの校則の見直しを促しています。
しかし校則の見直しは各学校長が決めることなので、どこまで改善されるかはわかりません。
本当は「生徒自らが考えたり話し合ったりする機会の提供」まで踏み込みたかったのですが、そこまではできませんでした。
教育委員会は市の組織中でも変えるのが難しい「聖域」ですよね。
そこをここまで動かせたのは、「当事者の声」と「全中学校の校則の分析データ」という両者をしっかり揃えたからだと思いました。
まさにEBPM(Evidence-based Policy Making、エビデンスに基づく政策立案)で教育委員会を動かした好事例です。
実はそれだけではないのです。それと同時にメディア対応も行いました。
議会質問は午前中だったのですが、同じ日の午後にTG研究会とともに記者会見を行い、校則の調査結果を公表しました。
地元紙2誌、全国紙3誌、テレビ局2社が参加し、それが各社から「浜松市のブラック校則」といった形で報道されたのです。
週刊文春デジタルに掲載された記事は2日間でコメントが4000に上るなど、社会の問題意識として広がりました。
その後もテレビ、新聞などの取材が続きました。
――私もこれらの記事がSNSでシェアされて何度も目にしました。
全国で「浜松市のブラック校則」がバズっていました。
それだけ世論の後押しがあれば市も動かざるを得ないですね。
そこは戦略的に進めました。メディア対応に関してはTG研究会に前面に出ていただき、議員である私は極力表に出ないようにしました。
議員はとかく自分が目立ちたがる傾向がありますが、メディアはそれを嫌いますからね(笑)。
当事者、団体、事実とメディア、うまく絡めて進めていく必要があると考えました。
――そこまで考えて進めていたとは驚きました。議会質問から3か月ですが何か変化はありましたか?  教育委員会からの指導はすぐに実現しましたが、先ほど申しましたように、校則は各校長の判断なので、そこをどう動かすかですね。
教育委員会の指導を受けて「靴の色は白」という指定を「何色でもよい」とすぐに変えた学校もあります。
それもどうかと思うのですが・・・。<br というのも校則については「どのような手順でどう修正・加筆していくのか、どこにも書いてない」のです。今後の課題です。
現在のところ、目に見える成果としては、新聞の切り抜きをもって三者面談に臨んだ保護者がいたり、自分ごととして新聞を初めてちゃんと読んだという生徒がいたりというところです。
今回の件を通して学校や社会との関わり方について考えてくれる、保護者や生徒が増えてきたのがうれしいことです。
校則に関する法的な根拠についても調べました。年明けに弁護士会に相談して、「校則はルールというより目標のようなもの。
守らないと学校に入れない、授業を受けさせないといったことがあれば「教育の義務」を果たしてない、つまり違法であると言える。
また指導であれば、教育の効果や合理性を明らかにしなければならない」という見解をいただきました。
教育は子供の権利であり、校則を盾にそれを阻害するようなことはあってはならないということです。
今後この解釈を前提に、何かあれば弁護士会の「子どもの権利委員会」への訴えなど進めていきます。
――今後浜松市の校則は変わっていくのでしょうか?
  校則を変えるとなると冊子等の差し替えなどもあるので、新学期の4月に刷新される可能性があります。
今はそこを注視しています。4月に調査します。
制服に関して、今の制服を丸ごと変えるのはとてもエネルギーが必要です。
ですから浜松市の「標準服」を提案しています。
「標準服」とは、シャツ、ジャケット、ベスト、スカート、ズボン、リボン、ネクタイなどの「基準服のパーツ」があって、その中から、好みや、暑さ寒さの感覚に応じて、組み合わせを子ども自身が選択できるものです。
ポイントは、男子は「この形」、女子は「この形」と2つにキッチリと分けないこと、特にジェンダーに違和感を持つ子どもたちや、暑がり寒がりの子どもたちにも対応できることです。
浜松の中学生は、既存の制服を着てもいいし、先に説明した市の標準服を着てもいいという選択型になったらいいなと提案しています。
これは北九州市の事例を参考にしました。
――お話を聴いていると、鈴木さんが真に願っているのは「子供たちが多様性・個性を持ったまま成長してほしい」ということなんだな、と伝わってきました。
昭和の時代は働き手に同質化が求められたかもしれませんが、これからは多様性・個性の時代です。
同質化した人材は不要となり、AIやロボットに置き換わっていきます。
しかし今の中学校は、同調圧力が強い場所です。他の生徒と違うことがいじめや不登校の原因となることもあります。
今の子どもたちが未来をたくましく生きていくためにも、理不尽な校則によって見えない鎖で自分たちを縛ることがないよう、私たちが手を差し伸べていくことが大事だと思っています。
〔2020年3/13(金) JBpress PublicLab編集部〕

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ページ名守口市立小学6年生いじめ不登校、大阪府守口市(いじめのニュース)
小6男児、同級生に10万円渡す 大阪・守口、不登校に
大阪府守口市の小学6年の男児が同級生7人から現金を要求され、計10万円以上を渡していたことが13日、市教育委員会への取材で分かった。
男児は昨年10月から不登校になっており、市教委はいじめ防止対策推進法で規定する「重大事態」に当たるとして、近く第三者委員会を設置する。
市教委によると、男児は昨年5~7月の放課後や夏休みに同級生7人から「金ちょうだい」などと言われ、自宅から現金を持ち出して公園や商業施設で1回当たり500~1万円を渡した。
2~3回受け取った同級生もおり、総額は計10万7500円に上る。
〔2020年3/13(金) 共同通信〕

大阪・守口の小6男児、同級生に10万円渡す 市教委が第三者委設置へ 大阪府守口市立小学校の6年生男子児童が昨年5~7月、同級生ら7人から現金を繰り返し要求され、計10万円以上を渡していたことが13日、市教育委員会への取材でわかった。
市教委は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事案」にあたるとして第三者委員会を設置し、調査する方針。
市教委によると、男子児童は昨年5~7月の放課後や夏休み中、市内の商業施設や公園などで同級生の男子児童7人から「金ちょうだい」などと金銭を要求され、自宅から現金を持ち出して各児童に1~3回ずつ、延べ14回にわたって渡した。
1人当たり2千円~2万5千円で、少なくとも10万7500円以上に上るという。
同年7月、加害児童が多額の現金を持っていることに保護者が気づいて学校に相談、学校側の聞き取り調査で発覚した。
被害児童は同年9月から別室登校を行っていたが10月からは不登校となっており、今月卒業予定という。
加害者側の保護者らは謝罪し返金を申し出ているが、被害者側は授受金額が数千円少なく、「くれへんかったら縁切ったり、殴ったりするぞ」などと脅されたと主張。
さらなる調査を求め、返金を拒否しているという。
市教委は「事実関係の再調査を進め、被害児童のケアに努めたい」としている。
〔2020年3/13(金) 産経新聞〕

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りゅうちゃん子どもの希望基金 子ども支援で助成先を4月3日まで募集 りゅうちゃん子どもの希望基金 沖縄県共同募金会は、琉球新報社と共同で行っている「りゅうちゃん子どもの希望募金」の助成先を募集している。 子どもたちの安心した生活と未来を応援する取り組みを支援する団体などが対象。4月3日まで申請を受け付ける。 対象は子どもの支援活動に取り組む非営利組織。子どもの居場所づくりや生活困窮世帯などの子ども学習支援(無料学習塾など)、不登校・ひきこもり支援などの活動のほか、子どもの緊急避難先(シェルター)における居場所の提供、児童養護施設などの退所児童の自立生活支援などの給付型のプログラムも設けている。 詳細については、県共同募金会ホームページで検索するか、県共同募金会(電話)098(882)4353まで。 琉球新報社 〔2020年3/13(金) 琉球新報〕

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障害児やその家族に対する対応 障害児は近くの幼稚園に入れない?! 怒りを原動力に出馬 (海津敦子・文京区議インタビュー) 「女性議員が増えることで、本当に、暮らしやまちは良くなるのか?」--。

2018年5月に成立した「候補者男女均等法」では、女性候補の割合を50%にするよう政党に努力義務を求めています。女性議員の増加は、政治や社会にどんな変化をもたらすのでしょうか。政治の現場で活躍する女性議員へのインタビューを通じてその実情に迫ります。

今回は文京区議会議員の海津敦子さんです。テレビ局で不登校問題などの報道に携わったのち、家族の転勤で渡米。日本とアメリカで、障害児やその家族に対する対応の違いを知ったことも政治に関わるきっかけのひとつとのことでした。 障害児枠がいっぱいで、近くの幼稚園に入れない?! 池田:はじめまして。今日はよろしくお願いします。このインタビューはこれまで、20代、30代で初当選をした若手の方が多かったものですから、今回は社会で経験を積まれてきた海津さんが、どうして地方議員になろうとなさったのか、お聞きしたいと思っています。大学をご卒業後、就職をなさったときにも、政治へのご関心はお持ちでしたか?

海津:政治への関心は薄かったです。テレビ局の社会部で記者、ディレクターをしていたときは、その時々の時事問題も扱うとともに、教育についての関心は強かったので、不登校や山村留学等について取材をして報道しました。

期間は短かったですが政治経済部では総理番も経験しました。その時には政治の世界って不思議なところだなぁという印象を持ちました。

池田:不登校などの問題を扱っているときに、地方議員との接点はありましたか?

海津:全くないですね。国会議員へは仕事でインタビューをしたりすることはありましけど。国政は地方議会より情報も入ってくるし、自分の考え方や課題と照らし合わせて投票先を判断することができますが、地方議会が何をやっているのかは見えにくかったし、地方議員には全くと言っていいほど興味は薄かったですね。

池田:地方議会の情報は入りにくいかもしれないですね。

海津:入りにくかったのか、取りに行かなかったのか。自分の生活と地方議会が結びついているという認識は、当時はなかったです。

池田:ほかの方からは、出産や保育園問題をきっかけに地方政治に関心を持ったという声も聞いてきましたが、そういうことはありましたか?

海津:子供は3人おり、みんな成人していますが、当時は待機児童も大きな課題になっていなかったので、そこで関心を持つということはなかったです。ただ、転勤で4年間アメリカに住んでいて、帰国した際に、障害のある子供とその家族に対する支援のあり方が、日本とアメリカで大きく違っている。

おかしいな、ということで、日本で活動をしていくうちに、議会や議員を動かすことが必要だなと考えるようになりました。一番初めは、公立幼稚園にある障害児枠の問題です。各幼稚園に障害児は2名と決まっている。そうすると、自宅の近くの幼稚園が既に障害児2名を受け入れていたら、そこへ行けない。

離れた幼稚園に通わざるをえなくなってしまう。おかしい。予算としては、例えば障害児40人を受け入れるだけの加配職員分はある訳ですから、予算マックスまでは、どこの園で何人受入れようが運用は可能なはずです。そこで、請願を出そうということで動き始めました。

ただ、当時は残念ながらなかなか話が通じず苦労しました。結果的に理解を得て、全会派一致で請願を通すことができましたが、紆余曲折ありましたね。

池田:議員になる前に、議会の動かし方のコツを学ばれたのかもしれませんね(笑)

海津:議会の仕組みやどう施策に反映させるか、ということを知ることができました。

池田:請願などの活動はママ友さんたちとご一緒にやられていたのでしょうか?

海津:そうですね。障害を持つ子供たちの母親たちなどですね。私は記者をしていたので、課題がある、というときにどうアプローチして、どう調査をすればいいのかということは分かっていましたので請願という権利を行使したということです。

池田:その請願をきっかけに議員を目指すことになったのでしょうか?

海津:いえ、その時は違いますね。区、役所を動かすには、区民として声を届けていく、提案をしていくことで実現したことも多いですから、議員になるなど考えたこともありませんでした。

例えば、学童保育は学校から学童施設への移動に保護者が付き添わなければならなかったのです。でも、次世代育成支援対策推進法の子供育成理念からは、障害児の送迎を保護者に自己負担させることはその趣旨から外れる、と指摘しました。

幸い、文京区では障害児の在籍する学童保育には指導員が加配されていましたので、新たな予算も必要なく、その指導員さんに学校へ迎えに来てもらえばよい、と提案し採用されました。

議員に力を借りたケースもあります。学校で夏にプールに入ると思うのですが、障害児がプールに入る際には保護者や家族、家族が付添えない場合には人を雇って誰かが付添うことが必要でした。お金もかかります。

今だったら、文京区では起こり得ないことですが、当時でも、そうした負担はおかしいと思い、教育委員会へ掛け合ったのですが、進展しなかったので、区議会議員に議会の場で指摘をしてもらって、返金させるということができました。 「怒りが原動力」の勢いで出馬 池田:市民として良い提案もしてきて、議員に働きかける、というご経験もあった上で、ご自身が議員を目指されたのにはどんな理由があるのでしょうか?

海津:私は障害児の親ということもあり、インクルーシブ教育を進めているのですが、当時、小学校の卒業式では、障害児も健常児も分けずに五十音順で並んで、卒業証書を受け取ります。しかし、中学校へ進学すると、厳粛な式典なので特別支援学級と通常学級を分けて入学式を行うと言われました。何を言っているのだと。

調べてみても、特別支援学級と通常学級を分ける根拠もない。ただ、なかなかこういう問題は議会も動いてくれない。そういう怒りをつのらせておりましたら、友人に「自分が議員になったらいいじゃないの」と言われまして。「なるほどな」と。

池田:へぇ!

海津:それまでにも何度か議員になったら、というお声かけは頂いたのですが、その時は議員になろうとの思いは湧き上がってきませんでした。ただ、この時は怒りが強かったので。勢いに任せて選挙に出ようと、家族に話したら「どうぞ」ということで。子供たちも「いいんじゃない」って賛成してくれました。

でも本当に勢いだったから、候補者説明会も終わっていて、選挙管理委員会へ行って資料をもらってきたくらいでしたね。ポスター用の写真を撮りに行く予定にしていたのが、東日本大震災の3月11日でしたので、それも延期になって・・・。

池田:そうすると最初の選挙の選挙運動はどなたか教えてくださる方がいらっしゃって?

海津:いえいえ。選挙カーも作りませんでした。お金もなかったし、友人たちと日頃から選挙カーって騒がしいわよね、なんて話していたので。要らないよねと。

池田:その選対というか、選挙を手伝ってくれた方々というのは?

海津:ママ友が集まってきてくれました。その中に配偶者が選挙のお手伝いをした経験のある方がいて、その人に「ポスターは作った方がいいよ」と言われて、そうなのですねとポスターと公選葉書は作りました。あと本を読むと、政治団体だと政策チラシを配布できるということだったので、政治団体を作ってチラシを配布しました。

それから、政治家のチラシなどを見ると「推薦人」というのを見かけるな、と思いまして、信用できる推薦人をお願いしようということで、元副区長の方、それから以前からご縁のあった荒川区の西川区長、もう一人、医師で障害児の指定医をやっていらっしゃる方にお願いしました。

池田:本を読まれたとのことでしたが、それはいわゆる選挙のマニュアル本ですか?

海津:いえ、区が配布している候補者のしおり、ですね。ともかく、笑っちゃうぐらいの何もわからないままの立候補です。告示当日に立候補の届け出に行きますよね。そしたら、みんなタスキをかけて飛び出して行く。

私も選挙道具一式を受け取って、開けました。そしたら、タスキが入っていない。そこで、選挙管理委員会へ「あの、私のにはタスキが入っていないのですが?」って。「タスキは皆さん、ご自分で用意されるんですよ。」と言われて。

池田:笑

海津:それで、友人に電話して「タスキって自分で用意するんだって!」と話したら、友人が「腹帯があるから!」って。

池田:腹帯!妊婦さんのですよね!

海津:腹帯を縫ってタスキを作ってくれて、おまけに達筆だからマジックで「かいづあつこ」と書いてくれました。

池田:笑

海津:それで、そのタスキをかけて、街頭演説標記にも「かいづあつこ」と書けるからそれも書いて、それを持ってまちへ出ました。

池田:なるほど。はい。

海津:歩き始めて、歩いていると言っても、まぁ散歩です。友人たちとよもやま話をしながら歩いていて、向かいから人が来たら「海津敦子です。よろしくお願いします」と。

池田:え!?話しているというのは、演説するということではないのですね?

海津:ええ。しゃべりながら、前から来た方に「こんにちは」と挨拶をするだけ。

池田:ははー。それを選挙期間中ずっと。

海津:そうしていたら、見かねた方が「あれは選挙じゃない」「散歩だ」と心配してくださって、スピーカーを持ってきてくださりました。さらに、色んな方が心配して「私、昔ウグイス嬢やったことあるから」とマイクを握ってくださって。

ハンドスピーカーで「初めて選挙に挑戦しております海津敦子です」と。私自身も演説する予定もなかったので、マイクを渡されても、何を話したらいいか…、という感じでしたね。

池田:よく「練り歩き」ということで、商店街などを歩く話は聞きますが(笑)

海津:文京区内はくまなく歩きました。あっちに行っていないから、今日はそこへ行こうか、なんて、これまた散歩のノリで話しながら。

池田:その最初の選挙は、ご自身では勝算はありましたか?

海津:何にも考えていませんでしたね(笑)今だったら、絶対にやりません。

池田:怒りと問題意識があって、選挙にお出になったのですから、勝ちたいという思いが強かったのかと思いました。

海津:怒りからの勢いでした。ただ、障害児の課題や教育、支援を必要としている家庭の問題を良くしていくためには、役所と対等に渡り合える議員が不可欠との思いは強かったです。

私なら、知識は足りていないところは学んだり情報を収集すれば、役所の施策をしっかりと監視できると思っていました。

池田:議員になった後はそうだと思うのですが、選挙は勝たないといけませんので…。勝つための戦略というのは特になかったでしょうか?

海津:勝つために…。チラシを配布したことぐらいでしょうか。

池田:しっかりとした推薦人をお願いされたということは、それまでの海津さんの活動などへの信頼を高めたのではないでしょうか?

海津:そうですね。あとチラシの中に、具体的なことを書きました。当時、子供が義務教育課程にいて教育のど真ん中にいる、そして、大学で教鞭をとり、子育ての不安感に寄り添うことへの専門性がある、だからこそ具体的な提案を書きました。それはもしかしたら、差別化できたことかもしれません。 「女性だから」ではなく、自分が経験したから言えること 池田:さて、私は今の政治不信の状況で「女性」候補者というのはクリーンなイメージで見られることが多く、それはひとつの追い風ではないかと考えているのですが、海津さんは選挙において女性であることを意識されたことはありますか?

海津:ないですね。女性だからということではなく、自分が経験したことから言えるということは意識し発信してきました。

私は女性の政治家を増やすことも大事ですが、それ以上に、女性の管理職公務員を増やすことが大切だと考えています。国会中継を見ていても、そこにいる公務員はみな男性です。そこに女性がいないから施策に反映されない。提案し、施策化できる力を持った女性公務員が必要です。

女性議員が増えることが必要でないとは思いませんが、単に政治屋になってしまうのであれば意味がない。管理職公務員のうちの女性比率を上げていくことが大事。

池田:施策を作るところに女性がいることが大切というご指摘はもっともだと思います。

海津:女性議員が議会活動を円滑にできるような環境整備は必要だと思います。例えば、産休制度を設けるとかです。政治活動そのものは、その人のやり方で何を大事にするか、駅頭に立ったり、多くの行事に参加したいと考えるか、そうではないやり方をするか。

ですから、私は駅頭活動はやりません。が、ブログやレポートで活動の報告をしています。区民との対話や情報公開制度の活用、数値や法的根拠を示しながら、役所の施策をチェックしてどう指摘しているか、さらに対案としてどのような政策提案を行っているか等を綴っています。それを読んで共感してくださる方が声をかけてくださることもあります。

池田:ご自身が議員になられて、市民として動いていた時と違いはありますか?

海津:情報のスピードと量が違います。議会の場だけで全てが動く訳ではなく、日常の区役所との対話から提案もできますので、議員になったことは大きいです。

また、お困りごとの相談を受けることがありますが、今、届いた声はその方一人だけど、その後ろには大勢の人が同じように困っているかもしれません。だから、その声をどのように制度化していくか、それができるのが議員だと思います。

私は日頃から、議会、区役所にいる時間を確保して、区の職員とのコミュニケーションを大切にしています。ここにいるからこそできることがあると思います。

池田:政治活動の中でどうしても、自分が実現しました、ということをアピールせざるを得ない部分もありますよね。

海津:私は、私がやりました、というのはないと考えています。制度や政策を提案をするときに、実態を聞かせてくれる区民の方がいらっしゃる、同じ思いで活動してくださる方、区役所の職員もいる、だからチームですよね。チームで動いて初めて実現する。

池田:これまでのお話だと女性であるということを意識してはいらっしゃらないのだと思いますが、この連載のテーマでもあるので、あえて、女性ということのフィルターを通して考えていただいて、何かありますか?

海津:女性としてというよりは、私が体験した母親であること、妻であること、障害児の親であること、介護をしていること、そういう生活者としての実感が、女性的であると見られることはあると思います。 議員ひとり一人が、当事者目線というよりも、いつ自分が当事者になるか分からないし、自分の問題だという認識で施策を監視し、議論、提案ができたらいいと思います。そして、結果的に、そういう人が女性で、女性議員が増えたとしたらいいですね。

女性・男性問わずに「政治家になるのが目的」でなく、「~を実現したい」といった目的がある人に、議員になってほしいです。そういう人が増えたら議会は変わり、まちが変わると思います。 池田:ありがとうございました。 〔2020年3/13(金) 選挙ドットコム〕

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ページ名守口市立小学生のいじめ不登校、大阪府大阪・守口市(いじめのニュース)
小6男児 現金要求の同級生7人に10万円渡す 大阪・守口市 男子児童は不登校に
大阪・守口市の小学校で、6年生の男子児童が同級生から要求され、10万円以上の現金を渡していたことが分かった。
守口市教育委員会によると、6年生の男子児童は、去年5月から7月にかけて、男子同級生7人から「金ちょうだい」などと何度も要求され、自宅にあった現金を持ち出していた。
金額は、1人あたり2000円から2万5千円で、分かっているだけで10万7500円にのぼるという。
自身の子どもが現金を持っていることを不審に思った同級生の保護者が、学校に連絡して発覚した。
男子児童は不登校になっており、教育委員会はいじめの重大事態にあたるとし、第三者委員会を設置する方針。
〔2020年3/13(金) 読売テレビ〕

小学生7人「金ちょうだい」と同級生に約11万円…いじめ「重大事態」に
大阪府守口市立の学校に通う6年生の男子児童が昨年5~7月、同級生7人から現金を要求され、10万円以上を渡していたことがわかった。
児童は昨年秋から不登校になったという。
市教育委員会は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」にあたるとし、調査組織を設置する予定。
市教委によると、男子児童は昨年5~7月の放課後などに、公園や商業施設などの校外で7人から「金ちょうだい」と要求され、自宅から現金を持ち出し、1~3回に分け渡した。
1人当たり2000円~2万5000円で、少なくとも計10万7500円に上るという。
昨年7月、多額の現金を持っていることを不審に感じた同級生の保護者が学校に連絡し、学校側が聞き取り調査して発覚した。
男子児童は昨年9月から別室で授業を受けていたが、10月から不登校が続いている。
同級生の保護者は謝罪し、返金を申し出たが、男子児童の保護者は「調査は不十分で、真実が明らかになっていない」と拒否している。
市教委は「男子児童らのプライバシーを考慮して、公表してこなかった。
今後も調査と男子児童の保護者との話し合いを進め、早く登校できるように取り組みたい」としている。
〔2020年3/13(金) 読売新聞オンライン〕

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ページ名川口市中学生の男子生徒いじめ不登校、埼玉県川口市(いじめのニュース)
川口市 中1男子へのいじめ 第三者委員会設置へ/埼玉県
川口市の中学1年生の男子生徒が部活動内でいじめを訴え不登校になっていることをうけ、市は近く第三者委員会を設置する方針です。
関係者によりますと川口市立中学校に通う中学1年生の男子生徒は、去年11月上旬に部活動のチームメイトから「くそ野郎」と陰口を言われたり仲間はずれにされたりして不登校になったということです。
男子生徒は、去年11月末に、登校しましたが再びいじめをうけて教室に入れなくなり自傷行為にも及びました。
保護者から相談をうけた市教育委員会は、去年12月下旬に重大事態として市長に報告し、今月中にも第三者委員会を設置する方針で委員の選定をすすめています。
〔2020年3/13(金) テレ玉〕

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休校はむしろありがたい 学校が苦痛な高校生「休校はむしろありがたい」自分を見つめ直す期間にしたい 新型コロナウイルスの感染防止のために、全国の高校で突然休校になり、卒業式が縮小・中止されるなどの影響も広がっています。高校生活への影響や、今感じていることなどについて、現役高校生に報告してもらいました。 苦痛な学校に行かなくてよい安心感 新型コロナウイルスの感染予防のための休校の日々を過ごして目にするメディアでも、休校措置に対する批判の声しかありません。しかし、正直私は今回の措置については全く困っていないですし、むしろありがたいと思っています。 メディアでは、休校を前に悲しんでいる子たちの姿をたくさん見ました。卒業式の保護者参列の禁止には、私も胸が痛みます。

新型コロナウイルスの影響で休校になった(写真はイメージ) しかし、個人的なことになりますが、私は学校に行くのが苦痛で苦痛でたまりませんでした。学校がすごく嫌いなのです。単位数のことも考え、不登校にはならずにどうにか通っていますが、正直、学校の子を全然好きではありません。 朝早い時間に起き、満員電車に乗ることで様々なストレスを抱え、そんなに好きでもない友達に会い、何も楽しいことのないまま帰る日々がしばらく止むだけでもホッとしています。体調もこの数日間で格段によくなりました。 私と同じような子も周りに何人かいます。私のような学校が嫌いな子だけでなく、人間関係に振り回されるのにうんざりしている子にはよい期間になっていると思います。 自分を見つめ直す機会になる 私の通う高校でもテストがなくなって成績のことで困っている子もいます。でも、逆に、普段から学校生活を納得するように送らなくてはならないと気づいたはずです。私も偉そうなことは言えませんが、普段から納得するように、小テストなり、学期の考査なり、授業中の課題なりにしっかり取り組んでいれば、成績について、そこまで気を揉むことはなかったのだと思います。 勉強に限らず、イベント等も中止されている今だからこそ、自分自身や部活のこと、その他身の回りのことに目を向けられる機会なのではと思います。 自問自答する時間の余裕もできたと思います。この期間で自分の感性に訴えかけてくるものにじっくり触れられると思います。いろんなところから漫画の配信もありますし、動画配信サービスだってあるので、「目」や「感覚」を養うものを体験するいい機会だと思います。 進路についてパソコンやスマホから調べたり、興味のある分野について研究したり、「考える」時間が生まれているのではと思います。 この期間が、きっと何かの糧になってくれるはずと信じています。 家族を支え、自立の準備をしたい 今回のこの休校措置も、そもそも政府は「集団感染を防ぎ、子供を守るため」に始めたことですし、とにかく最近それを忘れている人が多い気がします。 今批判している人も、もし休校にせずに新型コロナウイルスの感染が拡大したら、「なぜ休校にしないのか」という声を各地であげていたのではないでしょうか。猶予という言葉も頻繁に目にしましたが、とにかく1人でも多く感染しないことが最優先なので、命のことを第一に考えると、今回のごたごたも仕方のないことだと私は思います。 政府の揚げ足をみんな取りすぎている気がするのです。各地の親御さん、特に医療従事者の方々は毎日大変な思いをされていると思いますが、むしろ私たちも家事を手伝うことを始めるなど、家族で支え合い、少し早く自立するためのいい準備段階だと思います。 毎日鬱々としたニュースがテレビをつけると立て続けに報道されていて、私も少し飽き飽きしています。 今の高校生の年代は、令和を担う世代とも言われます。今こそ明るいニュースで世間に希望の光を差し込めるように、毎日に工夫を凝らすのが私たちの仕事なのではないかと思います。 (神奈川県・高校2年女子) 高校生新聞社 〔2020年3/8(日)高校生新聞オンライン〕

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ページ名代々木高等学校・トピックス、三重県志摩市()
"賢島の通信制の代々木高校が卒業式 旅館で働きながら調理師免許取得した生徒も"
賢島に本校がある通信制高校「代々木高等学校」(志摩市阿児町、TEL 0599-43-6177)の卒業式が3月8日、同校大講堂で行われた。
  東京、名古屋、大阪に拠点を置き、全国40以上のサテライト校のほかオーストラリアやカナダなど海外でも日本の高校に通える環境を整備する同校。
賢島は真珠いかだ浮かぶリアス海岸の英虞湾の中央に位置し、2016(平成28)年にG7伊勢志摩サミットが開催された。
同校の今年の全卒業生は245人で、賢島本校の卒業式には、賢島本校生徒22人と大阪本部生徒1人の計23人(卒業予定者は29人)が参加した。
卒業生たちは、3年生の総合学習の授業で志摩市の地場産業である真珠養殖業について学び、真珠に穴を開けて作ったオリジナルの真珠のペンダントを胸に着け、この日の卒業式に臨んだ。
この日は、新型コロナウイルスの感染拡大を心配し卒業生とその家族だけの出席での卒業式となった。
一色真司学校長から卒業証書を受け取ると、卒業生はマイクに向かって親への感謝や3年間の思い出などを言葉にした。
3年間、鳥羽市の旅館「浜離宮」(鳥羽市鳥羽)で働きながら高校生活を送った兵庫県小野市出身の原口英上(ひでたか)さんは、在学中に調理師免許を取得し、朝6時からの就業時間に3年間無遅刻で臨んだ。
原口さんは「中学の時に両親に料理を作ったら喜んでくれたことから、人に喜んでもらえる仕事として料理人を目指して代々木高校の『伊勢志摩料理人コース』を選んだ。
おかげさまで卒業することができ、仕事も今までさせてもらえなかった仕事を任せていただけるようになり、やり甲斐を感じている。
もっと料理の勉強をし、さらに上を目指していきたい」と話す。
志摩市出身で卒業生代表あいさつを務めた山本真守(まもる)さんは皇学館大学の文学部に進学。
山本さんは「不登校だったが、この学校に来て自分を変えることができた。
高校3年生の時にSBPというイベントに参加したことがきっかけだった。
不登校の人たちと一緒に農業や漁業をやってみようとするプロジェクトを大学に行ったら立ち上げたい。
自分が不登校だったからできることだと思うから。今、全てに感謝します」とあいさつした。
〔2020年3/8(日) みんなの経済新聞ネットワーク(伊勢志摩経済新聞)〕

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半崎美子 半崎美子 卒業生に贈る校歌“ショッピングモールの女王”が初制作…佐賀星生学園 初めて校歌を手がけた半崎美子 シンガー・ソングライターの半崎美子(39)が、不登校経験のある生徒を受け入れている高等専修学校「佐賀星生(ほっしょう)学園」の校歌「それぞれの星」を書き下ろしたことが8日、分かった。半崎のコンサートに訪れた同校の加藤雅世子校長が感銘を受けて、熱烈オファー。昨年12月16日に半崎が卒業生33人と直接対話し、集めた言葉の数々を歌詞に込めて完成させた。 北海道出身の半崎が、佐賀県の学校に校歌を書き下ろすきっかけとなったのは、昨年10月に都内で開催したオーケストラコンサート。以前から半崎の曲を愛聴していた加藤校長が来場し、感動のあまり、関係者を通じ校歌をオファーした。 2011年創設の佐賀星生学園は、さまざまな理由で登校できなかった経験を持つ生徒たちを支援する高専。個性を伸ばすため、芸術などの授業に力を入れているのが特徴となる。これまで校歌は存在していなかった。 “ショッピングモールの女王”と呼ばれる半崎は、各地の握手会などでファンと交流し、共鳴した逸話の数々を作品へと昇華させてきた。今回もさまざまな事情を抱え、学園にやってきた卒業生33人と約1時間かけて対話。「星」「輝く」「仲間」などのテーマを引き出し、歌詞にまとめたという。 3番まである校歌は、半崎からの“贈る言葉”となっている。 4日に行われた卒業式を訪れ、卒業生と一緒に校歌を合唱する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止に。代わりに、一人一人へのメッセージを入れた校歌収録のCDを送る予定という。 初めて校歌を提供した半崎は「一人一人が輝く個性、星である。その煌(きら)めきを尊重しあいながら歌いつないでもらえたらうれしいです」と期待している。 〔2020年3/9(月) デイリースポーツ〕

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ページ名川口市立中学いじめ不登校裁判、埼玉県川口市()
<川口いじめ>また虚偽…武南署の文書に その場にいないはずの弁護士の発言「警察正しい」が書かれていた
県警の記録には協議に出席していない弁護士が「警察の判断は正しいと思います」などと書かれていた(提供、画像を加工しています)
埼玉県川口市立中学校で元男子生徒(17)=県立高校2年=がサッカー部でいじめを受けた問題で、武南署員、校長、被害者の母親らが学校で行った協議について記録した武南署の文書に、出席していない弁護士が出席し、被害届の受理は難しいという署員の説明に対し「『警察の判断は正しいと思う』と発言した」と記載されていたことが8日までに分かった。
元生徒らは3日付で、県警に抗議し訂正を請求した。
<川口いじめ>不誠実…市「いじめは不登校元生徒のラインが原因」→元生徒「証拠出して」→市「出さない」
記録は昨年11月5日、元生徒側が県警に開示請求し、12月18日に開示された。
協議は元生徒が中学2年だった16年12月20日、中学校で開かれた。
元生徒から被害相談を受けた武南署が、加害生徒らに事情聴取したことを踏まえて、署員2人、校長、教頭、市教委、被害者の母親が参加した。
元生徒の当時の代理人、埼玉弁護士会の岡本卓大氏ら弁護士2人も母親に同行したが、学校側の要請で弁護士2人は同席を認められず校長室で待機した。
母親によると、この協議で署員は「加害生徒や目撃した生徒らの記憶や証言が一致しない。
首を絞められた被害は確認できたが、元生徒が先に蹴ったことにはなっていない。加害生徒と保護者には厳重に注意した」と説明した。
このことは市教委作成の報告書でも裏付けられる。
しかし、開示された県警の記録には「参加者は学校長、教頭、署員2人、弁護士で、相談の件については、時間が経過したこともあり日時の特定、それぞれの言い分が食い違うことから、被害届を受理できないことを伝えた。
同席した男性弁護士からは、自分は刑事事件に詳しいが、私も被害届は受理しないと思います。
警察の判断は正しいと思います、との発言があった」と記載されている。
「同席した男性弁護士」とされた岡本弁護士は、埼玉新聞の取材に「同席していない。警察が正しい、という発言はしていない。虚偽記載だ」と話した。
元生徒は、いじめで不登校になったのは学校や市教委の不適切な対応のためだとして、市に550万円の損害賠償を求めてさいたま地裁で係争中。
この裁判で、校長は同じ協議について県警が開示した記録を裁判所に証拠として提出したが、これには「元生徒が先に足蹴りをした事実があり」と書かれていた。
この記録について、元生徒は虚偽だと県警に抗議し、昨年12月2日に県警は虚偽だと認め元生徒側に謝罪している。
武南署の虚偽文書が明らかになるのは2回目。
〔2020年3/9(月) 埼玉新聞〕

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ページ名色麻町中学生の放火容疑逮捕、宮城県色麻町(非行の)
放火容疑で逮捕の中学生送検 入学間もなく不登校に
色麻町で住宅が全焼し2人が死亡した火事で、放火の疑いで逮捕されたこの家に住む男子中学生の身柄が仙台地検に送られました。
色麻町の中学3年の男子生徒(15)は7日午前2時ごろ木造2階建ての自宅に火を付けて全焼させたとして放火の疑いが持たれています。
この火事で住宅1棟およそ180平方メートルが全焼し、焼け跡から2人の遺体が見つかりました。
警察は、遺体は46歳の母親と18歳の姉と見て身元の確認を進めています。
火事の当日、男子生徒が在籍する中学校では卒業式が予定されていましたが急きょ延期しました。
関係者によりますと、男子生徒は中学校に入ってまもなく不登校になったということです。
〔2020年3/9(月) KHB東日本放送〕

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後藤誠子 引きこもりを支援 北上・後藤誠子さん 来月からフリーランスで活動 4月からフリーランスで不登校や引きこもり関連の支援活動を始める後藤さん。「支援の草分けになれたら」と展望する 北上市常盤台の後藤誠子さん(52)は、4月からフリーランスで不登校や引きこもり関連の支援活動を始める。当事者が気軽に集まれる居場所の提供や全国ネットで聴けるラジオ番組の制作に関わる予定で、「当事者と地域をつなぐ引きこもり支援の草分けのような存在になれたら」と展望する。 生きづらさ、悩み分かち合い 地域FMで呼び掛け 親の会で前向きに 後藤さんは、多機能型事業所に通所する次男(25)と2人暮らし。数年前、学校や仕事に行けない「社会的引きこもり」状態になった次男との関係に悩み、当事者の親の会に参加した。そこで出会った同じ悩みを抱える親たちに励まされたことで前向きになり、親子仲も次第に改善されていった。 親の会の活動をきっかけに2019年1月から北上市のコミュニティFMで引きこもりをテーマにした番組「1人じゃないから」のパーソナリティーを担当。同年夏には当事者を地域で支え合うための「笑いのたねプロジェクト(ワラタネ)」を立ち上げ、交流会やトークイベントを企画するなど精力的に当事者と支援者をつなぐ機会を創出している。 誰もが立ち寄れる場を これまで仕事と支援活動を両立してきたが、今月末で仕事の契約が切れるのを契機に、新年度からフリーランスでの活動を決意。当初は知人の提案で会社設立も考えたが、次男の助言を受けて型にはまらない柔軟なスタイルで支援事業に取り組むことにした。 具体的には、昨夏から開催する当事者会「ワラタネスクエア」の会場を市街地中心部にあるコミュニティーサロンきずな(同市本通り)に移し、回数を月1回から水、土曜の午後の週2日に拡大して開設する。不登校や引きこもりに特化せず、心身に疲れを感じている人など誰もが自由に立ち寄って過ごせる居場所づくりを目指す。 〔2020年3/9(月) 岩手日日新聞社〕

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ページ名学而会、静岡県浜松市中区(不登校のニュース)
不登校児らの進学、保護者対象に説明 浜松・浜北区
浜松市中区の一般社団法人学而会は7日、高校進学を控える不登校や発達障害の子を持つ保護者を対象にした進学説明会を同市浜北区の浜北文化センターで開いた。
寺岡勝治代表理事が定時制、通信制、単位制などの高校の種別と特徴を紹介した。
内申点、学力、出席状況など入学時に重視されるポイントも説明し、合格に近づく具体的なアドバイスを送った。
子どもたちに将来の自立を促すための日常的な取り組みとして、紙をきれいに折る、筆記用具を毎日しっかりと用意するなどの実践を勧めた。
「長期的に繰り返し続け、何か一つでもできるようになることが子どもたちに大きな変化を与える」と強調した。
〔2020年3/9(月) @S[アットエス] by 静岡新聞SBS〕

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幡野広志 ベストセラー『なんで僕に聞くんだろう。』の幡野広志に聞いてみた 書籍『なんで僕に聞くんだろう。』が今ベストセラーとなっている 血液のがん、 多発性骨髄腫を発病し、現代の医学では治療方法がないことを宣告された写真家の幡野広志さん。そのことをブログで告白したところ、幡野さんのもとには大量の人生相談が届くことに。これに答えた、ウェブメディアcakesでの連載は1000万人以上に読まれるなど大反響。そして、その中から37本の相談を収録した書籍『なんで僕に聞くんだろう。』が今ベストセラーとなっている。なぜ幡野さんの言葉は多くの人に刺さるのか? なぜ余命数年の写真家に人生相談をするのか 「家庭のある人の子どもを産みたい」「親の期待とは違う道を歩きたい」「自殺したい」「虐待してしまう」「末期がんになった」「お金を使うことに罪悪感がある」「どうして勉強しないといけないの」「風俗嬢に恋をした」「息子が不登校になった」「毒親に育てられた」「人から妬まれる」「売春がやめられない」「兄を殺した犯人を、今でも許せない」……

写真家、幡野広志さんに届く人生相談は、病気のこと、お金のこと、恋愛、不倫、親子問題などさまざま。その連載は、ウェブメディアcakesにある数多くのコンテンツの中で最も読まれている。

今回の書籍化にあたり、先日、代官山 蔦屋書店で幡野さんとcakes編集長・大熊信さんのトークショーが開催。連載の担当編集者でもある大熊さんが選んだ言葉に対して、幡野さんが解説した。

あなたの場合、どちらの道を選んでも正解ですよ。「正解はない」じゃなくて、どっちも正解。 (40歳を前にしてプロの声優になりたいという相談)

大熊「相談をする人って、背中を押してもらいたがっている人が多いと思っているんですが、幡野さんはどっちと明確に答えてはいないんですよね。でも、大丈夫だよって教えているから、すごくやさしい回答だとなと」

幡野「よく悩み相談で、2択で答えを求めてくる人がいるんだけど、正直、どっちでもいいと思うんですよね。僕がこっちと答えたら、その人は実際にその通りにするのかなって思うんですが、どっちを選んでも後悔する可能性はある。答えは最終的には自分で考えてほしい。で、見つけてほしい。人生相談の答えになってなくて申し訳ないんですけど(笑)」

不倫相談をするかたがよく使う言葉があります。それは「大切」という言葉です。 (家庭のある人の子どもを産みたいという不倫の相談)

大熊「 『相手の大切な家族』『自分の大切な子供』……とかですよね」

幡野「大切って言葉、普段はあまり使いません。不倫の時にだけ本当によく使われるんじゃないかな。大切という言葉は、じつは邪魔と言い換えられるんじゃないかって思います。不倫をしている人は、自分をキレイに見せるウソをつく。ウソというか予防線を張っているよね。それにしても人生相談をするようになって、世の中、こんなに不倫している人が多いんだなと思ったなあ。僕に来る恋愛の悩みと言ったら40代の不倫話ばっかり。高校生の恋愛相談とかないですもん(笑)」 ぼくはジャイアンのお母さんはもっと嫌いです。 (イジメを苦に死にたがる娘の力になりたいという相談)

大熊「ジャイアンはヤバいはよく聞きます。でもジャイアンのお母さんがヤバいは、はじめて聞きました」

幡野「学校の先生から聞いたことがあるんですけどね。よくテレビドラマでは、裕福な家庭の子がイジメっ子になってますが、実際はそういうことはあまりなくて、イジメっ子になってしまう原因は兄弟間格差によるものが大きいそうなんです。ジャイアンには嫌がる店番をさせ、暴力で服従させる。それでいてジャイ子には自由に漫画家の道を許す。あの母親によってジャイアンの暴力性は生まれたと僕は思います。でも一番ヤバいのは、のび太の母親。自分の子どもがボコボコにされても平気で、テストの点数だけ見て怒る。やっぱりドラえもんのような親にならなきゃね」

あなたが自分にかけた呪いの言葉はいつか、悩む誰かにあなたがかけてしまいます。あなたが誰かの敵になってしまいます。だから絶対にやめましょう。 (子供を産む覚悟ができないという相談)

大熊「この相談って自己肯定感の問題だなと思うんです。 自分のことをダメだと言っている人って他人のことも肯定できなくなってしまいます」

幡野「悪いことを言われた被害者が、そのあと加害者になってしまう、そういうことってよくあります。でも、その繰り返しをしていると、最終的に自分自身の幸せから離れてしまいます。これってよくない。ちなみに僕は自己肯定感が低いです。子供の頃、ほめられたことはなく、20代は仕事柄、呪いの言葉をかけ続けられました。写真業界は古い業界だったりするんで、褒められることはありません。でも、僕は自分のアシスタントのことを褒めますよ。なぜなら、そのほうが成長が早いから。怒るってことに何のメリットも意味も感じません」

ひとつ気になることがあります、暴力をふるっていますか? (子育てが辛いという相談)

大熊「ワンオペ育児ができる人と比較したら自己嫌悪におちるだけ、3日くらい前の自分自身と比較してと答えた後で、突然、こう聞くんですよね。そんなこと文章に書いていないのに」

幡野「いつも僕は、相談に答えるとき、相談した人の立場に自分を置き換えます。そうするとだんだんと総合的に見えてくる。いろいろわかってきます。僕は、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と指摘されることが結構あります。最近『敏感さん』っていう本も出てますが、一言われたら十くらい想像してしまうとか、相手の感情が読み解けてしまうとか、ウソを見抜けたりとかします。こういうとスーパーマンみたいだったりしますが、敏感さんは蛍光灯がダメとか、みんなに注目されているところで字を書けなくなってしまうとか問題も多い。ちなみに僕もカメラマンなのにストロボが苦手だったりします(笑)」 あなたのことがね、嫌いなの。嫌いどころか、大嫌いなの。 (娘がグレてしまったという相談)

大熊「相談者は親として心配しているんだけど、子供ではなく親である自分自身に問題があることに気がついていないんですよね」

幡野「僕は親子の問題には容赦しません。わからせたほうがいい。子供とお母さんの話になると、絶対に子供のほうにつきます。毒親問題って恋愛に似ているんですよね。子供のときってママ大好きなんだけれど、年をとるにつれて他のことが好きになっていく。母親はそれをどうしても認識できない。私からいなくならないでというドロドロした恋愛パターンと同じ。子育てにおいて反抗期って13歳から18歳くらいですが、人生にとっては5年ってたいして長くない。でもこの期間の接し方を親が誤ると、子供は親を一生嫌いになってしまう。でも、この回答は相談者には届かないんだろうな」

