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コロナうつ

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コロナうつ

「コロナうつ」で片付けないで 子どもに強いる現状肯定「むしろ有害」日常失われ、元々あった問題が増幅
コロナ禍を生きる子どもたちのストレスをどう捉えたらいいのでしょうか 「コロナうつ」で片付けないで――。
児童精神医学が専門の精神科医、井上祐紀さんは、コロナ禍で子どもたちが感じている不安感などは、「コロナ前からあった問題が増幅した結果」の要素が大きいと指摘します。
非日常が続いた休校期間や、学校再開後も落ち着かない日々が続く子どもたちの心は、どのような状況にあるのでしょうか。
コロナ禍を生きる子どもたちのストレスにどう対処したらいいのか、井上さんに聞きました。(金澤ひかり)
元からあった問題を「増幅」させた
――コロナ禍の子どもたちについて、どんなことを心配されていますか。
コロナ禍では、子どもたち自身や子どもたちの周りが抱えている問題を増幅する効果があったと思っています。
――問題を増幅、ですか。
元々親や兄弟など家族との関係が微妙だったり「本当は嫌なんだよなあ」と子ども自身が思っていたとします。
その子どもたちは、コロナ禍でのステイホーム期間や休校期間によって自宅にいる時間が増え、否が応にもその問題に向き合わされることになりました。
さらに、もし支配的に振る舞うお父さんが在宅勤務で一日中自宅にいたとしたら、その人は24時間支配的にふるまったかもしれない。
それらの問題は、コロナ禍によって家族の問題が新たに生まれたのではなく、「増幅された」という考え方です。
――行き場が制限されたことで、元々あった問題が大きくなった。
そうです。ステイホームの与えた問題の一つの大事なポイントです。
また、一定数いる、日常が失われることにものすごく敏感な子どもたちへの影響もありました。
日常を失う、ものすごくつらい子も
――確かに、休校期間中をはじめ、多くの日常が失われました。
休校期間中は、「毎日朝が来たらこういう準備をして、学校に行って…」というリズムが崩れました。
それがものすごくつらく、ものすごく困難を感じた子もいると思います。
――自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちは特にそうですね。
イギリスやフランスでは、自閉症を有する方の外出制限を緩和していました。
休校期間中は発達特性を持つ子たちにとっては、非常に困難な時期だったろうなと思います。
彼らは作ったルーチンを、毎日安全に運用し、見通しの立った生活をすることがすごく大切です。
――「見通しが立たない」という点では、コロナ禍はほとんどの人にとって、見通しが立たない毎日でした。
そうです。子どもたちにとっては学校がいつ始まるのか、これからどうなるのか、まったく見通しが立たない状態でした。
ですからこれは、発達障害だけの問題ではありません。
――学校再開後、ルーチンを取り戻した子どもたちの様子はどうでしょうか。
落ち着いたケースもあります。休校期間中、ものすごく取り乱して診察に来られる方もいましたが、学校再開後、「やっと日常を取り戻した」と、ようやく情緒が安定してきた方もいました。
学校での適応、短期的には大丈夫でも
――「コロナ禍は問題を増幅させた」という指摘に戻りますが、井上さんが「増幅された」と感じる事柄は、学校の中でもありましたか。
学校の中に、「同調しないといけない」とか「みんなが同じスピードで進まないといけない」という不文律があったとしたら、その増幅もあるでしょう。
例えば、コロナ休校中の学習の遅れを取り戻すために夏休み短くなり、宿題が増える――。
追いつけ追い越せばかり言われる――。となると、そこでついて行けなくなる子が出てくるかもしれません。
それは、「全ての子が同じスピードで進まないといけない」というルールが増幅される中で、ついていけない子が出てくるということです。
――ついて行けない子どもたちを追い込んでしまった?
短期的に頑張れている子でも、中期的には数カ月後に不登校になったりうつ状態になったり、適応の問題が出てくることも十分あり得ます。
――うつ状態、心配です。
最近、インターネットを介して、「コロナうつ」という言葉を見受けることも増えましたが、そのような現象は医学的に確立された疾病概念ではなく、これまで話したように、元々あった問題が増幅され、人々の健康に悪い影響を及ぼした結果とみています。
ですから、「コロナうつ」と呼ばれるものは、医学的に説明される単一の疾患などではなくて、それまで子どもたちが抱えていたものや、周りにあった問題が増幅され子どもたちの心身の状態に様々な影響を与えた結果生じたものであろういうのが私の考え方です。
だから、子どもたちをどうケアするかを考えるなら、子どもたちを取り巻く家庭の問題、学校の問題、社会の問題などと向き合っていくということになります。
「自分は守られるべき」だと知ってほしい
――井上さんは、中高生を対象とした著書「10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法」を5月に出版しています。
「セルフケア」をテーマにしたものです。
「自分にはセルフケアが必要だ」と気づくための本にしています。
単にコーピング(ストレスに対する対処方法)だけを伝えるのではなく、子どもたちの周りの状況を整理し、それが非常事態であることに気づいてもらう。
そして、「相談先につながろう」と思ってもらうところまでがセットです。
――「状況を整理する」というのは、ここまで聞いてきた、「『コロナうつ』は、コロナ禍が問題を増幅させた結果」という指摘に通じるところがあります。
「目の前の現状を肯定しなきゃ」とか、下手したら目の前の現状を諦めたりする考えでコーピングするのは、僕は有害だと思っています。
コロナでうつで大変だ、うつの人どうやったら元気になるんだというところばかりに目がいってしまうと、ちょっとよくない。
「自分が守られるべきなんだ」とか「援助が必要な存在なんだ」ということに気づいてもらえないと、そもそもセルフケアではありません。
◇     ◇
(いのうえ・ゆうき)児童精神科医。東京慈恵会医科大学精神医学講座准教授。
5月には「10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法」(KADOKAWA)を刊行。
友だちや家族、恋愛など「中高生が生きづらさを感じたときの解決のヒントを提供したい」と執筆。
〔2020年9/3(木) withnews〕

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