カスタム検索(不登校情報センターの全サイト内から検索)

 
Clip to Evernote  Twitterボタン  AtomFeed  このエントリーをはてなブックマークに追加  


幼児虐待の後遺症の女性

提供: 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター
移動: 案内, 検索

幼児虐待の後遺症の女性

「引きこもらされている」40歳女性の悲痛、食べ物を取りに行くのもつらい…
引きこもり状態にある本人から、助けを求める1通のメールが筆者の元に届いた。
「食べ物を玄関に取りに行くのもつらい」「死ぬのが怖い」と語るその人は、「引きこもらされている」といえる状況に陥っていた。
悲痛な叫びと、その実態を知っていただきたい。
●「至急たすけてください」 筆者に届いた1通のメール
筆者の元には毎日、引きこもり状態にある本人や家族などから、記事の感想などのメールが届く。
中には長々とつづられた文面もあり、すべての送信者に返信できる余裕はないものの、緊急性が高いと思われる相手には優先的に状況を聞くようにしている。
「至急たすけてください。
身寄りがなく天涯孤独で死にそうなのですが、行政などまったく対応してくれません」
男性の名前で送られてきた、そんな短い1文が気になり、「どうされましたか?」と返信してみた。
メールの送信者は、千葉県在住のA子さん(40歳)であることが分かった。
メールの名義は、4年前に自殺した父親の名前だという。
A子さんは、母親も昨年、難病で亡くした。
重度の強迫性障害、身体表現性障害、うつ病などを患い、パニック障害があるために外に出たくても外出することができない。
婚約者がいたものの、突然アパートを出ていってしまい、その後連絡は一切取れないという。
「食べ物だけは、父親が生きていた時の父親のお知り合いの方が送ってくれていますが、もう玄関に取りに行くのもつらいです」
「本当は精神科のほかに歯科、婦人科、皮膚科、眼科なども通わなくてはなりませんが、誰も連れてってくれません。
移動手段がなく、パニック障害で、自力で行くことはできません」
「市役所もどこも助けてくれません」
すでに2カ月以上一歩も外に出ていない状態で、知り合いも友人もいないというA子さん。
食べ物を送ってくれるという父親の知り合いとも面識はないらしい。
『「天涯孤独」で調べたら、記事と池上様のメールアドレスが出てきました。
私の父親も自殺していますし、死ぬのが怖いです』
筆者は、食べる物や暖房は行き届いているか? 役所はどこの部署に相談したかなどをメールで彼女に聞いてみた。
「食料は、Bさん(注:父親の知り合い)に言わないと送ってもらえません。
暖房はエアコンがありますが、日当たりが全くなく、とても寒いです。
役所は、障害福祉課、社会福祉課です。中核支援センターという所にも言いましたが、何もしてくれません」
「日に日に衰弱してきて、死ぬことばかり想像してしまい怖いです」
筆者は、彼女が教えてくれた携帯電話の番号に電話して話を聞いた。
「元々ヘルパーさんが来てくれていたんですが、高齢の母親の介護で手が離せなくなったといって断られてから、誰もいない状態が続いています。
洗濯物ができず、シャワーを浴びていないので、体中がかゆくて…」
A子さんは、ヘルパーが来なくなり、怖くなった。ネットを検索して、必死にたどり着いたのが、筆者の「孤独死」の記事だった。
「私と、おんなじじゃんって、思えたんです」
●「帰ったら暴れるからね」と脅された 母親から受けた虐待の数々
A子さんは16歳くらいまで、母親からせっかんや虐待を受けてきた。
「母はかんしゃく持ちで、子供が思い通りにならないと、首を絞める、殴る蹴る、包丁を突き付ける、外に出すなどの暴力を振るいました」
A子さんが印象に残っているのは、一緒に外出した時に物をねだったときのことだ。
周りの目を気にした母親から「帰ったら暴れるからね」と脅され、帰宅すると本当に家の中で暴れたのだ。
小学校から帰宅すると、母親は給食の献立表を見ながら「これは食べたの?」と、1つ1つ聞いてくる。
ウソがつけなかったA子さんは、「残しました」と正直に答えると、暴力を振るわれた。
小学3年生のとき、拒食症になって入院し、体重は18kgまで落ちた。
中学に入った頃から、風呂に入ると体が擦り切れるくらいに洗った。朝の身支度も3時間くらいかかるようになった。
毎日、教科書やノートの忘れ物がないか、何度も確認しないと安心できず、睡眠時間は3時間ほどに減少。学校から帰ると下痢をした。
パニック障害の発作が出るようになったのは、中学2年生の頃。
A子さんは、教室に座っていられなくなり、さらに電車やバスにも乗れなくなって、不登校になった。