なぜあなたを黙らせたいかというと、あなたの話がすんごくつまらないからです。 (波乱万丈な人生について悩む相談)

大熊「小さいときにお母さんが亡くなって、友人が自殺をして、ストーカーにあったり、ブラック企業の入社したりとか、波乱万丈マウンティングの相談です」

「この相談者の話を、もし飲んでいる席で聞いたら、黙っててくれないかなと本気で思うんじゃないかな。不幸話ってつまらない。全然面白くない。他人の話は蜜の味っていうけど、不幸話って話術があるから蜜になる。それがないなら、くしゃみしか起こさない花粉でしかない」

あなたの人生を輝かせるために子供がいるのではなくて、子供には子供の人生があるんですよ。 (息子が不登校、娘が学校をやめ、親子問題に悩む相談)

大熊「cakes史上最も読まれ、ナンバー1のPV数を誇る記事です」

幡野「とにかく反響が大きかったですね。この記事を公開したとき、ちょうど香港にいたのですが、WiFiが繋がってなくて、繋がったらメッセージとかメールがすごいことになっていました。これは典型的な毒親問題。弟さんもお姉ちゃんもSOSのサインを出しているのに、なんでお母さんは気づかないんだろうという、本当にひどい話。このお母さんは、人のことは許せないけど、自分のことは許してしまうというパターン。この回答ではお母さんを随分ボコボコにしてしまったけど、ぼくは親子の問題はさっきも言ったとおり、必ず子供の方に立ちますから。嫁姑問題の間に立つ旦那と一緒。どっちにもいい顔するから解決できないのであって、どっちかの立場になればいいんです」 神様は乗り越えられない試練は与えないっていいだす人がいたら、頬をおもいっきりひっぱたいてやりましょう。きっと反対の頬は差し出してきませんから。 (通り魔に兄が殺され、許せないという相談)

大熊「このフレーズが思いつくって、幡野さんの唯一無二性ですよね。本当にその通りだと思って、僕、このフレーズ使いますねって返信したのを覚えています」

幡野「これは僕がガンになってすごく言われたこと、バカの一つ覚えのように、キリスト教徒でもない人からすごく言われた。人ってよくこれを言いがち。決してそんなわけありませんから」

人は人それぞれの、しあわせを享受するために生きているのだと、ぼくはおもいます。これは身勝手な話かもしれませんが、ぼくの息子や妻でさえ、ぼくをしあわせにしてくれる存在なのだとおもいます。 (21歳と付き合っている41歳の女性の相談)

大熊「『人が生きる理由』という記事です。展覧会でも、この言葉がすごくフィーチャーされて、SNSでも多くあがっていました」

幡野「みんなが幸せになってくれたほうが楽。不幸な人が増えちゃうと、イジメやDVや虐待、呪いの言葉とかが発生してしまう。みんなが幸せを願い、幸せの力添えをする。それがうまくまわれば、個人の幸せというより、世界が幸せになる。それってそんなに難しいことじゃない。ただ、幸せというのを、結婚や出産、大企業への就職だと思ってしまうとしたら、大きな間違いだよね。ぜひ、自分の幸せを見つけてほしい。人の目を気にしはじめてしまうと、幸せって得られないと思う」 明日だって生きるんだから、だからこそ無理をして生きなくたっていいじゃないですか。 (合わない人との接し方に悩む相談)

大熊「これ、書籍に入っていない言葉なんですが、僕が幡野さんに対する根源的なイメージの言葉です」

幡野「(「今日が人生最後の日だったら、今日やることは本当にやりたいことだろうか」という)スティーブ・ジョブズの名言あがりますよね、あれは無理。 ガン患者になったってやらないんだから、やらないです。 病気になってすごく言われたんですよ。「明日死ぬと思って精一杯生きなよ」って。バカじゃないかって思っちゃいましたよ。明日も生きていると思うから平和なんであって、明日死ぬってわかっていたら絶対にパニックになってる。でも、無理して頑張んなくていいと思えば、楽に生きられる。ちなみに悩み相談をしてくる人は自分で自分を苦しめちゃっている、修行僧みたいな人が多いなって思う」

Hiroshi Hatano 1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。’10年から広告写真家・高崎勉氏に師事、「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。 ’11年、独立し結婚する。’12年、エプソンフォトグランプリ入賞。’16年に長男が誕生。’17年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)、『写真集』(ほぼ日)。

『なんで僕に聞くんだろう』 幡野広志 ¥1,650 幻冬舎 なぜ、誰にも相談できない悩みを、ガンになったの写真家に打ち明けるのか? 人生相談を通して「幡野さん」から届く言葉は、今を生きるすべての人の背中を押す。クリエイターと読者をつなぐサイトcakesで、「2019年にもっとも読まれた連載」「1000万人が読んだ人気連載」が待望の書籍化! 「cakesで歴代ナンバー1のPVを獲得した記事」も収録する。 Text=ゲーテWEB編集部 〔2020年3/9(月) GOETHE〕


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『腸活エンターテイメンドキュメンタリー』映画 「味噌汁一杯でもいい」発酵食で自分の体を守る。 食の大切さを伝えた『腸活』の映画が教育現場にも波及 「撮影は楽しくてしょうがない」と語るオオタ監督 広告代理店に勤務中、大病をきっかけに、有機野菜、発酵食品、日本伝統の和食を取り入れた『食養生』を始めて30年以上のオオタヴィン監督(イーハトーヴスタジオ主宰)。 自身の経験をもとに、食の大切さを伝えた、初監督ドキュメンタリー映画『いただきます みそをつくるこどもたち』(2017年)が自主上映700回を超えるヒットに。2作目となる『いただきます ここは、発酵の楽園』が現在、公開中。『腸活エンターテイメンドキュメンタリー』が話題に。子どもたちの笑顔、美しい畑、みずみずしい野菜、美味しそうな食事などの映像美も評判。  感染症の専門家も出演、「腸内環境と免疫力の関係」について語った第1回、CM作りを活かした映像手法、クラウドファンディングでの映画制作についての第2回に続き、連載最終回。

撮影の苦労はゼロ。楽しくてしょうがなかった ―― 今回の映画は、農家の方だけではなくて、教育関係者や研究者、行政の方も出演されていますが。まだドキュメンタリー監督として作品が少ないという場合に、思いがあったとしてもなかなか伝わらないかもしれない。どういう言葉でオファーされたんですか。 「まず1作目を作る前に、何の当てもないけれども、映像作品を何本か作っているんですよ。例えば、セドナに旅行して、泊まったB&Bがめちゃくちゃ素敵だと、5分ぐらいの映像を作っちゃったりするんですね。趣味なんですよ」 ―― 映像を撮るのが趣味で。 「この映画も全部趣味。よくインタビューで『苦労された点はどこでしょうか』と言われると、撮影に関してはゼロなんです。とにかく子どもを撮っているあの時に一番楽しんでいるのは僕だから。100%趣味で、『きゃー、かわいい』って撮っているわけですよ」 ―― では、普段からいつもカメラをお持ちなんですか。 「いやいや、持ってないです。そうすると何もできなくなっちゃうから。完全に趣味だし、あと、僕、(広告代理店の時の)仕事がつらくてしょうがない時に、仕事を辞めちゃって、オーガニックファーマーになろうと何回も思ったから、ものすごく興味があるわけ。オーガニックの畑に行って自分の疑問をいろいろ聞ける、というのも趣味なんです。だから撮影はもう楽しくてしょうがないわけよ。一度も仕事だと思ったことがない」 仕事を辞めて、オーガニックファーマーになろうと何度も思った広告代理店時代 ―― ドキュメンタリー映画を作るからこのカットを撮らなきゃ、じゃなくて、興味があるから、どんどん話を聞いているうちに。 「そう。で、撮ると、それを今度はすぐに編集したいわけ」 ) ―― なるほど。すごいですね。 「撮りながら、ずっと自分の頭の中で編集してナレーションも入れているから、撮っちゃうと今度はすぐ編集したいわけですよ。あのシーンとあのシーンはこう入れて、あの音楽をこう入れるといいなあと思っているから、編集するのも結構楽しいんですね」 撮影をしながら、頭の中で編集、ナレーション、音楽を入れている ―― 編集もすべて、オオタ監督がされているんですよね。 「はい。音楽を入れて仕上げていくのも楽しいから、作り上げるまでは100%趣味なんですよ。1回もつらいことがない」 ―― 撮るのは好きだけれども、編集は任せるという人もいるじゃないですか。 「映像における編集は、文章の推敲と同じなんです。そうしないと『作品』にならない」 ―― だからライブ感があるというか。 「ほら、シンガーソングライターの人は自分で詩を書いて歌ってパフォーマンスするじゃないですか。それと同じですよね」 ―― では、シンガーソングライターで言うと、曲を作っていたら同時に詩が浮かんできて、もう歌っちゃっているみたいな感じですか。 「そういう感じですよね」 ―― それは天性のものですかね。 「それができる時代、テクノロジーの進歩というのはすごく大きいと思うんですけれども」 『ザ・ハイロウズ』の曲は、イメージしてたオーガニックファームそのもの

劇中挿入歌は、『ザ・ハイロウズ』の『日曜日よりの使者』(写真提供/いただきます事務局) ―― 音楽も素敵でしたね。 「この映画は、エンターテインメントだから。僕の中で、『ザ・ハイロウズ』の『日曜日よりの使者』は、イメージしているオーガニックファームそのものだ、と思ったんですよ。まず映画を作るときに自分の中で主題歌を決めるんです」 ―― テーマソングを。 「それを聴きながらやっている。今回は3人のファーマーと、保育園の話と、地域はバラバラなんですが、収穫の秋に1つのシーンにぎゅっと結合されて、その時に『ザ・ハイロウズ』が、ジャーンって流れると決めていたわけです」 「これは、腸活ミュージカル」 ―― それは何かふっと降りてきたんですか。 「そうではないんです、映画全体がミュージカルだと思っているんです。映画80分が音楽設計されていて、20人ぐらいのミュージシャンでオリジナル音楽を全部作っているんですよ。メイキング映像もあるんですけれども。映画は、大体60分ぐらい過ぎると、人間はちょっと飽きるというか、眠くなるんですね。そこに『ザ・ハイロウズ』を持ってきて、そこまでずっと何回かの山を短く作っていって、ラストに『雨ニモマケズ』を入れて……。という、全体80分のこれはオペラというか」 ―― だから腸活エンターテインメント。 「腸活ミュージカルなんですよ。だから音楽がすごく重要なんですね」

オリジナル劇場音楽 by いただきます音楽隊(写真提供/いただきます事務局) オーガニックファームを応援したい ―― 今日も、映画に出てきた佐世保市の『菌ちゃんふぁーむ』(代表 吉田俊道)の人参を持って、上映後のトークショーに出られていましたけれども。この映画は、観客と農家の方を繋げられますね。観て終わりじゃなくて、今後、野菜を買うこともできる。 「そう。特に、今日みたいにマルシェを開催していると」

『菌ちゃんふぁーむ』のオーガニック人参(上映イベントで開催されたマルシェにて)(撮影/佐藤智子) ―― その場で買える。 「オーガニックファーマーをすごく応援したいんですよ。ファーマーの方って作ることで精一杯だから。オーガニックの野菜が、なぜいいのかということが伝わってないんですよね。みなさん、有機野菜のことを、農薬がかかっていないセレブの食べ物だと思っているから」 ―― 思っているかもしれませんね。 「中身が全く違う」 ―― 青森のリンゴ農家の木村秋則さんが11年かけて、無農薬、無肥料のリンゴ栽培に成功した『奇跡のリンゴ』は収穫4カ月経っても腐らないのが驚きでした。 「根本的に、クオリティが違うんですよね」

『奇跡のリンゴ』で有名な木村秋則さん(写真提供/いただきます事務局) ―― なんですけれども、やっぱりオーガニックというと、敷居が高くなる。例えば、お金がなくて、忙しくて、そんな高いオーガニックの野菜を買えないし、買いに行きたくても売っているお店が早く閉まっちゃうから行けないとかね。 「よく言うのは、『1年間の病院の治療費と食費を足して考えてください』と。僕で言うと、もう10年間病院に行っていなくて、そうしたら治療費はゼロなわけですよ。その分食費が2倍かかっていても、結果的に安くて、気分もいい」

食養生は結果的に家計を助ける?!(写真提供/いただきます事務局) 携帯代や家賃を削ってでもオーガニックを食べたほうがいい ―― 確かに、治療代が高くかかるくらいなら、予防代としてお金をかけたほうがいいですよね。調子が悪くなってから、あれこれやるよりも。 「僕も会社を辞めた時は本当にお金がなくて。でも、僕のようにお金がない人ほどオーガニック野菜を食べたほうがいいです。どんなにエンゲル係数が高くなっても、携帯代や家賃を削ってでも、食べるものだけは削らなければ健康でいられるわけですよ。自分の体が健康だったら仕事ができるじゃないですか」 ―― もし健康じゃなかったら、仕事も遊びも趣味もできない。オオタ監督なら、映像も撮れないし、編集もできない。 「そうなんですよ。でも、人の食事のことを、あれこれ言うのは、基本的に不要なおせっかい。髪型にダメ出しされた気分になるんですね。だから、質問された場合だけ答えるようにしています。食べる時は、楽しく食べないと!」

お茶目なところもあるオオタヴィン監督(撮影/佐藤智子) ―― 人に応援してもらえるというのもそうですよね。もし、オオタ監督がボロボロで鬼気迫る感じでいたら、「え?」っと引いちゃいますよね。それが、生き生きとしていて、この元気さだから、説得力があるじゃないですか。 「そうだね」 ―― いいものは作ったけれども、頬が痩せこけたようなだと。 「ガリガリですごく不健康そうだったら」 ―― そうそう。食べていません、寝ていませんみたいな人が「食」の映画を作っても。 「説得力がないよね。それに、『こういう食事にしませんか』と言われても、病気はしないかもしれないけれども楽しそうじゃないなと」 ―― そうすると、支援するほうもこれを広めていいのかなと疑問になりますものね。 「そうそう。やっぱりなりますよね」 「人間関係は不得意なほう。空気を読むのがすごく下手だった」 ―― 今回の映画は多くの方が出演もされているし、クラウドファンディングでもたくさんの支援を受けている。人のつながりというので、何か大事にされていることはありますか。 「何でしょうね。いや、人間関係は不得意なほうなんで」 ―― そうなんですか。 「そうなんですよね」 ―― それは人見知りということで、ですか。 「どうなんですかね。空気読むのがすごく下手だったのね。だから、今は逆に、人より気をつけるようになったんですけれども」 ―― ちょっと、アーティスト志向だったとか。 「ああ、そうそう、そうですね。本当に昔は。30歳は『とがったナイフ』だったんで(笑)」 ―― じゃあちょうど、腸活を始めた頃。ということは、腸活で丸くなったと言ってもいいんじゃないですか。 「それはやっぱりあるかもしれないですね」 ―― それまでは、自分を守るために、他を排除するというような感じだったのが、壁がなくなったとか。 「そう、とにかく自分の感性を何よりも優先したい、という、とってもわがままな人でした」

上映後のサイン会で。有機農業を始めたいという女性に親身にアドバイスをする監督(アップリンク吉祥寺にて)(撮影/佐藤智子) ―― なるほど。それが今は、多くの人を受け入れて、受け入れられるようになって、無理がなくなっていったということですか。 「ああ、そうかもしれないですね」 ―― 今回、専門家の方たちも協力されているじゃないですか。 「研究者の方とか」 ―― 感染症の専門家や農学生命科学の専門家や。そういう方たちのお話をお聞きしても説得力がある。だけれども、野菜や畑の映像で感覚的にすーっと入ってくる。幸せな気分にもなるし、勉強にもなるという、両方のバランスが素晴らしいなと思ったんですけれども。 「独りよがりだと、どんなにいいものを作ってもやっぱり。例えば、新聞にも取り上げていただいたのもやっぱりきちんとしたエビデンスがあるからですよね」 科学的な根拠もあるから説得力がある ―― 調査結果やデータも示されていますしね。 「ええ。そうじゃないとやっぱり思い込みだけでは作れないんで。特に自然農の分野は感覚的になり過ぎるところがあって。例えば、『奇跡のリンゴ』のことも、木村秋則さんの畑を15年間ずっと調査している弘前大学の杉山修一教授と木村さんと、二人セットで初めて、説得力のある映画になるなと思ったんですね」 ―― そうですよね。すごく説得力がありました。 「科学的な根拠があるから、りんご畑に雑草を生やすこと、農薬を使わないということが、実は科学的にも、微生物にとっても、いいことだったんだという裏付けができる」 ―― 土の中の土壌菌を育てることがまずは大切ということですよね。 「はい」 ―― 女性は映像を見ただけで泣いちゃう。でも男性はちゃんとした分析がないと納得いかないと。 「そうなんです」 ―― その両方ができたということですよね。素晴らしいですね。

自分たちが食べる米作りをする子どもたち(写真提供/いただきます事務局) ―― 冒頭のシーン、山梨県甲府市の『みいづ保育園』の子どもたちの様子が印象的ですよね。自然農の畑や田んぼで野菜を育てていて、笑顔がキラキラ輝いている。畑保育も素晴らしい。今後、全国の小学校や幼稚園、保育園で上映会が広がっていきそうですね。 「前作もそうですし、きっと自主上映公開になれば、全国の保育園でも見ていただけるかなと思うんですけれどもね」

アニメ『てまえみそのうた』でも有名な、発酵デザイナーの小倉ヒラクさん(左)と、映画に出演されている自然農の畑保育を実践する『みいづ保育園』園長の日原瑞枝さん(中央)と(写真提供/いただきます事務局) ―― 教育現場というところで、今回映画の中で、千葉県いすみ市の全ての公立小中学校がオーガニック給食になったということが衝撃的で。すごい動きだなあと。この取り組みは、今後広がっていくんじゃないかなと思うんですが。 「そうですね。まず、2021年から、韓国では、ソウル市内のすべての小中高1400校がオーガニック給食を無償で実施されることが決定しているんです」 ―― すべてというのが、すごいですね。 「むちゃくちゃすごいですよ。何でこれをもっと報道しないのかなと思うくらい」 千葉県いすみ市の全ての公立小中学校がオーガニック給食 ―― 素晴らしい取り組みですよね。しかも無償で。 「そう。フランスも今そうしようとしている。これは世界的な潮流で、今、世田谷区とかでも東京で初めてオーガニック給食を、という運動が盛り上がっているので、とにかくこの映画を好きなように使ってもらって、1校でもいいからオーガニック給食の比率を高めていってほしいなというふうに思いますよね」 ―― トークショーでも話されていましたけれども、「保育園であれだけオーガニック給食、畑教育をしても、小学校に行ってしまったらどうなるのかな」と皆さんに言われると。 「そうそう。それとよく言われるのは、『本当に子どもがキラキラして素敵だったんだけれども、その後どうなっていますか』と言われると答えられないというか。小学校に行くと、ひどいことになっているんじゃないかと。あんなに自由に動いていた子どもたちが、いきなり6歳になったからといって、先生には申し訳ないけれども、あんまり面白くない、興味がないことを、1時間も聞き続けるなんてそもそも無理なんですよ」 「オオタ君はすごく問題がある」と小学校の時に言われたけれども ―― 確かに、そうでなくても、小学校に入ると、生活が一変しますよね。 「僕は小学校6年の三者面談の時に、母親と僕と担任がいて、担任の先生が『いや、オオタ君はすごく問題があるお子さんだから、多分普通の中学校には行かないほうがいいと思いますよ』と言われたんです。今で言うと、発達障害、多動症なんです。僕は国語と美術しか興味がないから、じっと座っていられないわけですよ。小学校の算数も、嫌いなの。今のこの映画の仕事のために理数系が必要だったの? って。国語と美術、この2つがあればいいから、今までの膨大な時間、数学とか地学とか、あれは何だったのかなと」 ―― 問題があると言われていたけれども、こうして素晴らしい映画を作られている。 「みいづ保育園の園長先生の娘さんも映画に出ているんですけれども。卒園のタイミングで、『こんなにいい保育園で、小学校はどうされるんですか』って、『いや、山梨にすごくいい小学校があるんですよ』といろいろ話をして、調べたら、とてつもなく素晴らしい小学校があったんです。それを、3作目のドキュメンタリーにしようと思っているんです」 3作目のドキュメンタリーのテーマは、『教育』 ―― では、3作目の映画のテーマは、「学校」。 「今度は『教育』がテーマなんですが、要するに、僕自身の体験があるんですね。当時の僕は、今だったら発達障害というレッテルを貼られてとんでもないことになっていたんだけれども。今、取材している小学校は、テストがない、通知表がない、偏差値がない。子どもたちは4つのプロジェクトがあって、『料理』、『むかしの暮らし』、『クラフト』、『アート』『演劇』この5部門から好きなものを選べばいいんです」 ―― へえ、面白そう。それは公立の学校ですか。 「私立なんだけれども、文科省公認の1条校なんです。だから、そこは全く公立と同じ資格とクオリティというか、国がちゃんと認めているところなんです」 ―― それを今、撮影されていて、いつ公開なんですか。 「来年ですかね」 ―― やっぱり興味がどんどん生まれてきて。 「その学校に行ったらあまりにも素晴らしくて。もともと僕は学校の先生になりたかったんですよ」 ―― そうなんですか。 「一時、真剣に教育大学に進むのを考えていて、教育関係の本をすごく読んでいて、シュタイナー教育の先生になりたいなと思った時期もあったので、こんな素晴らしい学校が現実に日本に存在するんだと思って」 興味があれば、子どもは自然と学んでいく ―― それは興味深い。ぜひ、知りたいですね。 「ええ。で、とにかくその5つから子どもたちが『学ぶ内容』も、『先生』も毎年、自由に選んで、9年間ずっとそれをやるんです。教科書も宿題も何にもない。なんだけれども、いろんなことを自然に学んでいくわけですよ。おいしい麺を作るためには、いろんな小麦粉と『かんすい』の比率が要るから、自然に分数になるんだけれども、おいしい麺を作りたいという目標のために自主的に分数を勉強する。だから全然違うんですよ。子どもたちの熱意というか、真剣度が」 ―― 興味があるから。目的もはっきりしているし。 「そう。じゃあこの麺は一体どこから、中国から来たのか、日本でどういうふうに伝わって、江戸時代はどうだったのかと歴史の勉強にもなるわけ」

上映後のトークイベントでは毎回ゲストを迎えて対談を。この日は、山梨県甲府市『五味醤油』六代目の五味仁さんと(撮影/佐藤智子) ―― トークショーでも言われていましたが、一緒に取材に行かれた茂木健一郎さんが「偏差値が60、70、80とか言っている場合じゃなくて、やがてAIの偏差値が1,000という時代が来るから、記憶とか、計算とかというのはもうね」と。 「だってスマホが1台あればそれで済む。それを何十年かけてやったって何の意味もない」 ―― だから、違う能力というか、才能を伸ばす必要が出てきて。こんなにも世の中に不登校が社会問題になっているにもかかわらず、なかなか対策的には。 「その学校にも、いわゆる発達障害と言われた子が何人も来ていますけれども、自分でやりたいことを選び、拘束されないと、才能がどんどん伸びてくる。すごく分かるんですよ。感受性が鋭い子が全然やりたくないことをずっと座らされて聞かされ続けるというのは苦痛以外の何ものでもなくて」 「普通の中学校には行かないほうがいい」と言われたその後は ―― オオタ監督自身の体験でね。ちなみに、普通の中学校には「行かないほうがいい」と三者面談で言われて、その後どうなったんですか。 「その後、これがまた僕、可哀想なことに中学になったらガリ勉になっちゃったんですよ」 ―― あら。 「当時、小学校で下から数えたほうがいいぐらいの成績だったのが、そんなことを言われちゃったもんだから、『俺、勉強しなきゃいけないんだ。俺、普通じゃない人間だから』と思って、急にめちゃくちゃ真面目になって、そうしたら今度はノイローゼ気味に一生懸命勉強をやって。成績は本当に上のほうになったんだけれども。結局無駄なストレスと無駄な時間をかけて」 ―― 頑張ったんですね。 「そう。当時、学校の先生になろうと思って、国立の教育大学に入れるような高校に入ろうということで勉強を急にしだして。母親はびっくりしたんでしょうけれどもね。いきなり下から5番目ぐらいが上から5番目になっちゃったんでね」

自分で体験すると学び方が違う(写真提供/いただきます事務局) ―― では、いろんなことができるポテンシャルはあったんですね。すごい。 「まああったのかもしれないですけれども、今から思うと、当時の俺、ものすごく可哀想。あんなにやりたくないことを一生懸命やってね」 ―― でも最終的に、広告代理店に入られて、スキルも学んで、キャリアもできて、それで今、やりたいことがやれているという。 「そこまでが長げーし。だって、監督デビューが55歳とかだからね。だから、あの時にもっとこういう小学校に入っていれば、もう私は20歳ぐらいでデビューできていたかも(笑)」 AI時代に生き残るために ―― では、次世代に期待をする、ということで。 「次世代の子どもには、もっと笑っていてほしい」 ―― サドベリースクールとか、結構海外とかでもいろいろあるし。先生がいなくて、自分たちで学んでいくという。 「結局、文科省はAI時代に対して膨大な教育改革案を作って、何にもできなかったんですよね。こんな具体的な例があるのに」 ―― そうすると今度は保護者の方が、自分たちで食べるものも選ぶように、教育も選ぶという時代が出てくるでしょうね。 「そうしない限りAI時代を生き残れないですよね。こんな意味のない偏差値で競争させて、何の役にもたたないことを延々と記憶して計算し続けている人間が増えたって。それは高度経済成長時代で、日本人のほとんどをサラリーマンにして、高性能な自動車をたくさん作るのだという時代はそれで良かったんだけれども、もう根底から変わっていくわけだから」 ―― だって世の中が、今回の新型コロナウィルスもそうだし、地震も洪水も、サバイバル時代というか、予定調和に生きられない時代がやってきたので、どれだけ自分で発想を変えていくかということですものね。本当に、『食』と『教育』って、すごく大事なことをテーマにされているなと思うので。 「でも、それは両方とも自分の個人的な経験なんですよね。最初にそういうテーマがあって、映画を作ろうということじゃないんですよね」

今作のクラウドファンディングで募った制作費で作られたCGアニメーション(写真提供/いただきます事務局) ―― 次回作にもクラウドファンディングで支援を募られるんですか。 「まだ、未定なんですが。クラウドファンディングというのは、非常にいいことを言っていただいた方がいて、『クラウドファンディングというのはお金集めじゃないんだよ』と。『未来の映画のファンを作る仕事なんだよ』と言ってくれて、それで初めてやってもいいかなと思ったんですね」 ―― 支援したい人がこの映画を広めたいと思うし、みんなで作っている感じがありますよね。 「だから、次もそういう仲間作りをしたいなと思っていますね」 味噌にお湯を注ぐだけで腸活ができる ―― 最後に。今回2作続けて、『いただきます』という映画で、『食』をテーマにされました。でも、これを読まれている方の中で、20代の一人暮らしの方や、30代、40代の忙しいビジネスマンの方だと、発酵食、オーガニックな食事を、と言っても、料理を作る暇もゆっくり食べる時間もない。買い物に行こうと思ってもスーパーは早く閉まっている。ネットで買っても受け取れないくらいの忙しい生活をしていたり。お子さんを共働きで育てていて、ましてや、シングルマザーで育てていて、時短の料理は作れても、とてもじゃないけど、手作り味噌なんて無理という人がおられるかもしれない。どうしたらいいですかね。 「インスタント生味噌が一番いいと思います。インスタントコーヒーと変わらないから」 ―― では、生味噌をまず買ってきて。 「はい。そこだけはどこかで買わなきゃいけないんだけれども。それをスプーン1杯すくって、お湯を注ぐだけでいい」 ―― それで、腸活ができてしまう。そこに、乾燥わかめやお麩や海苔を入れたりして、カスタマイズしてもいいですよね。コーヒーカップにぽんと入れて。 「そうそう。ぽんと入れてかつお節とか入れてもいい。それを会社に持っていけばいいわけ」 ―― そうすると、どういうふうにいいんですかね。 「生きた酵母菌が体の中に入ってきますから、DNA的にも日本人に最も合う菌を自分の体の中に入れていくということで、腸内環境が良くなることによって、やっぱり免疫力が高くなる。少なくとも、映画に出ていた保育園の子どもたちは真冬に裸足で短パン、半袖で、インフルエンザの学級閉鎖はゼロなわけですよ」

長崎市のマミー保育園がオーガニック和食給食を始めてからの子どもたちの体調の変化(写真提供/いただきます事務局) ―― それはすごいですね。 「それも1日1食あの食事をすればいい。だからやっぱり1杯の生味噌、インスタント味噌汁だって、飲まないよりもはるかにいいと思うんですよね」 ―― だって、わざわざ遠くの国に買いに行かなきゃいけないわけではなく、すぐに手に入る、日本の伝統的な食事、和食だから。 「僕も広告代理店にいた時は、超忙しかったので。過労死やうつ病になる人もいましたから」 ―― 寝ていないし、まとも食べていない。 「ええ。ストレスもすごいし、休みもないし。なんだけれども、やっぱり、忙しい人ほど体が資本なわけなので」

オーガニック和食を食べている子どもたちがどんどん元気に。日本人のDNAに最も適した「腸活」(写真提供/いただきます事務局) ―― その時に、もし生味噌を食べていたら、またちょっと違ったかもしれないですね。 「いや、その時からもう、『食養生』や『ファスティング』をやり始めていたんですね。会社に勤めながら、腸にいいこと、腸を休めることもしていました。だから、キープできていたんです。その経験があるから、忙しい人ほど自分の体の最低限のメンテナンスだけはしないと続けられない、とわかるんです」 忙しい人ほど、『食』を大事にしてほしい ―― 不思議なもので、忙しくてクタクタの時ほど、ジャンクフードを食べちゃうんですよね。 「食べちゃいますよね。それはストレス解消だからね。ジャンクフードを食べてもいいんだけれども、プラス、基本食というか、予防食みたいなことをしないと、ジャンクフードで脳は癒されても、体が、腸が、悲鳴を上げちゃうわけじゃないですか。結果的に病気になっちゃいますよね。だから忙しい人ほど、『食』だけは何とかしなきゃいけないんですよ。生命線なんですよね」 ―― 監督の映画を見ると、もう味噌汁を飲みたくてしょうがなくなる。味噌汁って、やっぱり安心感がありますね。ほっとしますね。 「そうだよね、日本人のソウルフードだからね」

佐藤智子 プロインタビュアー、講師、元女性誌編集者 新刊『みんなひとみしり 聞きかたひとつで願いはかなう』(発売中)、著書『初対面の相手でも不安ゼロ! の会話術』『1万人インタビューで学んだ「聞き上手」さんの習慣』。雑誌編集者として20年以上のキャリア。大学時代から編プロ勤務。卒業後、出版社の女性誌編集部に在籍。一万人を超すインタビュー実績あり。人物、仕事、教育、恋愛、旅、芸能、健康、美容、生活、芸術、スピリチュアルの分野を取材。『暮しの手帖』などで連載。各種セミナー開催。小中高校でも授業を担当。可能性を見出すインタビュー他、個人セッションも行なう。佐藤智子のブログは、http://ameblo.jp/tomochi-office/ 〔2020年3/10(火) 佐藤智子 プロインタビュアー、講師、元女性誌編集者〕

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陰山英男 「短時間集中」がポイント! 朝学習で1日の学習効果をアップさせる方法 子どもの健康・成長 早寝、早起きが健康面にいい影響を与えることは、よく知られています。教育クリエイターの陰山英男さんによれば、早起きをして登校前に学習することが、成績向上のカギになるそう。陰山さんに、朝学習のメリットと親子での取り組み方について聞きました。 話を伺った人 陰山英男さん 陰山ラボ代表、教育クリエイター (かげやま・ひでお) 小学校教諭時代に、反復学習で基礎学力向上を目指す「陰山メソッド」を確立。「早寝、早起き、朝ごはん」を軸にした生活改善とともに、多くの児童の学力を伸ばしてきた。現在は、全国各地で学力向上アドバイザーを務めるほか、神奈川、埼玉、京都で「陰山式スコーラ」を開校。「徹底反復」シリーズ(小学館)、「早ね早おき朝5分ドリル」シリーズ(学研プラス)などのベストセラーを持つ。

陰山英男さん 朝学習で頭のエンジンをかければ、午前の学習効率が上がる

――現代の小学生は夜型化していると聞きます。陰山さんは「早寝、早起き、朝ごはん」を提唱されていますが、勉強は朝と夜、どちらにするのが効率的なのでしょうか。 もちろん朝です。朝の勉強で登校前に頭のエンジンをかけておくと、その日の学習効率を上げることができるのです。 学校の主要な授業は、だいたい朝の4時間。つまり、午前中の4時間でいかに集中するかが、成績を左右するのです。 始業時刻の8時半ごろにすでに頭が働く状態になっていれば、午前の授業にしっかり取り組むことができ、成績向上につながるでしょう。

――朝、学習の時間を取りたいからといって、睡眠時間をおろそかにするのもいけませんよね。 脳科学研究で知られる川島隆太先生らの研究によれば、子どもの読書時間、勉強時間、睡眠時間と学力の相関関係を見ると、学力向上のために重要なのは圧倒的に睡眠時間なのだそうです。 小学生ならば、少なくとも1日に9時間は睡眠時間を取り、そのうえで何に時間を使うかを調整していったほうがいい。21時か22時には眠るのが理想です。 余談ですが、東大生は夜更かしをしない人が多いそうです。就寝時間を聞くと、10人中8~9人は「23時」と回答するんですよ。皆、受験期でも変わらなかったと言います。 朝学習は「短時間に集中すること」がコツ

――学習効率を上げるには、朝はどんなスケジュールで過ごすのがおすすめですか? 起床時間は、登校時間の1時間前。7時半に登校するなら6時半には起きてほしい。前日の就寝時間は21時半ということになりますね。 起きたあとは、洗面をして、朝学習をして、朝ごはんを食べて、身支度をして、家を出るというスケジュールをおすすめします。 頭を働かせるためには、朝ごはんもマスト。朝食を抜くと学力が低下するというのは、文部科学省の「全国学力・学習状況調査」をはじめ、多くの調査で報告された事実です。

――勉強時間はどれぐらい取るべきですか? また、どんな内容が向いているのでしょうか。 時間は10分、15分程度。内容は、短時間でパッとできるものがいいですね。教科書をさらっと読んで、その日の予習をしておくだけでも十分効果はあります。 もっともおすすめなのは、百ます計算や音読。漢字や地理、歴史などの暗記も向いています。ポイントは、集中してスピーディーに行うこと。 ストップウォッチを使い、計算や音読なら、同じ内容、同じ難易度で毎日、最短記録を狙いましょう。暗記物ならば、5分、10分で覚えて、すぐにテストをする。こうした学習法は脳の血流を良くし、頭の回転を速めていきます。

――短時間に集中することが大事なのですね。 そうですね。ですから保護者は、集中を欠くようなことをしてはいけません。集中して勉強が早く終わったら、「好きなことをすれば?」と言えなければいけない。追加で勉強をさせるなんて、絶対にダメです。 「15分でこれだけの量がこなせるようになった!」「1週間前よりも短い時間でできるようになった!」。子どもがこうした喜びを獲得できるようになれば、学力はおのずと上がっていきます。 そもそも私は、勉強とは集中するトレーニングだと思っています。学力向上の肝は、一定時間あたりの学習作業量を上げることにあるからです。 東大に行くような子どもたちは、「どれだけ長く勉強するか」ではなく、「一定時間内でどれだけの勉強ができるか」という意識を持っています。だから、誰より学習量をこなしているのに、23時に寝て十分な睡眠時間を確保できる。同時に、寝不足で勉強する非効率さも知っているわけです。 保護者は朝時間のルーティン化のサポートを

――保護者は、子どもの朝学習をどうサポートすればよいのでしょうか。 保護者がすべきなのは、生活習慣作りです。これは学習習慣作りと同義であり、時間管理と言い換えることもできます。 朝であれば、朝に何をするのか、それぞれにどれぐらい時間がかかるのか、どんな順番で取り組むのか。これらを子どもと話し合いながら、朝の時間の日課表を作らせてください。できるだけルーティン化するのがコツです。 日課表ができたら、毎日その通りに動くこと。毎日のルーティンが決まっていれば、子どもは自分から動くことができます。保護者は、思いつきであれこれと口を挟まないこと。子どもが混乱して何をしていいのかわからなくなってしまいます。「早くしなさい」などと追い打ちをかけたら、パニックですよ。 日々のルーティンが定まってきたら、子どもは自ら時間の使い方を応用できるようになります。子どもの時間管理能力って意外と高いんですよ。自立心を養うのにも役立ちます。

――朝食については、何か気をつけるべきことはありますか? 昨今、食事のとり方や内容が、身体能力だけでなく精神面にも影響するといわれるようになっています。 気をつけたいのは糖質の量。過度に意識する必要はありませんが、忙しいと炭水化物や甘いおやつなどの糖質が多くなりがち。全体的に糖質をやや控えめにし、代わりにたんぱく質を意識しつつ、栄養バランスを整えていくといいと思います。 子どもは保護者の早寝を見て、早寝になっていく

――子どもが早起きをするのであれば、保護者も早起きをした方がいいでしょうか。 その通りですね。子どもに早寝、早起きをさせたいなら、まず保護者が早寝、早起きをすべきです。 子どもは保護者の背中を見て育つもの。読書好きにしたいなら、保護者が読書漬けになればいい。百ます計算を一緒にやるなら、「朝、百ます計算をしたら午前の仕事がすごくはかどった」という話をした方が熱心に取り組むようになりますよ。 ただ、保護者が子どもの勉強に付き合う必要もないですよ。一緒に起きて自分のしたいことをすればいいと思います。保護者は時間管理、学習管理をサポートする必要はありますが、つきっきりはかえって子どもの自主性をそぎます。

――子どもの時間管理を考える際、気をつけるポイントはありますか? 子どもにも休養がいるということです。最近の子どもは、土日まで忙しいのが普通ですよね。理想を言うならば、習い事は週3日まで。理由は疲れてしまうからです。 子どもって、起きている間は疲れていても動くことができてしまうんです。だから、大人は彼ら、彼女らが元気だと錯覚する。でも実際には疲れ切っているから、ある日突然、ぷつんと切れて不登校になってしまったりするのです。 休日ぐらいは体を休める時間、また保護者とゆっくり話のできる時間を取り、心身ともに休養させてあげてほしいですね。土日に心身をリフレッシュさせられれば、平日の学習意欲も上がるはずですから。 (撮影:辰根 東醐 編集:阿部 綾奈/ノオト) 有馬ゆえ ライター、編集者 〔2020年3/10(火) 朝日新聞EduA〕

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ページ名寝屋川監禁死裁判、大阪府寝屋川市()
監禁か療養か…現代版「座敷牢」めぐる事件、12日に判決
寝屋川監禁死裁判の争点
事件の真相は監禁か、それとも療養か。大阪府寝屋川市の自宅プレハブ小屋で10年以上、精神疾患のある長女=当時(33)=を監禁し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた両親の裁判員裁判は、12日に大阪地裁で判決が言い渡される。
公判では長女が約2畳のプレハブ小屋で生涯を終えるまでの詳細が明らかにされたが、監禁罪などの成立を訴える検察側と、療養行為を主張する弁護側は真っ向から対立している。
■「愛情」強調
「滑稽で奇妙な性格だったが、かけがえのない存在だった」
「私たちの宝」
死亡した柿元愛里さんの両親の泰孝(57)、由加里(ゆかり)(55)両被告は、法廷で愛里さんへの思いを聞かれ、こう述べた。
愛里さんは平成29年12月に死亡したが、2人はすぐ通報せず、5日後に出頭した。
「連れていかれるのが嫌で、一緒にいたかった」と由加里被告。
娘に愛情を持って接してきたと強調した。
起訴状によると、両被告は愛里さんを19年3月頃からプレハブ小屋に監禁し、十分な食事を与えず凍死させたとされる。
発見時の愛里さんは体重19キロだった。
■小屋は30万円で自作
弁護側によると、愛里さんは昔から自閉症の特性があり、17歳で統合失調症の診断を受けた。
誕生日にホールケーキを一人で全部食べてしまうなどの食へのこだわりがあったほか、幼少期から服を嫌がったり、幻覚や幻聴を起こしたりしていた。
プレゼントされたインコを水につけて一晩で死なせたこともあった。
両被告によると、小屋に入れる前は、母屋から離れた簡易部屋で愛里さんを過ごさせた時期もあった。
しかし全裸で外に飛び出したり、道路の音が刺激になったりしたため、防音に優れた窓のないプレハブ小屋に移したのだという。
簡易トイレのある小屋の広さは約2畳。
泰孝被告がホームセンターのカタログを見て約30万円で自作した。
「快適に過ごしてほしかった」(同被告)と、小屋にはクラシック音楽を24時間流し続けていた。
弁護側はこうした経緯を挙げ、小屋での生活は「医師の指示に従い、狭い場所が好きな愛里さんの希望に沿ったもの」と述べた。
■理想と隔たり?
対する検察側の認識は、真っ向から食い違う。
法廷では、由加里被告が次女(愛里さんの妹)に送ろうとした携帯電話のメモの内容が読み上げられた。
《(次女は)親の喜びを教えてくれ、お姉ちゃんは親の痛みを教えてくれた》《殺してしまうことも考えた》
両被告は理想通りに育たない愛里さんに愛情を持てず、同じ空間で生活したくないと思っていた-。
検察側はこう指摘した上で、行為は監禁にほかならないと主張する。
また、小学6年冬に不登校になるまでの愛里さんのビデオも流され、授業で元気よく手を挙げたり、人気アニメソングを歌ったりする姿も確認できた。
被告人質問で検事が「(愛里さんを)障害がある子に仕立て上げようとしている」と迫ると、泰孝被告が言葉に詰まり、弁護人が制止する場面もあった。
■「殺人に近い行為」
「愛里の幸せを願って試行錯誤したが、独りよがりだった」。
公判では両被告から反省の弁も漏れた。
弁護側も「常識では理解しにくいが、精神障害の子を持つ両親がどうあるべきかが問われている」と理解を求める場面もあった。
ただ検察側は、両被告の供述が捜査段階と公判で違う点を疑問視する。
「小学6年でいじめられ不登校になった」との供述と、愛里さんの同級生の証言が食い違っているとも指摘し「弁解は信用できず反省は皆無」と批判。
「殺人に近い犯行」としてそれぞれに懲役13年を求刑した。
弁護側は療養行為だったと無罪を主張、裁判は結審した。
判決は12日。かつて存在した「座敷牢」を彷彿(ほうふつ)させるプレハブ小屋での事件に、裁判所はどんな判断を下すのだろうか。
〔2020年3/10(火) 産経新聞〕

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台湾の天才IT大臣 台湾の「天才IT大臣」唐鳳氏の父が語る教育理念 世界的な新型コロナウイルス肺炎の流行に際し、台湾は他国に先立ち迅速に対策を講じた。そのスピードと的確な手法は日本でも報じられている。 同時にコロナウイルス対策の中心人物である「天才IT大臣」にも注目が集まっている。2016年に台湾史上最年少で閣僚(政務委員)となった、デジタル大臣の唐鳳氏(38)だ。 唐鳳氏の既成概念にとらわれない斬新なアイデアや手法について、陳建仁副総統は「唐鳳氏のビッグデータ解析が新型コロナウイルス対策に大きく寄与し、国の対策チームの中核となっているだけでなく、AI技術を用いた感染症対策モデルを樹立した」とコメントしたほどだ。 そんな天才はどうやって育まれるものなのだろうか。『今周刊』が唐鳳氏がデジタル大臣として入閣した2016年に掲載した記事を、もう一度ご紹介する。

■唐鳳氏のような天才はどう育つか 唐鳳氏は幼い頃から特別な子どもだった。そんな神童を育てた秘訣を彼女の両親はこう話す。「子どもの個性をしっかり見ることです」。 唐鳳氏がデジタル大臣として入閣が決まった2016年、父親の唐光華氏は、娘を取り巻く環境が激変することに家族や親戚が不安を抱いたと振り返る。「ですが、私は考え直しました。そして娘に林全・行政院長(首相、当時)と話し合い、あなたの特技で貢献できると思ったなら引き受けたらいいと伝えました」。この「一度立ち止まって考えてみる」というのは唐光華氏の古くからの習慣だ。 「どうやったら唐鳳さんのような天才が育つのか」と聞かれるたびに、唐光華氏はこう答える。「人は往々にして自分が正しいと思いがちです。親は自分を“権威”に仕立てあげるべきではない。また誰に対しても自分のほうが上だと思わないことです」。つまり大人は子どもを導く立場であると同時に、子どもから学ぶ立場でもあるということだ。 夫妻は唐鳳氏を含む2人の子どもの成長を見守ってきた。「子どもは1人ひとり違います。生まれてきただけで、ありがたい存在なのです」 唐光華氏は、台湾四大新聞のひとつ『中国時報』の副編集長を務め、現在は実験教育を行う教育者だ。彼は子どもたちと過ごした日々を思い出すとき、脳裏にソクラテスの名言「無知の知」が思い浮かぶという。 唐光華氏は唐鳳氏が幼い頃から今日に至るまで、「私は何も知らない、だから教えてほしい」というスタンスで質問を重ね、議論を進める「ソクラテス式問答法」で接してきた。 唐鳳氏は世界的に有名な「ハッカー」であり、プログラミングの天才であることは世界でも知られている。だが、彼女は決して無機質な人間ではない。他人を思いやる彼女の姿はとても印象的である。それは父親の娘への接し方が強く影響しているようだ。

■「自由派」の父が娘に影響を与えた 唐光華氏は「唐鳳をどのように教育したか」を話す前に、自身が育ってきた背景から話し始めた。「私自身、中学から高校の6年間は地獄の日々でした。中学の教師は成績至上主義。教室からはいつも生徒が木の棒で叩かれる音が響いていました。そして高校は進学第一という環境で、とても充実したとは言えない学生生活を送りました」。 高校卒業後、唐光華氏は多くの政治家を輩出している名門・国立政治大学に進学する。唐光華氏はそこで初めて、精神的な教育を受けたと振り返る。「大学生活で最も印象深いのは、(中国国民党政権による)白色テロの被害者でもある呂春沂先生の言葉です。先生は私たちに『イエスマンになってはいけない』、 そして『他の支配を受けない独立した人間になりなさい』と教えてくれました」。 大学で唐光華氏は、毎日のようにニーチェやキルケゴール、サルトル、カミュらの著作を読みふけり、実存主義哲学に傾倒していった。「そのときに自由が私にとって最も大切なものとなりました」と振り返る。

唐光華氏は民主化運動について研究し、後にドイツで博士課程に進んだ。そこでは、中国からの多くの亡命者に出会い、彼らと自由民主主義について議論を交わした。そこに唐鳳氏を連れて行ったこともあるという。 そんな自由派の父は、唐鳳氏にさまざまな形で影響を与えている。唐光華氏は「私の蔵書は雑多で数も多い。娘は幼い頃からそれを読むのが好きでした。民主化運動や『美麗島事件』の本も例外ではありません」。美麗島事件とは、国民党の一党独裁政権下の1979年に起きた反体制運動の嚆矢(こうし)となった一大事件のことだ。 そんな唐鳳氏はある日、乗ったタクシーで運転手と政治について議論をした。彼女の話す「民主主義の原則」「反独裁派の活動家の存在意義」はどれも筋が通っており、感心した運転手はタクシー代を受け取らなかったという。自由を愛する父親のもとで、唐鳳氏にも自由の心が育っていったのだ。 父親が理性派ならば、母親は感性派だ。とはいえ、正反対の考え方の持ち主の2人は同じ信念を持っている。それは、「子どもの探究心を押さえつけてはいけない」ということだ。唐鳳氏の母親の李雅卿氏は、「私は賢い子の育て方を知りません。しかし、子どもを愚か者に育てる方法なら知っています。親が子どもを馬鹿にし、無視し、意見を封じ込めればいいのです。そのように育てられた子どもは、もとがどんなに利口でも愚かな人間に育っていくでしょう」と話す。 唐鳳氏は幼い頃から恐ろしいほど聡明であるものの、体はとても弱かったそうだ。同年代の子どもたちになじめないこともあった。そのため、両親は娘のあるがままを受け入れ、娘が受ける社会からのストレスを家庭では感じさせないように努めてきた。 だが、唐鳳氏は学校生活でつまずいてしまう。学校でのいじめが原因で、不登校になったのだ。子どものすべてを受け入れたい母親は、娘に休学を勧めた。父親は学校生活に適応しながら困難を克服することで、自分と向き合ってほしいと考えた。両親の方針の違いは、家庭内の不和を生んでしまったという。

■学校に通わず、自力で知識とスキルを磨く 休学について家族の意見が一致しないまま、ほどなく唐光華氏は研究のためドイツへ留学する。台湾に残った妻の李雅卿氏と子どもたちだが、父方の祖母は孫の休学に理解がなく、唐鳳氏ら親子はしばらく家を離れることとなった。 家族がバラバラとなり母親1人が子どもの面倒を見る日々だったが、結果的にはこの期間に唐鳳氏は再起し、天才プログラマーへの道を歩み始めた。唐光華氏は「人は本来、もっと豊かな多様性を持つということをこのとき知った」と振り返る。子どもが奮闘する姿から親も学び、親が「こうあるべき」と考えることは、時には傲慢で偏った考えであることにも気づかされた。 唐一家にとって、硬直した学校教育や「私は親だ」「私は教師だ」と大人が振る舞うことは教育ではなく、力ある者が力ない者を従わせる権威主義にすぎない。唐鳳氏は親の権威を振りかざさない両親に見守られ、中学以降は学校に通わず、自分自身で学びの方法を探りながら知識とスキルを磨いてきた。両親が彼女に与えた学習環境は近年、教育現場で注目される「自律学習(autonomous learning )」と言えるだろう。  母親の李雅卿氏がいう教育とは、問題を解決し、子どもによりよい環境を与えるというものだ。1994年、李雅卿氏は自身の教育理念を実現させるため、既存の教育概念にとらわれず、子どもたちの自主性を重んじたオルタナティブスクール「種籽小学校」を設立し、初代校長に就任。同校では、子どもたちが自身の手で知識を構築するために仲間や教師とともに学ぶ 「自律学習」が取り入れられている。

その後、李雅卿氏は「台北市自律学習実験計画」を立ち上げ、自律学習促進会の発起人も務めている。今は夫とともに、実験教育や自律学習を広める活動を行っている。そのような教育にも2人の信念が垣間見える。それは、「子どもの選択を尊重する」「親だからといって子どもを下の存在とみない」「自由に読書をさせ、自由に対話をし、知的欲求を抑えつけない」、そして「子どもの心に耳を傾ける」だ。 取材当日、ある保護者が唐光華氏に「子どものいたずらをやめさせるにはどうしたらいいか」と相談していた。唐光華氏はこう答えた。「子どもにはやってはいけない理由を伝えるべきだと思います。子どもにも、なぜそれをやってしまったのか話を聞く必要があるのではないでしょうか」。 続けて唐光華氏はおだやかに、そしてはっきりと言った。「私たちは、1人ひとりの個性をしっかりと見ていく必要があるのです」。これこそ、天才を育てた親の信念だろう。  (台湾『今周刊』2016年9月1日 2020年3月3日同誌オンライン版に再掲) 台湾『今周刊』 〔2020年3/11(水) 東洋経済オンライン〕

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写真家・幡野広志 がんを患い、余命宣告された写真家に次々と悩み相談が寄せられる理由と、その一つひとつに向き合う理由 幡野広志さん提供 多発性骨髄腫という難病で余命宣告された写真家・幡野広志さんのもとに、なぜか次々と寄せられる読者からの悩み相談。幡野さんは、自殺であろうと売春であろうと頭ごなしに否定せず、相談文に潜んだ虚飾を見抜き、一つ一つの人生と向き合って答えている。ウェブサイト「cakes」の人気連載が書籍として出版されたのを機に、本人に聞いた。いったいなぜ、他人の人生に向き合うのですか? なるべく言葉を残そうと思った

――体調の方はいかがですか? 投薬治療のおかげで体調はわりといいんですが、感染症にとても弱いので、インフルエンザや新型コロナといったウィルスで一気に悪化してしまうこともある。心配しながら暮らしています。

――前書きの部分で「なぜか自分に人生相談が舞い込む」ようになって、「ある理由から全部答えることにした」とあります。ある理由って何ですか? ウェブ上で残したものって、割とずっと残る。すると、今は3歳半の僕の子どもが将来見ると思ったんです。 小さい子どもがいて、がんになると、子どもの養育のためにお金を残そうとする方が多いんですよ。でも、がん遺児にたくさん会ったけど、お金は保険金や支援制度もあるから何とかならないわけではない。それよりも圧倒的に「親の言葉が欲しかった」とみんな言うんですよね。 だから言葉をなるべく残そうと思ったんです。相談も、こどもから相談されたと思って答えています。答えることで、僕がどういう人だったかもわかるだろうし。 僕の弱さを感じて相談するのかも

――『なんで僕に聞くんだろう。』というタイトルが非常に刺激的ですが、なぜ世の中の人は、幡野さんに質問してくるんだと思いますか? たとえば女性同士で、彼氏の浮気みたいな悩みを打ち明けるじゃないですか。その時「わかる、私も」みたいに、急に自分の話をする人っていますよね。僕が病気のことを打ち明けたから、私も不幸を告白する…みたいなことだと思うんですよ。 いちばん最初は、相談というよりも「過去に犯罪しちゃったんです」とか「今、指名手配中なんです」とか、大企業の役員の方が「大きな病気なんです」といった深刻なことを伝えてくる方が多かったですね。僕が墓場まで話を持って行ってくれると思って、人には言えないような話をしてたんじゃないかな。 そういう人たちは、相談をしているようで実は、自分の話を聞いて欲しかったんじゃないかなって思います。今は少し僕の認知度が上がったので、「聞いてもらいたい」って言う人が多いかもしれないけど。

――周りの人には言えないことだったんでしょうね たぶんそうだと思いますよ。僕がもし超健康体で、仕事も順調で妻も子どももいて、幸せの代表選手みたいな人間だったら、誰も相談してこないでしょ。

――こう言うとなんだか失礼だけど、「不幸比べ」みたいなことだったのかも たぶんそれだと思うんです。根本的には、僕の弱さみたいなものを感じて相談してきてるんだと考察はするんですけど。 自殺、不倫、売春…いさめるのは簡単だけど

――自殺とか不倫とか売春とか、世の中でいけないとされているものを、頭ごなしに否定せずに、いったん受け止めた上で答えていますね。どうしてですか? 多くのがん患者さん同様、僕自身も病気になったときに、自殺しようと思ったんですよ。一番つらかったのは「死んじゃだめだよ」って言われること。でも、言いがちですよね。じゃあなぜ「死んじゃだめだ」って言うのか。要は保身なんだと思います。相手のことを思ってるわけじゃなくて、今死なれたら困っちゃうとか、自分が最期の引き金を引いたきっかけになっちゃいけないとか。 売春も「やめなさい」と言うのは簡単だけど、ではどうやって生計を成り立たせるか、その後どうするかってことを一緒に考えられないんだったら、本人のためにはならないし、やっぱり僕は言わない方がいいと思うんですよね。言って叩いていれば気持ち良いんでしょうけど、意味がない。 「自殺したい」と相談してきた人は、去年11月に岡山で講演会をやった時に訪ねて来てくれました。「おかげさまで生きてます」って言われて、いろいろ考えさせられましたね。死にたいという人の気持ちを大事にして、「死んだっていいんですよ」ぐらいのことを言っていたほうが、結果として死を選ばないんだなと正直思いました。

――相手の文章に潜む大小の嘘をいろいろ見抜いていますね。「水商売の人を好きになってしまいました」という1行だけの相談から、いろんなことを推測し、「息子が不登校」という相談にも「きれいごと言ってるけど自分の心配ばかり」と、かなり厳しく突っ込んでいます。 特に若いうちに病気になるとね、きれいごとの波に襲われるんですよ。「病気は必ず治る」とか。そういうのって、一瞬で見抜けるわけです。意味のなさにも気づくし。結局、僕のためじゃなくて、その人が気持ちよくなりたいから言ってるだけなんです。なかなか人間が見えるようにはなりますね。 べったり寄り添っても意味はない

――最近流行った『君たちはどう生きるか』も、おじさんがいろいろ言っているようで「最後は自分で考えることだよ」と突き放していますけど、幡野さんの回答も、結構突き放してるなと思いました。 そうですね。べったり寄り添ってもあんまり意味はないと思うんです。質問する人は「どうすればいいですか」と、正解を求めてしまう。失敗したくないという思いなんでしょうけど、自分のことしか考えられない状況に陥っているので、答える人はなるべく広い視野で見た方がいいと思うんです。 それに僕はあまり「こうしなさい」みたいなことは言いたくない。僕の息子が10年後に読むとしたら、絶対に古くなってますから、その価値観で判断されるのも困っちゃうし。

――なるほど。人生相談してくる人って、諭してもらいたい人なのかなと思いましたが 説教してもらいたい人もいます。相談文に「ずばっと切って下さい」と書いてきたり。でも子育てでも、説教して効果的だったことは一度もないですね。肯定してほめてあげた方が、はるかに子どもも伸びていくし。

――ご自身で心に刺さった質問というのはあります? そうだな、本には出していないんですけど、幼い頃に親の過失で重傷を負った人からの相談があったんですが、その相談のことは、今も考えるんです。哲学のように答えがない問題ですけど、この人にとってどうすることが正しいんだろうかって。 あとは「一人旅したいけど親から心配される」という女子高生のメール。僕の写真展の最終日に、地方から高速バスを使って来てくれたんですよ。答えた人が直接お礼を言いに来てくれるのは、嬉しかったですね。

――持ち込まれる質問は重いものも多いですが、一つ一つの人生に向き合っていると、疲れたり体調が悪くなったりしませんか? 多分、文字上のやり取りなので、大丈夫。会って話したらちょっと耐えられない。なるべくなら会って聞きたくはないっていうのはあるかな。 断罪するだけじゃなく、いろんな側面から見たい

――でも結構、会ってお話をされていらっしゃるみたいですね 辛い人生をずっと聞かされるのはつらいけど、全然違う世界の人と話すのは面白いですね。このあいだも刑務所から出所したばかりの人に「会いたい」と言われて、お話を聞きました。世の中のいろんなことが見えていたつもりでも、全然違う世界の人と話すと、いかに自分が井の中の蛙だったのかということかよく分かります。 僕は7、8年前、裁判の傍聴が好きだったんですよ。社会的に明らかにとんでもねえ奴だなって思う被告でも、裁判を通して聞いてみると、「大変な人生だったんだな」って思うことがあるんですよ。断罪するだけじゃなくて、いろんな側面で見たほうがいいと思えたんですよね。

――新聞でも雑誌でもウェブでも人生相談コーナーが流行っています。幡野さんの本も発売直後で増刷し、発行部数3万部と好調です。やっぱりみんな人の悩みを読みたいんでしょうか 僕に相談が来ることも不思議だったけど、今は何十万、何百万という人がウェブで読んでるわけです。なんでみんなそんなに他人の相談を読みたいんだろう。それが不思議ですね。 自分の相談内容に対する感想も、ネット上にたくさん出てますけど、僕がその人の相談に答えたのにも関わらず、相談内容が少し似ているだけで自分と重ねてしまって、怒り出す人もいるんです。相談者に説教を始める人もいる。人生相談って、相談者も、答える側も、読んでいる人も、その人柄をあぶり出してしまうんだなとよく思いますよ。 否定するより、根拠なく肯定した方がいい

――父親って、男の子に自分の背中を見せたい部分もあると思うんですけど、将来、お子さんが、幡野さんの文章を読んでどんなことを感じてほしいと思いますか? 散々、いろんな所で「好きに生きてください」って書いているし、「こうすべきだ」みたいにはなるべく答えていないので、自分の人生に必要なものがあれば、くみ取ってくれれば。「うちのお父さんに相談したら何て答えるかな」と推測して、自分で悩んだ時に脳内で僕に相談して、勝手に背中を押してもらったと思ってくれればそれでいいのかなと思います。 子どもは結局、自分の思った通りには育たない。だったら背中を押した方が得でしょう。こどもが将来の夢を語ったとき、「あなたには無理よ」と言いがちです。たとえばクリエイティブ系の仕事って、宝くじ売り場に並ぶ人と同じで、大金を当てるかもしれないけど外れるかもしれない。そういう時「絶対当たらないよ」と言っているよりも、「きっと当たるよ」って言っておいた方が、当たっても外れても、その人から好かれると思うんですよ。 僕自身も写真家になる時に、「お前には無理だ」ってすごく言われましたけど、今写真家としてある程度成り立っている状況で振り返ると、過去に否定していた人たちよりも、自信がなかった頃に励ましてくれた人に恩義を感じますもん。10年後を見越した種って考えると、根拠なく否定するより、根拠なく肯定してるほうがはるかにいいじゃないですか。

〈幡野広志さんプロフィール〉 1983年、東京生まれ。2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)、『写真集』(ほぼ日)、『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)。 (文:吉野太一郎) 好書好日(朝日新聞) 〔2020年3/11(水) 好書好日〕

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エンタメと教育 鈴木おさむと中邑賢龍教授がエンタメと教育、日本の未来のあり方を探る
鈴木おさむと中邑賢龍教授がエンタメから教育まで語り合う
2月22日(土)放送の「SWITCHインタビュー 達人達」(毎週土曜夜10:00-11:00、NHK Eテレ)にて、放送作家の鈴木おさむと東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授が対談する。 鈴木おさむの作品を生み出す才能に迫る
鈴木は、数々のバラエティ番組の企画をはじめ、ドラマや映画、舞台の脚本・演出や小説の執筆などマルチに活躍。対する中邑教授は、画一的な学校教育になじめず不登校状態にある子どもたちに学びの場を提供している。
前半は、中邑教授が鈴木の人気小説「芸人交換日記」に基づいた朗読劇を観劇し、その後の対談で90年代からエンターテインメントな企画を次々とヒットさせてきた鈴木の才能の源に迫る。 鈴木は、幼少期の祖母や小学生の時に出会った教師の存在、放送作家になってからの体験、大島美幸との結婚・育児など、日常のすべてが作品へのモチーフになっていると語る。
後半は、鈴木が東京大学を訪問。発達障害などがあり「周りと違う」と学校になじめない子どもたちの才能を引き出す「異才発掘プロジェクトROCKET」について中邑教授に尋ねる。
型にはまらない教育の「面白さ」を語り合ううちに、2人の人生観に共通のキーワードが浮び、エンタメと教育、日本の未来のあり方などを探る。
(ザテレビジョン) 〔2020年2/22(土) ザテレビジョン〕

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しつけも法律で規制される 間違った「しつけ」子供への質問に親が先に答えるのはNG
親が話してしまうのは自立の妨げに
今年4月に「改正児童虐待防止法」と「改正児童福祉法」が施行され、体に苦痛や不快感を与える罰は、たとえ、しつけのためでも禁止となる。つまり、これまでは“愛のムチ”だったかもしれない、しつけも法律で規制されるものとなる可能性があるのだ。
根本から変化している「しつけ」。親がよかれと思ってやっていることも、実は大きな間違いだったというケースも珍しくないのだ。
◆自分でできる喜びを実感させてあげて
子どもの虹情報研修センター長・川崎二三彦さんは、不登校で悩む親子の相談にも立ち会ってきた。なかには、中学生の子供への質問を、親が子供より早く答えて、「子供のことは私がよくわかっている」などと、得意気に話す親もいた。
5才の娘を持つAさんも、引っ込み思案で、質問になかなか答えられない娘に代わり、つい自分が先に答えてしまうことがあると告白する。
思春期になれば、子供は“自立”しなければならない。
「そんなとき、子供への問いを親が代わりに答えていては自立心が養われず、社会に適応しづらくなります」(川崎さん)
これは未就学児も同様だという。子供ができることは親が先回りして行わず、なるべく本人が行うようにした方がいい。なかなか答えが出ないようなら、「前にこんなこと言ってなかった?」などと答えを促すサポートをするのにとどめておくのがおすすめだ。
「失敗しながらも自分でできる喜びを実感してこそ、子供は成長するものですから」(川崎さん)
※女性セブン2020年3月5日号 〔2020年2/22(土) NEWS ポストセブン〕

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藤田ニコル 中居正広、藤田ニコルの中学生時代の“オール1”に驚き 「綺麗ですね、のび太の通信簿ですね」
12月6日放送の『中居正広のキンスマスペシャル』(TBS系)に藤田ニコルが出演した。
毎週金曜に放送している『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』。今回はスペシャルとして、初出演となる藤田ニコルをゲストに迎える。また、藤田とデビュー当時から共演が多く、今でも週に一度は収録で一緒になるという、同じく『金スマ』初登場のバイきんぐ・小峠英二もパネラーとして出演した。
Instagramのフォロワー数は約306万人を誇る藤田。そこで番組では、「ニコルのマル秘自撮りテクニック」が紹介された。人気のカメラアプリ「カメラ360」を使用し、藤田がフィルターを選択するとスタジオには「可愛い!」と黄色い声が。中居は「『可愛い』って肉眼で見てるのに、どういうことですか?」とツッコミを入れた。さらに、藤田は自撮り写真をアプリ「ビューティープラス」で写真加工を施し、シワを消したり、瞳に光を入れていく。「目が芸能人になるんですよね」と写真を見せると、中居は「これなに? (目の中に)NHKって書いてあるの?」と瞳の輝きに驚きを隠せないでいた。
使用人が4人も居たという豪邸でのセレブ生活から、一転、母と2人で帰国してからの貧乏生活や、不登校を繰り返した学生生活まで、あまり語られてこなかった知られざる藤田の過去。中学生時代の衝撃の通信簿も公開され、オール1の成績に中居は「綺麗ですね、のび太の通信簿ですね」とコメント。「自分の中では極細ポッキーじゃんって言ってましたね」と当時を語る藤田に、小峠が「今の解釈は5だけどね!」とリアクションした。
藤田をよく知るモデルの越智ゆらのは、テレビに出続けて今は賢くなったと話す。そこで、スタジオでは「小学5年生でも分かる国語クイズ」を出題。しかし、藤田は「石の上にも念仏」「一人十色」「へそで茶を吹き出す」と誤答の連続。唯一、「カモがねぎをしょってくる」は分かったようで、「ポケモンでいるんですよ!」とカモネギの名前の由来から学習していた。これに中居も「ポケモンからも学びがありましたね」と感心した。
NGなしで多くの番組に出演し続け、今年の出演番組本数は269本。藤田は見事成功を掴んだ。ロケを共にしたことのある小峠は「やっぱりこの根性というか。一緒にロケ行かせてもらった時とか、さっきのゲテモノ食べるロケも一緒に行ったことあるんですけど、ビビんないんですよね。最初から無理無理じゃなくて、とりあえず一発やってくれるというか。それがウケてんじゃないかって思いますけどね」と評価。中居も「ニーズがあるということでしょうね」と藤田の努力を認めた。
また、藤田は今から3年前、15歳という若さで亡くなったファン・菜々美氏の自宅へ初めて訪問。菜々美氏の遺影のまわりには大好きだったニコルとの思い出が飾られている。ニコルは菜々美氏が亡くなった時、自分のTwitterから彼女へ向けメッセージを送っていた。その後も毎年、命日になると菜々美氏へメッセージを送り続けている。VTRを受けて中居は「『金スマ』にニコルが出て、こうやって取り上げてもらったらね。本人も本当、喜んでんじゃないのかな」と涙を流す藤田に言葉を贈る。藤田は「関係性としてはファンっていう立場ですけど、でも自分からしたら支えてもらってる人。家族と一緒くらい大切な存在なのでファンの子達は」「自分が例えば中学生の時に憧れの芸能人とか、好きになる人とかってすごい貴重だなって思って。その短い時間の中で誰かにハマるって、たくさん色んな人がいる中で私のことを選んでくれて、すごいそんな貴重な時間を私にくれてありがとうとは思います」と溢れる気持ちを伝えた。
次回放送の『金スマ 2時間スペシャル』では、「大ブレイク! りんごちゃんとは何者?」がオンエアとなる。 〔2019年12/7(土) リアルサウンド 向原康太〕

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漫画「She is my longing どうけいのひと」 憧れていた同じ中学の子と久しぶりに再会する漫画 女の子2人のなんとも言えない距離感が刺さる
すごく仲が良かったわけではない2人、はじめは微妙な空気……?
中学の同級生と久しぶりに会ったら、不登校になっていた――2人の女子高生を描いた漫画「She is my longing どうけいのひと」が「ノスタルジーを感じる」「リアル」と好評を博しています。作者は『木々は春』などを手掛ける漫画家の中陸なかさん。
中学の同級生、キサから呼び出されたヒナ。平日なのに私服で待ち合わせに現れたキサは、最近学校に行っていないと告白します。
2人は中学では同じグループにいたけれど、それぞれ別の人と仲がよく、2人で食事をするのは初めて。そんな間柄でなぜ自分に連絡したのかといぶかるヒナに、キサは学校に行かなくなったいきさつを話します。先輩の嫌がらせからバドミントン部をやめ、学校にも行かなくなったこと。長年頑張ってきたバドミントンを投げ出してしまい、「今までやってきたことはなんだろう」と同じことばかり考えてしまうこと。
そんな中でキサが思い出したのは、ヒナが憧れの先輩に告白した出来事。「あれこれ考えずにすぐ動ける」ヒナがうらやましいというキサは、ヒナに会えば悩みのループから抜け出せるのではないか――という思いがあったと打ち明けます。そんな理由で呼び出したことを謝るキサに、ヒナは、かっこいいと憧れていたキサが自分に連絡をくれたことがうれしかったと素直な気持ちを伝えたのでした。
すごく仲が良かったわけではない2人。けれどもヒナはキサのクールさに憧れ、キサはヒナの迷いのなさをうらやましく思い、互いに自分にない部分を好もしく思っていました。その近くはないけど遠くもない、なんとも言えない距離感が印象的。2人のその先をさまざまに想像したくなる、余韻が残る物語です。
読者からは「この年独特の、もう戻れない時代にノスタルジーを勝手に感じて、恋愛ではなく同性への憧れというのも本当痛いほど共感できて…とにかく最高でした」「キサの糸が切れた最終的なきっかけや2人が話す内容など、リアルに描かれていて見応えがありました」「透明感ある作品で、うまくいえないけど、とても綺麗で、すきだな」といった感想が寄せられています。
画像提供:中陸なかさん ねとらぼ 〔2020年2/22(土) ねとらぼ〕

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ママ友などの人間関係 叩く子どもを避けてママ友が離れていく。私にできることはなんでしょうか?【お悩み相談】 夫との関係、義実家との付き合い、仕事やキャリア、ママ友などの人間関係……。毎日がんばって生きていると、悩みは尽きませんよね。そんなお悩みに、専門家がアドバイス。 挨拶してるのに無視… いい大人なのにバカみたい ママ友がこわい 今回はママ友づきあいに困っている「ぐっぴー」さんのお悩みです。

◆相談者プロフィール ぐっぴー(38歳女性) 下の子が小学生になったらパートで働く予定です。学童に入れるか心配です。

■ お悩み相談 幼稚園に通う年少の息子がおります。親の私からすれば明るく元気でよく笑う、大好きな子どもです。しかし、気に入らないことがあるとお友達を叩いてしまうことがあります。 この間は幼稚園のお砂場で使っていたスコップを友達に取られてしまい、「ぼくのだよ!」といって叩いてしまったと先生から聞きました。ほかにも絵本だったり、ボールだったりとあげればきりがありません。 現在小学生の娘がいるのですが、こちらはお友達から叩かれるほうでした。なので、叩かれた子や親の気持ちがよく分かるので、先生には息子が何かしたらすぐに伝えてほしいとお願いし、叩いたらラインやメールで謝罪、怪我をさせてしまったり物を使って叩いてしまったようならば菓子折りを持って謝罪にしに行っています。 どんなご家庭も「子どもたちのすることですから」とおっしゃってくださり、いつも心の中でほっとしている自分がいました。 しかし、最近、幼稚園のクラスママで行くランチ会に誘われなかったり、挨拶をしてもよそよそしかったりと私と積極的に会話しようとしてくれる人がいなくなりました。 息子のしつけがきちんとできず、自分の大切な子どもを叩く子どもの母親です。確かに私と会話したい人なんていないでしょう。また、狭い地域なので噂も広まっているようで、娘の友達のママさんでも疎遠になった人がいます。 私の家が悪いことは百も承知です。でも、いくらしつけても、市の相談センターに行っても「これぐらいなら子どもなら珍しくない」といわれ、途方に暮れています。 子どもへのしつけはこれからもしていくとして、これから先、保護者の方々に私は謝ること以外に何ができるでしょうか? 私自身は一人でいることは平気な性格ですが、避けられていると辛いですし、子ども達もかわいそうです。息子が「友達と遊びたい」といっても、適当な理由をつけてはぐらかしてしまっています。ほかの人と同じようにママ友づきあいをして、子ども同士を遊ばせたいです。

■ 解決したことを引きずらず、ときには自発的に 迷惑をかけた際、素直に謝ることができるのはすばらしいことですね。お子さんたちも日々「ごめんね」「いいよ」と交わしながら仲直りを繰り返して成長していることでしょう。 一つ気になるのは、あなたの「息子のしつけがきちんとできず、自分の大切な子どもを叩く子どもの母親」という言葉です。本当に、周囲の保護者の方たちはあなたのことをそう思っているのでしょうか。 保護者同士でも、あなたなりに謝り、先方も気にしていないのであれば、一件落着としてすぐに気持ちを切り替えてみてはいかがでしょうか。 あなたがずっと気にしていては、叩かれたお子さんのご家族も、いつまでもトラブル扱いされているようで壁を感じるおそれがあります。 ママ友たちも、あなたが一人でいたいのではないかと気を遣っているのかもしれません。親しくしたいのであれば自発的に話しかけたり誘ったりしてみてはいかがでしょうか。

◆回答者プロフィール 海野 雪(うみの・ゆき) 上級心理カウンセラー(日本能力開発推進協会認定)、不登校児童対応アドバイザー(全国webカウンセリング協会認定)など、心理系・教育系を中心に多様な資格を有する。200名以上の相談対応実績あり。 〔2020年2/23(日) レタスクラブニュース〕

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ゲーム規制 10年間不登校、1日10時間のゲームが「救ってくれた」 ゲムトレ代表と考える“ゲーム規制”
ゲームは“悪”なのか
今や世界中で桁外れの高額賞金を懸けた大会が開かれている「eスポーツ」。その市場規模は、2022年には122億円(出典:KADOKAWA Game Linkage)に上るとも言われ、プロeスポーツプレイヤーは中高生の憧れの職業にもランクインするようになった。
【映像】ゲムトレ小幡さんと考える“ゲーム規制”
しかし1月、ゲーム業界に衝撃が走った。香川県議会が、18歳未満のゲーム利用時間を平日は1日60分まで、休日は1日90分までとする「ネット・ゲーム依存症対策条例」の素案を示したのだ。これがインターネットを中心に大きな物議を醸した。
ゲーム規制に街からは賛否の声
香川県は4月の施行を目指し、今月6日まで県民からのパブリックコメントを募集。日本中の注目が集まる中、1人の高校生もアクションを起こした。朝日新聞によると1月31日、高松市に住む高校2年の男子生徒がネットを通じて全国から595人分の反対署名を集め、県議会に提出したという。生徒は「ゲームの時間は家庭で決めること」「自分たち子どもの領域に行政が足を踏み入れないでほしい」と訴え、条例素案の撤回を求めた。
反対の声が広がる一方、ゲーム依存の問題が深刻化していることも事実だ。去年5月、世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を疾病として認定。厚生労働省も先週、対策を競技する「ゲーム依存症対策関係者連絡会議」を初開催した。
はたして、ゲームは“悪”なのか。
■10年間の不登校を経て…日本初“ゲームの家庭教師”サービスを立ち上げ
「休みの日は10時間ぐらいぶっ続けでゲームやっていた」
「ゲムトレ」代表の小幡和輝さん
こう話すのは小幡和輝さん、25歳。日本初となるゲームの家庭教師サービス「ゲムトレ」を手掛ける、今注目の若手経営者だ。囲碁や将棋を習うのと同じ感覚で、教育のツールとしてゲームを習う文化を作ろうと事業を立ち上げた。
小幡さん自身もかつて、10年間にわたり不登校の時期があったという。
そんなどん底の小幡さんの“リセットボタン”となったのがゲームだった。
「僕を助けてくれた、救ってくれたのがゲームだった。
学校であまり友達ができなかったりとか、勉強や運動が得意ではなかったが、ゲームはすごく得意で好きで友達ができた。
人生を支えてくれたものであるし、かけがえのないものだと思う」
さらに、ゲームはコミュニケーションツールとしてだけでなく教育にも役立つと考え、ゲームの家庭教師のサービスを立ち上げた。
「最近のゲームってめちゃくちゃ難しい。情報処理能力とかその場の瞬発力・判断力とか、結構求められる技術が高くなっている。
『今のゲームってめちゃくちゃ難しいんだな』っていう温度感が出てきたら、もう少し(ゲームへの)印象が変わるのかなと思っていて。
だから、親子で一緒にゲームをするのとか最高だと思う」
小幡さん「『今のゲームめちゃくちゃ難しい』となったら印象変わるのかな」
今回のゲーム依存症の条例案について、「言葉を選ばずに言うなら、怒りというか『なめてるな』って」と話す小幡さん。
ゲーム=悪だとする風潮について、次のように語った。
「ゲームをいっぱいやっているから勉強しなくなる可能性というのは、確かにあると思う。
でも、結局他のものもそうで、例えば甲子園を目指して野球を頑張っている人は、野球にたくさん時間を使っているから勉強がおろそかになることだってある。
僕は1日10時間以上ゲームをしていたが、ゲーム依存だったかというと多分そうではないと思う。
(ゲーム依存症は)ゲームをすることによって社会生活に支障をきたしている状態が1年続くといった明確な定義がされている。
この社会生活ということが重要で、僕はゲームがなかったらたぶん部屋の中に閉じこもっていた。
ゲームのおかげで僕は社会生活ができたと思っていて、一概にゲームをいっぱいやっているからダメだというのは違うのではないか」
小幡和輝さん
■「ゲームのプレイ時間ではなく、どう遊んでいるか」
AbemaTV『けやきヒルズ』では、小幡さんをスタジオに招きゲーム依存症、規制の必要性についてさらに議論した。
「ゲムトレ」の反響について、「これまでで約1000回のトレーニングをやってきたが、ゲームを通じてチームワークを学べるという声がすごくある。
普段の生活でも子どもがリーダーシップを発揮する機会が出てきた、という声もある」と小幡さん。
生活に悪影響が出てもゲームを続けたことのある人も
国立病院機構久里浜医療センターが去年11月に実施したゲーム障害に関する実態調査(対象:10~29歳の男女5096人)では、平日のゲーム利用時間が「3時間以上」と答えた人は17.5%で、うち2.7%は「6時間以上」と回答。
また、平日に6時間以上ゲームする人では、「昼夜逆転の生活をする傾向があった」(50.4%)、「目の痛みや頭痛など身体に問題が生じても続けた」(40.5%)、「睡眠障害や憂うつなど心の問題が起きても続けた」(37.2%)、「学業や仕事の能率が低下した」(29.8%)など、生活に悪影響が出てもゲームを続けたことのある人の割合が高かった。
このうち最も割合が高かった「昼夜逆転」について小幡さんは、「ゲムトレでは基本的にゲームをやる時間は午前9~10時に設定していて、ゲムトレを始めて逆に昼夜逆転が治ったという声も届いている。
僕も1日10時間以上やっていたが、友達と朝にゲームをやる習慣があったので昼夜が逆転したことはあまりなく、むしろそれが楽しみで早く起きることがあった」と自身の体験から語る。
一方、小学校6年生の子を持つハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は、アンケート調査の「ゲームをやめなければいけない時にやめることができなかった」という項目に注目。
「大人世代のゲームをやった人は電源をポチッと押せば止められると思っているかもしれないが、今のゲームはそうではない。
1人ではなく何人かでやるものになっていて、途中でやめることが飲み会の途中で帰る、公園で遊んでいる途中で帰ることと同じような感覚になっている。
『はいやめた』『お家に帰ろう』ということが言いにくいのでは、と親としては考える」と語った。
この点について小幡さんは「ゲームには『この試合が終わったら』などのやめるタイミング・ポイントがある。
すぐにやめるということがゲームの仕組み上できないものもあるので、そこを理解した上で“やめなければいけない時”を回答しているのかは気になるところ」と指摘。
では、香川県の条例案のように、行政がゲームを規制することについてはどう思うのか。
小幡さんは「個人的には悲しいというのが正直な気持ち。
ゲーム依存自体は実際にあるので、それを規制するというよりはなくすことが大事だという思いはある。
僕はゲームのプレイ時間はあまり関係なくて、どう遊んでいるかの方が大事だと思っている。
国や地域が規制するというよりは、家庭内のルールで決める範囲のものではないか。
条例として規制するのは反対」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
〔2020年2/26(水) AbemaTIMES〕

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ページ名ドラマ『女子高生の無駄づかい』、(ドラマ)
今夜の『女子高生の無駄づかい』転校生リリィ・小林由依! 抜群のスタイルで注目集めるが…
金曜ナイトドラマ『女子高生の無駄づかい』第3話
タレントで女優の岡田結実が主演を務め、共演に恒松祐里と中村ゆりかを迎えるドラマ『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系/毎週金曜23時15分)第3話が、本日2月7日放送される。
第3話では、小悪魔系百合ガールの転校生リリィ(欅坂46・小林由依)が初登場。
クラスでは即座に“変人”認定を受けてしまう。
本作は、ビーノによる同名漫画が原作。
キラキラしているはずの女子高生たちが、男子のいない女子高という独特の空間の中で、青春を浪費していく残念な「ハナクソレベル」の毎日を描くシュールな学園コメディ。
登校して早々、バカ(岡田)はヲタ(恒松)とロボ(中村)に衝撃的な相談を持ちかける。 
「うちの脱ぎたてのパンツってどれくらいの価値があるんだろうか…?」と。
朝から騒がしいバカたちを尻目に「今日は何事もなく1日過ごせますように」と祈るワセダ(町田啓太)。
そんな願いもむなしく、ヤマイ(福地桃子)がフードのジッパーを髪にからませて暴れたり、ホームルーム中に笑いすぎたバカが窒息しそうになるなど、午前中からワセダの疲労は限界MAXに。
さらには、不登校で出席日数が足りなくなりそうなマジョ(井本彩花)に電話をかけたところ、「学校は人の毒気が渦巻いている」、「瘴気にあてられてしまう」と意味不明なこと言われ、癒しをもとめたワセダは、だらしない体の猫“もっちにゃん”グッズを求め、街を徘徊することに…。
そんな中、バカたちのクラスに転校生がやってくる。彼女の名はリリィ(小林)。
オーストリア人の父と日本人の母を持つスタイル抜群のリリィに、クラス中から羨望の眼差しが。
しかし「好きなものは女の子。嫌いなものはオスです」という自己紹介に、秒で“変人”認定される。
早速バカの隣の席に座ったリリィは、友好関係を深めようとボディタッチをするが、なぜかバカに触れただけで、突然くしゃみが発動。
「オスアレルギー」が出るのは、男に触れた時だけはずなのに…。
新メンバーも加わり、さらなるハナクソレベルの日常が幕を開ける―。
ドラマ『女子高生の無駄づかい』第3話は、テレビ朝日系にて本日2月7日23時15分放送
〔2020年2/7(金) クランクイン!〕

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『虹いろ図書館のへびおとこ』 数十年前の登校拒否──学校から逃げ出したい人、逃げ出したかった人にすすめたい一冊 『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井とりお[著]河出書房新社 シベリア帰りの父が、三菱美唄(びばい)炭鉱の六軒長屋を出て、砂川で小さな本屋を始めたのは、僕が小学一年生の一学期の終わりごろの事でした。当時の砂川は東洋高圧(現・三井化学)の企業城下町で、関連企業も含め、町はそれによって成り立っていました。 共同便所や共同の洗濯場(井戸)、共同浴場という炭鉱住宅で育った僕にとってはまぶしいほどの都会に感じられたものです。団塊世代の子どもたちであふれそうな小学校に、山奥から転校してきた少年は、さっそくいじめの対象になったのです。学校は社会の縮図、大人たちのヒエラルキーや、そのいやらしさをそのまま反映します。休み時間にトイレに行くところにまでついてこられては、からかわれます。そんな僕の放課後の避難先は図書室でした。帰宅しても誰もいない家にいるよりも、本に囲まれているのが好きでした。面白そうな本を片っ端から読んでいたのです。 小学校の勉強なんて、いわばなぞなぞかクイズのようなものです。先に答えを見ておけば実に“簡単”なものでしかありません。店には参考書がそれこそ「売るほど」並んでいるので、立ち読みだけで予習はできます。理科や社会は、小学生向けの本はあまり良いのが無いので中学生向けの本を読んでいました。しまいには「教育技術」という雑誌を読んでから登校していましたから、先生にとっては扱いづらい子どもであったことでしょう。答えがわかっているのに退屈な授業を受けさせられるのは苦痛でしかありませんでした。黒板ではなく窓の外をボーっと眺めていたのです。面白かったのは工作や実験の授業だけでした。身体は教室の中にはいるけど、心は登校拒否をしていたのだと思います。 しかも授業があまりにも判りづらかったので、休み時間には僕が同級生に補習で教えたのです。例えば『ピラミッドの秘密』という本を引き合いに出して円周率を説明したりして、クラスの中でいじめられないポジションを確保していったのです。いわば本によって救われたわけです。 これほどに僕が子どものころでさえ教室での時間が「苦痛」であったのですから、今の子どもたちはいかばかりかと思うのです。僕にとって図書室が避難所であったように、ほのかちゃんにも図書館があって良かった。へびおとこが居てくれて本当に良かったと思うのです。医療や防災と同じように図書館には大事な役割があります。それは決して数値化できないもので、見えにくいものではあるけれど、とても大切なことなのです。 百数十年続いた「寺子屋方式」の授業の仕方は、そろそろ限界にきているのではないかと思います。僕の家では両親が早朝から深夜まで働いていて、僕と妹はほとんど祖父母によって育てられました。それが悪いというのではなく、普段(親として子どもを)構っていないことからくる、親の過干渉が、互いの自立を妨げる方向に作用します。僕の場合は、中学生にもなると、親からの「良かれと思って」なされる指導・助言・叱責がとても我慢できないレベルに達します。学校も家庭も「心地よくない」時間を強要してくるわけで、いっぱいいっぱいの僕は不登校もしくは家出の一歩手前であったのです。 この後で僕は高校での寮生活が始まって解放されます。毎日が修学旅行のような夢の時間を経験します。まるで少年自衛官のような団体生活のなかで、自由に考え、行動することの意味を知るのです。この世には本当に様々な人間がいて、みんな別々だということ。上には上があるということ。答えが用意されている問題ばかりではないということ。先にちょこっと解答を見ておこうとしても、できないことのほうが多いということ。自分の頭で考えて行動すること。上手くいかないことを親や先生のせいには出来ないことを学ぶのです。

『虹いろ図書館のへびおとこ』は、そんな半世紀も前の青春の初めのころのことを思い出させてくれた本でした。 私が現在行なっている一万円選書の当選者には、まず選書カルテを送ります。最初の質問はこれまでに読んで印象に残っている本二十冊。皆さんこれを書き出すのに苦労されるようです。それは、子どものころに読んだ本は、当時の自分の気持ちを呼び起こしてしまうからです。楽しかった記憶よりもイヤな思い出が勝ってしまったり。もう何年も経過しているのに、未だに乗り越えられていない自分と向き合ってしまったりもするからです。 本書を、そのようなお客様にこそおすすめしたいと思います。

[レビュアー]岩田徹(いわた書店) Web河出 2020年1月27日 掲載 河出書房新社 【関連記事】 「話すことが苦手」乃木坂46高山一実 話題の「1万円選書」でオススメされた本は 女優の杏 いじめについて語る「大人になってからの意地悪は後になってわかる」 子どもを「いじめ」から守るには 家庭で早期に発見する方法【いじめ問題・対策】 非行少年たちはなぜケーキを3等分にできないのか “認知機能”に問題を抱えた子どもたちの実態 「地毛なのに黒染め指導」 おかしなルールで縛る日本の教育はこのままでいいのか? 〔2020年1/27(月) Book Bang〕