中学3年生のときに登校したのは2週間くらいで、周囲から問題児扱いされた。
この頃、A子さんは歯を磨き過ぎて歯のエナメル質が溶け出し、毎日、歯痛に悩まされた。
薬を飲み、パニック障害の発作を起こしながら歯科医院に通院し、すべての歯が差し歯になった。
23歳のとき、両親が離婚。家も自己破産し、母親が難病になったのをきっかけに、A子さんは生活保護受給者になった。
この間、親に迷惑をかけたくないからと婚活を始めるものの、結婚詐欺に遭い、父親にかなりの負担をかけてしまったこともあったという。
●「生活保護費を渡していますし」 ケースワーカーはそれだけが仕事なのか
「(生活保護の)ケースワーカーに相談しても放置されている」と彼女から聞いた筆者は、
市役所の生活困窮者自立支援法の相談窓口に電話して、自力で生きていけない状況を伝えるようアドバイスした。
A子さんは、うまく説明できる自信がないというので、LINEの3者通話の状態で電話してもらった。
「今はどういう状況なのかな?」
「生活ができない状況です」
「お仕事は?」
「ヘルパーが来なくなって、親もいなくて、食べ物もお金もなくて」
「生活保護を受けているけど、食べ物がない?」「お名前、聞いちゃダメ?」
その後も相談窓口の職員の責めるような口調に、A子さんは泣き出し、筆者が代わった。
「誰?」「申し訳ないけど、今お話しされてもまったく分からないので」「そうしたら、いったん担当者(ケースワーカー)に僕から話してもいいですか?」
電話口でそう話した職員は、3者通話を切った後すぐ筆者の元に電話をかけてきて、こう説明した。
「生活保護受給者は生活保護法に縛られてしまうので、生活困窮者自立支援法の対象外になる。
うまく機能してないということを、彼女は言いたいのだと思います」
そして、電話の相手は担当のケースワーカーに代わった。
「こちら側には、その方から連絡はないです。本人から、そういう要望があれば検討しますので、本人に電話するようにお話ししてください」
翌日A子さんは、ケースワーカーから「われわれは何をしに行くんですか?保護費も渡していますし」と言われたという。
ケースワーカーは、1人当たり約80世帯の担当を任される過酷な労働状況に置かれているという問題がある。
この担当者は、90世帯も任されているそうで、今の余裕のない労働 環境では、ケースワークする時間もモチベーションも持てないだろう。
しかし、ケースワーカーは保護費を渡すだけが仕事なのか。
生活困窮者自立支援法には、関係性の困窮を防いで命を救うという崇高な理念が込められている。
にもかかわらず、自力で生きられない生活保護受給者をサポートできないのであれば、国の理念は機能していないということになるのではないか。
●「引きこもらされている」とすれば それは福祉行政の責任放棄
ある自治体の生活困窮者自立支援相談員は、自力で外に出られない状態の人が、公的な支援を受けられずに「引きこもらされている」という実態があるとすれば、「福祉行政のネグレクト(責任放棄)」だと指摘する。
生活保護受給者がどういうことに困っているのか。
ヘルパーが来なくなった理由は何なのか。
本人が体感している困難に寄り添って、どう生きていけばいいのかを一緒に考えることも必要だと思う。
これではケースワーカーは頼りにならないと思い、筆者は仕事の合間にレンタカーを借り、都内からアクアラインを渡って房総半島にある彼女の自宅まで、おにぎりなどの食糧や冬物などの服を届けに行った。
筆者が本人に会いに行った日の夕方、担当ケースワーカーをはじめ、市の障害福祉課、県の中核地域生活支援センターの担当者も彼女の自宅にやって来た。
A子さんは昼夜が逆転していて誰も頼れる人がなく、1人で買い物や医療にも行けない状態であることから、急きょ、彼女の自宅で話し合いが持たれた。
その結果、今後は夕方の時間帯から来てくれる生活介護のヘルパーを探してもらうことになった。
A子さんは言う。
「なぜ、弱者や生活に困っている人を見て見ぬふりをすることができるのか。
役所にとって面倒な存在なので、わざと放っておいて死ぬのを待っているような気すらしてきます」
話し合いから6日たった11月12日現在、A子さんからヘルパーが見つかったという連絡はまだない。
◇        ◇
〔2020年11/13(金) ダイヤモンド・オンライン(ジャーナリスト 池上正樹)〕 


個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
地域
不登校情報センター
イベント情報
学校・教育団体
相談・支援・公共機関
学校・支援団体の解説
情報・広告の掲載
体験者・当事者
ショップ
タグの索引
仕事ガイド
ページの説明と構造
ツールボックス