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ブラック校則 「女は腹まで布がある下着を」ブラック校則はなぜ生き残るのか)
生徒を理不尽に縛りつける「ブラック校則」がまた話題となっています。
岐阜県では「4時禁ルール」という決まりがあることがわかったからです(『岐阜新聞Web』1月21日)。
報道によれば、4時禁ルールとは、午前中に授業などが終わったため早く帰宅した生徒に、午後4時までは自宅からの外出を禁じる決まりのこと。
岐阜県内各地の学校で同様のルールがあったようです。
この「4時禁ルール」、愛知県にもありました。
NHKのアンケート調査(以下、NHK調査※1)によると、愛知県に住む中学1年生の女子生徒はアンケートに以下のように答えていました。
「4時禁という、下校時刻が早いときには、4時までは外に出てはいけないルールは、私は嫌です。
私たちの学校は部活動が盛んで、週に5日間~7日間は部活がかならずあるので、早く授業が終わって帰れる日には遊びたいというのが私たちの住む地域の中学生の大半の希望だと思います」(筆者一部編集)
学校によってそもそも自由時間が削られているので4時禁ルールがイヤだという気持ち、たいへん共感するものでした。
また、「外へ出てはいけない」というルールは、ゆるやかな軟禁とも言え、理不尽な校則です。
話題になったブラック校則
4時禁ルールだけでなく、この数年、ブラック校則は、たびたび話題になってきました。
最初に話題となったのは2017年7月末、「うなじが男子の欲情を煽る可能性があるため」、ポニーテールが校則違反になったというツイートからでした。
ツイートは瞬く間に拡散される一方、全国的にポニーテール禁止の学校が多いこともわかりました。
次に話題となったのは、2017年10月の「黒染め強要裁判」。
生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう教員から何度も指導されたため、大阪府の高3女子が府に対し損害賠償を求めた裁判です。
さらには2018年「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」の調査(以下、ブラック校則調査※2)によって、「下着の色は白のみ」など、下着の色にまで規制を設ける校則が多数の学校で存在していることがわかり話題となりました。
このように、たびたび「ブラック校則」は話題となり、ドラマのタイトルにも使用されるほどにもなりました。
こうしたなか文科省や教育委員会も行き過ぎた指導を注意しているのですが、まだまだ「隠されたブラック校則」は多いようです。
隠れたブラック校則「腹まで布パン」
NHK調査では、全国の中学生約2千人が「おかしい」と思う校則やルールをあげてくれました。
なかでも私が驚いたのが「腹まで布パンルール」です。愛媛県在住の中1女子生徒は、NHK調査に下記のような回答をしてくれました。
「女はお腹まで布がある下着しか駄目っていうのが面倒」
この調査は、本人に連絡を取ることができず、私は何度も読んで、やっと意味がわかってきました。
ようするに「女子生徒は、お腹まであるパンツ以外禁止」というルールなのでしょう。
だとすれば問題は2点です。下着の色を規制しているのと同様、学校がプライバシーの領域に介入していること。
もう一点は「セクハラ指導」を誘発しかねないという点です。
ブラック校則調査によれば「下着の色をチェックされた」と答えた10代は、2.53%いました。
生徒指導の目的であっても、チェックするのが同性でも、他人の下着をチェックするというのはセクハラです。
下着の形状を事細かに指摘するのは、セクハラを誘発しかねません。
なぜブラック校則は生き残ってしまうのか
企業や芸能の世界でも、年々コンプライアンスが注目を集めるようになっています。
どうして学校だけは、憲法や法律違反とも思えるような「ブラック校則」が次々と報告されているのでしょうか。
そこには「ブラック校則を支える2つの背景」があると思っています。
一点目、ブラック校則は「見つけづらいもの」だからです。
生徒手帳などに書かれている「校則」には「生徒らしい服装・髪型を」「華美なものは避ける」など抽象的に書かれており、細かな基準は学校ごとに決めています。
そして、その基準を教育委員会や文科省は把握していません。
極端に言えば密室(学校だけ)で決められてしまいます。
多くの人の眼に触れないことが、行きすぎたブラック校則を生む土壌となっているのです。
二点目、「一部の保護者は厳しい校則を求めている」というもの。
30代~40代の母親から「校則が厳しければ、いじめなどが起きず、安心して子どもを任せられる」「自由な校風だと荒れやすいので心配」という声を聞いてきました。
自由な校風よりも「厳しいほうが安心」というイメージがあるそうです。
ブラック校則調査によれば、校則が厳しい学校のほうがいじめは起きやすいという傾向も明らかになっており、母親の声は誤解によるものです。
しかし、学校よりも保護者のほうが厳しい校則を学校に求めているケースは多いのだそうです。
このように、ブラック校則は「見えづらい」、「一部の保護者から求められている」という背景に支えられ、管理をしやすくしたいという学校現場のニーズと相まって生まれています。
校則なしでも機能する学校
一方、校則がないと子どもたちが集まる場はどうなってしまうのでしょうか。
不登校の子どもたちが集まるフリースクールでは、いわゆる校則がありません。
「人を傷つけるような行為をしない」などの口頭での約束はしますが、服装や髪形を規制するフリースクールはありません。
そうなると、どんな状態になってしまうのか。実際のフリースクールの子たちは、こちらです。
「フリースクール合同ゲーム大会」のようす(撮影:千葉県フリースクール等ネットワーク)
髪の色はだいたい黒ですし、髪の長い子もいますが、私からは問題が見当たりません。
フリースクールから生まれた私立中学校「東京シューレ葛飾中学校」も校則はなく、入学の際に「スタンガンなど危険な物は持ち込まないでもらいたい」と校長がお願いするだけです。
東京都世田谷区の桜丘中学校も校則がないことで有名です。
校則がなくとも運営している学校があり、私は現在ほど校則で子どもたちを縛りあげなくても大丈夫だと思っています。
ブラック校則から考えること
私は6年間、不登校によりフリースクールに通っていました(94年~00年)。
「下着の色は白」「前髪は眉にかからない程度」など細かな校則が定められた中学校から、「校則なし」のフリースクールに入ったときに衝撃を受けました。
それは校則がなくとも場が機能していることでした。
それまでの私は、校則で縛られているからこそ「破ってやりたい」「抜け穴を見つけてやりたい」という気持ちがありました。
しかし、校則がない場では、自分たちで必要最低限のルールを考え、決め、実行していました。
あきらかに公立中学校よりは、自主性や規範意識が高い場だったと思っています。
校則の議論のなかで、いつも抜け落ちている視点は、「校則なし」でやっている場や学校がどうなっているのかという視点です。
フリースクールや「校則なし」の学校の実践を見て、子どもたちがそこで平穏に暮らしている現状をどう考えるのか。
校則なしの場にいる子どもたちはどう感じているのか。
そこから具体的な議論がなされていくべきではないでしょうか。
※1NHK調査……調査期間2019年5月3日~5月9日/調査主体・NHKスペシャル「学校へ行きたくない中学生43万人の心の声(仮)」取材班/調査協力LINEリサーチ)。
※2ブラック校則調査……「問題校則(いわゆるブラック校則)および不適切指導に関する調査」。
2018年3月発表、10代から50代までの男女4000人が回答。(調査主体 ブラック校則 "をなくそう!プロジェクト)
石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者
〔2020年1/27(月) 石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕

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Socioeconomic status「社会経済的地位」 子どもの貧困と教育格差 その原因は 世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「子どもの貧困と教育格差」。NPO法人「Learning for All」代表の李炯植氏に話を聞いた。 まずこの言葉から「Socioeconomic status (ソシオエコノミック ステイタス)」略してSES。「社会経済的地位」と訳されます。生まれ育った地域や家庭の経済状況、文化状況などその人を取り巻く、社会的、経済的背景をいいます。 今、この「SES」と子どもの教育格差の関係が注目されています。文部科学省は、毎年行っている全国学力・学習状況調査で2020年度、「社会経済的背景」(SES)が子どもの学力に与える影響を本格的に調査する方針を決めました。

――そこで、子どもの貧困と教育格差について、李さんのご意見をうかがいます。まずは、フリップからお願いします。 「7人に1人」「2人に1人」です。 これも子どもの貧困の現状を表す数字なのですけど。最新の調査によると、日本の7人に1人の子どもが貧困、一人親世帯に限ると2人に1人が貧困だといわれています。貧困というのは、ざっくりいうと日本全国の世帯年収の平均の約半分で暮らしている家庭のお子さんがこれだけの数いるということです。

――経済格差というのは原因になってくるのですかね。 その経済格差が教育格差につながるといわれていまして、やはりその低所得世帯のご家庭ほど学力が低くなって、そうするとやっぱり学歴の差につながって、最終的には生涯年収の差になって、貧困が連鎖していくといわれています。 結果的にそれで社会の階層の流動化が進まず、貧困の子ほど貧困になると、そういう分断された社会が固定化されるという問題が今かなり問題になっていますね。

――本当に複雑でちょっと根深い部分もあるんでしょうかね。実際、李さんのところに来るお子さんたちは、生活の中でどういった状況に置かれているのでしょうか? 学力の状況でいくとやっぱり中3で分数ができないとか、やっぱり1年以上学力が遅れているお子さんが、かなり多いです。ただ、塾に行きたくても行けないという経済的な問題もありますし、そうした結果、結局は低学歴になっていって、就職ができないというのもありますし、そもそも学力の問題以前に、子どもの貧困というのは、例えば虐待とか不登校とか発達障害とか、最近など外国にルーツを持つお子さんとか様々な背景が絡み合ってお子さんの学力に影響してきます。 実際我々のところでは、ご飯は食べられないとかお風呂に入ってないとか、そういったケースもありますし、かなり複雑な状況になっていますね。

――そういったお子さんたちに対して、どういった支援活動をなさっているのでしょうか。 私たちは学習支援と居場所支援の2つを軸にやっています。学習支援といいますと、学校の中あるいは学校の外の公民館などで、塾に行きたくても行けない、あるいは勉強したくできないお子さんに対して個別の学習支援を大学生のボランティアが行いますけど、そういった支援をしております。 居場所支援はですね、中高生向けのフリースペースでフリースクールのようなものを開いて、安心安全な居場所の中でお子さんたちが自尊心を回復しながら、お子さんらしく前に進んでいくような支援をしています。あと低学年向きには、学童をやっております。毎日開けてですね、夕食も提供する形で、お子さんたち、ご飯も食べられないとかシャワーに入れないとか、そうした生活のニーズにも対応できるような学童もやっております。

――子ども食堂にも近いような雰囲気もありますか? そうですね。子ども食堂にも近いですし、学童にプラスして、子ども食堂ですね。

――こうした子どもたちの問題を解決していくために、今後さらにどういったところに取り組んでいかれるか、展開を教えてください。 やはり学習支援や居場所支援といった、今困っているお子さんに対する支援は、引き続き提供し、全国的にも展開していくべきだと思うのですが。やはり、そういったお子さんが生まれる社会の構造自体を変えようと思うと、やっぱり子どもの貧困って親御さんの貧困ですし、その親御さんを取り巻く労働環境、社会保障の問題、やっぱり社会全体で問題解決しないといけないんです。 我々は、今、ボランティア様のべ2000人以上、大学生の方が参加して、いろんなセクターに就職していっています。官僚、教員、民間企業もそうですし、学者さんになる方も政治家もいらっしゃるんですが、そしたら我々のネットワークをしっかりとつないでですね、社会全体で、そういった方々と一緒に10年20年かけて、問題の構造自体を変えていくようなアプローチをとりたいと思っています。

――まさにこのチェンジメーカーになっていってもらうというところもありますか? そうですね。やはりどれだけの人が主体的に自分事としてこの問題に取り組むかで、社会課題の解決スピードが上がっていくと思うので、そういったところも意識しています。

――目の前の短期的な課題、それから長い目での支援、課題解決という2つの柱になってくるのでしょうか? その通りですね。

――何か、私たちにもできることがあったら、教えていただきたいのですが。 はい、全国に学習支援の教室も、子ども食堂もかなり広がっています。やはり、日本全国どこでも貧困問題が実はあって、その自分の住んでいる地域の子ども食堂に顔を出してみるとか、あるいは地域のNPOさんに寄付をして活動を応援していただくとか。そういった形での後押しができるかなと思っています。

――社会全体で見守っていくということが大切になってきますかね。 そうですね。 〔2020年1/27(月) 日本テレビ系(NNN)〕

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ママ友などの人間関係 眠ってばかりの毎日…。どうしたら起きていられるでしょうか【お悩み相談】 夫との関係、義実家との付き合い、仕事やキャリア、ママ友などの人間関係……。毎日がんばって生きていると、悩みは尽きませんよね。そんなお悩みに、専門家がアドバイス。 たくさん寝てもすっきりしないのは、体内時計が乱れているのかも ねこ先生に教わるぐっすり睡眠法 今回はいつもお子さんと一緒に寝てしまうという「こむぎ」さんのお悩みです。

◆相談者プロフィール こむぎ(36歳女性) 産後、体重が増えて困っています。眠っていることも原因の一つだと思っています。

■ お悩み相談 現在、専業主婦で、4歳の幼稚園児と0歳の子を子育て中です。毎日寝てばかりです。 日中は、0歳児が昼前からお昼寝をするのですが、隣で寝かしつけているとどうしても私まで寝てしまいます。大体1時間半ぐらいです。アラームを鳴らしても止めてしまい、スヌーズ機能も止め続けてしまいます。ムチでだめならアメでいこうと考え、雑誌やお菓子を買い、子どもが寝ている時間を満喫しようと、テーブルの上にセッティングまでしましたが、眠気には勝てませんでた。 昼に寝て夜に元気ならいいのですが、夜も子どもを寝かしつける8時から9時の間に寝てしまいます。洗い物や片づけが残ってしまい、翌朝やる羽目になります。 私は小さなころから人より眠くなりやすい体質でした。実家暮らしのときは毎日親に起こしてもらい、一人暮らしで自由な生活だった大学生や働いていたころの休日は、12時間以上寝ていたこともよくありました。 病院にいったことはありませんが、睡眠の質に関しては、スマホのアプリでチェックしてみたところ悪くはなさそうでした。日中も急激に眠気に襲われて運転に支障が出るなどはありません。テレビを見ていたり、ぼーっとしたりしていると眠くなりますが、まだ立ち上がれば眠気に勝てます。しかし、横になってるとどうしても勝てずにそのまま寝てしまうのです。 寝てばかりなので、毎日の家事も必要最低限しかできていません。旦那は睡眠時間が少なくても問題ない人なので、休日に一緒に0歳児と眠ってしまっていると良い顔をせず少し不機嫌になります。なので、毎日昼寝をしているなんて言えません。 また、一生懸命働いてくれている旦那に対して、昼寝なんてしていて申し訳ないという気持ちもあります。ママ友にも恥ずかしくて相談できず一人で悩んでいます。 どうしたら周りの人のように起きていられるでしょうか。

■ お子さんと一緒に眠ることを前提にメリハリをプラス 2人の幼いお子さんの子育て、日々お疲れ様です。知らず知らずのうちに、気を張ったり、呼吸が浅くなったり、筋肉が疲労したりしていることでしょう。 あなたの体が睡眠や休息を求めているのかもしれません。お子さんと一緒に眠ることができるのも、お子さん達が幼い間だけの貴重な時間です。お子さんと一緒に眠ること自体を後ろめたく思うことなく、お子さんと眠ってしまうことを前提に、メリハリのある生活を心がけてみましょう。 早く就寝する分、起床時間を早めにする、寝かしつける直前の数分間に洗い物を一息に片づけるなど。 部屋が静か過ぎるようであれば、好きな音楽やラジオをかけて生活してみてはいかがでしょうか。そして、好きな曲を聴きながら台所で作業する、テレビを見ながら手作業をするなど、起きている間に楽しみながらちょこちょこと家事をはかどらせるようにしましょう。

◆回答者プロフィール 海野 雪(うみの・ゆき) 上級心理カウンセラー(日本能力開発推進協会認定)、不登校児童対応アドバイザー(全国webカウンセリング協会認定)など、心理系・教育系を中心に多様な資格を有する。200名以上の相談対応実績あり。 〔2020年1/31(金) レタスクラブニュース〕

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不登校の兆しがあったら? 不登校の兆しがあったら? 保護者にできる対応と予防策 我が子が最近、朝起きてこない、体調不良を訴える、遅刻・早退が増え、学校を休みがちになった……。こうした不登校の兆しがあった時、保護者はどのように子どもに関わればよいのだろう。東京学芸大学教育学部准教授で、スクールカウンセラーも務める松尾直博氏に、保護者にできる対応と予防策について伺った。       *** 「朝寝坊」「体調不良」「遅刻・早退の増加」などの予兆があったら、早めに学校の担任やスクールカウンセラーに相談しましょう。保護者のかたが無理に原因を聞きだそうとするのではなく、専門家に任せたほうがよいといえます。 子どもが学校を休んでしまうと「勉強についていけなくなるのではないか」「友達との関係が悪くなるのではないか」と心配し、保護者は早く学校に行かせたい気持ちになるでしょう。文部科学省の考える不登校支援では「将来、社会で自立できるようになること」を最終目標としています。中長期的な視野で子どもにどうなってほしいのかを、ご家族で考える機会ととらえてみてください。 腫れものに触るようにせず、普段どおり過ごし、子どもが家で元気になってくるのを待ちましょう。穏やかな気持ちになると、向き合うべきものに再び向かい合うことができるのです。不安や恐怖はゼロにならないかもしれませんが、本人の「学校に行きたい」という思いが強くなった時に登校できることが多いのです。

不登校を予防するためには、忙しい毎日を過ごす子どもに上手に息抜きさせること。思春期だからと距離を置かずに話をたくさんすること。子どもの好きな音楽やスポーツの話などを、たっぷり聴いてあげるとよいですね。そして、「等身大のあなたでいいんだよ」と自信を付けさせてあげることも、特に環境が大きく変化する小6から中1になる子どもにはとても大切です。よいところを認めてあげ、<自分の核>になるようなものを育んであげましょう。

出典:子どもが「学校行きたくない」と言ったら、どうする? ~保護者に心掛けてほしいこと -ベネッセ教育情報サイト https://benesse.jp/kyouiku/201311/20131119-2.html プロフィール ベネッセ 教育情報サイト 「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。 役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。 〔2020年1/25(土) ベネッセ 教育情報サイト〕

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ページ名愛知県高2少女飛び降り自殺、愛知県(事件事故)
愛知・高2美少女飛び降り自殺 いじめ調査を拒否した学校の言い分
小学校3年生の時から児童劇団に所属していた美桜子さん。将来の夢は女優になることだった
“いじめ自殺”を振り返る ジャーナリストの取材現場から
小中高校の’19年のいじめ認知件数は、前年度の約41万件から大幅に増加し54万件以上に達した。実に31%の増加だ。
みずから命を絶った生徒も322人いる。
なぜいじめは減らないのか。少年事件に詳しいジャーナリストの須賀康氏が深層に迫る。
取り上げるのは、’06年8月に愛知県内で起きた、高校2年生少女の飛び降り自殺だ。
********************
「いじめを受けていた時に、死んだわけじゃないんです。
いじめられた時の記憶が、美桜子を自殺に追い込んだんです」
こう涙ながらに話すのは、’06年8月18日に亡くなった高橋美桜子さん(当時16)の母親、典子(同54)さんだ。
愛知県豊田市の私立南山国際高校2年生だった美桜子さんは、過去のいじめの影響で突然パニック症状が現れるPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症し、治療中に自宅マンションの8階から飛び降り自らの命を絶った。
搬送された病院で美桜子さんの遺体と対面後に自宅に戻った典子さんは、居間のテーブルの上にノートを破いて書かれた遺書を見つけた。
〈まま、大好きだよ。みんな大好きだよ。(中略)でもね、もうつかれたの。
みおこの最後のわがまま聞いてね。(中略)本当にみんな愛してるよ。でも、くるしいの〉(原文ママ)
美桜子さんは、カナダのトロント市でカナダ人の父親と典子さんとの間に生まれた。
両親の離婚後、4歳半の時にカナダから帰国。祖母のいる愛知県刈谷市に3人で暮らした。
’02年、典子さんが英語科教員として勤務する市邨(いちむら)学園短期大学(現・名古屋経済大学短期大学部)の系列の市邨中学に入学する。
ところが、1年の夏休み頃からいじめが始まり、同級生ら8人から「うざい」「きもい」「死ね」などの言葉を日常的に投げつけられるようになった。
3学期にはスカートを切られる、靴の中に画鋲を貼り付けられるなど、いじめがさらにエスカレートしていった。
当時の美桜子さんの様子を、典子さんが苦しそうに振り返る。
「いじめられている美桜子を見かねて、担任に何度も相談しましたが『分かりました』という生返事ばかりで、いじめを放置され続けていました。
1年の終業式の朝も嫌がらせを受け、美桜子は下校途中泣きながら『我慢してきたけどもう市邨だけは絶対嫌だ』と、私の携帯に電話をしてきました」
‘03年4月に岩倉市立岩倉中学に転向するが、授業を受けている最中に突然パニック状態に陥り「みんなが死ねって言っている」と叫ぶなどの異変が現れた。
市邨中学時代のいじめの光景がフラッシュバックして身体が動かなくなるなどの症状が美桜子さんを襲い始めたのだ。
心療内科に通いPTSDと診断されてクスリを常用するようになったが症状は改善せず、2学期からは不登校になった。
’04年2月には外国籍や帰国子女だけを受け入れている中高一貫校の南山国際中学校に転向するが、
その後も多重人格が現れる解離性同一性障害などを発症させ自殺未遂を繰り返すようになる。
そして過去の記憶に耐えかね、’06年8月に16歳の短い生涯を終えてしまったのである。
美桜子さんは、小学校3年から児童劇団に所属し女優を目指していた。
’06年8月12日と13日に名古屋の芸術文化センターで行われた、夏季講演「銀河鉄道999」の赤ゲラ役が最後の舞台となった。自殺する5日前のことだった。
◆調査依頼を何度も拒否した学校
〈市ムラのやつなんかにはまけないゾ!! 〇〇〇〇(生徒名)、〇〇〇〇(生徒名)……最後に××××(教師名)!! おぼえとけ! お前なんかギタ×2にしてやる〉
美桜子さんが中学2年の時、テスト勉強のノートの表紙に書つけた8名のいじめ加害者と担任の実名だ。
典子さんは娘の遺品整理をしていて見つけたこのノートから、娘の自殺は市邨中学時代のいじめが原因と確信する。
典子さんは娘の死の真相究明を始めるが、学校の対応は呆れるばかりだった。
「学校にいじめの実態調査を何度も求めましたが、拒否され続けました。
それどころか、『線香を上げに行けば学校がいじめを認めたことになる』と一切の謝罪を拒否され、話し合いは平行線を辿りました」
自殺の民亊訴訟の時効が迫り切羽詰った典子さんは時効直前の’09年8月11日、市邨学園、理事長、校長、担任、そして加害生徒8名と保護者15名に対し、
損害賠償を請求する民事訴訟を名古屋地裁に起こした。
典子さんが訴えた裁判は、いじめが4年も前に遡るため事実認定が困難を極めると思われた。
だが裁判では加害者の実名の遺書があり、専門医による美桜子さんの診断書や証言。
また、何度も担任を始め学校にいじめの相談をしている事実など、母が集めた数多くの証拠が判決に功を奏した。
’11年5月20日、名古屋地裁はいじめの事実、自殺との因果関係や自殺予見可能性があったとして学校の責任を認めた判決を下した。
また、加害生徒と保護者とは裁判の終盤ですでに金銭による和解が成立していた。
ところが、学校側は敗訴判決を不服として即日、名古屋高等裁判所に控訴してきたのである
(’12年12月、高裁は学校側に不法行為があり、いじめを放置していたとし、PTSDの因果関係を認めた)。
市邨中学校をはじめ、名古屋経済大学など幼稚園から大学院までを経営するグループの責任者・末岡熙章理事長の自宅を尋ねた。
理事長は、玄関で辟易したような顔でこう答えた。
「(美桜子さんは)うちの生徒ではなくなっているし、(加害)生徒たちはいじめではないと証言していますから謝罪といわれてもね。
いじめというよりいたずらです。
(一審)判決が(いじめを)認め敗訴してもわたしたちとしては(いじめは)なかったとしかいえない」
あくまで理事長はいじめがあったことを認めず、頑なに学校に非はないと繰り返すのだ。
南山国際高校1年の時美桜子さんは、中学時代に受けたいじめを振り返り「自分との戦い」と題する作文を書いている。
〈いじめを受けた人は深い心の傷を負い、いじめを思い出しては何年も苦しむのです。
(中略)何故昨日まで仲良くしていた友達がそんな事をするのか。
裏切られた気持ちと自分のみに何が起こっているのかが分からない気持ちでいっぱいになりました。
そして、いじめはどんどんエスカレートしていきました〉
この作文を書いた1年後に、美桜子さんは自らの命を絶ったのだ。
生きたいという強い思いが作文の最後にこうした文字で綴られていても、学校はいじめを認めようとはしない。
〈いじめは人の心を殺します。絶対にあってはいけないものです。
この世からいじめがなくなる事を私は一生願い続けます。
(中略)私達一人一人がいじめの悲惨さについて考え、いじめを絶対に許してはならないと強い気持ちで立ち向かうこと、それがまず第一歩だと思います。
もしあなたがいじめに遭遇したら見てみぬふりをしないで下さい〉
文部科学省は8月31日、いじめ対策等総合推進事業を来年度から実施する方針を決めた。
臨床心理の資格を持つスクールカウンセラーの増員や外部人材による相談窓口の整備、教員の研修が柱だという。
だがそれだけではいじめはなくならない。
いじめはいまも全国の学校で広がり続けている。
加害者や学校が「ただのいたずら」という安易な意識がぬぐえない限り、いじめの被害者は後を絶たない。
取材・文・撮影:須賀 康
’50年、生まれ。国学院大学卒。週刊誌を主体に活躍。政治や経済など「人と組織」をテーマに取材。
学校のいじめ自殺や医療事故などにも造詣が深い
〔2020年2/20(木) FRIDAY〕

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萩原あさ美 炎上騒動も想定内? 漫画『娘の友達』は現代社会の闇がてんこ盛り 『娘の友達』萩原あさ美・著 家庭では父親として、会社では係長として、“理想的な自分”を演じるように生きてきたシングルファザーの主人公・晃介。だが、娘の友達である少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化するーー。 『娘の友達』1~5話を今すぐ試し読みするならコチラ アラフォーサラリーマンと女子高生の話ということもあり、「性的搾取を助長するという抗議が殺到した」とSNSで炎上した漫画『娘の友達』。結果、電話、メール、投書などによる直接の「抗議」自体はなかったというオチだったが、生きることに疲弊した中年サラリーマンが娘の友達に癒しを求め、“抱いてはいけない感情”だと知りながらも心惹かれていくという背徳的な物語は、ネット上で物議を醸している。 はっきり言っておこう。これは単なるエロ漫画でも純愛ラブストーリーでもない。禁断愛、不登校、毒親、鬱……etc.現代社会の闇に切り込んだ社会派漫画だ。 担当編集である週刊モーニング・小見山祐紀氏によると、そこには、ただ「気持ち悪い」だけで片付けてはいけないメッセージが隠されているという。

ーー「性的搾取を助長する」「犯罪教唆だ」などといった抗議が殺到したそうですが、その経緯を詳しく教えてください。 モーニングの公式ツイッターに、15秒くらいの簡単なPVをアップしたんですが、そのツイートに対して「閲覧制限などの、ゾーニングをしてほしい」「気持ち悪い」「PVの内容が不適切だ」など批判的なリプライが30件ほどありました。事実としては以上です。そもそも本作は、読んでいただければ分かると思いますが、全く性的搾取を助長するストーリー展開になりません。現代社会で生きていると、社会規範として正しいかそうでないかに必要以上に捉われすぎてしまう。そんな人へ向けた問題提起なんです。 不登校の娘のために奔走するよき父親、仕事ができる部下思いの係長として“理想的な自分”を演じる晃介。一方で、親友のお父さんだと知っていながら彼に近づき、誘惑する古都。このふたりの関係こそ、まさに社会規範に捉われている人とそうじゃない人の対比として象徴的ですよね。今の世の中は、なんでもかんでも白黒はっきりつけたがる。もっと中間のグラデーションを認めてもいいんじゃないかと思うんです。

ーーなるほど。そんな対極にいるふたりの関係性を描くうえで、とくに注力している点は? 作家・萩原あさ美さんと僕との間で、話が噛み合わない瞬間が多々あるんですが、それをあえて決着させずに面白がることでしょうか。例えば、僕が「古都ちゃんがこう言うってことは、晃介のこと好きだということですよね?」と聞くと「いや、別にそういうわけじゃない」と返ってきたり、「古都ちゃんのこの行動って裏があるんですかね」と言っても「いや、これはめちゃくちゃピュアな気持ちです」という風なやり取りがよくあるんですが、そんな自己と他者の価値観の違いをうまく作品の中に落とし込めたらと思っています。他者を理解しようとする気持ちを持ちながら、どこかで「最終的には無理だよな」と感じつつ歩み寄っていくような……。

ーーその戦略的な“ズレ”が、予測不能な展開を招き、焦燥感を煽るんでしょうね。小見山さんが思う作家・萩原あさ美さんの魅力とは? まず、絵が抜群に上手い。特に表情がいい。はじめて萩原さんの絵を見たとき、「この絵で背徳的な男女の関係性を描いたらハマるだろうな」と直感的に思いました。そしてもうひとつは、とても信頼できる作家さんであるということ。打ち合わせで「こうしたほうが面白い」と編集側から提案をしても、自分が納得しないものは絶対に描かない。テーマを無視した展開主義に陥ることがなく、「萩原さんのフィルターを通していれば大丈夫」という信頼感があります。実写で例えると、アドリブ上手な演技派。どんな脚本でも、萩原さんが演じると絶対に萩原さんの作品になる。そんな漫画家さんです。

ーー表情豊かな古都や娘・美也の目とは一転、晃介は死んだような目をしていますよね。それにはどんな意図が? あの目が恐怖感を煽り、ゾクッとします。言葉を発しなくても心情がリアルに伝わるというか……。

そこが面白いところなんですが、萩原さんのセンスですよね。はじめは、おそらく無意識でそう描いてたんだと思います。最初の原稿があがったとき、僕も「晃介の目、もうちょっとちゃんと描いたほうがいいんじゃないですか?」と言ったんです。でも、結果そこを面白がってくれる読者が多かった。

ーー本作の見どころは? 意気込みになってしまいますが、このふたりの関係性って、読む人によっては、最終的にどんな結論に至ろうが気持ち悪い話なんです。人の考えを0から100に変えることは難しいけれど、そんな拒否反応のある人にも「こういう生き方も否定できなくない?」という問題提起の小さな種になるよう、説得力のある結論に向けて進めているところです。

ーー批判的な意見に関して、どう捉えていますか? 批判的な意見があるのは当然です。現実世界に重ねて見たら、どう考えても気持ち悪い話だと思います。でも、だからといって、最初からシャットダウンしてしまうと議論に至りません。「気持ち悪い」の一言で終わらせない。タブーを踏み越えてどこまで歩いていけるかという挑戦でもあると思っています。

ーー今後の展開を教えてください。 娘・美也、会社、晃介の両親、古都の母など、ふたりの間に立ちはだかる果てしなく高いハードルを、どのようにして乗り越えていくのか。現実の世界であれば、駆け落ちのようにすべて投げ出すという選択肢もありますが、それこそ批判的な人たちからすると「気持ち悪い」で終わってしまう。ひとつ言えるのは、なにも解決しないまま終わることはないということ。ふたりの関係が「成就」するにせよ、「終わる」にせよ、登場人物たちが前を向けるエンディングになると思います。 本作を読んで「気持ち悪い」と思うなら、なぜそう感じるのか? 必要なのは、自身の感情に問いながら本質を探ること。なんでもかんでも「きもい」の一言で終わらせてしまうネット社会が生んだ風潮に、議論する大切さを教えてくれる作品だ。

取材・文:大森奈奈 FRIDAYデジタル 〔2020年2/19(水) FRIDAY〕

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コジママユコ 「それだけは言ってほしくなかった」不登校だった母の内面、漫画に 描きたかった「逃げた先」にあるもの
コジママユコさんの漫画「娘と私の学校」=コミチ
「学校に行きたくない」。それは、不登校を経験した母親が恐れていた言葉でした。「娘には それだけは言ってほしくなかった」ーー。学校に行かなかったから困ったこと、負い目になっていること、過去の出来事に心を痛める中、娘を訪ねてきたスクールカウンセラーを通して、母の救いになったこととは……。マンガのSNSを運営するコミチとwithnewsがコラボし、「#ミライの学校」をテーマに作品を募集。大賞に決まったコジママユコさんの作品には、勉強する機会を守りたいという思いが込められています。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子) 【マンガ本編はこちら】「それだけは言ってほしくなかった」不登校だった母の本当の気持ち 泣く娘を前に…
コジママユコさんの「娘と私の学校」
「おかぁさん……がっこう…いきたくないよぅ…」
娘が口にした言葉は、この漫画の主人公であるお母さんが、ずっと恐れていたものでした。戸惑いを隠しきれないまま、「学校行かないと将来大変だよ」と語りかけます。漢字や算数を引き合いに、「みんなが知っていることを知らないと 損することたっくさんあるんだよ」と娘を諭します。
母の気持ちがこもるのは、自らが経験してきたことだからです。学校でいじめに遭い、不登校に。中学卒業後はバイトをしながら定時制の高校に通いました。しかし中卒の時給は安く、定時制高校でも勉強の遅れを実感し、居心地の悪さから遠ざかってしまったのでした。
「本当は心理学の勉強がしたかった」秘めた夢も叶わず、授かった娘をひとりで育ててきました。
そんな中、スクールカウンセラーの「水沢さん」が娘を訪ねてきます。「今はゆっくりお家で過ごしましょう」と話す水沢さんに、母は「でも先生 それじゃ将来…」と焦りをにじませます。
「授業の遅れについては…オンラインで補いましょう」。水沢さんが提案したのは「オンライン学習」。実はこの作品の中では、年齢や国籍にかかわらず、さまざまな事情で学校に通えない人たちが、インターネットを通して教育を受けられるシステムが生まれていました。
予想していなかった展開に、「たとえばですけど 私みたいな年齢でも?」と訪ねる母。笑顔で「はい」と答える水沢さんに、母は泣き崩れてしまいます。心の中にあった「学校なんかくだらない 大嫌いだった」という気持ちに向き合います。
「でも 学校に行きたかった」
「逃げてもいい」のその先に
漫画「娘と私の学校」の作者・コジママユコさんは、「学校に行けなくなった後、勉強の機会を失った子どもたちがどうしたらいいかについて考えたかった」と話します。
コジマさんはこれまで、学校や家に居場所がない子どもを主人公に、そこにある苦しみや救いを漫画で描いてきました。近年、メディアやSNSなどでも「学校がつらいのであれば逃げてもいい」というメッセージが盛んに発信されるようになりました。しかし、それに対する意見や不安の声もあるのも事実。作中でも、母親のセリフとして語られています。
「漢字読めないと困るし 算数できないとお買い物もできない 社会の仕組みとかもさ」「みんなが知っていることを知らないと 損することたっくさんあるんだよ」
コジマさんが丁寧に扱いたかったのは、いじめなどさまざまな事情で学校に行けない/行かない子どもたちの教育を受ける権利です。ニュースなどで、読み書きや計算などの学力が十分に身につかないまま中学を卒業した「形式卒業者」の存在や夜間中学校の取り組みを知り、勉強の機会として「オンライン学習」を作中で描きました。「オンライン学習はひとつの方法でしかないのですが、選択肢があることが大切だと思っています」
勉強することは、自分を肯定すること
コジマさん自身は不登校ではありませんでしたが、中学時代、目的がわからないルールや当然のようにある連帯責任など、学校の管理体制に窮屈さを感じていたといいます。「おかしいな」と思ったことを、口に出せない雰囲気にも息苦しさがありました。
しかし、大学で芸術や哲学を学び、多様な価値観に触れたことで、コジマさんの気持ちに変化が生まれました。「学問の特性もあって、大学で授業を受ける意味にさえも疑問を持って考える人もいました。これまで空気を読んで抑えていたことも、『言っていいんだ』っていう感じることができました」。学校のものさしだけじゃない、広い視野を持つ機会が必要だったのです。
「私にとっては、勉強することが自分を肯定することにつながりました」
だからこそ、学ぶ機会の大切さが身に染みています。「当時の私のように、苦しんでいる子がいたら」という思いから、コジマさんは「できれば学校や社会が変わってほしい」というメッセージが漫画に込められています。
コジママユコさんのTwitter:@cotori9
     ◇
不登校の小中学生の人数は年々増えており、2018年度は16万人超で過去最多となりました。不登校の子どもの教育については、2016年に「教育機会確保法」が成立。学校以外での多様な学びの場を支援する方針が盛り込まれ、子どもの「休養の必要性」も明記されています。2015年には、夜間中学校に「形式卒業者」が入学できるように、文部科学省が全国の教育委員会に通知を出しています。また2019年には、フリースクールなどの学校以外の施設で学ぶ不登校の子どもを「出席」扱いにする通知を出しました。一方、適応指導教室など学校外の施設や機関で相談・指導を受けた不登校の小中学生に占める割合は34.1%、学校内では48.4%にとどまっています(2018年度)。
〔2020年2/13(木) withnews〕

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貧困シングルマザー シングルマザー支援から見えるこの国の現実【極限メシ】 子どもの貧困率は全国平均で1/7 子どもの貧困率は全国平均で7人にひとり。その多くが、離婚し母親だけで子どもを育てる、いわゆる母子家庭だ。 今回の極限メシでは、国内の貧困に目を向けてみる。話を聞いたのは、貧困シングルマザーの支援を行うNPO代表の山崎ちぐさ(仮名)さん。彼女が活動する西日本の中核都市は生活保護が20人に1人、所得水準は周囲の府県の中でも低水準に留まっている。正確なデータはないが、シングルマザーの数も周囲の市町村に比べて多いと言わざるをない状況だ。 彼女はなぜ貧困家庭に手をさしのべるのか。「食料支援」を軸とした活動の中身はいったいどうなっているのか。そこからどんな現状が浮かび上がってくるのか──。

※プライバシー保護のため、取材対象者およびエピソード中の登場人物の個人情報は伏せてあります。ご了承ください。 ※写真はイメージです SNSを活用 支援先はSOSをくれたシングルマザーたち

──実は私自身が関西出身で、木造モルタル造りの小さな住宅がひしめく密集地帯で育ちました。そのとき隣に住んでいた人たちは40年以上経った今もずっと繋がっていて、貧しい庶民同士の助け合い精神みたいなものが当時はすごくあったように思います。山崎さんの活動の動機もそれと共通したものがあるのではないでしょうか。 山崎さん(以下敬称略):そうですね。昔、近所にいたおばさんみたいな存在に私もなりたいというふうに考えています。煮物とかの料理を持って行ったりはできないけど、お菓子やカップ麺を送ったり。「子どもと一緒に開けています」とか返事が来たら私もうれしくなりますし。

──やっぱりそうなんですね。活動の拠点にされているNPOはいつ頃から始められたんですか。 山崎:NPOを立ち上げる前、児童養護施設で働いていました。そこには児童虐待を受けて保護されたり、両親が覚せい剤で逮捕されたりといった理由で育てられなくなった子どもが預けられていました。あるとき、「先生の家に行きたい」と言われて、あまりの不憫さに私自身が不安定になったり……。4年間の勤務で、本当にいろいろなことがありました。

──なるほど。そうした場所での体験が現在の活動の下地になっていると。 山崎:その通りです。それで、主な活動内容ですけど、ひとり親世帯への食材支援が中心で、今は約10世帯に月1万円以下分という、支援をさせていただいています。あとはご家庭の悩みを聞いて問題解決のために動くこともありますね。支援の希望をしてくださるのは、私のブログやSNSを見て「助けてください」とSOSをくれたお母さんたち。一回面談をさせてもらった後に支援を開始します。 過去を思い出すのが辛くて面談ができない

──現在の支援先はどんなご家庭なんでしょうか。 山崎:約10世帯のうちほとんどは子どもが1人。喘息持ちのお子さんがいたり、お母さん自身がメンタルをやられていたり、それぞれが何かしら困難を抱えています。共通していえるのは、どの家庭も主に「不仲」という理由から実家とのつながりが切れてしまっているということです。

──確かに離婚後は実家の支援なしでは苦しいだろうなと思ってしまいます。お母さんたちの収入も決して多くはないでしょうし。 山崎:家庭の月収は7~12万円。子育て中で、この収入はやはりキツイですよね。本来ならば元のご主人から養育費をもらいたいところを、すべての世帯とも一銭ももらえていないのが実情です。父親と子どもとの面会も実現していません。

──養育費が払われないから面会させないのか、それとも離縁後、疎遠になったことで実現しないのか……。 山崎:別れた経緯については無理に伺ったりはしません。なので、はっきりとは申し上げられませんが、疎遠になっていることは間違いありません。個人的な経験から、養育費を支払っている人の方がずっと多いと思っていたんですが、逆なんですね。支払っていない人の方がずっと多いし、面会も実現せず縁が切れているケースの方が多いんですよ。

──私自身が子どもと別れて暮らしていますが、養育費も払うし、娘とはたまに一緒に過ごしています。とはいえ、そういったお話を聞くとたまらない気持ちになってしまうんですよね。 山崎:養育費の申請をお手伝いをするケースもあります。無料法律相談に同伴もしますし。相談者がお母さんひとりだと、ご主人のことを話すだけで、辛すぎて過呼吸になってしまうこともあったりするので。

──思い出したくない記憶をしゃべるのは誰だって辛い。 山崎:まさに仰る通りです。トラウマが重なるとなおさらそうなります。 節約→貯蓄→保護打ち切りのケースも 生活保護打ち切りの理由は「貯蓄」

──さきほど、各家庭の収入をお聞きする中で、月7万円という数字もショッキングでした。とてもじゃありませんが、生活が成り立ちませんよね。 山崎:そうですね。実際、そのお母さんには生活保護の受給申請を勧めたことがあるんですが、彼女は「以前は2年間生活保護を受けていた」と言うんです。その家庭には子どもが3人か4人いて、毎月30万近くもらえたので、受給前と同様に節約して、あまった分を貯金して暮らしていたと。そしたら、生活保護を止められてしまったそうなんです。「生命保険がかけられないので、何かあったときのために貯蓄していた」と説明したけどダメだったって。

──月30万が、いきなり0円に? それはあまりに酷な。 山崎:そのとき、保護課の担当者がひんぱんに家の中を見に来たり、子どもに「お兄ちゃんアルバイトしているのかな」と聞いてきたりして、お金の出入りを事細かくチェックされたそうで。彼女はそういうやりとりにほとほと嫌気がさしていたそうで、「切れてよかった」ってせいせいしていましたが。

──なんのための福祉なのか、と言わざるをえない。 山崎:あるご家庭は、ご主人が西洋人で、以前はご主人の祖国で暮らしていたそうです。でも、ご主人がまったく働かなくなって奥さんの稼ぎだけで家族が生活する状態になってしまった。それで子どもが立てるようになったころ、日本へ逃げて帰ってきたと。ただ、猛反対を押し切って結婚したせいか、帰国後は自分の実家には頼れなかったそうです。

──せめて養育費さえ受け取れれば……。 山崎:養育費以前に、そもそも音信不通なんですね。 離婚時に養育費はもちろん、誕生日やクリスマス、入学時などにまとまったお金を払うという取り決めをしたにも関わらず、最初の月に半分くれただけで、あとは連絡ひとつくれない。そんな感じだからでしょう。そのご家庭にキャラクターのふりかけを送ったところ、全部食べてとっくになくなっているのに、娘さんはその容器をずっと大切に持ってくれているって聞いて。こういうときに「やっててよかった」と思います。 子どもの貧困はすなわち親の貧困

──いろんなケースがあるとはいえ、やはりパートナーとの関係性がひとつのポイントになっているような気がします。 山崎:支援しているうちのひとりは、ご主人に殴られて子どもと裸足同然で家から出ています。真冬の時期にですよ。実家までも遠い。そのお母さんから家を出た直後に連絡があって。たまらず「○○市に行けば母子寮があるよ」って教えたら、最終的にはそこに落ち着けました。彼女は志が高い人なので、「2年で(元の町に)戻る!!」と宣言して、実際戻りましたが、母子寮にいる他のお母さんは、どっぷりはまっているというか、ぎりぎりまで居ようという感じだったようですね。

──DV家庭に共通してみられる傾向があるとすれば? 山崎:共通しているのは「旦那さんの仕事が続かない」ということでしょうか。宅配の仕事をするために借金してトラックを買ったけども、結局続かなくて借金だけが残ったりとか。

──やはり経済的な苦境って大きな理由になるんですね。 山崎:子どもの貧困って、そのまま親の貧困なんです。子どもを助けてもお母さんに時間と経済面でのゆとりがなかったらダメ。月々の生活で精一杯なんですから。子どもたちの教育に対する投資とかを考える余裕がまったくない。 言うまでもなく、貧困とは「単にお金がないこと」ではない。自分の生活を省みる時間も気力もなく、ましてや改善する手立てがない状態のことだ。 子どもは常にサインを発信している

──今、こちらの自治体ではそういう、貧しすぎて生活自体が困難な家庭ってどれくらいあるんでしょうか。 山崎:市が把握しているケースで困難な家庭が70世帯あるそうです。そのうちの8割がひとり親。学校とかから「毎日同じ服を着ている」とか、不登校になっているとか、子どもがお母さんの面倒を見ているとか、そういう情報で分かったりするようです。

──注意深く子どもを見ていると、やはり何かしらのサインを発していると。 山崎:ただ、意外ですけど、役所が今一番大変だって言っていたのは父子家庭なんですよ。奥さんが急死されて、あまりお金には困っていないんだけど、家の中がもうぐちゃぐちゃ。私たちが訪問すると「役所の頼りになんかなるか」って言われて拒絶される。だからうまくコミュニケーションをとれない。パンフレットを渡しても、一切連絡が来ない。で、子どもが学校に行ったり行かなかったり。

──それは経済的問題でなく、生活の質が下がったがゆえだと思いますが、いずれにせよ子どもの成長には影を落とすでしょうね。 山崎:問題を抱えた家庭の子たちに進学を諦めるケースが多いですよね。でも、子どもは「それでいい」って言うことも多い。お母さんが辛い思いをするのが嫌だからって。私はそれを直接聞いたとき、つい号泣してしまいました。

──環境はやはり大きいですよね。仮に富裕層の住む地域なら、名門校に通うのが当たり前になるわけで。 山崎:この地域は貧困家庭も多く、学力も低いんですが、ウチの市の意識調査によると、他の市区町村に比べて将来に夢を持っている子の割合は多いらしいです。これには本当に驚きました。やる気はあるのに、大人になっていくうちにそれがうまくいかなくなっていくんだなって。 学校給食が「唯一の栄養摂取」

──ところで、今回いちばん聞きたかったのが、貧困家庭の子どもたちの食事環境や栄養はどうなっているのかということです。何を食べているのか、いやそれ以上に「ちゃんと食べているのか」の方が気になってしまいますが。 山崎:こういう家庭の親たちは働きづめで、帰りも遅い。だから夕食をしっかり作る余裕はあまりなくて、総菜を買って帰ることが多いんですね。自炊するのが一番安いし、内容面でも栄養面でも理想なのかもしれませんが、作っている時間がない。結果、節約することができない。その分、お母さんたちは、「あのスーパーでは惣菜が夜になると〇割引きになる」といった情報に関してはすごく詳しいですけどね。

──お得情報も大事だけど、たまには温かい手料理も作ってあげたらと思ってしまいます。 山崎:支援先のケースで、そこの子はもう高校生で時効だから話しますけど、小学生の頃は「給食で全部食べてきて。家に帰ってきてからも食べるものがないからおかわりいっぱいしてきて」と親から言われたそうです。ということは、毎日食事はお昼の1回だけ。給食がない夏休みとか冬休みはまったく食べられない。

──育ち盛りにとっては、これほどきつい話もない。 山崎:まぁ、そこまで極端な子はそういません。だけど、朝起きたときには、親はすでに働きに出てるから、ひとりで支度して学校に行って、家に帰ってきたら、母親が用意した惣菜を電子レンジで温めて、ひとりで食べて、ひとりで寝て……という、独居老人じゃなくて独居児童は把握しているだけで何人かいますね。心配なのは、そういう子の家が不良の溜まり場にならないか、ということですけども。

──発展途上国の飢餓と違って、非常に可視化されにくい部分でジワジワ状況が悪化していくような感じがしますね。つながりの欠如が引き起こす危機というか。 山崎:だからね、お金がないだけだったらそんなに貧困でもないわけです。実家とか友達とかとつながっていたり、近所のおばさんが「これ食べて」「お米届いたからどうぞ」とか声をかけてくれたら全然違うと思うんです。私が支援しているご家庭は実家とのつながりがないからね。中には毒親みたいなおじいちゃんおばあちゃんもいるだろうけど、そういう方は子どもとの縁が切れたまま孤独死するというケースもあるようです。 子ども食堂には恥ずかしくて行けない ──ここ数年で「子ども食堂」という存在がメディアでもよく取り上げられるようになりました。こちらの近所にもあったりするんでしょうか。 山崎:いくつかあります。私自身は子ども食堂は直接携わっていないんですが、ときどきボランティアで手伝いに行ったりしているので、ある程度事情は知っています。どこも、運営方法はバラバラですね。子どもが無料で、大人が来る場合は200円とか300円取ってたりとか。普通の食堂の営業時間外の午後2時~5時にやっているところもありますし。一方で月1回というペースでやっているところもあります。

──運営は大変ですよね、やはり。 山崎:JAさんが余った野菜をそれぞれの子ども食堂で均等に分けていたりしますね。そういう寄付がないと確かに成り立たないとは思います。

──どんな子が子ども食堂を利用しているんですか。 山崎:全体から見たら利用してるのは経済的に困っていない感じの子が多い、というのが印象ですね。そこは親が恥よりも「タダだから」ってことで行かせるみたいですが。

──ということは……あんまり役に立ってない? 山崎:そんなことないですよ。実際、それで助かってる子もいます。私が知っている小学校高学年の男の子のケースがそうです。お母さんがずっと働いていて、起きたらいつもおにぎりが一個だけ置いてあって、親が夜帰ってくるまでそれだけで過ごさないといけないという。

──おにぎり一個では、明らかに足らないでしょうね。 山崎:もちろんです。だから、子ども食堂ができたおかげで、おにぎり以外にも食べられるようになったんです。そこは冬休み夏休みとか、給食のない休みの時期にやっているので、その子なんかはそこで食いつないでるわけですよ。

──なるほど。 山崎:その子には高校生のお兄ちゃんもいるんですが「お兄ちゃんも来ていいのかな」って店主に聞いて一緒に来たりとか、余り物をタッパーにつめて持たせたりしているようですね。ただ、食堂の人が「帰り道が危ないからついて行こうか」って言ったら、遠慮するみたいで。

──なんとも切ない。ただ、そういう親だったら、人様に頼るなとか恥かかせるな! とか言って怒りそう。 山崎:そうなんです。万事そんな感じで大人になっていくので、自己肯定感も育ちにくいし、学校ではどんどん落ちこぼれていく。

──山崎さんが支援するご家庭のお子さんは利用しているんですか。 山崎:勧めてみたんですが、「私は確かに困っているけど、そういうところには行きません」って言われて。どうしても恥だという意識が消えないみたいです。 支援活動の難しさを感じるとともに、どうにももどかしさを覚えてしまった。人様に迷惑をかけない、いわば「恥の意識」は確かに美徳ではあるものの、ときにより困難な局面を呼び込みかねない。親のプライドの犠牲になるのは、子どもたちなのだから。 依存を嫌う母親ですら食べ物は拒否しなかった

──山崎さんご自身のお話をうかがえたらと思います。そもそもこうした活動を続けるのは、児童相談所での経験以外に、ご自身の生い立ちも関係あったりするのでしょうか。 山崎:私は母子家庭で育っていて、その経験はやはり原点になっています。両親は小学4年のときに離婚して、母の方に引き取られて。母親は絶対に人様に迷惑をかけることだけはしたくないっていう人で、生活保護は受けず、お昼の仕事と夜のスナックの掛け持ちで働きに出ていました。家計は苦しかったですね。中学のバレーボール部で必要なサポーターとかウェアが買ってもらえなくて、勝手にこっそり親の財布を開けてみたら500円しか入っていなかったことがあります。

──親の世代だと、やっぱり人に頼ることをよしとしないんでしょうね。 山崎:近所の人が、私や弟の「面倒を見とくよ」と申し出ても拒絶するくらいで。ただ、肉じゃがとかの惣菜を入れて持ってきてくれた分は喜んで受け取っていましたね。勤め先のスナックでもそう。一品料理のおばんざいみたいなものをカウンターに並べるようなお店だったんですけど、ママが里芋とかをタッパーに入れて持って帰らせてくれたりして。母親は喜んでもらってきて、私らに食べさせてくれました。

──父親との縁はそれっきり? 山崎:私は父親に会いたがったんですが、母親がなかなか許してくれなくて。23歳になってやっと再会しました。ただ離婚後、お酒とタバコを始めて、還暦近くで癌で急死したんです。亡くなったとき、父親のカバンには、私が送った年賀状が入っていたそうです。

──とすると支援活動を始めた動機は、自分自身の経験がやはり大きいんですね。 山崎:そうですね。生活保護を拒否し、他人に頼ろうとしなかった母親が、食材だけは受け取ったことがずっと自分の中にありました。それに私自身、勤め先のスナックとか近所のおばさんがタッパーにつめてくれた肉じゃがの味が忘れられなくて。それで私も近所のおばさんの代わりになれたらと思ったんです。 情弱に陥らないために ──ご自身の体験から、食べ物の記憶が鮮明に残っているのがよく分かりました。

山崎:そのころ関わっていたフードバンクで起こったできごとにも背中を押されました。ある男性がやって来て「給料日まであと5日あるけど、食べるものも、それを買うお金もない。自分は食べなくてもいいが娘二人にはご飯を食べさせたい」って頭を下げたんです。当時のフードバンクは施設とか団体が対象だったんですが、相談員たちが話し合って、「これはいくらなんでも非常事態だから」と、とりあえず3日分の食材を提供したそうです。それだったら、個人に直接渡すのが効率的じゃないですか。

──明日食べるものがないという人間にとっては切実な問題です。 山崎:今後は食料支援の規模拡大とともに、お母さんたちを別の形でサポートしたいと考えています。「自分なんか変われない」とあきらめて新しいことにもチャレンジしない方が多いんですね。自信がないし、つながりもないし、情報もないから、ずっと同じ低収入の仕事をしてしまう。社会はドンドン変わっていくのに、お母さんたちは年収アップしないまま。これは本当にもったいない。だからスキルアップのお手伝いができたらと思っています。

──まさにそこですよね。情報に貧していることがすべての原因になっているという。 山崎:毎月食材を送るだけじゃなくて、貯蓄の方法とか、やりくりの上手な方法とか、生活で役立つ情報を提供できると理想的ですよね。 これからも貧困にあえぐシングルマザーの支えとなっていく。山崎さんの表情からはそんな強い意志がうかがえた。と同時に、彼女の活動もまたいろんな面でサポートや控除が必要なのではないだろうか。私も陰ながら、山崎さんの支えになりたいと思っている。 ◇書いた人:西牟田靖 70年大阪生まれ。国境、歴史、蔵書に家族問題と扱うテーマが幅広いフリーライター。著書多数。

※記事内の価格は、原則総額表示です(一部、税抜表示あり)。 ※『メシ通』は、記事広告を一切取り扱っておりません。 ※掲載内容は、投稿当時の情報です。細心の注意を払って運営をしておりますが、当該情報について、その有用性、適合性、完全性、正確性、安全性、合法性、最新性等について、いかなる保証もするものではありません。ご自身の判断と責任において本ページをご利用ください。 〔2020年2/13(木) メシ通〕

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女子高生の自分の「価値」 愛情に飢えた女子高生、自分の「価値」求めホテルに 「自分が必要とされている」。そう思える一瞬を求め、女子高生はホテルに向かう=1月28日夜、宇都宮市内 あたしにはそれだけの価値がない-。 会員制交流サイト(SNS)で知り合った男たちと性交渉を繰り返す県南の高校3年の女子生徒は、「もっと自分の体を大切にした方がいい」というスクールカウンセラーの言葉にそう答えたという。 「ブスだし。あたしなんて相手にしてくれるのは、そこしかないんだよね」 18歳。そこまで自分をおとしめざるを得なかった彼女のこれまでの日々を思うと、「こっちの心まで寒くなった」とベテランのカウンセラーは振り返る。 「お母さんとうまくいかないんだ」 当初、面接でそんな悩みを話していた女子高生が、顔も知らない40、50代の男性と頻繁にホテルへ行くと打ち明けたのは、半年近くたったころだった。不特定多数の人と簡単につながるスマートフォンの出会い系アプリから、無料電話を利用するという。 週末、ホテルを指定して「おじさん」に会いに行く。金銭は介在しないが、甘い関係にもならない。暴力を振るわれたり、精液を飲むことを強制されたり、大抵は嫌悪感で終わる。 「だけど、こうでもしないと誰も誘ってくれないし」    ◇   ◇   発達のでこぼこがある女子高生は、親にとって育てづらい子だったのかもしれない。小さい頃から彼女には安心できる居場所がなかった。 ささいな失敗でも母親から叱責(しっせき)され、時には無視された。常に母親の顔色をうかがい、人目を気にし、それでも「死んでくれない?」とまで暴言を吐かれる彼女の闇。 ホテルでの性行為だけ。同じ人とは二度と会わない。トイレで吐くというほど嫌なこともされる。なのに、なぜ会いに行くのか-。 カウンセリングを続け、落ち着いてきたかと思うと、「またやっちゃった。ごめんなさい」の繰り返し。 「自分が必要とされていると思える一瞬を悲しいほど求めている。男にとったらホテル代だけ。こんなおいしい話はないですよね」。ベテランのカウンセラーでも、この先の道のりの険しさに嘆息を隠せない。    ◇   ◇   とちぎメディカルセンターしもつが(栃木)小児科の杉田憲一(すぎたけんいち)医師は、「成長の過程で、親など特定の養育者と愛着形成ができなかった子は、優しさに憧れ、知らない相手にも簡単に付いて行ってしまう傾向がある」と語る。  一方で-。SNSで居場所を探す子どもたちは、時に加害者にもなり得る。  不登校が続いていた県央の中学2年の男子生徒は、スマホを手に入れた途端、LINE(ライン)に夢中になった。手当たり次第友人にメッセージを送り、反応のない相手には怒りをぶつける。 怒りはやがて、衛星利用測位システム(GPS)を利用し女の子を待ち伏せするというストーカー行為にまで発展してしまった。 一人親家庭で育った男子生徒は、SNSで誰かとつながるのがうれしかった。多忙な母親は仕事後も出歩くことが多く、彼の食事は小さい頃からずっとコンビニ弁当だった。 杉田医師は、現場の危機感を明かす。「虐待や脆弱(ぜいじゃく)な家庭環境での生活(逆境的体験)は、愛着障害などとなって、小児期の問題行動に限らず、成人期の心身にも影響する。そういう子は確実に増えています」

(子どもとSNS取材班) 【トモダチの顔は知らない~とちぎ・スマホ時代の子どもたち~】 〔2020年2/20(木) 下野新聞SOON〕

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学校に行きたくない! 「学校に行きたくない!」という子どもに親ができる、声かけの3ステップ 「学校に行きたくない!」朝の忙しい時間帯に、子どもの口からこのような言葉が出てくるとヒヤッとしますよね。 筆者には3人の子どもがいますが、長男である小学1年生の息子は度々「学校嫌だ!」「今日は休む!」といって親をヒヤヒヤさせてくれる天才でもあります。 今回の記事では、子どもが「学校に行きたくない!」と意思表示してきたときに、親に何ができるのか考えていきたいと思います。 ステップ1「子どもの話に耳を傾ける」 子どもが「学校に行きたくない」といってくるときには、多くの場合「学校に行きたくない理由」が存在しています。 例えば「勉強が難しくてつまらない」「友達と喧嘩している」「担任の先生が怖い」など、大人にとっては「そんなことで…」と思うような理由であっても、子どもたちにとっては大事件だったりします。 親にできる最初のステップは、まずはそういった「子どもの心の内側に寄り添ってあげること」ではないでしょうか。 「何で行きたくないの?」「何かあった?」など、まずは優しいトーンで子どもの心の内をヒアリングしてみてください。 学校に行きたくない理由があるにも関わらず、親から「学校に行きなさい!」「何が何でも行きなさい!」などと強く言われてしまうと、子どもは『自分の話を聞き入れてもらえない』と心を閉ざしてしまう可能性があるので注意です。 ステップ2「どうしたらいいのか一緒に考える」 例えば我が家の長男の場合は、学校に行きたくないと感じる日には数パターンの「決まり」があることに気づきました。

ひとつは「月曜日」、もうひとつは「行事ごとがある日」。たまに「昨日先生と喧嘩したから」などという理由の日もありますが…。 我が家では、多少時間がかかっても学校に遅刻しても、子どもの「行きたくない理由」にしっかりと向き合う努力をしています。 「どうしたら学校に行けるのか」について親子で考えることで、さまざまなアイデアが出てきます。 ・給食までにお腹が減ってしまって待てない!  →じゃあ、学校に電話しておにぎりを持参してもいいか聞いてみる?  ・算数が嫌だ!  →そっか~。でも算数ができたらお金の計算も早くなるよ! そうしたら自分の財布を買って好きなもの自由に買えるんだけどな~。あっ! 算数だけじゃなくて○○の好きな音楽もあるよ~!  ・6時間授業が長くて嫌!  →じゃあ、6時間頑張ったご褒美に、今夜はお寿司でも食べに行っちゃう?  我が家ではこのような会話で息子に楽しそうな未来を連想させ、「学校に行きたくない」気持ちを少しずつフェードアウトさせるように意識しています。

一方的に「何言ってるの! 学校に行きなさい!!」と強制されるよりも、「自分の気持ちに寄り添ってもらえること」は子どもとしても嬉しいのではないでしょうか。 ステップ3「午前中だけでも学校に行くように促してみる」 ステップ1~2を駆使しても断固として学校に行きたくない場合は、学校で何か嫌な目にあっていたり体調が悪かったりするのかもしれません。 発熱や嘔吐などの目立った体調不良がない場合は、午前中だけでも学校に行くことができないか、子どもと話し合ってみるのもいいでしょう。 我が家の長男は小学校に入学当初、初めての環境に戸惑い、かなりのストレスを溜めていました。 そのせいで数週間ほど不登校になった時期があったのですが、とにかく「朝はしっかりと学校へ向かう」ことを意識していました。 朝は「学校に行きたくないな」と思っていても、実際に学校に行って先生や友人と触れ合うと、何だかんだ1日が終わっていたりするものです。 もちろん本当にダメな日もあり、途中で迎えに行った日も数え切れません。 あまりに「学校に行きたくない!」が続くのであれば、まずは半日でもいいので学校に向かわせつつ、担任や校長、必要があればスクールカウンセラーに相談してみるといいでしょう。 子どもの「主張」には訳がある! 子どもが学校に行きたくないと強く思うには、それなりの理由がある場合がほとんどです。 その理由をろくに聞きもせず、親の要求ばかりを子どもに押し付けるのは、如何なものかと筆者は感じてしまいます。 筆者のスタンスに対して「それは甘やかしだ!」「子どもは学校に行くのが仕事だ!」とお叱りを受けることもありますが、少なくとも筆者の子どもたちは「自分の気持ちをしっかり聞いてくれるお母さん」が大好きな様子です。 躾と甘やかしのボーダーラインは人それぞれ異なりますし、子どもの性格や特性によっても適切な接し方は変わってきます。 しかし、どの子どもたちも「大人に話を聞いてもらいたい」「気持ちに寄り添ってもらいたい」という思いがあるのです。 子どもの気持ちに「従う」のではなく、まずは純粋に「なぜそう思ったのか?」「あなたはどうしたいのか?」と聞いてみてください。 大人が「聞く姿勢」を整えることで、子どもたちは目を輝かせながら「あのね!」「あのね!」と話し始めてくれるでしょう。 木戸 あゆ美 〔2020年2/20(木) LIMO〕

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桜井智恵子 自己責任論、母親生きづらく 子育てに圧力「疑問の声上げて」 関西学院大・桜井智恵子教授に聞く 「地域保育スタッフ」養成講座で母親が心的圧力を感じる社会の現状などについて話す関西学院大教授の桜井智恵子さん=大阪府吹田市 29日に熊本市で開かれる「PTAフォーラム」。虐待やいじめ、不登校、PTAとさまざまな問題に向き合ってきた関西学院大教授の桜井智恵子さんはパネリストの一人だ。フォーラムを前に桜井さんを訪ねた。 「一番怖いのは、母親が自分で自分を見張るようになることなんです」。1月下旬、大阪府吹田市であった子育て中の母親らを支える「地域保育スタッフ」養成講座で、桜井さんが語りかけた。 桜井さんは著書「市民社会の家庭教育」(信山社刊)で、母親が歴史的に「個人化」され、「生きづらさ」を感じさせる社会構造を分析した教育社会学の専門家だ。

著書は、高度経済成長期の考察から始まる。核家族化が進行するとともに都市労働者の所得水準が上がり、多くの母親はわが子がサラリーマンになるのを望んだ。学歴を求め「教育ママ」という言葉が世の中を走る。中流層の少年犯罪も激増し、国家は対策を家庭に求め、母親の責任が増していった-と分析している。 講座後、桜井さんは自己責任論が、母親が感じる心的な圧力を強め、孤立化させてきた歴史的、社会経済的な背景を、こう解説してくれた。 「『家庭の教育力の低下』が指摘され始めたのも、この時代。共に生きる手段としてあったはずの子育てが、資本主義を成立させるための人材づくりと位置付けられた。そして親も、子どもも『自己責任』での問題解決を迫られ、自らも迫るようになっていった」 近年、その圧力は増しているという。 2006年施行の改正教育基本法で初めて「家庭教育」の条項が入った。経済成長期の議論でさえ「法律で命ずべきものではない」と見送られてきたが、改正法は「保護者は子の教育について第一義的責任を有する」と明記する。これを桜井さんは「政策による家庭介入の進行」と「政策の新自由主義化」と言う。 自己責任の社会の中では、「母親は子どもの学校でも『はみ出した存在になってはいけない』という意識が強くなる」。PTAでも指摘される「同調圧力」がそれだという。 PTAを巡り、「参加を強制された」「役員決めが不安」などの訴えは絶えない。「できないことを無理やりやらされることが自分にも、子どもにも良いはずがない。だからと言って、PTAに一生懸命な人と対立して、分断を生むだけでは何も解決しない」と桜井さん。 日本PTA全国協議会は宣言で「家庭教育の充実に努める」としている。桜井さんは、国の政策に沿ったような組織のありさまに疑問を投げかける。 「同調圧力を生み、自分たちの首を絞めるような政策にくみする流れを無意識に受け入れていないか。親が思考停止になるのではなく、社会と経済の構造を捉え、おかしいことに声を上げたり、そうした人を支えたりすることが大切なんです」 ◇    ◇     ◇ PTAに関わり、やりきれないと思ったのは、本来、わが子に関わることは楽しいはずなのに、「煩わしい」「つらい」と感じさせる現状があること。ただ、人間関係を気にして十分に声を上げられなかった自分自身も、その空気をつくりだしている一人なのではないかと、桜井さんの話を聞き、考えさせられた。(原大祐)

◇さくらい・ちえこ 大阪府生まれ。兵庫県川西市の子どもの人権オンブズパーソンや、大津市の「大津の子どもをいじめから守る委員会」委員を歴任。著書に『市民社会の家庭教育』など。 〔2020年2/20(木) 熊本日日新聞〕

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谷澤菜緒 絵画 不登校時心の支えに 谷澤さんが初個展 初の個展に向け「堅苦しくなく楽しい展示会にしたい」と意気込む谷澤菜緒さん 高鍋町在住の谷澤菜緒=ペンネーム・紫色愛(ししょくめ)=さん(24)は21~24日、高鍋町美術館で初の個展「紫木蓮」を開く。谷澤さんは不登校に悩んだ時期、心のよりどころとして絵画を描いていた。今回は最近の作品を紹介。「支えてくれた母の夢だった個展を地元で開催できてうれしい」と喜ぶ。入場無料。 宮崎日日新聞 〔2020年2/21(金) 宮崎日日新聞〕

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フジテレビ系『居場所をください~限界密着…壊れていく子どもたち~』 虐待、いじめ…フジ「日曜THEリアル!」放送 左から尾木直樹氏、北斗晶、松岡茉優、若林正恭、高橋英樹、高橋真麻(C)フジテレビ フジテレビは23日に「日曜THEリアル!『居場所をください~限界密着…壊れていく子どもたち~』」(午後8時)を放送する。

MCを務める松岡茉優

育児放棄、虐待、いじめ、非行、10代での妊娠…などで「居場所」を失い、不登校、引きこもり、非行に走る子どもたちに、熱血先生たちが「居場所」を作りって、24時間、全身全霊で向き合ってゆく姿を描くドキュメンタリー。

元少年院法務教官・武藤杜夫さん(41)は、居場所をなくしてしまった非行少女を一時的にシェルターで保護し、社会更生を手助けする活動をしている。交際相手のDV、母親の育児放棄、義父からレイプ…。武藤さんは「信頼できる大人が1人いるだけで、子どもは立ち直る」という信念のもと、日々、独自のパトロールを続けている。リストカットを繰り返す家出少女。幼少期に育児放棄され、10代から風俗で生計を立てる少女…。孤独と困難を抱えた沖縄の子どもたちに寄り添い続ける姿を追う。

武藤さん自身にも中学時代からの非行やストリートチルドレン同然の生活経験がある。しかし、独学により国家公務員試験に合格。府中刑務所の刑務官、沖縄少年院の法務教官を歴任し、スーパー公務員として将来を嘱望されたが、17年に幹部への昇任を固辞して辞職。「日本こどもみらい支援機構」代表として、講演料や寄付金など自主財源で支援活動を続けている。

「ピースフルハウスはぐれ雲」理事長・川又直さん(65)は、87年に共同生活寮「ピースフルハウスはぐれ雲」を開設した。以来30年以上、規則正しい合宿生活と農業を通じて、不登校や引きこもりの若者たちの自立支援に取り組んでいる。これまで31年間で430人が利用し、社会に送り出してきた。現在13歳~40代まで男女15名が共同生活している。寮生は相部屋で、子ども同士でもまれるうち、自己中心的な考えが改められ、人との程よい距離感をつかめるようになると言う。

中学1年から不登校となった少女は母親とも衝突し、家にも学校にも居場所がなくなり入寮。共同生活をしながら中学にも通いなおすことに。ある日、寮生とのトラブルがきっかけで脱走し、最後の居場所までも失う危機に。しかし、川又さんの対応は「子どもたちを信じ、黙って見守ること」だった。

MCをオードリー若林正恭(41)と女優松岡茉優(25)が務める。若林は「先生と子どもたち、子ども同士もそうなんですけど、じっくり向き合って話をしている姿が印象的でした。スマホやSNSなどが発展していく中で、会って話をして聞いてあげるということが、人間の心の健康にはすごく必要なんだな、ということを痛感しました。大人の方にもその余裕がないということがあって…。大人、親が『自己責任』という言葉で切り捨てられてしまうのはしんどいな、と思いました」。松岡は「今、まさに『居場所をください』と思っているお子さんも見てくれているんだろうな、と思って(スタジオで)話していました。今苦しんでいるお子さんがいたら、1人ということはないと思うから、こういう施設が全国にあるので、どこか頼れるところとライフラインをつないで、どうか生き続けてほしいと思います。この番組を見て、(社会と)関わってくれたらうれしいです」と話している。

パネリストとして教育評論家の尾木直樹氏、高橋英樹、高橋真麻、北斗晶が出演する。 企画したフジテレビ編成メディア推進部の佐竹正任氏は「居場所をなくした子どもたちを、熱血先生たちが時に熱く叱咤(しった)し、時に温かく包み込んで、社会を生き抜く力を与えていく。そんなドキュメンタリー特番として『居場所をください』は06年に立ち上がりました。当時暗い影を落としていた、校内暴力や非行などの社会問題に一石を投じる意欲的なシリーズとなりました。あれから14年、社会はより複雑な問題をはらんでいます。いじめ、スクールカースト、引きこもり、虐待、ネグレクト…大人になっても問題が引き続くケース、社会を震撼(しんかん)させる事件に発展するケースも増えてきました。全ての家族が、ふとしたきっかけで問題の渦中に陥る可能性を秘めた現代。だからこそ、再びこの『居場所をください』が強く求められていると考えました。取材を開始してみれば、子供たちの抱える問題の質はガラリと変わったものの、熱血先生たちと子供たちが日々もがきながら共に戦い成長していく姿は、時代は変わっても全く同じ輝きを放っていました。今回の放送でご紹介するいくつかの汗と涙の物語は、現代を生きる全ての家族にとって、必ずや生きるヒントになると確信しています」と話している。 〔2020年2/21(金) 日刊スポーツ〕

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フジテレビ系『居場所をください~限界密着…壊れていく子どもたち~』 松岡茉優「今、まさに”居場所をください”と思っているお子さんも見てくれているんだろうな」 「居場所をください」に出演する尾木直樹、北斗晶、松岡茉優、若林正恭、高橋英樹、高橋真麻 2月23日(日)に「日曜THEリアル!『居場所をください~限界密着…壊れていく子どもたち~』」(夜8:00‐9:54、フジテレビ系)が放送される。 【写真を見る】社会更生を手助けする活動をしている元少年院法務教官の武藤杜夫さん 同番組は、殻を閉ざし、荒れる子どもたちへの長期密着取材から、子どもたちが人生を激変させる瞬間を捉え、生きる目標を見つけ出し歩み始めるまでを描くドキュメンタリー。 育児放棄、虐待、いじめ、非行、10代での妊娠など、傷だらけの子どもたちがいる。社会とも家族とも関われない、これまでにどこにも居場所がなかった彼らとどう向き合えばいいのか、どうすれば社会復帰させてあげられるのかを考え、親や環境の問題で「居場所」を失い、不登校、引きこもり、非行に走る子どもたちに、熱血先生たちが「居場所」を作り、24時間、全身全霊で向き合う。

■ 元少年院法務教官・武藤杜夫さんに密着 交際相手のDV、母親の育児放棄、義父からレイプなど、居場所をなくしてしまった非行少女を一時的にシェルターで保護し、社会更生を手助けする活動をしている元少年院法務教官の武藤杜夫さん。「信頼できる大人が一人いるだけで、子どもは立ち直る」という信念のもと、日々、独自のパトロールを続けている。 リストカットを繰り返す家出少女や幼少期に育児放棄され、10代から風俗で生計を立てる少女など、孤独と困難を抱えた沖縄の子どもたちに寄り添い続ける姿を追う。 武藤さん自身にも中学時代からの非行、浮浪児同然の生活経験がある。しかし、独学により国家公務員試験に合格。府中刑務所の刑務官、沖縄少年院の法務教官を歴任し、スーパー公務員として将来を嘱望されたが、2017年に幹部への昇任を固辞して辞職。「日本こどもみらい支援機構」代表として、講演料や寄付金など自主財源で支援活動を続けている。

■ 「ピースフルハウスはぐれ雲」理事長・川又直さんに密着 1987年、共同生活寮「ピースフルハウスはぐれ雲」を開設して以来30年以上、規則正しい合宿生活と農業を通じて、不登校や引きこもりの若者たちの自立支援に取り組んでいる川又直さん。これまで31年間で430人が利用し、社会に送り出してきた。現在13歳~40代まで男女15名が共同生活している。寮生は相部屋で、子ども同士でもまれるうち、自己中心的な考えが改められ、人との程よい距離感をつかめるようになると言う。

中学1年から不登校となった少女は母親とも衝突し、家にも学校にも居場所がなくなり入寮。共同生活をしながら中学にも通いなおすことに。ある日、寮生とのトラブルがきっかけで脱走し、最後の居場所までも失う危機に。しかし、川又さんの対応は“子どもたちを信じ、黙って見守ること”だった。

■ 若林正恭のコメント 先生と子どもたち、子ども同士もそうなんですけど、じっくり向き合って話をしている姿が印象的でした。スマホやSNSなどが発展していく中で、会って話をして聞いてあげるということが、人間の心の健康にはすごく必要なんだな、ということを痛感しました。 大人の方にもその余裕がないということがあって…。大人、親が“自己責任”という言葉で切り捨てられてしまうのはしんどいな、と思いましたね。

■ 松岡茉優のコメント 今、まさに”居場所をください”と思っているお子さんも見てくれているんだろうな、と思って(スタジオで)話していました。 今苦しんでいるお子さんがいたら、一人、ということはないと思うから、こういう施設が全国にあるので、どこか頼れるところとライフラインをつないで、どうか生き続けてほしいと思います。この番組を見て、(社会と)関わってくれたらうれしいです。(ザテレビジョン) 〔2020年2/21(金) ザテレビジョン〕

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ファッションと教育の今 「制服は昭和で止まってる」藤原ヒロシ×青田泰明が語るファッションと教育の今 藤原ヒロシが試みる制服のアップデート これまで「ブルガリ(BVLGARI)」「モンクレール(MONCLER)」など数多くのブランドとコラボレーションしてきた藤原ヒロシが、新たにタッグを組んだのは都内の中高一貫校 青稜中学校・高等学校。自身初となる学校制服を監修し、「フラグメント(fragment design)」「ユニフォーム エクスペリメント(uniform experiment)」「ラミダス(RAMIDUS)」と共にアイテムを製作した。今回、プロジェクトの仕掛け人である青田泰明校長代行と藤原ヒロシによる対談が実現。プロジェクトの背景から、学生時代のエピソード、現代を生きる学生たちに向けた話題まで、教育とファッションが交差する話を繰り広げた。

ー今回、藤原さんが青稜中学校・高等学校の制服を手掛けた経緯を教えてください。 青田泰明校長代行(以下、青田):本校が25年ぶりに制服を刷新することになり、デザイナーの方を探していました。青稜は「挑戦」を掲げる学校なので、大前提としてありきたりなものは作りたくない。これまで学校制服を手掛けたことがない方に作ってもらい、挑戦のスピリットが込められた制服を子どもたちに着て過ごしてもらいたいなと。ヒロシさんとの交流は3、4年くらい前から元々ありましたが、どういう方にお願いしようかと考えていたタイミングで丁度お会いする機会があって。

藤原ヒロシ(以下、藤原):僕もラジオか何かで以前から「制服を作りたい」と言ってたんですよね。 青田:「藤原ヒロシが作る制服」って誰も想像できないだろうなと思ったんです。既存の考え方に捉われずに面白いものを作ってもらえるだろうと、ヒロシさんに白羽の矢を立てさせて頂きました(笑)。 藤原:あ、そうなんですか?「制服やりたい」と言い続けたからリクエストが来たのかと思ってた(笑)。

ー青田さんは昔から藤原さんのファンだった? 青田:もちろん。 藤原:絶対そんなことないでしょう(笑)。 青田:いやいや、裏原カルチャーを通ってきた世代ですよ。当時、ヒロシさんやNIGOさんが雑誌に出ているのを見て「かっこいいな」と感じていましたから、今こうして制服をお願いすることになるとは夢にも思わなかったです。人生って面白いですね。

ー藤原さんはなぜ制服を作りたいと思ったのでしょうか。 藤原:制服のデザインって、なんだか昭和で時代が止まってませんか?学生服ってどれも重そうで、ブカブカしているから少しくらいはアップデートするべきなんじゃないかなって。それこそ、「ユニクロ(UNIQLO)」が制服を作れば良いのにと思ってた(笑)。

ー制服をデザインするにあたり重視したことはありますか? 青田:僕からヒロシさんにお願いしたことは、キーカラーにブルーを使って欲しいと言ったくらいですね。あとは「ヒロシさんが作りたいものを作ってください」とお伝えしました。 藤原:制服って基本的に3年間着るので、1年生はみんな大きいものを買いますよね。1年生がブカブカな制服を着ている姿は可愛いらしいですが、もう少しちゃんとした見せ方は出来ないだろうかと考えたんですよね。いくつか選択肢があった方が面白いと思ったので、フーディーやブレザーなど色々な着こなしができるようにアイテムを作ってみたり。

ージャケットやダウンジャケットは、青と白の市松模様が印象的です。 藤原:海外の制服デザインを調べる中で、チェッカー柄がキャッチーで良さそうだなと思い、イギリスのスクールジャケットのようなテイストを落とし込むことにしました。タータンチェックも検討したんですが、アイビーテイストが強くなりそうだったのでやめました。あまり制服の枠からは出たくなかったので、裏地だけに取り入れることにしました。

ーパンツにはDカンが取り付けられていましたね。 藤原:Dカンはユニフォーム エクスペリメントのパンツにいつも付けているものです。学校ではチェーンウォレットは使って良いんですか? 青田:大丈夫ですよ。そこまでジャラジャラさせてませんが、子どもたちは結構使ってくれるかもしれませんね。 藤原:Dカンにキーホルダー付けても良さそうですよね。

ーフーディーやブルゾンなどカジュアルなアイテムはスニーカーとの相性も良さそうです。 青田:登校時の靴はローファーのみ認めているんです。学内ではローファーから学校指定の真っ白なスニーカーに履き替えても良いことになってます。

ー新制服に合うスニーカーを作る計画はありましたか? 藤原:いや、全然無かったです。ローファーと合わせて着た方が可愛いと思ったので。

ーエンブレムもシンプルな長方形のデザインに変わりました。 藤原:「シンプルなものがいい」ということで、いくつか作った中から今回のデザインを使うことになりました。特にインスピレーション源があったわけでは無いです。

ーデザインは最終的に学校側で選んだ? 青田:本当に沢山のデザインをヒロシさんに考えてもらって、これが一番シンプルでしっくりときたんですよね。子どもたちは「スマホだ」と言って面白がってくれてます。言われてみれば、横に並んでいるフラグメントの稲妻モチーフがバッテリーのようにも見えて完全にスマホだなと。

ー編集部でも同じ話で盛り上がりました。 青田:子どもたちの様子を見て「ヒロシさんは別に意味はないと言ってたけどこれを狙ってたんだ!」と思いましたが、いま改めて聞いてやっぱり考えてなかったんだなと(笑) 藤原:これがオフィシャルのエンブレムになるわけではないですよね? 青田:今回のデザインが正式なエンブレムになりそうな雰囲気にはなってますね。最初、ヒロシさんから「エンブレムは使った方がいいですか?」と聞かれた時に、色々なことに挑戦して変わっていきたい学校としては、エンブレムも変えるべきなんじゃないかなと思って。ヒロシさんだったらどういう風に作るんだろうと思ってお願いしたら、すごく格好良いものを作ってくれました。 藤原:そんなことになってるんですね(笑)。 青田:こうして見ると刷新前と比べて制服の種類がかなり増えましたよね。 藤原:今のデザインをベースに、シーズンごと色とか形とか少しずつアップデートしていっても面白そう。正直、型数や価格などいまいち制服の定義がよく分かってないんです。僕は中学の時に制服がなかったし、高校もほとんど制服を着ていなかったので。

ー私服で登校していたんですね。 藤原:学ラン着用の校則はなんとなくあったんですが、私服登校でも良かったんですよね。ジーンズにシャツを合わせて来る子もいましたし、僕自身も中学と高校では学ランは着ませんでした。 青田:そんな人が学校制服を作ることになるとは(笑)。自分でお願いしておきながらですが、すごく面白いことですよね。

ー自由に着飾ることができる「ファッション」と、個を失くして画一化する「制服」は対極の存在のように思います。 藤原:そんな中でもスカートを短くしたり、「ラルフ ローレン(Ralph Lauren)」のカーディガンを取り入れてみたり、学生たちは縛られた状況の中でもアレンジしようとしますよね。だから、そういう遊べる要素は必要なのかなと思って、シャツを色や柄違いで作ったりチョイスできる選択肢を用意したんです。制服という限られたルールの中で、ギリギリのことをやるのは僕は好きですね。 青田:学校ってどうしても管理される目がありますけど、ヒロシさんが作った制服を自由に組み合わせて着こなしを楽しんでもらえたら。制限がある中でいかに自由を見つけられるかを子供たちに学んで欲しいです。

ー先日のラジオ番組では、制服の製作には苦労したと仰っていましたね。 藤原:最初はジャケットだけあれば良いのかと思ってたんですが、こんなに作るものがあるのかと(笑)。カバンやネクタイ、靴下.....カプセルコレクションかって思うくらい量が多かったです。ポップアップストアできますよ。 青田:確かにできそうですね(笑)。ヒロシさんが制服の写真をインスタグラムに投稿した翌日から、在校生じゃない方からの購入希望の問い合わせが寄せられてるんですよ。子どもたちにはメルカリなどで転売しないよう呼びかけてます。 藤原:売っちゃダメなんですか? 青田:いや、在学中はさすがにダメです(笑)。 ストリートカルチャーの牽引役が送った学生時代

ーお二人はどんな学生でしたか? 藤原:僕は学校が大嫌いだったなあ。担任の先生とは割と仲が良くて、出席日数を満たすために必要な授業を教えてくれたので、逆算して早退できる日を考えて(笑)。学校中で一番出席日数が少なかったけど、ギリギリで卒業しました。 青田:僕なんて高校3年間、無遅刻無欠席ですよ。 藤原:しかも僕、無期限停学になったんですよ。 青田:無期限停学ですか!? 藤原:姉の友達のタバコを買っているところを生活指導の先生に見られて。 青田:あらま(笑)。 藤原:僕は7つ上の姉とよく一緒に遊んでいたんですよ。小学生のときから姉が高校に連れて行ってくれたり、言われるままに姉が勧める服を着たりとか。当時は姉の友達と遊ぶことが一番多かったんです。

藤原:担任は僕がタバコを吸っていないことを知っていて、母も「うちの息子は本当にタバコは吸わないんです」って言っても、校長先生だけが怒っていて。先生が「未成年はタバコを手に持つだけでいけません」って言ったのに対して、僕が「先生は息子にタバコを取ってくれって言わないんですか」って聞き返したらすごく怒られた。人生の不条理を学びましたね(笑)。 青田:無期限停学の間は何してたんですか? 藤原:ちょっと早めの夏休みが来たと思って毎日遊んでましたよ。 青田:友達も学校に行ってなかったんですか? 藤原:そうですね、先輩や学校に行ってない友達と遊んでました。 青田:いい時代ですね。 藤原:でもやっぱり、みんなタバコを吸ってないって知ってるのに無期限停学はひどいなあ(笑)。一応、進学校だったんですけどね。

ー得意科目はありましたか? 藤原:英語や数学が得意でしたね。15年くらい前なんですけど、高校受験の本を買ってきて、10人くらいで集まってテストをやってみたんですよ。僕は理数系には自信があったんですが、結果的には凡ミスや計算ミスばかりで全然ダメで。逆に絶対ダメだろうなと思っていた国語や社会がすごく良かったんです。理数系は高校卒業と共に終わっちゃうけど、国語や社会は知らず知らずの内にずっと勉強しているんですよね。今となっては、もっと勉強していたら面白かったかもしれないなと思う。

ー進学や受験、不登校など教育現場は課題が多いですよね。 青田:最近では入試制度改革など業界の課題は山積みですが、こうした時代だからこそ学校が制服を変えるということは意義があると思っていて。子どもたちには、ヒロシさんのような常に新しいことに挑戦し、世界に目を向けられる人材になってもらいたい。

ー藤原さんは高校教育には興味はありますか? 藤原:教育そのものにはあまり興味はありませんが、「もっと面白い教え方があるのでは?」と感じることはありますね。面白い話も混ぜて教えてくれたらいいのに。 多様化の時代を生きる学生に必要なこと

ー藤原さんは京都精華大学ポピュラーカルチャー学部の客員教授を務めていますが、今の学生の印象はいかがですか? 藤原:遊びの延長というわけではないですが、大学に通っている子たちを見ると将来の事についてまだ迷っているような印象があります。クリエイティブなことを誰かに学ぼうとかもちょっと矛盾しているというか。

ー確かに、クリエイティブって教えてもらうものでもないですしね。 青田:学生たちとはどういったコミュニケーションを取っているんですか? 藤原:カフェで授業していることもあり、ゼミという名の小さなオフィスのメンバーみたいな感覚。4年生にもなると外との繋がりも増えて、色々とリーダーシップを取ってやってくれていますね。

ー学生から悩みを相談されることは? 藤原:全然ないです。 青田:子どもたちは知りたいこと色々ありそうですけどね。「こういうクリエイターになりたい」とか、「クリエイターとしてこれはどうなんですか」とか。 藤原:いや、そこまで気になってないと思う。そもそも18~20歳くらいの子たちはあまり僕のことを知らないんですよ。逆にいいですけどね。

ーお二人の学生時代と比べて教育環境は大きく変化していますよね。 藤原:たしか京都精華大のマンガ学部の学生が3分の1が留学生って言ってたかな。学校に行くと外国の人だらけなんですよ。去年は僕のゼミにも2人いました。 青田:アジア系ですか? 藤原:ヨーロッパ系も含め外国の学生を見かける機会が多くなりましたね。青稜には留学生とかはいないんですか? 青田:いますよ。アジア系の子や北米から来た生徒も。最近は特に外国からの学生が増えていると思います。 藤原:人種や宗教、文化の違いは面白い反面、色々と難しそう。先日ちょうど「イスラム2.0」を読んだんですけど、色んな人種が付き合っていかないといけない時代なんだと改めて考えさせられましたね。

ー10代の頃は学校生活で上手くいかないことがあると、「人生終わった」と思えるほど学校の存在が大きかったです。 青田:その感覚は今の子どもたちも同じだと思います。外に居場所があることは大切ですよね。 藤原:そうですね。僕自身も学校以外の友達と遊ぶのは本当に楽しかった。

ーテクノロジーの発達やSNSの普及により便利な時代になりましたが、今の子どもたちにとって生きやすい世の中になったと思いますか? 青田:子どもたちを取り巻く環境は、我々の頃とは全く違いますよね。ポケベルの時代は待ち合わせをするのも大変でしたし、学校にいる時間内で色々なコミュニケーションが完結していました。ある意味、家に帰ったら一旦コミュニティーから引き離される感覚。今の子たちは家にいても常にコミュニティーの中に居続けなければいけない。すごくそれは窮屈で、大変そうに感じます。 藤原:一方でSNSが普及したことで学校外の沢山の人とも繋がって、同じ趣味や学校では話せないことを他の人と共有できるようになった。悪い側面だけではないかなとも思いますね。

ーコミュニケーションの取り方は大きく変化していますね。 藤原:そうですね。先日、20代後半くらいの友達とお茶する予定だったんですが、雨が降っていて行くのが面倒だから「“フェイスタイムティー“にしようか」って友達が提案してきたんです。お互い家でお茶を飲みながらフェイスタイムで話すんですよ。すごい発想だなと思った(笑)。 青田:それは新しい! 藤原:お互いスタバでドリンクを買ってきて、飲みながら何か作業しつつ話をしてた。まあ、たしかに会ってお茶をする状況とは同じだなと。

ー多感な時期を過ごす学生たちは今、何をするべきなのでしょうか。 青田:これからの時代の子どもたちには、思考力や表現力、そして世界に目を向けて繋がっていくことが求められてくると思います。以前から言われてきたことですが、ようやく国も本腰を入れて動き始めています。 藤原:僕は学生時代、学校で学んだことはあまりない(笑)。でも、学校の外の友達と遊んでいたことはとても楽しかった。学生の時期に共通言語で話せる存在を作ることは大切なことかもしれないですね。 〔2020年2/13(木) FASHIONSNAP.COM〕

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黒鳥の湖 【著者に訊け】話題作連発の宇佐美まこと氏『黒鳥の湖』 宇佐美まこと氏が『黒鳥の湖』について語る 【著者に訊け】宇佐美まこと氏/『黒鳥の湖』/祥伝社/1700円+税 昔、理科の実験で驚いた憶えがある。赤、青、黄と、色は重ねるほど黒に近づき、かたや光は重ねれば重ねるほど色を失い、まっさらで白々した像を結ぶことに。 「あと、白は何か混ざるとすぐ濁るけれど、黒は何が混ざっても黒は黒なんですよね。私自身は断然、白より黒派。その黒がどんな成分でできているのか、過去や来歴に興味津々なんです」 宇佐美まこと氏の最新作『黒鳥の湖』も、白ならぬ黒だけに侮れない。物語は、若い女性を拉致し、衣服や体の一部を家族に送り付けた上で殺す連続殺人鬼の恐怖と、美しい妻も娘も事業も全て手に入れた不動産会社社長〈財前彰太〉の幸福な日常とが一見無関係に並走する。だが、次第にその接点に見え隠れする人々の過去や闇や傷が、読む者の心を嫌というほどざわつかせるのだ。 実は彰太が〈由布子〉と結婚し、麻布十番商店街で貴金属店を営む伯父〈文雄〉の遺産を相続したこと自体、醜い嘘と悪意の産物だった。しかも連日世間を騒がせる〈肌身フェチの殺人者〉の卑劣な手口に彼は思うのだ。〈あまりに似すぎている、あの時に聞いた話と──〉。 作家としての始点は怪談。それも第1回『幽』怪談文学賞の応募要項を見るなり、「私の賞だ」と確信したというほど、怖い話は大好物。 「ホラーじゃなく怪談が好きなんです。ホラーが微に入り細に入り書いて怖がらせる足し算の文学だとしたら、日本古来の風土に根差した怪談は余白や行間に想像力を働かせる引き算の文学。『振り向くと白い服の女が立っていた』くらいで終わるからこそ、読者の中ではその人ごとに思い描く白い服の女性が立ちあがるわけです。 応募当時、中学生の息子にパソコンを買ったんです。その際にパソコン講習会の無料券がついてきたので、試しに私が通うことに。そこでブラインドタッチで文章を打つ練習をするのですが、他人が書いた文章を写すくらいなら、自分で何か書いてみたいと思ったのが、実は小説を書き始めたきっかけです。それまでは松山で普通に働く主婦で、老親を介護し、孫も7人います。 怪談の賞だからよかったんでしょうね。昨年が松山競輪開設70周年で、記念に何か心温まる話をと地元紙に頼まれたのですが、『私には心温まる話は無理、心凍りつく話なら書けますけど』って言ったぐらいです(笑い)」 昔から怪異そのものより、それを恐れ、見てしまう人間に興味があったといい、“ミステリー作家”に転身したつもりもないと言う。 「結局、お化けより何より怖いのは人間ですし、『この人にこんな一面が?』という目に見えない怖さが、私の書きたいものなんです」 人嫌いで生涯独身だった伯父の死後、遺産を元手に株式会社ザイゼンを興し、飲食業でも成功を収めた彰太は、確かに運にも恵まれていた。特に専務に迎えた敏腕コンサルタント〈田部井〉や、その双子の弟〈八木〉には創業以来何かと世話になり、頼れる味方だった。 家庭も円満そのものだが、心配なのは『白鳥の湖』の黒鳥役を見事に務めた直後、大好きなバレエを辞めてしまった娘〈美華〉のこと。名門・桜華台学園に小学部から通い、現在高2だが、明るかった娘が次第にふさぎ込んでいく姿に、何があったのかと父の心は揺れた。 さらに例の連続殺人事件だ。実は複雑な家庭に育った彼には非行歴があり、紆余曲折の末に腰を落ち着けたのが、八木が営む興信所だった。その調査員時代に、娘を監禁して酷い目に遭わせた犯人を探してほしいという老人〈谷岡〉の依頼を担当したのだが、その時に聞いた話が「肌身フェチ」の手口と瓜二つなのだ。実は18年前のこの一件を、彼はろくに調べないまま、なんと伯父を犯人にでっち上げ、嘘の報告をしたのだ。その結果、伯父は何者かに殺されてしまう。 全ては遺産を無事相続し、由布子との結婚を義父母に認めさせるためだった。だが、そのせいで当時の犯人が野放しになり、罪もない女性に再び牙をむいているとしたら──? そんな中、不登校や非行を繰り返していた美華までが、姿を消してしまうのである。

◆畏怖の感情が歯止めになる 主人公は読者が乗り込む船。その船頭が姑息な伯父殺しを企て、偽りの幸福に安住していた事実はしかし、その後に待つさらなる衝撃的展開の序章でしかない。 「私は別に主人公が潔白である必要はないと思うし、誰しも人に言えない過去ぐらいありますよね。だからこそ彼はどうするんだろうという部分に牽引されて読んでもらえたら嬉しいです。周囲の裏の顔も徐々に明らかになる中、彼が本当に守りたいものを選び取る物語にしたかった。しかも今回はそこに宗教が絡むのですが、何かに縋り、救われたいと思う感情にも、私は結構怖いものが潜んでいる気がするんです」 妻の友人に誘われて通い始めた北千住の寺では、住職の後妻の〈大黒様〉と息子の〈若院様〉が瞑想の会を催し、特に過去に怯える彰太には宇宙の理を整然と説く若院の〈自因自果〉という言葉が胸に響いた。 「つまり娘のことも含めて今起きていることは全部、自分の過ちが招いたと彼は考えるのですが、因果関係なんて作り出したら幾らでも作れちゃうんですよ。 もちろんそれで納得できるならいい。般若心経にも〈生き往け、生き往け〉とある通り、どんな形であれ死ぬまで生き切るのが一番ですから。ただ、本書にも何人かその手の善人が出てきますが、自分は正しいと信じて疑わない人ほど実は怖かったりするし、これは善、こっちは悪と、何事もパッと分けて叩いて終わりにされがちな昨今、黒の中身に目を凝らすと、意外にも鮮やかな色が隠れている可能性もあると思います」 それこそ第三章の章題に〈正しいものと邪悪なものは背中合わせで存在する〉とあるが、本書に登場する一見善に映る悪や悪に見える善にしても、表層からは何一つ窺い知れない事実は、怖い反面、希望でもあると。 「だから人は想像し、思いやることもできるわけで、何かを恐れる畏怖の感情が、人間の歯止めになってくれているのも確か。今は暗闇も湿気も失われる一方ですが、訳の分からない怖いものはあった方がいいんです」 始点と結末の驚くべき落差、そして読み手の暗部すら炙り出す映し鏡効果に慄くこと必至の、黒の包容力を思わせる再生の物語だ。

【プロフィール】うさみ・まこと/1957年愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、翌年同作収録単行本でデビュー。2017年『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞、2019年『展望塔のラプンツェル』で『本の雑誌』が選ぶ2019年度ベストワン。著書は他に『入らずの森』『骨を弔う』『いきぢごく』等。松山市在住。「妻、母、祖母、娘、会社員等々、私自身、いろんな顔や立場があることが創作にも役立っています」。161cm、A型。 構成■橋本紀子 撮影■国府田利光 ※週刊ポスト2020年2月21日号 〔2020年2/14(金) NEWS ポストセブン〕

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38歳男性の婚活 結婚の条件は「相当な美人」38歳男性が語る理由 第三者からすれば無茶な条件に思えても、本人には理にかなっている理由とは? もはやルーティンのように、延々続く婚活生活。結婚したい男女は山ほどいるのに、どうしてこんなにもパズルが合わない?  独り身は自由きままだけれど、それでも既婚者バッジをつけたい。そんな決意を胸に、婚活アプリを開いては“イイね”ボタンを押す通勤電車。 そんな、独身者たちにお話を聞くシリーズ『僕/私たちの婚活は今日も終わらない』。婚活中のライターが、取材先との対話を通して、婚活の実情を伝えていきます。

■「相当な美人でないと結婚しません」 今回登場するのは自営業の山下さん(38歳、仮名)。「インタビューに失礼があってはいけないので、フォーマルな恰好で伺います」と、休日にわざわざスーツを着て登場してくださった。身長170cmの細身、趣味は草野球やギターを弾くことだと言い、明るく気さくな雰囲気だ。 両親はすでに他界。母は、山下さんが高校を卒業するころに、父も山下さんが23歳のときに、ともに病気で亡くなった。兄弟はおらず一人っ子だ。 幼少期の山下さんは、小学5年生のときに転校した学校になかなかなじめず、半年ほど不登校に。これにいら立った母親から時々体罰も受けたという。家にも学校にも逃げ場がない環境は、想像するだけで厳しい……。しかし山下さんからは悲壮感のような雰囲気は感じられず「今思えば、親も仕事のストレスで大変だったんだと思います」と話をしてくれた。 そんな山下さんは現在独身。結婚相手には、2つの条件があるという。1つは、“相当な美人”であること。2つ目は、“将来自宅で無料の学習塾を開きたいので、それに理解を示してくれる人”であること。 相当な美人とは、山下さんが好む、フジテレビの三田友梨佳アナウンサーや女優の堀田茜さんクラスを指すという。その基準に満たなければ納得しないと真顔で語る。 まず、なぜ山下さんがここまで絶対的に“相当な美人”にこだわるようになったのだろうか。 きっかけは今から5年前、英会話教室での出会いにある。もともと英語に興味があった山下さんは、趣味の1つとしてレッスンに通い始めた。そこで出会ったのが沙也加先生(仮名、当時20代)だ。 「気立てが良くて優しくて、とても感じのいい先生でした。古風でふんわりとした雰囲気で、相手を立ててくれるような人で……」。山下さんの口調も滑らかになる。 週に一度、1回30分の個人レッスン。仕事と家の往復だけだった生活に潤いが生まれ、英会話はメキメキ上達した。

■「女性は結婚したら豹変する」と思った経緯 しかし、沙也加先生には当時からお付き合いしている男性がいて、山下さんもそのことは知っていた。 はじめに微妙な空気が流れたのは、先生が結婚して山下さんが手紙を渡したときだという。 「“結婚おめでとうございます。末永くお幸せに”と手紙を書いて渡したんです。でも、翌週のレッスンで、先生から手紙について何も触れてこないんです。普通、手紙をもらったらお礼を言うのが当然ですよね。なので、“手紙があまり気に入らないようでしたら、返却されますか?”と尋ねてみたら、“では、お言葉に甘えて”と言って手紙を戻されちゃって」 普通はそういうものなのか?  そして、1度出した手紙を返却されるというのはどうしたことでしょうか?  山下さんによくよく話を聞くと、手紙には、「人に優しく自分に厳しい、そんなところが好きです。あなたのことは人柄も高く評価しています」といった内容のことを書いたと言い、読む人が読めばラブレターにもみえたことは否めないとひっそり語る。山下さんにとって、沙也加先生は女性としても魅力的に映っていたのだろう。 さらに、結婚を境に先生の態度が急変したと嘆く。「結婚前は先生が急な体調不良でレッスンをキャンセルすることがあっても、翌週のレッスンできちんとお詫びの言葉を述べていたが、結婚を境にそんな言葉もなくなっていたことも気になっていました」。 その後も通常どおりレッスンは続く。しかし、通い始めて3年目、ある月末のレッスンで先生から告げられた話が、山下さんの怒りを買った。 「“プライベートが忙しくなったので、山下さんのレッスンは来月末で終わらせていただきます。ほかの方のレッスンも徐々に減らしていく予定です”と突然切り出されたんです。結婚当初は、苗字も変わらないし、レッスンにもなんら影響はありませんと、はっきり私に言っていたんですよ。それでも予定が変わることはあるでしょうが、(私に)相談くらいするのが常識でしょう!」と語気を強める。 沙也加先生のレッスン終了まで1カ月の猶予があるが、それ以上に突然の報告に衝撃が走った。山下さんへの相談や“匂わせ”がなかったことに、納得がいかないという。 沙也加先生の最後のレッスン終了後、山下さんは子宝のお守りを渡す。 「子どもが欲しいと言っていたので、お参りをしてきたんです。でも、今度は受け取り拒否でした。いーです、いーです! って。推測ですが、旦那さんが手紙を読んだりして、先生に何か忠告しているんじゃないですかね」 子宝のお守りのような“魂”を感じる贈り物は、相手との距離感によっては違和感を抱いてしまうのだろうか。山下さんが感じる先生との距離感と、先生からみる山下さんとの距離感に大きなズレが生じている可能性があったのかもしれない。

■女性に抱いていた不信感が確定 トラブルは続く。先生とのレッスンは予定どおり終了したが、期間を置かずして、教室の前で沙也加先生とバッタリ会った。それは山下さんが今までレッスンを受けていた時間帯……。 「プライベートが忙しくなったからと、私のレッスンの時間が削られたのに、どうしてその時間帯に教室にいるんだと。びっくりして、つい、“話が違うじゃないですか!!”と怒鳴ってしまいました」 先生からは、他の授業の準備のため、たまたま仕事をしていたとのことだが、山下さんの感情が一気に爆発してしまったという。男性からいきなり怒鳴られたら、どんな理由であれ恐怖を感じてしまうのでは。先生は逃げるように去って行った。 これを機に、もともと女性に抱いていた不信感が確定したという。 「離婚経験のある友人から話を聞くと、仮にどんなに長く付き合ったり同棲しても、結婚したら女性は豹変すると聞いていました。しかし、まさか自分がこんな目に遭うとは……。そんな豹変するリスクを背負うなら、こっちだって、それ相当の見返りがないとバランスがとれないんですよ。 本当は自分を立ててくれるとか、性格が合うとか、内面的なものを見たかったけれど、豹変することを考えると期待できない。それならトータルでできるだけマイナスにならないようにしたい、だから美人じゃないとダメなんです」 年齢とともに容姿は衰えるものだが、それはそれで、“土台”がよければいいそうだ。

■婚活市場は社会貢献よりステータス?  山下さんは、一戸建ての家を購入し、自宅で無料学習塾を開くことを検討している。自らも貧困家庭で育ち、学歴コンプレックスがあるそうだ。仕事上で必要な危険物取り扱いや電気関係の資格取得の勉強は、親戚から好意で教わった。この経験から、自分も無料の学習塾を開き、社会貢献をしたいのだという。 SNSで無料学習塾の計画を話すと、95%の人はすばらしいと賛同し、残り5%は、“(そんなあなたと)結婚して苦労したくない”とネガティブな意見も返ってきた。その5%に山下さんの意識が向く。 「婚活市場では、女性は相手の年収が1000万円以上とか、子どもはできるだけいい学校に入れたいとか、自分たちの理想しか話さない人も多いですよね。人前では職業に貴賤などない、底辺職の人をばかにするなと言っても、わが子となると、将来は医者や官僚、法律家のような職につかせようとしている人が結構多いのでは。婚活の場で、社会貢献的なことをしたいと言う人は見たことがなかった」 改めて結婚願望を聞いてみると、できればしたい。しかし、“超美人”で“無料学習塾の理解を示してくれる人”の2本柱は必須とのこと。ただ、無料学習塾を受け入れてくれた時点でそこまで尖った人はいないのではないかとも語る。 今までなぜ独身だったのか尋ねると、「自ら動かなかったことと、収入が不安定で自分にも自信が持てなかったことでしょうね。昔からこう尖った性格ですし。ただ、このインタビューで話しながら思いましたが、自分で条件を出したり、壁を作っている部分もあるかもしれませんね。でも自分にとっての外れの相手(美人でない、無料学習塾の理解がない人)ならできたとは思いますが」 自分が正論だと思うことは、はっきり相手に伝えるため、相手から誤解を受けることもあるという山下さん。つねに答えは白か黒、グレーはないという。

もし、そこにユルミのスペースがあったとしたら、女性への見方はどう変化しただろうか。むしろ世の中は曖昧なことだらけ。何が正解なのかわからないし、自分の常識を追求すればするほど苦しくなることもある。もし結婚ということだけを考えるのなら、「グレーもあるよね」と、どこかそんな覚悟があればまた違った景色が見えるのかもしれないと思った。 松永 怜 :ライター 〔2020年2/16(日) 東洋経済オンライン〕

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菊地翔豊 高校中退しカネもない青年が19歳で起業し25歳で11の保育園を経営するまで【前編】
神奈川県厚木市のポノ保育園にて(C)日刊ゲンダイ
【ビジネスの発想を学べ!】
菊地翔豊さん(株式会社Edulead代表取締役社長)
◇      ◇ ◇ ◇
ハタチといえば、成人式を迎えこそすれ、世間的にはまだ子供扱い。しかし今回ご紹介する菊地さんは19歳で起業、ハタチで保育園の経営者となった人だ。
25歳の現在、その数は11園。
〈世界にひとつだけの保育園〉というコンセプトのもと、園名から内装、保育方針までそれぞれ違う。
とくに、原宿に昨年6月開園した「未来のピース保育園」は、きゃりーぱみゅぱみゅらが所属するアソビシステムと提携し、保育園とは思えないカラフルな外装・内装デザインが話題を呼んでいる。その狙いは……。
「保育園は本来、その地域ごとに特徴が違って当たり前です。しかし今の保育園経営は、同じ園名、同じ内装、同じ保育方針とまるで“コピペ”。これでは園児の主体性は育ちません。
そこで我々は地域ごとに、園長を中心として考えた独自のコンセプトで、保育園をつくろうと決めたのです」
東京都北区で生まれ、埼玉県川口市で育った菊地さん。
幼稚園児の時にいじめられ「強くなるため」に両親から柔道を習わされた。
体格が良かったこともあり、県大会で優勝するなどメキメキ頭角を現したが、本人は「いやで仕方なかった」という。
その反抗心から中学は不登校に。それでも柔道だけは親の手前やめられなかった。
■変わり者だから馴染めなかった日本の学校
高校は柔道推薦で入学。しかし、学校生活にはどうしても馴染めなかった。
「学則に書いてないのに制服を強要されたり、同じネクタイを指定されたり。どうして学則に書いてないことをしなくてはいけないのか? 
先生に聞いたら“だって皆してるだろう”。なおのことなぜ皆がしていることをやらなきゃいけないのか、全く意味がわかりませんでしたね」
結局、菊地さんは私服をつらぬき自主退学。
同じクラスにいた帰国子女の友人に「君は変わり者だから海外に出たほうがいいよ」とアドバイスされ、留学を決意する。
「しかし家の生活は苦しかった。僕が8歳の時に父親の会社が倒産したからです。
でも父親が、勤め先の会社の社長から500万円借りてくれて。“これで自分でなんとかしろ”と……」
問題はどこへ行くか。イギリスやアメリカは1年で300万円もかかる。
しかしニュージーランドなら年間150万円。バイトすれば3年ぐらいは過ごせる。
16歳で単身NZへ留学。コペルニクス的転回が…
退学してわずか4カ月後の2011年3月30日。16歳の菊地さんは南半球に向けて一人、日本を旅立った。
実はこれが最初のターニングポイントとなる。
まずは「人間、環境が変わるとこんなにヤル気も違ってくるのか」とビックリしたという。
菊地さん自身もそうだが、同じ語学学校に通っていた日本人――少年院や鑑別所にも入った経験のある札付きの不良――がニュージーランドでは見違えるように勉学に打ち込み、ついには現役で有名大学に合格したのを見て、「教育はすごい」と感動したという。さらに――。
「ニュージーランドって女性が強い国なんです。世界で初めて女性に参政権を与えた国ですし、現在の首相も女性。
ホームステイ先のホストマザーもシングルマザーですが会社役員としてバリバリ働いていました。
それに比べて日本はどうか。日本で女性が社会進出するにはまず働く環境が必要。
そのためには保育園が大事になってくるんじゃないかと考えました」
教育と女性の社会進出。2つの興味をかけ算したら「保育」という答えが出てきたというわけ。
実は菊地さんの母親は保育士。保育という仕事には理解と親近感があった。
さらに、もともと起業したいという思いがあった菊地さん、「日本で保育園をつくりたい」と考えるのに時間はかからなかった。
そして2013年12月末、19歳の時に留学を終えて帰国。
さっそく翌年の5月に病院内保育を専門に行う会社を設立した。しかし――。
「当たり前ですが、何の実績もない会社に保育を請け負わせてくれるところはありません。
そこで実績をつくるために、認可外保育園をつくることにしました」
最初は母親を誘った。
「当時、妹は2人とも学生。母からは“あんたは一人で自由に暮らしてるからいいけど、私には養わなければならない家族がいる”と断られました」
そこで母親の友人である保育士と、パートスタッフ、そして菊地さんの3人で始めることに。
しかし物事はそう簡単には進まなかった。 =後編につづく
(聞き手=いからしひろき)
▽きくち・しょうぶ 1994年、東京都北区出身。
20歳で認可外保育園の経営者となる。
現在グループ全体で11の保育園を運営。現役の慶応大生でもある。
〔2020年2/16(日) 日刊ゲンダイDIGITAL〕

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一人っ子 一人っ子のお悩み解決します!【後編】こんなときどうする? 育て方のポイント 「一人っ子だからワガママで人付き合いが下手」というのは根拠がないようですが、とはいえ保護者のかたは心配ごとも多いと思います。そこで、前回(https://benesse.jp/kyouiku/201406/20140613-1.html)に引き続き、明治大学文学部教授で教育カウンセラーでもある諸富祥彦先生に、具体的なシーン別に一人っ子の育て方のポイントをお答えいただきました。 一人っ子のせいか独占欲が強く、物の貸し借りが苦手です。 Q.一人っ子のせいか独占欲が強く、物の貸し借りが苦手です。 A. 一人っ子だからといって、譲り合いが苦手という訳ではありません。貸してあげたほうがよいのはわかっていますが、その技術をまだ身に付けていないだけなのです。こうした場合、保護者がコミュニケーションのモデルを示してあげるとよいと思います。たとえば、公園の砂場で遊んでいるときに、お友達から「スコップを貸して」と言われ、お子さんがもじもじしてスコップをうまく貸してあげられない様子でしたら、保護者のかたが「ママが貸してあげようかな」とモデルを見せてあげるのです。その姿から、お子さんは「お友達におもちゃを貸す」という行動を学んでいきます。お子さんはおもちゃを返してもらえないことを心配している場合も多いので、「そろそろスコップを返してくれるかな」とお友達に声を掛けてあげるとよいでしょう。 Q. 一人っ子でも強い子に育てるにはどうしたらよいでしょうか。 A. 一人っ子だからといって、厳しくしつけるのは逆効果です。学校でけんかをして泣いて帰ってくることもあるでしょう。そんなとき「どうして泣いてばかりいるの」「めそめそしないの!」などと言ってしまうと、お子さんは自分の気持ちをぶつけるところがなくなってしまいます。保護者のかたが安全基地になってあげて、とにかくつらい気持ちを受け止めてあげましょう。しっかり甘えを受け止めてあげたほうが、心にエネルギーがたまってきて、またがんばろうという前向きな気持ちになっていきます。 Q. 父親、祖父母が甘やかしすぎるのですが、どうしたらよいでしょうか。 A. お忙しいお父さんの場合は、お子さんと接する時間が限られているからしかたがない部分もあるかと思いますので、どうしてもゆずれない部分以外は少し大目に見てあげてほしいですね。祖父母には、「甘やかさないでほしい」と言っても、何をどうすればよいのかなかなか伝わりません。具体的にどうすればよいかを伝えるとよいのではないでしょうか。たとえば、おやつを与えすぎてしまうなら「おやつは少なめに」と抽象的な表現ではなく、「今日のおやつは3時にヨーグルトとみかんをお願いします」と、具体的に伝えましょう。 Q. 中学生になった一人っ子の我が子が親との距離を置きはじめ、少し寂しいです。 A. 思春期に入ると、子どもは秘密を持ちたくなる年頃ですから、学校であったことを根掘り葉掘り聞くのではなく、そっと見守る側へとシフトしていきましょう。いくらお子さんのことを知りたいからといって、携帯やパソコンのメールを盗み見るといったことは避けましょう。修復できないくらい大きな傷になってしまう可能性があります。 10歳~15歳くらいまでの時期は子どもの心がいちばん不安定な時期です。講演会などでは、乳幼児期よりもむしろできるだけお子さんとの時間をつくってくださいと申し上げています。頼る場所がないと、悩みを打ちあけられず不登校になってしまうこともあります。会話がないとしても、困ったときにすぐ相談できるという状況にあってほしいと思います。 Q. 一人っ子の子育てで特に注意すべきことはありますか。 A. 一人っ子だと保護者のイライラを一人で受け止めなければいけないので、お子さんがストレスを抱えがちになります。特に、母娘関係だとこうしたケースが多いようです。娘のことは何でもわかっていると思って何でも指示を出したり、娘に夫の愚痴を毎日のように言ったりしてしまうことがあります。そうするとお子さんは常に自分の気持ちを抑えるようになってしまい、自分らしく生きることができなくなってしまいます。 お子さんと保護者は別人格です。お子さんの幸せを望むなら、保護者自身が自分の人生を楽しみましょう。その姿を見て、お子さんも自分も人生を楽しもうと思えるはずです。映画でもファッションでもかまいません。趣味を楽しんでほしいと思います。

◆諸富先生からのメッセージ◆ 一人っ子を持つ保護者だけでなく、どのご家庭にも言えることなのですが、喜怒哀楽のある家庭、家族が弱音を言える家庭を目指してほしいと思います。子どもの前で怒ったり泣いたりするのはよくないと考える必要はありません。お母さんがお父さんに相談したり、お父さんがお母さんに会社の愚痴を言ったりしている姿を見て、「家庭は自分をさらけ出せる場所なんだ」ということを感じられると、お子さんはうれしいことだけでなく、つらいことや嫌なことも話すことができます。そして、保護者に相談することで心にパワーを充電できるようになっていくはずです。 プロフィール 諸富祥彦 明治大学文学部教授。教育カウンセラー。教育学博士。臨床心理士。全国で保護者向けの講演を実施。『ひとりっ子の育て方』『男の子の育て方』『女の子の育て方』 (WAVE出版)ほか、教育・心理関係の著書が100冊を超える。

※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。 〔2020年2/17(月) ベネッセ 教育情報サイト〕

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男性教諭からセクハラ 「子どもが男性教諭からセクハラ被害に遭った」女子児童の保護者が小学校へ訴え 教委の聞き取り翌日から教諭と連絡取れず 岡山
11月29日、同じ小学校に通う別の女子児童の保護者が「子どもが男性教諭からセクハラ被害に遭った」と学校側に訴えました。
(保護者)
「(教諭と児童)2人きりで 掃除をする体で、『こういうことしてみて』とか言われた時に体を触られたりくすぐられたり。やめてほしかったけど言えなかったって。(自分の教室とは)別のところへ連れて行かれたと」
Q.密室ということ?
「そうですよね」
こう話すのは岡山県内の小学校に通う女子児童の保護者です。
学校側は複数の女子児童を対象に被害について調査し、12月3日には所管する自治体の教育委員会が男性教諭に聞き取りを行いました。
保護者が学校側に訴え
保護者によりますと、教育委員会の聞き取りに対して男性教諭は「くすぐっただけでコミュニケーションの一つだ」などと答えたということです。しかし聞き取りの翌日から男性教諭は学校に出勤せず、連絡が取れなくなったということです。
警察に捜索願が出されているということです。KSBの取材に対して教育委員会は「事実を確認中」としています。
(セクハラ被害を訴える女子児童の保護者)
「不登校になっている子がいると聞いた」
Q.それが原因で?
「ですね。いないからって終わりにしてもらいたくはないです」
〔2019年12/9(月) KSB瀬戸内海放送〕

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「夫婦生活」モンダイ 触られるのが辛い。子どもが欲しかったはずなのにその気になれません【お悩み相談】 夫との関係、義実家との付き合い、仕事やキャリア、ママ友などの人間関係……。毎日がんばって生きていると、悩みは尽きませんよね。そんなお悩みに、専門家がアドバイス。 夫婦で話し合っておいた方がいい!? 「夫婦生活」モンダイ 今回は旦那様から2人目を望まれているという「ランラン」さんのお悩みです。

◆相談者プロフィール ランラン(28歳女性) 1歳半の男の子を育てています。息子の影響で車に詳しくなりました。

■ お悩み相談 最近、夫との性生活について悩んでいます。 私も夫も子どもが好きで、結婚当初から「子どもは2人か3人欲しいね」と話し合っていました。そして昨年、長男を出産し、私はそれを機に仕事をやめ、今は育児に専念しています。初めての育児は毎日大変ですが、息子はとてもかわいいです。 最近は家事と育児の両立にも慣れ、出産後すぐは夫に手伝ってもらうことが多かった家事も、平日はほぼ1人でこなせるようになりました。休日は夫が積極的に手伝ってくれるので、申し訳ない気持ちがありつつも甘えてしまっています。 息子が1歳を過ぎた頃から、夫が「そろそろ2人目を考えよう」と言い始めました。 正直、息子もまだまだ手がかかるし、毎日の育児と家事でいっぱいいっぱいなので、とてもそんな気分になれません。夜は少しでも早く寝たいですし、何より、今の状態で妊娠・出産して、走り回る息子と目が離せない新生児を、平日の間1人で面倒を見るというのが、とても考えられないのです。 しかし、夫が求めてくるので初めはスキンシップの一環として、仕方なく応じていました。 でもそのうち、行為そのものが苦痛になり、今では夫に触られるのも辛いです。夫はただのスキンシップだけでなく、子づくりという意味合いでの行為を求めてきます。私にとっては、それがとてもプレッシャーだし、嫌なのです。 私自身も、2人目の子どもは欲しいと思っています。けれども、そのための行為や、その結果の妊娠は、嫌だし怖いと思ってしまっているのが現状です。 もう少し息子が大きくなれば、育児の負担も軽くなり、2人目を妊娠することについて前向きに考えられるかもしれないとも思うのですが、実際そうなる保証はないし、自分の気持ちがまったく分かりません。 ただ、夫の求めに応じられないことが申し訳なく、触られるのが辛いと感じる自分の心と体の反応が悲しいです。いったいどうしたら良いのでしょうか。

■ 「母」になった自然な状態。自責しなくていいのです 出産や育児を経験することによって、体調や心の持ち方が変化することはあります。女性や妻としてのあなたに母親という一面が加わり、今はその役割をまっとうするために努力していらっしゃるのではないでしょうか。 出産を実際に経験して、今後の妊娠や出産に対する具体的な不安を感じることもあるでしょう。さらに、出産と育児によって体力が失われていて、性交や妊娠をするための元気や自信を持てないということも。 また、ホルモンバランスが変化して、性欲がわかないということもあります。 ですから、現在旦那様の求めに応じることができないことでご自分を責めなくてもいいのです。旦那様やお子さんを愛していること、2人目の子どもも欲しいと思っていることを伝えたうえで、不安に感じることも旦那様と共有してみてはいかがでしょうか。

◆回答者プロフィール 海野 雪(うみの・ゆき) 上級心理カウンセラー(日本能力開発推進協会認定)、不登校児童対応アドバイザー(全国webカウンセリング協会認定)など、心理系・教育系を中心に多様な資格を有する。200名以上の相談対応実績あり。" 〔2020年2/16(日) レタスクラブニュース〕

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うじたまい うじたまい、「September調子はどうだい」のカバーを募集 TikTokをはじめ、さまざまなSNSを舞台に活動するマルチクリエイターのうじたまいが、3月27日(金)に自身の楽曲「September調子はどうだい」のカバーアルバムを配信リリースする。

◆うじたまい 画像 「September調子はどうだい」は、“9月に自殺する子どもが増加している”という報道を目にしたうじたが、自身が不登校になった経験を元に歌った僅か30秒の楽曲。TikTokでは同曲に共感したユーザーが次々にカバー動画を投稿し、各SNSに投稿された数々の動画の総再生回数は1億回を超えている。 その反響を受けてリリースされるカバーアルバム『独りうた ~September調子はどうだい~』には、まつり、WHITEBOX、MASAZAYN、麻痺するポケットが参加する。 さらに、楽曲のフル音源を募集するカバーオーディションの開催が決定。オーディションに応募された作品のうちで優秀なものは、アルバムに収められるとのことだ。詳細はオーディションの特設ページをチェックしてほしい。

■『独りうた ~September調子はどうだい~』 2020年3月27日(金)配信リリース

▼オーディション 特設ページ https://starmusic.co.jp/september_coveraudition/ ※上記URLより詳細をご確認ください。 【応募締め切り】2020年2月26日(水) 23:59

【関連記事】 ◆うじたまい TikTok ◆うじたまい Twitter うじたまいのアーティスト情報 〔2020年2/17(月) BARKS〕

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仕事やキャリア、ママ友などの人間関係 歌に縦笛に…隣の子どもの騒音に困っています。我慢すべきでしょうか?【お悩み相談】 夫との関係、義実家との付き合い、仕事やキャリア、ママ友などの人間関係……。毎日がんばって生きていると、悩みは尽きませんよね。そんなお悩みに、専門家がアドバイス。 幼稚園で家とは別人のようにおとなしい娘が心配です【小川大介先生の子育てよろず相談室】 今回はお隣の音に困っている「みっちゃん」さんのお悩みです。

◆相談者プロフィール みっちゃん(53歳女性) 53歳主婦です。主人と2人暮らしで、自宅で仕事をしています。

■ お悩み相談 53歳、自宅で仕事をする主婦です。賃貸集合住宅の3階に住んでいるのですが、隣の部屋の騒音に悩んでいます。 隣の部屋には約半年前から、幼稚園児の女の子とその母親が住んでいます。 困っているのは、その子が立てる音です。女児は幼稚園から帰ってくると、歌を歌ったり、縦笛を吹いたり、走り回ったりと日中のかなり長い時間、騒ぎます。 母親はかなり激しい口調で注意するときもあれば、一緒になって歌うときもあり、どの程度騒音を意識しているのか分かりません。 私の賃貸集合住宅では契約書に「住人同士のトラブルは住人同士で解決すること」の一文があり、ほかの住人の話によると、管理会社に訴えても「タバコを火がついたまま投げ捨てる」などの危険な問題以外は、基本的には不介入のようです。 ほかの住人に相談しようとも思ったのですが、隣は角部屋なので、うるさいと感じるほどに音が聞こえるのは私の家だけの可能性が高いです。ですので、相談しても同意を得られないどころか、かえって私のほうが「うるさい人」と思われてしまいそうです。 会えばきちんと挨拶をしてくれる感じのいい母娘で、母親もそんなに非常識なタイプには見えません。ですから、勇気を出して注意をしてみてもいいのかもしれません。 ですが、なにぶんお若い母親なので、私の世代とは考え方が違い「夜中ならともかく、昼間に子どもがちょっと騒いだぐらいで、文句をいうなんてひどい」と逆ギレされてしまう可能性もあり、そうなると隣の部屋だけに、今後のつきあいが大変になってきます。 私は日中家で仕事をしていますし、主人も夜勤があるので、昼に睡眠をとらなければならない日もあります。 「物音ひとつ立てるな」とはいいません。せめて歌と縦笛だけはやめてほしいのですが、子どものすることですし、昼間なので、我慢しなければいけないでしょうか。

■ 注意する前に取り組めそうなことを2つ提案します 注意する前に取り組めそうなことを2つ提案させていただきます。 1つ目は、お隣の方に生活リズムを打ち明けること。注意や嫌味ではなく、あくまでも世間話として、あなたの状況を少し知ってもらうということです。 立ち話をできればいいですし、あなたからはたらきかけてご近所づきあいを始めてもいいでしょう。お隣の方が常識的であればこそ、時間帯を考慮して、日中の歌や縦笛を容認しているかもしれません。ですので、あなたや旦那様が日中こそ静かに過ごしたいということが分かれば、配慮してくれるのではないでしょうか。 2つ目は、音が気にならないようにあなたの部屋のインテリアを工夫すること。 たとえば、お隣さん側の壁際に大きめの家具を置いたり、遮音シートや防音カーテンを取り付けたり。どちらも、あなたのご家庭の状況や集合住宅の雰囲気を鑑みて、可能であれば検討してください。 気まずくならずに快適に暮らせるようになるといいですね。

◆回答者プロフィール 海野 雪(うみの・ゆき) 上級心理カウンセラー(日本能力開発推進協会認定)、不登校児童対応アドバイザー(全国webカウンセリング協会認定)など、心理系・教育系を中心に多様な資格を有する。200名以上の相談対応実績あり。 〔2020年2/17(月) レタスクラブニュース〕

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小中一貫校、統合する意味 小・中学校を統合する意味は…増え始めた「小中一貫校」って何? 近年、公立の小学校や中学校でも、国際教育に重きを置いたカリキュラムを構築しているところや、いち早くICT(情報通信技術)を導入しているところが出てきている。 「小中一貫校」のメリットとして期待される“中1ギャップ”の解消

その中でも、耳にする機会が増えている新たな取り組みが「小中一貫教育」。公立の「小中一貫校」が設置され始めているのだ。 ところで、そもそも「小中一貫校」とは? 教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに、小・中学校を統合する狙いを聞いた。 “9年間”を1つの括りと捉える「小中一貫校」は導入段階 「同じ地域の小学校と中学校が連携し、行事や特別活動に合同で取り組む『小中一貫教育』は、いろいろな自治体で行われてきました。そこから一歩進めて生まれた形態が『小中一貫校』。9年間を1つの括りとしてカリキュラムを編成するので、これまでのように6年間と3年間で分ける『6・3制』とは違う『4・3・2』や『5・4』などの新たな区切りを設けて、教育計画が立てられます」 「6・3制」は見直すべき、という流れが来ているのだろうか。 「これまで学校の編成はガチッと決まっていましたが、ここに来て自由度が高くなったということです。AIの進化などにより社会構造が急速に変化していること、また、子ども達の身体的な発達や思春期を迎える時期が早まっていることなどから、教育内容や制度も見直す必要があるといわれています」

社会の変化や子どもの成長も加味し、教育現場が多様になってきているというわけだ。では、「小中一貫校」はどの程度増えているのだろう。 「文部科学省が発表した『小中一貫教育の導入状況調査について』によると、2019年度の全国での設置数は、義務教育学校が82校、併設型小学校・中学校が461校です。まだ様子をうかがっている自治体も多いので、今は導入が始まってきている段階といえます」 「義務教育学校」とは、9年間のカリキュラムが自由に編成され、教員も小学校段階と中学校段階で同一の学校のこと。「併設型」は、「6・3制」はそのままに、小・中学校が連携しながら指導内容の入れ替えなどを行う学校。

ほかにも、「6・3制」のカリキュラムは変えず、小・中学校それぞれの教員が交流し、小学校から中学校への円滑な接続を目指す「連携型小学校・中学校」という形もあるが、現在は0校。ひと口に「小中一貫校」といっても、その形態はさまざまだ。 思春期の子ども達の問題を解消するメリットの裏で、教員の負担増 「小中一貫校」導入の理由の1つには、先述の子どもの成長スピードの変化が挙げられる。9年間を1つの枠組みと考えて「6・3制」を見直すことで、長期的な教育が可能となる。同じ教員が長く指導することで、生徒それぞれの能力を把握しやすくなり、特性に応じた教育、サポートを施せると期待されているのだ。

教育面以外のメリットについても、中曽根さんに聞いた。 「小学校から中学校に上がると、教科ごとに教員が違ったり定期テストがあったり、急に教育環境が変わりますよね。そこで馴染めない子が出てくる“中1ギャップ”は、以前から問題視されていました。不登校や問題行動は、中学1年生でもっとも多く発生するという調査結果も出ているのです」 小・中学校が連携することで、教員間での情報共有がスムーズに行われ、急激な環境変化もなくなるため、“中1ギャップ”の解消につながる可能性が高いという。 「同じ校舎内、もしくは近い距離感で9年間一緒に過ごすことで、小学校段階の生徒が中学校段階の生徒を身近に感じられる部分もメリット。思春期に入り始める5、6年生の年代の子が先輩の姿を見ることで、自分の将来像を描くことができるので、情緒が安定しやすいと考えられています」 もう1つ、社会的な側面のメリットもあるそう。 「少子化によって、地方では学校の統廃合が進んでいます。自治体としては、学校が分散しているより集約している方が予算を抑えられるメリットがあるので、『小中一貫校』という形を使って統廃合を進めるところが増えるでしょうね」

一方で、デメリットや課題も見えてきているようだ。その1つが、9年間、同学年のメンバーが変わらないこと。 「『小中一貫校』では、基本的に途中入学はないので、顔ぶれが変わりません。もし、子どもが友達関係などでつまずき、息苦しい環境になってしまった場合、リセットしにくいのです。また、学校の運営の面でも課題があります。小学校と中学校が別の場所にある場合、教員が行き来しなくてはいけないため、指導以外の部分の負担が増えています」 「6・3制」を見直す場合、新たな指導教材の開発も、自治体や学校にとっての課題。カリキュラムをどのように編成するか、中学校段階の教育をどこまで前倒しにするかといったことを、考えていかなければならない。 学校の形態とともに「教育方針」がより重要な選択基準に 「統廃合の観点から、『小中一貫校』は地方で増えていく可能性が高いです。都市部では、中学受験の人数がここ数年で増えているので、需要は低いかもしれませんね」 都市部では、公立での導入も増えている「中高一貫校」がさらに注目されるかもしれない。その一番のメリットは、「中高一貫にすることで、中学校段階の3年間を受験勉強に費やさず、成長段階に合わせて、生徒の可能性を広げるための幅広い学習に当てられること」だという。 「地域の状況に合わせて、『小中一貫校』『中高一貫校』がそれぞれ増えていくでしょう。ただ、今後は形態だけでなく、学校個々の教育の進め方も見ていく必要があると思います。2020年4月から学習指導要領が新しくなり、知識重視から思考力・判断力・表現力重視に変わることで、学校での探究的学習やICTを活用した個別学習が進んでいくはずですから」 学校側も、これまでの一斉一律の教育から、独自の教育方針や個性を工夫するようになっていくことだろう。中曽根さん曰く、「教育にはタイムラグがある。親世代と子ども達では学校環境が大きく異なる」とのこと。親の経験だけで判断せず、今の子どもに必要な教育を考え、義務教育のうちから学校を選ぶ時代になってきている。 〔2020年2/18(火) FNN.jpプライムオンライン〕

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不登校の要因に学力テスト 教師は高圧的、同級生は「いじり」…不登校の要因に学力テスト 子どもを守る会が廃止を要望 おきなわ子どもを守る会の長堂登志子代表らは7日、子どもの不登校の要因に学力テストが影響しているとし、県教育長に学力テストの廃止と子どもの権利条約を生かした学校教育に取り組むよう呼び掛けた。同会は今後、各市町村教育長との対話や署名活動を行い、年内にも県教育長に要請したいとしている。 長堂代表らは、成績が振るわなかったり、みんなと同じようにできなかったりすることや、教師の高圧的な対応、同級生らによる「いじり」などが不登校の要因と指摘した。 学力テストによる競争の激化やそれを強いられることで、子どもも教師も追い詰められ、悲鳴を上げていると長堂代表。「できない子は排除につながっている。県教育長と対話し、苦しんでいる子どもたちの思いを伝えたい」と強調した。 〔2020年2/19(水) 沖縄タイムス〕

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ひきこもり女性 「正社員になれなければ死ぬか?」“家事手伝い”が死語になり、ひきこもり女性は何を思うか ©iStock.com 「ひきこもり女性はいない」という声は本当だろうか? 実際にひきこもり当事者の支援を行っている人々の間ですら、ひきこもり女性は現実の問題として取り上げられていない。内閣府は「ひきこもりの男女比は7:3」との調査結果を報告しているが、実はたった「47人の当事者」を調査したデータにもとづいているのだという。これではひきこもりの実態を捉えているとは到底言えないだろう。 さらに、ひきこもり女性たちが陰に隠れてしまっている大きな理由のひとつに、7割近いひきこもり女性が「男性が苦手、怖い」と感じていることがある。また性被害を受けたことで、ひきこもるようになってしまった女性も少なくない。 『 下流老人 』などの著作で知られる藤田孝典氏の新著『 中高年ひきこもり 』(扶桑社新書)から、ひきこもり女性の実態を一部抜粋して紹介する。

◆◆◆ 可視化しづらい女性のひきこもり ひきこもりについて語る際、「ひきこもっている人=男性」とイメージする人は多いかもしれない。 「ひきこもりUX女子会(2016年6月にスタートし、2019年4月までに全国各地で計80回開催)」を主催する一般社団法人ひきこもりUX会議の代表理事である林恭子氏は以下のように述べている。

「内閣府の調査結果によれば、男性の割合が8割近くを占め、男女比は7:3くらいとなっていますが、不登校の調査では、男女は1:1なので疑問が残ります。 実際、私たちが開いた当事者会などのイベントにも、女性はたくさん訪れます。内閣府側は、40歳以上の中高年ひきこもりの対象には、『主婦』と『家事手伝い』を入れたと言っていますが、今回の調査は5000人を対象にしているものの、ひきこもり当事者はわずか47人しか調査できていません。 その47人から得られた『男性7:女性3』という結果をもって、ひきこもり全体の男女比と考えるのが妥当なのか。実態を表した数字とは、いえないと思います。 そもそも、中高年ひきこもりが約61万人という数字も疑わしい。専門家のなかには、少なく見積もっても100万人、最大で200万人いるのでは、という方もいます」 実は、当事者会やひきこもりのための居場所など、ひきこもり支援の現場でも男性参加者がおよそ9割を占めるという状況が、ここ20年ほど続いているという。そのため、ひきこもり支援者の間でさえ「女性はいない」との声が上がるほど、女性のひきこもりは可視化されていない。 支援の手からもこぼれ落ちる とりわけ自助会のような場には男性の参加者が多いため、女性は居づらくなり、継続しての参加が難しい。そういった状況に危機感を抱いた林氏らは、女性だけで自助会を開催すれば、女性のひきこもりの人たちも参加するのでは、と考えて「ひきこもりUX女子会」を立ち上げた。

女子会を始めて約3年が経過し、参加者は延べ3300人を超えた。その参加人数に鑑みても、女性のひきこもりが決して少ないとは言えない。 林氏らは現在、「ひきこもりUX女子会全国キャラバン2019」と「つながる待合室」というイベントを開催し、全国8都市を回っている。そこで出会う各都市の行政や支援団体の関係者は、「うちでもイベントを開いているけれど、女性のひきこもりの方は来ません」と口にするという。 そのため、イベントに数十人単位で女性が参加するのを目の当たりにした関係者でさえ、「(女性のひきこもりは)いたんだ」と驚きを隠さない。 つまり、行政や支援者でさえ、「女性のひきこもりはいない(あるいは極めて少ない)」というのが共通認識になってしまっており、なかには「女性のひきこもりなんていないし、ましてや主婦のひきこもりなんているわけがない」と言い放つ人もいるなど、まったく女性が見えていないのが実情だ。 本来セーフティネットとして機能すべき支援団体からも、女性のひきこもりはこぼれ落ちてしまっている。 女性のひきこもりがイベントに参加しにくい理由

林氏らの実態調査によると、ひきこもり女性のなかで「男性が苦手、怖い」という回答が、全体の7割近くに上った。 その理由として、「学生のころ、男子生徒からのいじめがあり、男性が怖くなった」、「男性からのDVや性被害に遭った」、「父親から身体的虐待を受けていた」という声が聞かれた。林氏らは、予想以上に男性に対する不信感や根強い苦手意識があることにとても驚いたという。 内閣府が2018年に実施した「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、女性の約13人に1人は無理やりに性交等をされた経験がある。しかも被害経験があったと答えた人の約73%が顔見知りから被害を受けていた。さらに加害者との関係に着目すると、実親から被害を受けた女性は2・4%、養親・継親または親の交際相手から被害を受けた女性は2・8%に上る。つまり、性暴力は「見知らぬ人から屋外で」被害に遭うケースもあるが、「見知った人から屋内で」というものもあるのだ。 逃げ場なき恐怖……暴力を耐え忍ぶ「家事手伝い」女性 過去に家庭内で性被害を受けたひきこもり女性の多くは、「働いていないし、養ってもらっているから抵抗できない」と恐怖に怯え、さらには「断れなかった自分が悪い」と自らを責めながら生活していたという。身内に加害者がいることで、被害を訴えることができない。相談できるコミュニティすらなく、想像を絶する環境に置かれて逃げ場すらない。 もちろん、すべてのひきこもり女性が性被害に遭っているというわけではないが、「家事手伝い」という言葉の陰に女性の性被害者が潜んでいる可能性があることを忘れてはならない。 さらに、女性のひきこもりにはもともと「男性が怖い」と感じる人が多いため、社会に出て、さらにパワハラやセクハラ、いじめなどに遭い、男性への恐怖や男性そのものが原因になってひきこもるケースも多い。 勇気を振り絞って行政などの相談窓口にたどり着くことができたとしても、担当者が男性であれば、話しかけることすらできなかったりする。加害者男性とは別人だと頭ではわかっていても、同じ男性というだけで恐怖心を覚えてしまうのだ。

「ひきこもり自体は悪いことではないから、ただ見守るだけでいい」 そういった配慮が必要なケースもあるだろう。しかし、その一方で、性被害やあらゆる暴力被害を訴えることができない人もいるということを、胸に留めておかねばならない。ひきこもり女性の支援については、とりわけそうした視点を持ち合わせているか否かで、アプローチが大きく変わってくるからだ。 「いつ帰ってもいい」ひきこもり女性見守る交流会 さらに、ひきこもり女性には、精神科を受診していたり、パニック障害やリストカットに苦しんでいるケースが、男性に比べて圧倒的に多いという。本来、ひきこもりは「社会的ひきこもり」を意味しており、定義としては「6か月以上自宅にひきこもって社会参加をしない状態が持続し、他の精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」とされている。 つまり、病気や障害が原因ではないのに、外出できない状態がひきこもりなのだ。ところが、現状では精神疾患を巡り、境界線が極めて曖昧になっている。

林氏は言う。 「私たちのひきこもり女子会でも、会場までやっとの思いでたどり着くという人は多いです。電車に乗るのもしんどいので、各駅停車にしか乗れず、駅に到着するたびに電車を降り、1駅ずつ乗り降りして会場にくる人もいるし、会場の最寄り駅まで着いたけれど、会場のある建物までたどり着けなかったという人もいる」 こうした心身状態なので、林氏は会場を訪れた参加者に対し、「いつ帰ってもいい」と伝えている。会場内にも非交流スペースを設け、建物内のどこにソファがあるかをアナウンスし、具合が悪くなったり、疲れたらいつでも休めるような配慮をしているという。 残念ながら現在の日本では、行政が女性に特化した支援はもちろん、配慮さえまったくなされていないのが実情である。林氏らの団体においても、行政に対し、女性に特化した支援を要望しているというが、今回の内閣府の調査結果に見られるように、そもそも女性のひきこもりの存在さえ見えていないのが現状なのだ。 ただ一方では、大阪府豊中市の調査で、「ひきこもりの6割が女性」という結果が得られている、と林氏は指摘する。このことは、調査方法や回答者との信頼関係によって、真実に近い数字が出てくる可能性を示唆しているのかもしれない。政府や民間ともに継続的に中高年ひきこもり女性の調査を行い、実態を明らかにする努力が今後も必要であろう。 家事手伝いという“肩書” 「男性=外に働きに出る」「家にひきこもっているのはおかしい」といった考えは古いジェンダー観の表れともいえる。一方、女性のひきこもりは「家事手伝い」ということにされてしまえば、存在が消されてしまう恐れもある。

「私が若いころは、まだ世間に『家事手伝い』という存在は少なくなかったし、苦しんでいたり、困っているというわけではなかった。カジュアルに『学校卒業後は2、3年、家の手伝いをして、その後に結婚しよう』という女性もいましたから」と林氏は言う。 ところが、現在の20代、30代の女性の間では、「家事手伝い」という言葉は死語となりつつあり、むしろ働かなければならない、というプレッシャーを強く感じている。こうした若い世代の女性のひきこもり当事者は、「家事手伝い」という“肩書”を言い訳に使えないほど重圧に苦しんでいる。 また、ひきこもっている女性当事者はかなり苦しんでいるが、家族の介護や介助という名目で、ひきこもりの事実を隠されてしまうこともある。実際、中高年ひきこもり女性で、親や家族の介護をしている人たちが非常に増えているという。

林氏は言う。 「今は20代、30代の女性にとっては『家事手伝い』という言葉は、大した意味を持たなくなっているので、 『自分は家事手伝いですとは、とても言いにくいし、言えない……』 『もしそう言ったとしても、誰も認めてくれないだろうし、無職と言うしかない』 というひきこもり当事者もいました」 一方で、男性が「家事手伝い」ではいけないのか、という意見もあるだろう。本来、男性の「家事手伝い」がいても何ら問題はないはずだ。 中高年ひきこもりの男性当事者の一部には、「『自分は家事手伝い』と言っていこう」「『家事手伝い』という肩書を利用しよう」という声もあるという。生きにくさを緩和する方法として、「家事手伝い」という“肩書”を利用するならば、その人々が差別される理由はないだろう。 親が死ぬことへの恐怖 林氏は言う。 「私の周りの50代の当事者たちは、介護していた親を次々に看取っており、家はあっても孤立してしまう恐れが生じており、対策が急がれます。当事者に『もっとも怖いことは何?』と問いかけると、『親が死ぬこと』という答えが一番多いけれど、それも当然です」 現在、特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会とつながりがあるOSDよりそいネットワークがこの問題に取り組んでいる。「OSD」とは、「親が、生前に、できること」の頭文字である。さらに、ひ老会(ひきこもりと老いを考える会)も同様の取り組みを行っている。 「親が死んだらどうする?」という問題は、すべての中高年ひきこもりに重くのしかかっているが、その実情は把握しにくい。林氏が続ける。 「当事者が生きていてくれることが最重要です。中高年ひきこもりがこの問題をうまく解決できなければ、特に男性当事者は孤立死に直結してしまう恐れがある。男性当事者が『助けて』と言いにくいのは、『男らしくあれ』『つらくても我慢しなければならない』といった男性像から逃れられなかったり、男性としてのプライドが邪魔をしたり、多分にジェンダーバイアスが絡んでいるのではないでしょうか」 ひきこもりのつらさや苦しさに性差はないはずだが、それでも我慢してしまう男性たち。どのような困窮状態になっても、生活保護を「恥」と捉えてしまい、頑として申請しない生活困窮者と通底するところがあるのかもしれない。 筆者自身も古いジェンダー観に支配され、性差の構造的問題に疎かったと反省している。 「働かなくてはならない」という圧力 ひきこもり当事者たちは、自分たちを「ひきこもり」とはあまり言わないという。自分を指すときにもっとも多いのは、「今、働いていないだけ」という言い回しである。そして、前段には「いつか働くけど」という言葉がつくことが多い。つまり、〈今、自分はひきこもりではないし、働こうと思えばいつでも働ける。ただし、今は働いていません〉という心情なのかもしれない。

これに対して、現代の若い世代のひきこもり当事者は、「働かなくてはならない」という社会的圧力に晒され、自身も強迫観念のようにそう思っている人がいる。 林氏らが出会った当事者の中には「正社員になるか? なれなければ死ぬか?」と考えていた女性までいたそうだ。アルバイトや非正規ではもちろんダメで、「ちゃんと働いて、ちゃんと恋愛をして、ちゃんと結婚しなければ、私はダメな人間だ」とさえ思い詰めていた。彼女の場合、高学歴で一流企業に勤めなければならないという考えではなく、「きちんとした人間になって、社会の役に立たなければならない」と頑なに考えていたのだ。 親子関係の改善こそ、問題解決のキーポイントか 何が彼女をそこまで追い詰めているのか――。

「社会の空気ということもあるのでしょう。『非正規雇用になってしまったら、大変なことになる』と思っている」 かつて1980年代後半、日本では「フリーター」が新しく自由な働き方として礼賛されていたが、現代の若い世代は、非正規に対するポジティブなイメージはあまり持っていない。つまり、現代のひきこもり女性は、「よき娘」「よき妻」「よき母」、そして「よき社会人」でなければならないと考えており、この4つを完璧にこなさなくてはならない、と感じている。 何より、母親との問題を抱えているケースが非常に多く、まず「よき娘」でなければならないと苦しんでいた当事者は、その後、「よき社会人」「よき妻」「よき母」とレベルの高いことをいくつも要求されることになる。そして、これらの困難な要求に応えられない自分をダメな人間と考えて責めてしまう。これほど高い要求など、こなせなくて当たり前と思うのだが、女性当事者たちは深刻に捉えている。

「もちろん、父親との関係がよくない女性当事者もいるし、男性当事者でも母親との関係がよくないという人はいますが、私たちが活動の中で出会った女性当事者には、母親との関係がよくない場合が多いですね。 男性にも女性にも共通するのは、親子関係に問題を抱えている点です。親との関係が良好なひきこもりのケースを、私はあまり聞いたことがありません」 林氏はこう締め括った。 藤田 孝典 〔2020年2/19(水) 文春オンライン〕

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ページ名川口市立中学校元生徒いじめ不登校、埼玉県川口市()
<川口いじめ>うそばっかり…不登校の元生徒、学校や市教委の虚偽が「本当につらい」 裁判長どう思う/地裁
埼玉県の川口市立中学校在学中に受けたいじめや体罰についての学校や市教委の記録文書を開示請求して一部開示の文書の虚偽記載を訂正しないなど市の対応は違法だとして、元男子生徒(17)=県立高校2年生=が市を訴えた訴訟の第6回口頭弁論が26日、さいたま地裁(谷口豊裁判長)であった。
<川口いじめ>不誠実…市「いじめは不登校元生徒のラインが原因」→元生徒「証拠出して」→市「出さない」
元生徒と母親が意見陳述書を提出。元生徒は「僕は本当のことを知りたくて情報開示請求したのに、うそばっかり書かれ本当につらい…ぼくはいじめられたことより苦しくなります。
裁判長がもし僕がされていることと同じことをされたらどう思いますか。
嫌な、悲しい、苦しい思いをしませんか?」と述べた。
母親は「この裁判で市の主張が認められるようなことになれば、今後いじめを苦に子どもを亡くされたご遺族や、いじめに苦しむ子や保護者に適切な情報が提供されず、教育委員会や学校にとり不都合なことは全て隠蔽(いんぺい)され、平然と虚偽の記録が作成されます」と訴えた。
〔2020年2/27(木) 埼玉新聞〕

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ページ名[[]]、千葉県松戸市()
松戸市公立小学校教諭の不適切指導問題 「明確な判断が出来ない」と結論 教諭の不適切指導問題で答申 /松戸市
チバテレ(千葉テレビ放送)
教諭による児童への不適切な指導が指摘された問題で松戸市教育委員会は18日、第三者委員会から被害を訴えた児童側と接触できず「明確な判断が出来ない」と結論付けた答申を受けたと発表しました。
この問題は2016年、松戸市内の公立小学校の教室で4年生の男子児童2人が叩き合うなどのトラブルがあり、「やり返していい」と発言した当時の担任教諭らの指導が不適切だと指摘されたものです。
去年2月問題が発覚し、諮問機関の第三者委員会が教諭の指導が適切だったのかやいじめの有無について調査を進めてきましたが、被害を訴えた後不登校になった児童とその保護者とは一切接触できなかったということです。
このため委員会は1月、被害を訴えた児童側と接触できず直接・間接的な情報や意見の収集ができない状況では「明確な判断が出来ない」と結論付けた答申書を市教委に提出しました。
その一方で再発防止策の提言として教育関係者以外の外部の専門家らによる助言・支援制度を構築するよう求め、市教委は今後、制度設置の検討を始めるとしています。
〔2020年2/19(水) チバテレ(千葉テレビ放送)〕

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ページ名[[]]、()
子どものやる気引き出す 子どもの「考える力」と「自己肯定感」を育む[やる気を引き出すコーチング] 先日、少し背筋が寒くなるようなお話を聞きました。学校生活に不安を感じる生徒たちの相談にのっている中学校の先生の言葉です。 「不登校気味だったり、体調や気分が不安定だったりする子どもたちには、共通点があるんです。全部、親が決めて、ことごとく手を出しているんです。子ども自身の考えがまるでありません。何を聞いても、『親がそうしろって言ったので』と答えます。非常に自己肯定感が低いのも気になります」

私にも思い当たるふしがあります。親に進路選択のほとんどを委ねた結果、入学後、新しい環境に適応できなくなってしまうお子さんのケースです。「とりあえず、入学したけど、何がしたいのか自分ではわからなくなりました。もうやめたいです」と言います。 手と口を出すから「考える力」と「自己肯定感」は奪われる 小学生の頃、不登校だったという大学生が、私のコーチング講座に参加してくれたことがありました。最終的に、学校生活に戻ることができたそうですが、それは、親がそっとしておいてくれたからだと言います。

しかし、不登校になった当初は、そうではありませんでした。「もし、自分で言いにくいことがあるのなら、先生や友達に親から話してあげるよ」とか、「この本を読んだら、元気になって学校に行けるかもしれないよ」などと言われると、そのたびに、「自分はダメな子どもなんだ」と落ち込んだそうです。「こうしたら?」、「こうしなさい」と言われることで、よけいに、どうしたらいいのか混乱していったと言います。

よかれと思って、手や口を出してきたことが、子どもの「考える力」や「自己肯定感」を奪っているとしたら、それはとても罪深いことです。 まず、「あなたはどうしたい?」と聞く 一方で、「すばらしく意欲的だな!」と感じる大学生にも、折々に出会います。コミュニケーション力が高く、自分の考えをハキハキと話します。考え方も非常に前向きで、落ち込むことはめったにないと言います。いったい、どんなご家庭だったのか?と、つい、聞いてみたくなります。そこで、質問すると、こういう若者から、必ず返ってくる答えがあります。

「『勉強しなさい』と言われたことは一度もないです」。これはもう、判で押したように共通しています。だからと言って、「勉強しなかった」という人は一人もいません。自分で計画を立て、自発的に勉強してきたという人ばかりです。

とりわけ、明朗でプラス思考の学生Aさんのこの言葉は印象的です。 「うちの親は、『あなたはどうしたい?』といつも聞いてきました。『友達が塾に行くから、私も行ったほうがいいかな?』と聞いたら、逆に、『あなたはどうしたい?』と聞くし、小学生の頃、学校に着ていく服も、1年生の頃から、『あなたはどうしたい?』と私に選ばせていました」

子どもの頃から、自分で考え、自分で決めて、行動してきた人は、気持ちよいほど、前向きです。「自分で考え、自分でできた」体験を積み重ねていますので、何か困難なことに出合っても、「きっと、自分ならなんとか乗り越えられる」と考えます。これは、すばらしい「自己肯定感」です。 どんどん任せる 朝、自分で起きること、着て行く服を選ぶこと、持ち物を確認することなど、これまで、何かと手をかけてきたことがあれば、一度、子どもに任せてみることをお薦めします。「もうあなただったらできそうだから、今日からは自分でお願いね!」と手を放してみると、意外とできたりします。「任せる」ことは、相手の力を信じていないとなかなかできないことです。ですから、「任せる」ことは「あなたを信じているよ」という想いを行動で示すことと言ってもよいでしょう。任されてこそ、相手は自分で考えようとしますし、「私は信頼されている」という自己肯定感を持てるのです。

(筆者:石川尚子) プロフィール 石川尚子 国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ。ビジネスコーチとして活躍するほか、高校生や大学生の就職カウンセリング・セミナーや小・中学生への講演なども。近著『子どもを伸ばす共育コーチング』では、高校での就職支援活動にかかわった中でのコーチングを紹介。

※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。 〔2020年2/19(水) ベネッセ 教育情報サイト〕

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「#ミライの学校」をテーマにマンガを募集 忘れられない「世界地図」、「睡眠学習」が現実に…学校に行く意味って? 「これからの学校」の姿描く漫画 コミチ×withnewsコラボ企画「#ミライの学校」 社会に出てから「これ、学校で教えてほしかった」と思うことはありませんか。当時は当たり前だった文化やルールにも、「今考えたらおかしいよなあ」と気付いたことはありませんか。マンガのSNSを運営する「コミチ」とのコラボ企画として、「#ミライの学校」をテーマにマンガを募集。学校の「こうだったらいいな」というアイディアや、忘れられない出来事などを描いた作品が多数集まりました。大賞・入賞に決まった4作品を、withnews編集部の寸評と共にご紹介します。 【大賞マンガはこちら】「それだけは言ってほしくなかった」不登校だった母の本心 学校行き渋る娘を前に… 「娘と私の学校」コジママユコ著 【大賞】「娘と私の学校」コジママユコ著 夏休み明けに子どもの自殺が増えることから、メディアやSNSから「学校がつらかったら逃げてもいい」というメッセージがよく発せられるようになりました。 ただし、いざ不登校の話題になると、必ず聞こえてくるのが「勉強はどうするの」「高校/大学は?」「社会人になれないよ」……。学校に行けなくなった途端、教育は自力でつかみとるものと考えられがちです。 漫画に登場するのはネットで参加する「オンライン学習」。年齢、国籍に関係なく、広く教育を受けられるこの制度は、結果的に学校に行きたくない子の母親も救うことになりました。私たちがすべきなのは、当事者を憂えたり責めたりすることではなく、別の選択肢を準備することなのではないのかと、この漫画は問いかけます。(選評:野口みな子)

※大賞のコジママユコさんのインタビューは、13日(木)にwithnewsにて配信する予定です。 「きみのこえ」michi著 【入賞】「きみのこえ」michi著 「面倒ごとを持ち込むな」。小学校に勤務する「保健医」は、同僚の男性教諭から言い放たれます。彼が担任している、女子児童の健康状態が優れない。そう報告しただけで……。 心は、たびたび「バグ」を起こすもの。本来なすべきことがあるのに、目の前の状況にとらわれ、つい目を背けてしまう。多忙な教職の現場となれば、その頻度たるや、すさまじいはずです。授業準備に生活指導。荒波に揺れる小舟よろしく、仕事の渦にのまれながら子どもと向き合うのは、並大抵ではありません。 激しい「嵐」の中、そっと手を差し伸べてくれる誰かがいれば、どれだけうれしいでしょう。保険医は、きっとそんな存在。最終盤、女子児童に対して見せたのは、何者よりも「人間らしい」振る舞いです。たとえ、その原因が「バグ」だったとしても、彼女は救われたに違いない--。そう思わせてくれるラストシーンに、教育の明るい未来を重ねました。(選評:神戸郁人) 【入賞】「世界地図~最後の授業~」いぬパパ著 中3の最後の英語の授業で、貼りだされた世界地図は「逆さま」に見えました。先生は、今まで見ていた地図が「日本人向け」だったことを教え、最後に大切なメッセージを送ります。 この言葉が、今の考え方の根幹になっていると振り返る作者。「国家100年の計は教育にあり」という言葉を思い出しました。教育は100年後のミライを作るもの。世界のあちこちで「分断」が叫ばれている今こそ、こんな授業が世界中の教室で行われていてほしいと感じました。(選評:松川希実)

「もっとゲームしなさい」あまいろ著 【入賞】「もっとゲームしなさい」あまいろ著 学生時代、なんであんなに眠かったのかを考えると、寝てはいけないという決まりがあったからなのかもしれません。止められるとやりたくなる、というあまのじゃくな気持ちは誰しもあるものです。 だから、睡眠学習が当たり前になったら、今度は寝たくなくなる人が現れる。それでいいと思います。ジョブズのようなイノベーターは、既成概念への挑戦から生まれるのだから。大場さんの伝説は、ここからはじまるのです。(選評:奥山晶二郎)     ◇ withnewsは2018年10月から、マンガのSNSを運営する「コミチ」とコラボ企画を始めました。毎月のテーマに沿って、日常の生活や社会に感じる「モヤモヤ」を漫画で可視化し、「社会がちょっとよくなるかもしれない」アイディアを発信する作品を募集しています。今回ご紹介できなかった応募作品は、コミチのサイト(https://comici.jp/stories/?id=312)でご覧ください。たくさんのご応募、ありがとうございました! 〔2020年2/12(水) withnews〕

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NHKの人気番組「ねほりんぱほりん」 後悔する元詐欺師に 「泣きたいのは被害者だ!」 ねほりんぱほりん「元詐欺師」回に辛辣な声【特選ねほぱほ】 『ねほりんぱほりん』(C)NHK NHKの人気番組「ねほりんぱほりん」の過去放送回の中から、特に注目を集めたものを選んで紹介していく「特選!ねほりんぱほりん」。今回お届けするのはシーズン4の初回「元詐欺師」(2019年10月9日放送)です。

近年、詐欺の手口は巧妙かつ多様になっているといいます。その中で、保険金詐欺やリフォーム詐欺など数々の詐欺行為に手を染めた男性が登場。今は更生したとのことですが、シーズン4の幕開けからとても濃いトークが繰り広げられました。詐欺への注意喚起ともなった「元詐欺師」回を視聴者の感想とともに振り返ってみましょう。 ●放送当時( 2019年10月9日 )の盛り上がり シーズン4からは、放送開始時刻が22時50分からとなりました。新たなシーズンの幕開けに期待値が上がったのか、ネット上では放送開始時に盛り上がりが最高潮に。

●ウルトラQ風のオープニングからインテリ風ゲスト登場 番組開始前から、「待機中」とわくわくしながら待っていたのがうかがえるみなさん。そして始まると、ウルトラマンシリーズの原点でおなじみ「ウルトラQ」のパロディ風オープニングが流れます。ここに反応した人が多く「ウルトラQ!」「なぜなのか」などの反応が。また「おかえりなさい!」と番組復活を歓迎する声も多く見られました。 そして、スタジオに登場した元詐欺師・ヒロキさん(37歳・仮名)。いかついイメージの人と思いきや、きちんと七三分けにしたインテリ風の男性です。しかし経歴が紹介されると、「真っ黒」「ありとあらゆる詐欺やってる」「すでに胸糞」などネガティブな声が多数。また、「自分が話すことで詐欺被害を減らせれば」というヒロキさんの言葉も「詐欺師が話してると思うと信用できない」と懐疑的な声が上がりました。

●仕掛ける側のリスクが少ない詐欺の仕組み ヒロキさんいわく、詐欺は上部に足がつかないように、オレオレ詐欺1つを取っても、組織化や細分化がされているそうです。 そして、ヒロキさんが実際にやっていた保険金詐欺の話に。車を運転する人とわざと当たりに行く人、さらに車の修理業者までがグルになって保険会社から高額の保険金をだまし取る手口。「保険会社を詐欺るんか……」「車屋もグルなところ、こわっ」と戦慄する人が続出しました。そのほか、「お前らみたいのがいるから保険金が上がるんだよ」と怒りをあらわにする声も。

●アポ電詐欺の話から山里母のファインプレーエピソード 番組ではVTRで、犯罪ジャーナリストの多田文明さんのお話を聞きます。警察や銀行員を装って資産状況などを電話で確認し、それから犯罪を行うアポ電詐欺が横行しているとのこと。ネット上では「ただの強盗だよね」「殺人事件にもなってたよね」など、危険な手口であることを示唆する声があがります。 このVTR明けには、山里さんの実家にオレオレ詐欺の電話がかかってきたエピソードを披露。山里さんの母・文代さんが詐欺師に、「息子がアメリカに行く前ですか?」と聞き、相手が肯定すると「アメリカなんか行ってねぇ!」と一蹴したそうです。この話にTwitterでは、「文代さんさすがすぎる」と賞賛の嵐でした。

●ヒロキさんが悪の道に進んだ経緯とは ヒロキさんは、両親の離婚後に寂しさから自分の居場所を探し、いじめっ子になってしまったそうです。その結果、クラスに無視され不登校に。そうして非行に走るようになったと語りました。この話には「また承認欲求か」「少年院に入った人と同じようなアレだ」「元ヤクザと同じだ」と、以前放送された内容と重ね合わせる声が見られます。 また、「自業自得」「一切同情できない」「お母さんのせいにするなよなー」「完全に逆恨みじゃないですかー」と突き放す人も。一方で、「信頼できるものがないと腕力や金という裏切らないものに執着していくのは自然な摂理」と、ヒロキさんの心理に一定の理解を示す意見もありました。もちろん、「それが犯罪を犯す理由にはならない」ともっともな意見も。

●悪質なリフォーム詐欺から逮捕へ ヒロキさんいわく、リフォームの会社を立ち上げた後に、材料など諸経費を浮かせるために、悪質な詐欺行為に手を染めるようになったとのこと。「リフォームとか見えないところは詐欺の対象になりやすい」「自分が騙されてるなんて露ほども思ってないんだろう」など、詐欺のターゲットになりやすい業種だと指摘する声が上がります。 そして、“その場で即決”と“誰にも言わないで”という詐欺の2大ワードに、「怖い……」と改めて認識する人や「メモメモ」と今後の参考にする声が見られました。その後、ヒロキさんは逮捕され2年8ヵ月の実刑を受けますが「やってることのわりに、刑期が短いな」と驚く声が多く見られました。

●独房に入ってから目が覚める ヒロキさんは刑務所に入って服役することになり、妻に離婚され家族を失ってしまいます。これに対しネット上では「当然だろ」「仕方ないね」と突き放す人、「母子家庭がグレたきっかけなのに自分が母子家庭作っちゃうとか」と呆れる人などが見られます。また ヒロキさんの「全てを失った」という言葉には「他人の金を巻き上げて同じことしたくせに」と辛辣な意見も。 そして服役中には母親から手紙が届き、優しい言葉を綴ってくれたといいます。これには「あああお母さん……」「母の愛ってすごい」「(ヒロキさんに)蹴られたりひどい言葉言われたりしたのに……」と、母親に心を寄せる声が集まりました。 その後、ヒロキさんの母親にインタビューするVTRが流れ「クズでも息子は息子なんやな」「この人を何とか光の射す方へ導きたかったんだろうな」など、母の愛を痛感した人が多数。

●まとめ ヒロキさんは「これまで俺は何をしてたんだろう」と後悔し、母親のVTRにも「苦労してたんだな」と涙します。ただ、詐欺師になった経緯を「全部外のせいにしてる」「詐欺師だったから、ヒロキさんの言葉も本当かどうかわからない」と最後まで厳しい意見が飛び交いました。 今はボランティアとして詐欺撲滅のための活動をしているヒロキさんですが、YOUさんも本当に更生したかどうか疑わしい様子。そこでヒロキさんに「(ねほりん恒例)半期に一度の呼び出しですよ」と提案します。今後、ヒロキさんがどんな形で登場するか注目です。

●調査概要 調査期間、2019年10月9日 調査対象、Twitter 調査件数、838 件(10%サンプリング) 調査キーワード、ねほりんぱほりん 調査方法、対象期間のTweetを「クチコミ@係長」によるテキストマイニングにより分析 備考、実数に近づけるため件数を100%に補正 ねとらぼ調査隊 〔2020年1/5(日) ねとらぼ〕

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学校のことを聞かれたらどうしよう 「学校のこと聞かれたら…」不登校の家庭を悩ます帰省、おだやかな過ごし方は?「明日は我が身と思い…」 年末年始の帰省がゆううつな家庭も 【#withyou~きみとともに~】 「学校のことを聞かれたらどうしよう」――。不登校の子どもの中には、年末年始の帰省をゆううつに感じている人もいます。祖父母や親戚に不登校であることを伝えておらず、びくびくしながら向かう両親の故郷。しかし、居心地の悪さやプレッシャーで、精神的にすり減ってしまうことも……。それに、気遣いでくたくたになってしまうのは、子どもだけではありません。今回の帰省のやり方、考えてみませんか。(朝日新聞記者・金澤ひかり、野口みな子)

【マンガ】不登校の子の気持ち描いた漫画 きっかけは、先生からの暴力…「またおこられる」 テレビで学校の話題、部屋を抜け出し… 神奈川県に住むさゆりさん(19)の家族は、お盆と正月は両親の実家に帰省する習慣があります。中学3年生の夏休み後ごろから学校に行けなくなったさゆりさんは、帰省の際、親族から学校の話題が出ることがつらく、家族と一緒に帰省できない年もあるそうです。 学校を休みがちになっていた中学3年のお盆休み、母方の実家に帰ったときのことでした。高校受験を意識した祖父から、「いい高校に行ってほしい」という言葉を何げなく投げかけられました。 学歴を重んじる祖父の考えと、現実の自分の状況との乖離に、気持ちがふさいだと言います。学校の話題に触れられるのが嫌で、次の正月は帰省しませんでした。 不登校のことを知らない祖父に、学校のことを話さないでというのは難しいかもしれません。しかし、「当然学校は行くもの」という価値観の祖父母に会うのは、しんどく感じるようになりました。 通信制高校に進学してからは家族と帰省することもありましたが、テレビで学校の話題が上がることがあります。そんなときは親族が集まる部屋から抜け出して友達に電話し、「早く帰りたい」と苦しい気持ちを聞いてもらって時間をしのいだそうです。 「行っているフリ」でもいい 「祖父母の家に行くたびに、『学校について聞かれたらどうしよう』とびくびくしていました」 そう話すのは、自身も小1から中3まで不登校で、その経験をもとにした漫画「学校へ行けない僕と9人の先生」(双葉者)の作者・棚園正一さん(37)です。棚園さんも、父方の祖父母には不登校であることを知られていませんでした。帰省中はなるべく学校の話にならないように、当たり障りのない話を意識していたといいます。 冬休みなどの長期休みは、他の子どもも学校に通っていないため、不登校の子どもが持つ後ろめたさも少しやわらぎます。そんなとき、学校を意識せざるを得ないタイミングが、学校の会話が出やすい帰省や親族の集まりなのです。 棚園さんは、「嫌であれば無理に行く必要はない」としつつも、「学校がせっかく休みなのに、気に病んでのびのび過ごせないのはもったいない」と話します。思い出すのは、学校に行っていない後ろめたさばかり気にする自分でした。「祖父母はたぶん僕の元気な姿を見たいだけでした。行かなきゃ2人との思い出もなかったのかな」 「気にしすぎないことも大事」という棚園さんは実際、祖父母の家では学校に行っているように振る舞っていたこともあると言います。 「それは大したうそじゃないし、それで気持ちが楽に過ごせるのであれば、悪いことではないと思います。もしかしたら冬休みが終わったら本当に学校に行くかもしれないですし。行けなくてもいいですけどね」 帰省のゆううつ、親も 大阪府堺市に住むゆきさん(仮名)の小学4年生の長男(10)は、約1年にわたり不登校の状態が続いています。 これまでは毎年、ゆきさんの実家に帰省していましたが、今年は長男は家族だけで過ごしたがっていると言います。帰省中、長男は同年代のいとこと遊ぶことが多かったといいますが、普通に学校に通えている子を目の前にすると、「自分はどうしてこうなったんだろう」と思い詰めてしまうためです。 しかし、実家への帰省をためらうのは長男だけではなく、ゆきさんも同じです。「(不登校に対して)否定的な発言をされたり、『これからどうするの?』などと聞かれたときが心配です。「そんな状況はあまりに酷です」とゆきさん。 さらに「私自身への風当たりも心配」と話します。「息子のことについて『いつまでそのままでいるの?』と聞かれるんじゃないかと気が気じゃないんです」 「当事者にならなきゃ分からないだろうから、理解は求めないけど、ふれないでほしいのが本音です。明日は我が身…と思い、見守ってほしいです」と話しています。 重要なのは「子どもの精神の安定」 NPO法人日本スクールソーシャルワーク協会の山下英三郎名誉会長は、帰省に対する不安は不登校の子どもだけではなく、親にもあるといいます。祖父母に子どもが不登校だと伝えていない後ろめたさがあったり、帰省によって子どもが精神的にすり減ってしまったりするためです。 「必ずしも祖父母や親戚が偏見なく接してくれるとは限らないので、正直に子どものことを伝えればいいということでもないのです」 個々のケースにもよりますが、親戚の関係性から帰省せざるを得ない場合もあります。山下さんは「子どもの精神的な安心・安定が一番なので、本人がプレッシャーを感じる状況を避けることが大事」と話します。「無理したときのダメージと比べると、帰省しなかったことを周囲にいろいろ言われた方がまだマシですよね」 かと言って、親が「帰省しない」という決断をするには不安なものです。例えば、親だけで帰省したり、子どもも顔だけ出してすぐ帰ったり、「柔軟に対応していければいいのでは」と山下さんは提案します。 帰省や親戚の集まりに行きたいかどうか、子ども自身が伝えられればいいですが、親や祖父母を気遣って「行きたくない」と言いづらい場合もあります。山下さんは、「帰省の話になったとき、子どもが緊張しているかどうか、または日常の暮らしぶりからも、親戚と一緒に過ごせる状況かどうかというのは感じ取れるかもしれません」。 一方、もしも帰省先の親族に不登校の子どもがいたら、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。山下さんは「もしも本人を心配していらっしゃるのであれば、『何かできることがあればサポートするよ』という気持ちでいてください」。 ただし、過度に気を遣われることは、本人にとっても居心地の良いものではありません。「あくまで普通でいてください」と山下さん。「学校に行っているかどうかということを抜きにして、本人を大切に思っているという気持ちを大事にしてください」 新しい年、穏やかな気持ちで 日常の生活を離れて、自分のルーツや地元の価値観に触れる帰省を、苦手に思う人も多いのではないでしょうか。親族とはいえ、普段の暮らしぶりを知らない相手に、詮索されたり、踏み込んだりしてほしくないこともあるはずです。 それが自分にとってプレッシャーや不安につながるのであれば、帰省をやめたり、期間を短くしたりすることも、ひとつの選択として適切なことだと思います。不登校の子どもやその親のみなさんが、少しでもおだやかな気持ちで新しい年を迎えられることを願っています。 《#withyou ~きみとともに~》 withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou ~きみとともに~」を続けています。 〔2019年12/27(金) withnews〕

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eスポーツ eスポーツで不登校を克服 大阪の通信制高校 授業でコンピューターゲームを行う生徒ら。eスポーツが希望になっているという=大阪市北区(宇山友明撮影) ゲームで社会性を身に付け、不登校を克服しよう-。大阪の通信制高校がコンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」を通じ、不登校や引きこもりになった生徒らの社会復帰を後押ししている。eスポーツを学ぶ新たなキャンパスも昨年4月に開校。悩みを抱えた生徒らの入学希望が増加し、関係者は「eスポーツが生徒らの希望になっている」と話している。 「ナイスナイス!」「ドンマイ、まだいけるよ!」。ゲーム用の高性能パソコンが40台並ぶ、ルネサンス大阪高等学校の新施設「梅田eスポーツキャンパス」(大阪市北区)。チームに分かれてeスポーツに打ち込む生徒らは、互いに声を掛けながらゲーム攻略に夢中になっていた。中には、いじめや人間関係が原因で、過去に不登校や引きこもりになった生徒もいる。 同校が全国の高校で初めてのeスポーツコースを開設したのは、一昨年4月。昨年には新キャンパスができ、悩みを抱える生徒の入学希望が増加。来年度は定員の3倍以上の応募が寄せられており、オープンキャンパスや授業見学に訪れる生徒や両親も後を絶たない。 現在、コースに通う生徒は1~3年の計約50人。授業は週2回で、教材となるのはeスポーツに採用されている戦略ゲームや格闘ゲームだ。中でも授業で扱われる頻度が高いのが5対5のオンライン対戦ゲーム。キャラクターを操作して陣地を取り合うゲームで、チームワークを駆使して戦うことが求められる。このため、eスポーツを通じてコミュニケーション能力や協調性など日常生活に欠かせない社会性を身に付けることができるという。 また、同校ではeスポーツの授業と並行して英会話や心理学の授業も実施している。 生徒らもeスポーツを通じて積極的に登校するようになるなど、少しずつだが立ち直り始めている。中学1年時に人間関係が原因で引きこもりになった大阪府東大阪市の男子生徒は「人間関係を構築するのが苦手だったが、人と関わる楽しさを知った。引きこもりのときのストレス発散の道具で逃げ道でしかなかったゲームが、今では自分の希望」と説明する。いじめが原因で1年半以上不登校だった兵庫県川西市の女子生徒は「大学に進学するか、eスポーツに関わる仕事に就くために専門学校に行くか。毎日わくわくしながら悩んでいる」と目を輝かせた。 同校の福田和彦部長は「生徒らにはeスポーツで自信を取り戻してもらい、将来は社会で活躍する人間に成長していってほしい」と話している。(宇山友明) 不登校や引きこもりの社会復帰を後押しする一方、eスポーツは過度なプレーが未成年者のゲーム依存を助長する危険性があるとも指摘されている。昨年5月には世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を疾病と認定。普及に向けて逆風が吹く中、ゲーム依存を防止するための研究を行うeスポーツ団体も現れた。 昨年7月に関西の学生らで結成された「学生e-sports連盟」は、大学間の大会を企画する一方、京都大大学院医学研究科の村井俊哉教授の協力を受けながらゲームによる健康被害についての研究を実施。ゲーム依存を未然に防ぐ方法と、依存症を発症している未成年者が社会復帰をするための手段が現在の研究テーマだ。今後はゲーム障害を予防するための制度設計にも取り組む予定で、小澤行央副理事長は「eスポーツがネガティブなものに捉えられないように、研究を進めていきたい」と話した。 〔2020年1/11(土) 産経新聞〕

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養育費 娘が進学校をやむなく退学、43歳女性に立ちはだかった養育費2万円の壁 離婚に伴い問題となる「養育費」 昨年12月23日、多くのメディアで、「養育費の算定式が新しくなる」というニュースが大きく報じられましたが、あなたの耳にも入りましたか。 例えば、父の年収が700万円、母が300万円、子ども1人(14歳以下)の場合、今までは月5万円でしたが、これからは月7万円と、月2万円増える計算です。父の年収が800万円、母が100万円、子ども2人(1人は15歳以上、1人は14歳以下)の場合は、今までは月13万円(2人分)でしたが、これからは月15万円と、やはり月2万円増えます。 「月7万円を20歳の誕生月まで」 ほとんどの場合、子どもは父親ではなく母親が引き取るため、大半の母子家庭では養育費を月2万円上乗せできると考えてよいでしょう。今までも、算定表という根拠があれば、夫は「裁判所のルールなら仕方がない」という感じで渋々、首を縦に振ることが多かったのですが、これは新算定になっても変わらないでしょうから、新算定表による増額分は机上の空論ではなく、実際にもらえる金額だと期待してよさそうです。 これは夫婦が離婚する場合だけでなく、未婚出産(できちゃった婚をするつもりが途中で別れた)や不倫出産(相手が既婚者なので結婚できない)で婚外子(夫婦ではない男女の間の子)の養育費を決める場合も使うことができます。 今回紹介する相談者は多胡桃さん。桃さんは3年前、当時の夫と離婚、一人娘(杏さん)の親権は桃さんが持ち、養育費は「毎月7万円を20歳の誕生月まで」と決まりましたが、これは当時の養育費算定表通りの金額なので、桃さんにとって有利でも不利でもありませんでした。 しかし、離婚から3年後、市内で偏差値上位の高校に入学した娘さんは1年生の冬に不登校の状態に陥り、わずか1年で自主退学。現在はどこの学校にも通わず、フリーターとして働いています。せっかく進学校に合格した娘さんの学歴は中卒で止まってしまったのですが、すべての原因は「養育費は足りないこと」でした。一体何があったのでしょうか。

<家族構成と登場人物(すべて仮名)、属性・年収は変動なし> 多胡桃(離婚時40歳、現在43歳)、派遣社員(年収250万円)※今回の相談者 大家雅也(同43歳、同45歳)、会社員(年収900万円) 多胡杏(同13歳、同16歳)、中学生→高校退学

家庭環境から娘が問題行動、それでも進学校へ 「リビングのテーブルの上に、5冊の節約本が置かれていました」 桃さんは夫との結婚生活をそう振り返りますが、娘さんが中学に入学するとき、準備金として20万円が必要なので、夫にお金を出してほしいと頼んだそうですが…5冊の節約本は「もっとやるべきことがあるだろ?」という夫からの無言のプレッシャーでした。 夫が家計に口を挟むのはこのときが初めてではなく、そのたびに、桃さんは出費を切り詰めてきたので、これ以上削るお金はありませんでした。当時、結婚生活は15年目。多少の蓄えはありそうですが、桃さんいわく、家族の貯金はゼロだった模様。なぜでしょうか。 桃さんの手取りは月18万円ですが、これはすべて生活費として使い果たしていました。夫は「お前が稼がないからしょうがないな」という感じで、桃さんの給料では足りない分だけお金を渡すというスタイルでした。 例えば、娘さんが中学に入学する前月、夫が入れた生活費はわずか3万円でした。夫の年収は900万円なので、月3万円しか払わなければかなりの金額が自由になる計算で、貯金を考えれば、準備金の20万円は大した金額ではないはずです。 しかし、夫は「20万円ぽっちもためていないのはお前が悪い!」と言い放ち、生活費を一切追加しようとしなかったので結局、桃さんが週末に日雇いのアルバイトをして、20万円を補填(ほてん)せざるを得なかったのです。せめて、義務教育を終えるまでは両親そろった家庭を維持するのが親の務めだと思い、桃さんは我慢に我慢を重ねてきたそうです。

夫婦の間にほとんど会話はなく、会話をしようものなら、夫が意味不明な持論で論破し、妻はただただ涙を流すだけ…娘さんは、そんな劣悪な家庭環境の中で暮らしていたので、性格の形成や情緒の安定に難があるタイプに育ったのです。 「先生、のだめカンタービレを知っていますか? 娘はのだめちゃんにそっくりなんです!」 桃さんはため息交じりにそう言いますが、例えば、「コンビニに行く」とうそをつき、夜の9時まで戻ってこない、桃さんの財布からお金を盗み、ゲームソフトを買ってくる、桃さんのクレジットカードを使ってスマホゲームに課金する。それらを問いただされると「だから何なのよ!」と大声を上げ、仏壇のろうそくをばらまき、ボヤ騒ぎを起こす。 そんなふうに、家庭の不和のせいで娘さんが問題行動を起こすようになったのです。一方で、学校の勉学は優秀で学内トップクラスの成績でした。桃さんは娘さんが13歳のときに夫と離婚したのですが、娘さんの部屋はなく、勉強机はリビングのテーブルでした。とても勉強に集中できる環境ではないのに、高校受験は進学校を受験し、合格したそうです。 同級生は全員、大学受験用の塾に通っており… 桃さんは、守銭奴の夫が途中で難癖をつけて養育費の支払いをやめることが予想できたので、養育費の約束を公正証書に残したのですが、離婚1カ月目から振り込まれていないのは予想外でした。 公正証書があれば、元夫の給与を差し押さえるための申し立てをすることが可能です。差し押さえが成功すれば、職場は元夫へ給与を支払う前に直接、桃さん(または娘さん)の口座に養育費の未払い分を振り込んでくれます。いわゆる給与天引きが可能で、しかも、一度手続きを踏めば、最終回(今回は20歳)まで自動的に天引きされるので便利です。 桃さんは、元夫の給与を差し押さえることで安定的に養育費を手に入れることができたのですが、今度は養育費が足りないという別の問題が発生したのです。 学歴が「専門学校卒」の桃さんは知らなかったのです。娘さんの高校は進学校とはいえ、大学受験対策は高校の授業だけでは不十分だということを。同級生は1年生のときから受験用の塾へ通っており、娘さんも同じように通いたかったのですが授業料は少なくとも毎月3万円。桃さんの収入と元夫からの養育費では無理な金額でした。 しかも、所得制限を超えており、児童扶養手当(一人親家庭に支給される手当)が望めないのでなおさらです。もちろん、中学入学時のように桃さんが週末に副業をするという選択肢もありますが、桃さんは長年の過労がたたり、肝機能障害を患っていました。少しでも無理をすると倒れて寝込んでしまうありさまで、自力で何とかするのは不可能でした。あとは、元夫に養育費を増額してもらうしかありません。 本来は親権者である桃さんが直接、元夫を説得すべきですが、結婚生活の出来事がトラウマになっており、元夫の存在を思い出すだけで頭は真っ白になり、手は震え、汗ばんでくるので、LINEを一通書くのも無理な状況でした。 そこで、娘さんが桃さんになりかわって夫にLINEを送ったのですが…いまだに給与差し押さえの件を根に持っているようで、「お前らのせいでクビになりそうだぞ! 話は天引きをやめてからだ!!」と逆上したり、受験事情には無知なのに、「東大受けるんだろ? そうじゃなきゃ○○高校に行った意味がない!」とまくし立てたり、「そんなことより俺とデートしようぜ!」と酔っぱらった感じで思春期の娘さんへセクハラまがいの暴言を吐いたり…。 娘さんは、ただでさえ情緒が不安定で他の子より傷つきやすいのに、実の父親から罵声を浴びせられたら平静を保つのは無理です。結局、元夫を説得できず、養育費の増額が実現できないどころか、娘さんの心に永遠に消えないだろう傷が残る結果に。同じクラスで塾に通っていない生徒が娘さんだけという状況で、娘さんは次第に学校から足が遠のいたのです。 通信制にも希望を見いだせず、高校退学を決断 娘さんは、金銭的に苦しむ桃さんを助けたい一心でアルバイトを始めたのですが、進級に必要な単位が足りず、このままでは留年せざるを得ません。桃さんはそれでも、高校を卒業させてあげたいので、授業料を払えそうな通信制へ転入を提案したのですが、大学進学が絶望的な通信制に希望を見いだせず結局、高校を退学する決断をしたのです。 ところで新算定表によると、離婚時(13歳)の養育費は毎月9万円が妥当な金額です。桃さんの場合(月7万円)より2万円多ければ、娘さんは塾に通って大学へ進学し、正社員として就職する道が開けていたのでは、と残念でなりません。 もちろん、算定表は14歳以下、15歳以上で金額が分かれています。娘さんは離婚時13歳、相談時16歳でした。旧算定表でも、13歳時の養育費は月7万円、16歳時は月9万円が妥当な金額です。 法律上、事情変更による見直しは認められているのですが(民法880条)、桃さんのように、精神的な理由で元夫へアプローチできないケースも多いです。途中で増額するのが至難の業なので、離婚時、どのような金額を設定するのかが極めて重要で、今回の改正で救われる一人親、そして子どもが増えることを願うばかりです。 なお、「うちは子どもがいないから関係ないでしょ」と人ごとのように素通りするのは危険です。今回、養育費算定表だけでなく婚姻費用算定表も改定されました。婚姻費用は、別居中の夫婦の生活費のことです。例えば、夫の年収が900万円、妻が専業主婦の場合、今までは月13万円でしたが、これからは月15万円なので、子どもがいないのに月2万円増額されています。 報道では増額の理由として、「子どものスマートフォンの普及」「子どもの教育費の増加」を挙げています。なぜ、子どもがいない家庭でも増額されたのか定かではありませんが、いずれにせよ、子連れの妻だけでなく妻がもらえる金額も増えたのは確かなのです。 露木行政書士事務所代表 露木幸彦 〔2020年1/13(月) オトナンサー〕


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桜丘中学校のインクルーシブ教育 校則も定期テストもない 桜丘中学校のインクルーシブ教育が「大人たち」にもたらしたもの 現在の日本の教育に危機感を抱いているのは、文部科学省や経済産業省の官僚、一部の熱心なNPOや民間の教育業界の関係者、そして、ひと握りの現場の教員だけではない。東京都世田谷区では、ある公立中学校の保護者有志が中心となり、教育のイノベーションに向けてトークイベントを開催、大盛況となった。 「定期テストや校則を撤廃し、不登校やいじめもなくなった」とメディアからも注目を集めた世田谷区立桜丘中学校の保護者たちである。開催した「桜丘中学校ミライへのバトン ~選びたくなる、公立学校とは?~」には参加申し込みが殺到し、1000人の席はすぐに予約で埋まった。キャンセル待ちも出るほどだった。当日(2019年11月30日)、会場には、世田谷区の小中学生や保護者、桜丘中学校に興味を持ち遠方から足を運んだ人もいたという。 2017年から毎年開催されている「未来の先生展」や、昨年開催された「Learn X Creation(ラーン・バイ・クリエイション)」など、これまでの教育の問題点を検討し、新しい教育を模索しイノベーションを起こそうと試みる大きなイベントが、このところ注目され始めていた。感度の高い教育者や保護者にはそれらの開催は浸透しつつあったが、保護者たちが自ら主催し、1000人もを集めたイベントはあまり見当たらない。 子どもたちが3年間楽しく過ごすために

今回のイベントは、桜丘中学校の保護者や地域のボランティアなど約50人がスタッフとなり、協力してつくり上げた。その立案には、保護者の切実な思いが込められていた。 桜丘中学校が注目を集めたのは、2018年12月から朝日新聞で連載記事が掲載されたことが大きなきっかけだった。その記事は桜丘中学校を丁寧に取材し、この学校のユニークな教育をありのままに伝えていたが、「校則がない」「定期テストがない」などの言葉だけが、後続のメディアの報道でひとり歩きしてしまっていた。 「子どもが在籍する保護者として感じている実情と、外から見られている学校の姿にギャップを感じていました。子どもたちは生き生きとして本当に楽しそうに学んでいましたが、保護者の中には、注目されすぎていることや受験対策に不安を感じる方もいました。そうしたいろいろな思いを共有し、話せる場を持ちたいと思い、動き始めました。子どもたちのための学校とはどんなものかをみんなで考える会にしたかった」(保護者有志・橋本陽子さん) その思いに応え、4人の登壇者が集まった。桜丘中学校校長の西郷孝彦さん、世田谷区長の保坂展人さん、麻布学園理事長で城南信用金庫顧問の吉原毅さん、そして、教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹さんだ。 やりたいことをやらせる教育方針 トークイベントの冒頭には、桜丘中学校の普段の様子がスライドで映し出された。職員室前の廊下には机が置かれ、教室に入りづらい子がここで勉強することも、卒業生が土日に勉強しにくることもある。家から麻雀牌を持ってきて、やりたいと言えば机をくっつけて台をつくり、やってみる。 フリーWi-Fiにも接続できるようになっており、スマホもiPadもOK。服装も髪型も自由。定期テストも宿題もない。校則もなくした。授業中に寝る自由も、授業がつまらないと言う自由も確保されている(それは先生の授業がつまらないから)。 子どもたちがやりたいことはできる限りサポートし、やりたくないということには、それはなぜかと丁寧に耳を傾ける。頭ごなしに決めつけて従わせるのではなく、子どもたちが自ら考え、動くことを応援する。 3Dプリンターでつくりたいものをつくってみたり、ハンモックで揺られながらスマホを楽しんだりすることもできる。放課後の補習教室、放課後のボーカルレッスン、放課後の料理教室、夜の勉強教室、炎のギター教室など居場所づくりにも力を入れている。 これらはすべて、「すべての子どもたちが3年間楽しく過ごすためにどうすればいいか」を、西郷校長や教員が真剣に考えた結果であるという。 「桜丘中では、『この学年』や『このクラス』ではなく、あの子はこうだね、この子はこうだねと個人の話をします。困っている子がひとりいれば、他にも困っている子はいるはずです。その子を観察し、意見を聞いて、その子が楽しく過ごせるにはどうすればいいかを考えて学校を見直してきました。これは教育理論先行ではなく、自然科学の方法です。自然を観察してその法則を見つけるということを教育に持ち込んでいます」(西郷校長) 「自分で考える力」を身につける

西郷校長は桜丘中学校の校長となって今年で10年になる。着任当時はどこにでもある普通の中学校だった。そこで、4つの新しいOS(Operating System)を桜丘中に導入したという。

OS1 多様性の需要・尊重/みんな違っていい。みんな違うほうがいい。 OS2 愛情を持って生徒に接する/生徒と教員が溶け込んでいるような関係性。 OS3 1人1人を大切にする/うちのクラスは、と言わない。1人1人を見る。 OS4 子どもと共に「生きる」/子どもの3年間と自分の人生の3年間を一緒に生きる。

桜丘中学校の「インクルーシブ教育」 桜丘中学校で行われているのは、インクルーシブ教育である。西郷校長は教員としてのスタートを養護学校(現在の特別支援学校)からスタートさせており、発達障害などへの理解も深い。短い命を終える子どもたちにも出会った。そしていまを楽しく生きることが何よりも大切だと思うようになったと語った。 最初はとまどっていた教員も、その理念を理解し、少しずつ変化していった。すると、子どもたちが変わっていく。ひとたび、いい循環が生まれれば、あとはどんどん改善されていく。それぞれの生徒が居心地のいい空間を見つけ、不登校の生徒は減り、多様であることがよしとされる場では、いじめも必要なくなった。 学ぶ意欲が高まり、「自分で考える力」を身につけることができるため、桜丘中学校の学力は、世田谷区でもトップクラスとなった。実生活にリンクさせて学ぶ英語は、飛び抜けて高い実力がついている。東京大学と東京学芸大学によるリサーチでは、いま注目されている非認知能力も高いという結果が出た。 2019年の国際学力調査(PISA)で、日本は、2015年の前回と比べ、科学は3ランク下げて5位、数学は1ランク下げて6位と、なんとか上位にとどまったものの、読解力は7ランク下げて15位という結果となった。 読解力といっても、ただ単に文章を読み解くだけの力ではない。大学教授のブログ、本の書評、科学雑誌の記事の3つを資料として、そこから根拠を示しながら、自分の考えをまとめる力が問われたもので、まさにこれからの時代に必要な高度な学力である。膨大な情報のなかから重要なものを選び取り、教科の枠にとらわれず横断的に自ら考え表現するための力だ。 この国際学力調査の結果が出る以前から、文部科学省も経済産業省も教育のイノベーションが必要であるという危機感は抱いており、2020年度には新しい学習指導要領が小学校で、2021年度には中学校でも施行されることになっている。桜丘中学校では、まさにこうした動きに先駆けて、実践的な力を身につける環境を整えてきたと言えるのではないだろうか。

保護者も自分たちで社会を変える力を このトークイベントでは、桜丘中学校の様子をスライドで見て、西郷校長の話を聞きながら、3人の登壇者も大きく頷いていた。 教育評論家の尾木さんは「既存の社会にうまくハマるための人材ではなく、新しい社会を創っていける人間を育てることが教育です。多様性を認めて、それぞれの力を生かして協力し合うことは、これからの日本の社会や企業を組み替えるための大切な取り組みね」と桜丘中学校の教育に共感し、「私たちの大人の生き方、価値観の見直しが迫られている」と警鐘を鳴らした。 「自分たちで社会を変える力」 麻布学園理事長で城南信用金庫顧問の吉原さんは、「自由闊達、自主自立にしないと子どもたちは育ちません」と切り出し、次のように語った。 「詰め込み、管理してしまうと自分で判断することをやめてしまう。情熱もなく、小粒になる。麻布でも、お受験で思考が凝り固まった子どもをいかにほぐすかが勝負です。中学高校は人間の基礎をつくる。そこで基礎をつくった子は、将来、爆発的に力を発揮します。活躍する場所を自分で見つけることができる。 規則を重視しすぎると、人を統制し、いじめる道具になってしまうことがある。規則より大事な倫理、思いやり、愛情、そういうものが会社や社会に必要だと思います」 西郷校長が退任したら、新しい校長になったらどうなるのか。その後のことを心配する声も多い。そのことを受けて、世田谷区長の保坂さんは次のように話した。 「桜丘中のように1人1人の子どもを尊重して、可能性を引き出す教育、誰1人として排除せず、包み込むことが必要だと思います。 教育について考える場にこれだけ多くの方が集まってくださることはまずありません。社会全体がいま大きく変わろうとしています。私は、上から変えるのではなく、学校現場から特色を出して踏み出していくこと、区民のみなさんの声から教育を変えていくことがとても重要だと考えています」

私たち1人1人が、声を上げ、働きかけていくことで教育は変わると、保坂さんは言うのである。 西郷校長の根底に流れるのは、教育理念というよりは、揺るぎない「人間への信頼」だ。 「子どものころ、大きくなったら悪い大人になりたいと思っていた人はいますか? いませんよね。人間ってそういう心を持って生まれてくる。だからそういう心が発動するように、自由にいろいろなことができる環境をつくってあげるんです。非認知的スキルは教えられません。環境がつくる。現在の多くの学校がそういう環境をつくっているのかはちょっと疑問ですね。 いま、学校の存在意義が問われています。うちの生徒たちは、海外の高校に行きたいと言っている子が多い。子どもたちに愛想をつかされないよう、日本にも素晴らしい教育の場が増えていくといいなと思います」 西郷校長は、自著「校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール」のなかでも、「『自分たちで社会は変えられる』ということに気づいてほしかったからです」「子どもたちは、みんな自分たちで『変える力』を持っている」と繰り返し記している。自らが退任した後、もし生徒が望まない方向に学校が動き出したら、「自分たちで変えればいい」という未来の子どもたちへの信頼も伝わってくる。 実は、前出の保護者有志の橋本さんは、後日、取材した際に「これだけはみなさんにぜひ伝えたい」と、次のように付け加えてくれた。 「あの学校がいいから引っ越そう、越境しようということではなく、それぞれの人がいまいる場所や学校で、少しでも変えていくことができれば、社会全体が大きく動き出すのではないかと思います。今回のイベントが、そのひとつのきっかけになればいいなと願っています」 私たち大人も、かつては子どもだった。西郷校長の言葉を借りて言えば、私たちのなかにも「自分たちで社会を変える力」がきっとあるはずだとあらためて思う。できることから行動に移すべきときが来ている。 太田美由紀 〔2020年1/15(水) Forbes JAPAN〕

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評価社会 人類は数百万年前から「評価社会」を生きてきただから、ひとは「嘘つき」で「自信過剰」【橘玲の日々刻々】 ウィリアム・フォン・ヒッペルはアメリカの進化心理学者で、現在はオーストラリアのクイーンズランド大学で心理学を教えている。『われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人よしなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略』(ハーパーコリンズ・ジャパン)は、最新の研究をもとに人間の行動と社会の仕組みを説明する楽しい読み物だ。原題は“The Social Leap : The New Evolutionary Science of Who We Are, Where We Come From, and What Makes Us Happy(社会的跳躍 われわれは何者で、どこから来て、何がわれわれを幸福にするのかの新しい進化科学)。 ここでは私のこれまでの本と重ね合わせながら、興味深い内容のいくつかを紹介してみたい。 「日本の若者も思春期の女性が男性より冒険的になる」 両性生殖の生き物は、なんらかのかたちで近親婚による有害な遺伝的変異を避ける仕組みをもっている。人類にもっとも近い霊長類であるチンパンジーやボノボの場合、メスは思春期を迎えると「冒険的」になって、慣れ親しんだグループ内のオスではなく、他の集団のオスに興味を持つようになる。異なるグループが遭遇するとメスが他の集団に移っていったり、思春期のメスがふらりと群れを離れ、たまたま出会った別の群れに加わったりする。 同じような進化の仕組みがヒトにも埋め込まれている傍証として、拙著『上級国民/下級国民』(小学館新書)で日本の大学生の留学状況の顕著な性差を紹介した。独立法人日本学生支援機構の「平成25年度協定等に基づく日本人学生留学状況調査」によると、学生交流に関する協定などで留学した学生は男子が1万6446人(36.5%)に対し女子が2万8636(65%)と倍ちかい開きがあるのだ。 もちろんこれだけで「チンパンジーやボノボと同じように、日本の若者も思春期の女性が男性より冒険的になる」と決めつけることはできないが、ヒッペルによれば、祖先の歯のストロンチウムの濃度を測ることによって、この問題の答えはすでに出ているのだという。 この研究を行なったのはマックス・プランク進化人類学研究所のチームで、数百万年前の人類の祖先アウストラロピテクス・アフリカヌスのさまざまな歯の化石のストロンチウム比を計測した。ストロンチウムはカルシウムと同じように体内に摂り込まれる金属で、主として骨や歯のなかに蓄積する。 ストロンチウムには4つの異なる型(同位体)があり、その割合は地域によって変わる。ある地域では特定の型のストロンチウムが多く、地域が異なれば別の型のストロンチウムが多くなるのだ。 ストロンチウムは成長と発育によって歯に摂り込まれるため、古代人の歯を分析すれば、ストロンチウムの異なる型の比率を調べることができる。ストロンチウム比がその地域の岩盤の比率と一致すれば、歯の持ち主がその地位で育ったとほぼ断定できる。逆に地域の岩盤と比率が異なるなら、歯の持ち主は幼年期を過ぎてからその地域に移り住んできたのだ。 調査の結果はどうだったのだろうか?  研究者たちは、「大きめの歯はその場所の地質と一致したが、小さめの歯は一致しない」ことを明らかにした。 一般に男の方が女より体格が大きいから、必然的により大きな歯をもつことになる。ここからヒックスは、「このデータは、チンパンジーと同じように女性のアウストラロピテクスが生まれついた集団を離れ、近親交配を避けていた可能性を示唆するものだといえる」と述べる。 日本社会では男の子は外向的でさまざまなことにチャレンジし、女の子は内向的でおとなしいとされている(すくなくともこれまでは)。子どもを産み育てる性である女が進化の過程でリスクを避けるようになったことはさまざまな研究で指摘されているが、だからといって「家庭的=保守的」ということにはならない。古代人の歯や骨のデータは逆に、思春期の女の子は新しい出会いを求めて、男の子よりもずっと冒険的・積極的になるように進化の過程で「設計」されてきたことを示している。このことは留学生数の性差だけでなく、さまざまな社会現象によってこれから明らかになっていくのではないだろうか。 ちなみに、ひきこもりの人数は男が女の2倍ほど多い(不登校の人数には性差はないようだ)。これももしかしたら、男が生まれ育った場所から動かないように「設計」されていることと関係するのかもしれない。 人類は「石を投げる」ことで捕食者に対抗した 人類の祖先は700万年から500万年前のどこかでチンパンジーとボノボとの共通祖先から分岐した。それがアフリカのどこで起きたかについては諸説あったが、近年の研究は、東アフリカの大地溝帯(リフトバレー)だという認識で一致しつつあるようだ。

大地溝帯は大陸プレートが異なる方向に引っ張れる場所で、それがエチオピア、ケニア、タンザニアにまたがる広大な地域を押し上げた。これによって大地溝帯の東側の熱帯雨林は徐々に乾燥し、サバンナへと変わっていった。 それまで熱帯雨林で果実やベリーをいくらでも食べられた類人猿の祖先は、気候変動によって食糧が減ったため、サバンナに降りざるを得なくなった。だがそこには、ライオンやトラなどの危険な捕食動物がうようよしていた。 じつは、人類とチンパンジーの共通祖先以外に、樹上生活から地上生活への移行を余儀なくされた近縁の種がいる。それはヒヒで、現在も数種がアフリカのサバンナに棲息している。 ヒヒはどうやって、この危機を乗り越えたのだろうか。それは大きな集団で暮らすことと、発達した門歯(牙)によって捕食者と闘うことだった。 それに対してヒッペルは、人類は身体を改造するのではなく、「石を投げる」ことで捕食者に対抗したのだという。 大航海時代に「原住民」と対峙したヨーロッパの探検家は、たびたび石投げの洗礼を受けた。15世紀のフランスの探検家はこう書いている。 ほぼ一瞬にして、彼らはわれわれをこてんぱんに打ちのめし、こちらはすぐに安全な場所に戻るしかなかった。飛んできた石のせいでみな頭から血が流れ、腕や足の骨も折れていた。彼らはほかの武器のことなどなにも知らない。にもかかわらず、キリスト教徒よりもはるかに巧みに石を扱って投げた。彼らが投げる石は、まるで石弓の矢のようだった。 これまでの通説では、人類は火を手にしたことで危険なサバンナを生き延びることができたとされる。だがこれでは、それまでどうやって捕食者の餌食にならずにすんだのかを説明できない。「石投げ仮説」はこの空白を埋めることができる。

人類が石を投げるように進化してきたことは、化石記録でも裏づけられている。およそ350万年前に東アフリカにいたアウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)は「ルーシー」で知られるが、「チンパンジーと比べて手と手首の可動域がより広く、上腕の柔軟性が高く、肩が水平に近く、股関節と下部胸郭のあいだの空間が大きかった」という。こうした身体の変化は、二足歩行だけでなく、モノを投げることにも非常に効果的だった。 ヒッペルは触れていないが、石を投げたのは主に男だったのではないだろうか。若い女の多くは子どもを抱いていたはずだから、その態勢のまま石をつかんで投げることはできなかったはずだ。このことは現在も性差として残っていて、投てきは明らかに男の方が得意で(プロ野球の始球式で、女性タレントの投球がノーバウンドで捕手まで届くとニュースになる)、腕を折り曲げてモノを持つことは女の方が得意だ。 女性のバッグがひじにかけられるようにつくられるのは文化的なものではなく、そのほうが持ちやすいからだ。なぜなら、赤ん坊を抱く時のひじのかたちと同じだから。それに対して男は、重いものをひじにかけて持とうとはしない。これも進化の過程で生じた男女の身体的ない性差だろう。 約350万年前には、サバンナに進出した人類は、ヒヒと同じように集団で暮らし、石を投げるのに適した手首や肩を進化させたことで、捕食動物から身を守っていた。これはたしかに納得できるが、それでも疑問は残る。チンパンジーとの共通祖先から分かれて以降、「石投げ」を習得するまでの200万~300万年のあいだ、人類はどうやって生き延びてきたのだろうか。 この疑問に対するもっとも説得力のある答えは、「アクア説(水生人類説)」だと私は思う。

[参考記事]●人類はサバンナではなく水辺に移って進化したという「アクア説」がきわめて高い説得力を持つ理由 プレートの分岐によって熱帯雨林を失った人類の祖先は、ヴィクトリア湖、タンガニーニ湖、あるいはエチオピア高地にあるタナ湖など大地溝帯にできた巨大な湖に移り住み、半水生生活をすることで捕食動物を避けた(ライオンやトラなどの肉食獣は泳げない)。 水中では四足歩行より二足歩行のほうが有利で、体毛を消失した代わりに皮下脂肪を蓄えるようになった。どれもサバンナの動物にはない、人類だけの特徴だ。こうした水辺での集住生活を数百万年続けるなかで、知能とコミュニケーション能力を発達させ、同時に石を投げる技術を体得したことで、わたしたちの祖先はより栄養価の高い食料を求めてサバンナへと進出したのではないだろうか。 人類は数百万年前から「評価社会」を生きてきた すくなくとも350万年前には、人類の祖先はサバンナで150人程度の集団をつくり、そこで「社会性」を高めていった。ぶ厚い毛皮も戦うための牙ももたない人類は1人ではきわめて弱い個体で、共同体から放逐されることはただちに死を意味した。共同体に適応する能力=社会性を獲得することは、文字どおり死活問題だったのだ。 ヒッペルは、自尊心、罪悪感、恥のような「自己意識的感情」はここから生まれたという。「集団の価値を高めるような行動をとったとき、わたしたちは自尊心を抱く。集団の誰かに害を与えたとき、わたしたちは罪悪感を抱く。集団のまえで自分たちの価値を下げる行動をとったとき、わたしたちは恥を感じる」ようにつくられた人類は、数百万年前から「評価社会」を生きてきたのだ。 「心の理論」は相手がなにを考えているかを理解する能力のことで、人間だけがもつ。それに対して「共感力」は、相手が感じていることを自分も同じように感じることで、この2つは別のものだ。 ヒッペルは、「進化によって与えられたあらゆる傾向のなかでも、自分の心の内を他者と共有したいという願望こそが、人間を食物連鎖の頂点に押し上げるうえでもっとも重要な役割を果たしたのではないだろうか」と述べる。だがこれは、「わたしのことを知ってほしい」「あなたのことを理解したい」という共感の欲求では必ずしもない。 人間の行動に利他性が見られることは間違いないが、進化の基本単位である遺伝子は常に利己的だ。生き物のあらゆる特徴は生存と生殖に最適化されており、遺伝子の複製を最大化するように「設計」されている。 だとしたら、「心の理論」が進化した理由はなんだろう。それをヒッペルは、「ほかの人の心に自分の考えを植え付けることは、集団を自分の好きな方向へとうながす絶好の機会を与えてくれる」からだという。それと同時に、「自分の考えや感情が他者に受け容れられると、集団内の自らの地位が確かなものになり、将来について安心感を抱けるようになる」。この2つの要因によって、本来は利己的なものであるはずの「心の理論」が、社会的な協調や分業に役立つようになったのだ。 「心の理論」の本質が「相手の心を操作したい」「集団内での自分の地位を安定させたい」だとすると、そこから“嘘”と“誇張”が生まれるのは必然だ。嘘によって相手をうまくだますことができれば自分の利益になるし、誇張によって実際より自分をよく見せることができれば、労せずして集団内の地位が上がる。道徳的に批判されるこれらの行為は“人間の本性”なのだ。 とはいえ、すべてのメンバーが嘘と誇張しかいわないのなら、協調や分業などできるわけはなく、共同体はたちまち崩壊してしまうだろう。そうならないのはブレーキが備わっているからで、それが「自制心」だ。これは脳の外側前頭前皮質(LPFC)と前帯状皮質(ACC)が関係している。 研究室に被験者を集め、実験者が「わたしが大好きな中国の郷土料理をぜひ食べてください」といって、タッパーから鶏足の煮込みを取り出して見せるという実験がある。日本の中華料理店ではあまり見かけないが、中国や香港ではよく出てくる定番の料理だ。けっこう美味しいが、ヨーロッパ人にはまったく馴染みがなく、ほとんどは強い拒否感を示す。 実験でも、タッパーから料理が出てくると室内は重い沈黙が支配し、その後、おどおどと鶏の足をつまみあげ、なんとかかじりつく勇気を奮い起そうとした者もいれば、「自分はベジタリアンだ」「ユダヤ教の戒律に従って調理したコーシャー料理しか食べない」などの言い訳を思いついた者もいた。 研究者がその後、被験者の脳をfMRIで調べたところ、ACC(前帯状皮質)が敏感なひとほど、より社会的に適切な反応(「興味深い料理ですね」などといいながら、相手に失礼にならない言い訳を考えつく)をすることがわかった。それに対してACCが鈍感な被験者は、衝動的な反応(うえっ、気持ち悪い)を抑え込むことができなかった。 ACCと自制心の関係は明瞭で、その人物が過去に反社会的な行動にかかわったかどうかはACCの敏感性/鈍感性だけでほぼ正確に予測できた。 「ヒトは共同体のルールに従いつつも抜け駆けしようと試みている」 進化心理学者のロバート・トリヴァースは1970年代に、「わたしたち人間はより効果的に他者を欺くために自分を欺くように進化した」と主張したが、これが正しいかどうかはこれまで検証されたことがなかった。だが近年は、さまざまな興味深い研究が積みあがってきている。 カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、学生たちを少人数の作業グループに分けた実験で、多くの被験者が相手が「博識」なのか「自信過剰」なのかを区別できないことを突き止めた。アムステルダム大学の研究チームがプロの人事コンサルタントを被験者に、どの応募者を管理職に昇進させるかを調べたところ、的確に自己認識できている志願者よりも自身過剰の候補者のほうが推薦されることが多かった。「経験豊かな人事コンサルタントでさえ、「現実的な自己認識」と「口から出まかせ」を区別することができなかった」のだ。 ヒッペルの研究室の実験では、自分の運動能力について過信する男子学生は、高学年になるにつれて実際に人気が高くなる傾向があることがわかった。自信過剰の効果は短期的なものにかぎらず、「長期にわたる社会的ネットワークのなかでも好影響を及ぼす」のだ。 多くの人は「自信過剰」と「うまく調整された高レベルの自信」を区別することが苦手だ。結果として、非現実的なほど壮大な自己像をもつ人のほうが、リーダーシップ競争において有利に闘いを進めることになる。残念ながら、「自己欺瞞は社会的な武器」というトリヴァースの予測は正しかったのだ。 私は『朝日ぎらい』(朝日新書)で、「ヒトは共同体のルールに従いつつも抜け駆けしようと試みている」と論じた。ルールに従う、つまり道徳的に振る舞っているだけでは、いいように扱われてヒエラリキーの下層に押し込められるだけだ。そう考えれば、共同体で成功できるのは、道徳的に振る舞っているように装いつつ、実際には不道徳に行動する戦略だということになる。 リベラルと保守の比較では、リベラルの方が知能(学歴)が高く、経済的にもゆたかなことがわかっている。これは、リベラルがその高い知能を使って「抜け駆け」しているからで、だからこそ保守派はリベラルを忌み嫌うのではないかというのが私の仮説だったが、ヒッペルによればこの「知能」はIQのことではなく、社会的知能すなわち誇張や自己欺瞞、自制の能力のことのようだ。 ちなみにヒッペルは、イノベーションに必要な「拡散的思考」についても述べている。これは「問題に対して異なる解決案を考え出す能力」とされるが、IQとは無関係だという。この拡散的思考はパーソナリティのビッグファイブの「経験への開放性」に相当するのだろうが、それについては別の機会に論じたい。

橘 玲(たちばな あきら) 作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ヒット。著書に『「言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)、『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)、『幸福の「資本」論 -あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』(ダイヤモンド社刊)、『橘玲の中国私論』の改訂文庫本『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)、『もっと言ってはいけない』(新潮新書) など。最新刊は『上級国民/下級国民』(小学館新書)。

●橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン 』を毎週木曜日に配信中! (20日間無料体験中) 橘玲 〔2020年2/21(金) ダイヤモンド・ザイ〕

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ページ名映画「もみの家」、(映画)
坂本欣弘監督 映画「もみの家」語る(富山県)
富山県内を舞台にした映画「もみの家」の公開を前に、監督を務めた富山市出身の坂本欣弘さんが県庁を訪れました。
坂本監督は石井知事に「1年をかけて県内でロケを行った。
富山の原風景を懐かしむとともに、生きること、命の大切さを考える作品になった」と映画に込めた思いとロケ地への感謝を述べました。
映画「もみの家」は、散居村にある若者の自立支援施設を舞台に、東京から来た不登校の少女の成長を描いた物語で、砺波市を中心に、全てのシーンを県内で撮影しました。
坂本欣弘監督「これから、どんどん質の高い映画を作って富山から世界に発信していきたい」
映画「もみの家」は28日から県内3つの映画館で先行公開されます。
〔2020年2/27(木) 北日本放送〕

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ページ名卒業式、福岡県福岡市(小学校のニュース)
卒業式、二度三度と開く小学校…その理由に胸が熱く
卒業式を同じ日に二度三度と開く小学校があるなんて知らなかった。
「いろんな事情を抱えた子がいますからね」。
福岡市のある校長は、珍しい話ではないと明かす。
例えば不登校だった子は、事前練習に参加していないので式典の流れが分からない。
ガイド役の教員を用意して、「途中からでもおいで」と声を掛けるが、そもそも人前に出られない子もいる。
そんなときは同じ会場、同じ式次、教員全員がそろって、その子だけのための卒業式を開くのだという。
正直に言うと、教育現場の長時間労働が問題となる中で「そこまでしなくても」とも思う。
だが、教員たちが多様な子どもに全力で向き合おうとしているのは確かだ。
「いろんな事情があったとしても、その子が悪いわけじゃないんです」と校長。
そんなふうに見守られ、送り出された記憶は、その子を生涯支えてくれるだろう。胸が熱くなった。
  〔2020年2/27(木) 西日本新聞(山田育代)〕

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鈴木おさむ 鈴木おさむ「子どもたち一人ひとりには、それぞれのスピードがある。それでよい」〈dot.〉

放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回のテーマは「大人の役割」。
* *  *  *
先日、Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」に出演させていただきました。僕と、中邑賢龍・東京大学先端科学技術研究センター教授と二人で教育について色々と話し合う。この中邑教授、めちゃくちゃおもしろい人で、決まった学校教育になじめず不登校状態にある子どもたちに学びの場を提供してます。発達障害などがあり「周りと違う」として学校になじめない子どもたちの才能を引き出す「異才発掘プロジェクトROCKET」というのをやってます。その発表会的なものも見させていただきました。
中邑教授は、子どもたちにいろんな体験を通して「学び」を与えます。おもしろいのが、子どもたちに電車で日本の最北端まで行ってもらう。テーマは「今の日本が失ったものを見つけろ」。今の日本が失ったものとはなんなのか? 子どもたちは電車に乗って5日以上かけて、遠くまで行きます。その間、暇です。その暇な時間で何をするかも自由。戻ってくるのは電車ではなく飛行機に乗って1日で戻ってきます。戻ってきたら、子どもたちに言うわけです。「もう1回、行ってきて」と。子どもたちは嫌がる。「飛行機で行こうよ」と言うわけです。電車に乗って5日以上かけたけど、帰りは飛行機に乗ったことによって1日で帰ってこられることに気づくわけです。そこで中邑教授は言うわけです。「答えはそれだ」と。今の日本が失ったもの。それは「距離」。電車だと5日以上かかるものが、飛行機を使うと1日になる。これを実際に体験することで忘れられない学びになる。もう一休さん的なとんちの世界ですが、それを聞いて、自分もこんな学びをしてみたかったなと思います。
以前、このエッセイにも書きましたが、うちの姉の子どもは障害があります。その子が15歳の時に、初めてトイレでうんちが出来た。姉からLINEがあり、「今日、初めてユウタがトイレで一人でうんち出来ました。嬉しくて泣いてしまいました」と書いてありました。
それを見て、ハっとしました。子どもが2歳近くになり、他の子どもと比べてしまう自分がいたからです。言葉を話すようになったのはうちが早いなとか、歩くようになったのは、うちが遅かったなとか。だけど、姉のこのLINEで、そんな考えが吹っ飛びました。人それぞれスピードがある。それでよい。そのスピードに合わせて色々な選択肢を与えてあげるのが親なのかなと、その時、思いまして。中邑教授にもこの話をしました。
中邑教授、おもしろい話をしてくれました。とある学校でカーテンにくるまって授業を聞いている生徒がいた。先生は「カーテンから出て、ちゃんと席に戻りなさい」と言った。だけど、その子がカーテンに入ったのには理由があった。机に座ると、話を聞きながらノートに書かなきゃいけない。これだと全然話が入ってこない。「だけど、カーテンにくるまればノートに書かなくていい。これだと話がちゃんと理解出来るんだ!」と。
世の中のダメはダメじゃない。出来ないことにも理由があって、変な行動と思われることにも理由がある。それを分かって、環境や選択肢を提供できる大人になりたいなと、中邑教授と話をして本当に思いました。
鈴木おさむ(すずき・おさむ)
放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。
〔2020年2/27(木) AERA dot.〕


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FC岐阜サポーターとALS患者との絆 FC岐阜サポーターが無償で作成。 横断幕が繋いだALS患者との絆 FC岐阜のサポーターが作成した横断幕 FC岐阜前社長 恩田聖敬 特別寄稿2020 サッカーJリーグ・FC岐阜の運営会社である株式会社岐阜フットボールクラブの前社長で、現在日本ALS協会岐阜県支部の支部長を務める恩田聖敬です。6年前ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症して、病状の進行により職務遂行困難となり、FC岐阜の社長を辞任しました。

小野伸二が天才でなくなった日。 「あのケガで、僕はすべてを失った」

ALSと闘いながらの社長在任中、私の心の支えとなったのはサポーターの横断幕とチャント(応援歌)でした。「ALSでも共に闘おう!」。私はサポーターの力によって限界まで職務遂行の気力を持ち続けることが出来ました。 それに、FC岐阜サポーターにとどまらず、相手チームのサポーターからも数多くの横断幕や寄せ書きを頂戴しました。選手でもないのにこれだけの横断幕を作ってもらったのは、Jリーグ史上おそらく私だけだと思います。幸せ者だと心から思います。 社長退任後はひとりのサポーターとしてスタジアムに足を運び、サポーターとの交流は続いていました。そんな私に、日本ALS協会岐阜県支部の支部長就任の打診が来ました。当時の岐阜県支部は(今もですが)、先代の支部長さんの縁故者が完全手弁当で活動しており、マンパワー的限界もあり他の都道府県支部と比べて、活動が活発とは言えない状況でした。 引き受ける以上は活動を活性化したいと思い、私は他の都道府県支部の活動状況を調べました。すると、患者やご家族の交流会を積極的に行なっていることがわかりました。そして、交流会の記念撮影に『ALS協会○○支部』と書いてある横断幕を掲げている支部がたくさんありました。 それを見た時、私はあることを閃きました。横断幕作りと言えばサポーターがプロである、FC岐阜サポーターにALS協会岐阜県支部の横断幕作りを頼めれば、サポーターと私以外のALS患者との絆も生まれるのではないかと。 私は早速SNSで次のように呼びかけました。 【FC岐阜サポーターへ横断幕作成依頼‼️】 現在、私は日本ALS協会岐阜県支部長を務めています。他県の支部は患者が集まる際、横断幕と記念撮影していますが、岐阜県支部にはありません。 どなたか1m×6m程度の「日本ALS協会岐阜県支部」と書いた横断幕を作ってください! 材料費は負担します。 我こそという方はご連絡ください。 この呼びかけに何人ものサポーターが手を挙げてくださいましたが、結局1番乗りでご連絡頂いた方にお願いすることにしました。 真っ先に手を挙げてくれたKさんとは過去に浅からぬ関係がありました。頂いたメールを抜粋してご紹介します。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 私は恩田社長と同じ昭和53年生まれKと申しますFC岐阜のサポーターを2014年(私が社長就任の年)からさせていただいております 覚えていらっしゃるでしょうか。。。 2年前になります2017年シーズンの最終戦前に恩田社長あてにお手紙を書かせていただいた者です 娘は不登校気味な状態からFC岐阜チアリーダーGREEN ANGELSで活動させていただき、自信を取り戻し今は中学生になり部活動の剣道を頑張っています 発達障がいの息子はFC岐阜の試合を見るようになり自分もサッカーをしたいと言い始め今年(昨年)の夏、中学3年生の引退までサッカーを続け進学先の学校でもサッカーを続ける予定です また、息子は、今は水泳も頑張っていて台風で出場こそできませんでしたが(※)今年(昨年)のいきいき茨城ゆめ大会の競泳で岐阜県代表に選ばれました※台風の影響で大会自体が中止 2017年最終戦の日に恩田社長の出版された本を購入させていただきその時にご挨拶もさせていただきました その後、スタジアムには行ってはいるのですが恩田社長にご挨拶も出来ず無礼をお許しください 私は子供たちに「夢」を与えてくださり子供たちに色々な経験をさせていただいているFC岐阜が大好きでFC岐阜のために何かできないか?と思い2018年シーズンから選手の個人横断幕を自分自ら作成し掲げたり、サポーター仲間が作る横断幕のお手伝いをさせていただいております

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 手紙を頂いたことはもちろん覚えていました。FC岐阜に関わった子供たちが前向きに夢を持って生きていく、これこそがFC岐阜の存在意義だとお手紙を拝読して熱く感じた記憶も、ありありと蘇って来ました。 是非Kさんにお願いしたいとお伝えしました。デザインの希望を聞かれたので私は、

・日本ALS協会岐阜県支部の文字が入っている・さりげなくFC岐阜とのコラボが見える という極めて抽象的な注文をしました。 時が過ぎ、Kさんからデザインが出来上がったとご連絡をいただきました。一目見て私は感動しました。ALSのAに岐阜県の地図を入れ、サポーターの合言葉『WE ARE GIFU』が入っています。私の想像を超えた文句なしのデザインでした。 またデザインを手掛けたKさんのサポーター仲間であるKさんは、デザインの版権等の権利を無償で岐阜県支部に譲ると仰ってくれました。 そして、待ちに待った受け取りの日がやって来ました! 奇しくもその日は、FC岐阜のアカデミー(中学生・高校生)選手及びスタッフ向けに私が講演する日でした。FC岐阜のエンブレムの重みを語り尽くした後に、横断幕との対面を果たしました。 自分で頼んでおきながら、その大きさと完成度に圧倒されました。本当に素晴らしいものを作って頂きました。そして私の話を聞いたアカデミーの選手たちが横断幕を持ってくれたことは、色々な意味で感無量でした。 今年6月に予定されている岐阜県支部の患者交流会でひとりでも多くの患者を集めて、「これはFC岐阜のサポーターたちが作ってくれたんだ!」と伝えて、誇らしく掲げたいと思います。 FC岐阜の社長を離れて4年の歳月が経過しましたが、FC岐阜のサポーターは変わらず私を『仲間』だと思ってくれています。本当に有り難いことです。 スタジアムにはさまざまな障害をお持ちの方が、試合を楽しみにして苦労しながらも足を運んでいます。FC岐阜に関わらず、サッカーに関わらず、スポーツを通じて障害者と健常者の絆が築かれることを切に願います。まさに東京オリンピック・パラリンピックはそんな機会であって欲しいと思います。 東京2020岐阜県聖火ランナー日本ALS協会岐阜県支部支部長FC岐阜サポーター恩田聖敬 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi 〔2020年2/28(金) webスポルティーバ〕


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新型コロナウィルス コロナ余波の休校にも動揺しない家庭の過ごし方 新型コロナウィルスの感染予防に向けて、全国の小中高・特別支援学校への臨時休校の要請が出されました。その影響で多くの家庭が混乱しています。 貧困世帯の場合、学校給食やフリースクールでの昼飯が支えになっている子どももいます。代替案もなく、いきなりの休校要請は強引すぎると批判せざるを得ません。 また、本質的に考えておくべきことは「学校依存の教育体質」です。学校に通わなければ、子どもは行く場を失い、親も働きに行けない。この状況が当たり前だとされてきましたが、本当は脆弱な体制だったのではないでしょうか。 不登校を取材してきた私としては、代替案として、学校へ通わず家で育つ「ホームエデュケーション」や訪問型支援のフリースクールが支援・整備されていくべきだったと考えています。つまり、「学校に通う」だけではない教育のかたちは再考されるべきだったのです。 というのも、「ホームエデュケーション」の家庭に話を聞くと、現時点で「ふだんと変わらない」「いつもどおり」と答えるなど、混乱や動揺が見られない家庭もありました。 そもそも、学校へ行ってない不登校の子にとって臨時休校は関係ないからです。 共働きの家庭でも、子どもに留守番を頼む、祖父母に来てもらうなど、「学校に頼らない育ち方」を実践してきたからです。 ホームデュケーション家庭では 小学3年生の息子と、幼稚園生の娘がいる母親(42歳)も、その一人です。息子は小学校1年生から不登校。発達の特性もあり、小学校は1か月ほどで不登校。 子どもを預けられる場がなかなか見当たらず、「居場所探し」に苦労されてきました。 しかし、預けるフリースクールが見つかるまでは、親子で博物館に出かけたり、家で本を読んだり、自分たちで学びに切り替えました。そうすると、息子自身もイキイキとし始め、学校では失われていた「学ぶ意欲」も芽生えてきたそうです。 留守番はどうするのか 一方、母親の頭を悩ませたのは「留守番」でした。 小さい子を家に一人、置いておくわけにはいきません。とはいえ生活のためには、夫も母親も働く必要があり、どうしても家を空ける時間があります。 それでも「なるべく」と留守番は避けていたそうですが、ある日、どうにもならず、小学校2年生のときに朝から夕方まで、留守番をお願いしました。実践してみたら意外なことがわかりました。 それは「息子は留守番を好きになった」ということです。 母親がとった留守番対策は三つ。 一つは、電話を子どもに持たせて「なにかあったら必ず電話をして」と伝えておくこと。 もう一つは、お金を渡して「好きなご飯を買って食べて」と伝えておくこと。 最後に、ふだんは制限しているテレビやゲームの時間を解放しました。 「非常時なので子どもが楽しめる状況を最優先する」というのが方針でした。ストレスをためておくと「防犯」以上に怖い、子どもの「暴走」をしなければいけません。むしろ好きなことをさせたほうがいいと判断したそうです。そして、考えは見事にハマって息子は一人で楽しくすごせました。 一点、気になったことがあったのは、お昼ごはんのお金を渡したのに、それは使わずに菓子を食べていたこと。それも「お昼を抜いたぐらいで死にはしない。夕ご飯でいっぱい野菜を食べればよい、と思えたら思い切って留守番させられました」と思ったそうです。 いまでは、ちょくちょくと留守番をお願いし、息子もそれを楽しんでいます。やはり四六時中、親子で一緒にいると疲れてしまいます。親にとっても子どもにとっても「離れる時間」はとても大切だと言われています。 不安な日常をすごすために 最後に私見を書いておきます。今回の騒動を受けて、私は、2011年の東日本大震災を思い出しています。 震災時、「いつどうなるのかわからない」という不安を抱え、さらに多くの学校が休校となりました。こうした状況に対して、ある被災地のフリースクールは「あまりふだんとは変わらない」と話してくれました。 行く当てもなく、不安を抱えながら、日常をどう過ごすのか。それが不登校の日常だからです。 私も中学2年生で不登校をし、近いような心境がありました。そこで得た結論がありました。 「不安は解決できないので、いま楽しめることを見つけるしかない」ということです。 不安はどこまでいっても「予想」の範囲を超えません。さきほどの母親の例で考えれば「留守番は心配」だと予想していましたが、その予想は見事に外れました。現実になった困りごとは「お昼を食べなかった」ことぐらいでした。 新型コロナウィルスの影響で不安を感じる方も多いかと思います。その不安は、けっして否定されるものではありません。ただ、もし時間があれば、不登校やひきこもりの経験談が、『不登校新聞』やネットにはたくさん載っています。不安を抱えながら生きてきた人が何を得たのか。この機会に知ってもらえたら幸いです。

石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者 1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行なってきた。また、女優・樹木希林氏や社会学者・小熊英二氏など幅広いジャンルの識者に不登校をテーマに取材を重ねてきた。 〔2020年2/28(金)石井志昂 『不登校新聞』編集長、不登校経験者〕


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