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睡眠障害

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国際メンタルセラピスト協会 (東京都新宿区)


目次

睡眠障害

周辺ニュース

ページ名 睡眠障害 (健康のニュース、)
発達障害の子に多い睡眠障害 初の治療薬…寝付き改善
寝付きが悪い、何度も目覚めてしまうなどの不眠は子どもにも起こり、情緒の安定や体の成長などに悪影響を及ぼす。
特に発達障害の子どもに多く、問題行動の増加が懸念される。
この夏、発達障害の子ども向けに、眠りにつきやすくなる国内初の治療薬が登場した。(野村昌玄)
鍵握るホルモン
睡眠には、脳や体が休んでいる「ノンレム睡眠」と、脳の一部が起きている「レム睡眠」がある。
ノンレム睡眠中は、成長ホルモンが分泌される。
このホルモンは、骨や筋肉の成長を促し、体の疲労を回復させる働きがある。
眠くなるのは、脳にある松果体から分泌されるホルモン・メラトニンが関わっている。
夜に暗くなると眠りを誘い、日中は目覚めて活動的になるといったリズムを作る働きを持つ。
ただ、夜更かしや寝坊などで生活リズムが乱れると、メラトニンの分泌が鈍り、夜の寝付きが悪くなる「入眠困難」や、寝ている途中に何度も目が覚めてしまうなどの睡眠障害が起こりやすい。
人との交流や意思疎通が苦手な自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害などの「発達障害」を抱える子どもは、睡眠障害の割合が高い。
睡眠不足の影響を受けやすく、発達障害の症状が悪化しやすい。
多動や興奮症状などが目立つようになり、問題行動の頻度が増える恐れがある。
学校生活にも支障が出て、不登校につながることもある。
そこで、発達障害の子どもの睡眠障害の治療薬として、メラトニンを主成分とする「メラトベル」が公的医療保険で認められた。
今年6月から医療現場で処方されるようになった。
メラトニンは、欧米では睡眠薬やサプリメントがある。
日本では従来、医薬品として承認されておらず、個人輸入などの方法で使われてきた。 睡眠障害を抱える発達障害の6~15歳の子ども99人を対象にしたメラトベルの治験では、服用から約半年間で眠りにつくまでの時間が27・5分~31・5分短くなった。
昼間に強い眠気を催したり、頭痛が起きたりするケースがあったが、死亡などの重い副作用は確認されなかった。
小2からADHDの治療を続ける東京都内の小3男児(8)は、眠りの問題も抱えていた。
深夜まで寝付けず、眠っても1時間に1回は起きてしまう。
睡眠不足のストレスで学校での問題行動も増えるなど、悪循環の状態に陥っていた。
男児は、7月上旬から、メラトベルで治療を始めた。1~2週間で寝付きが良くなった。
毎晩服用から1時間半後の午後9時半には眠り、朝7時過ぎには起きられるようになった。
母親(34)は「学校での態度も落ち着き、ありがたい」と喜ぶ。
生活習慣が重要
睡眠障害の治療には、生活リズムを整えることも欠かせない。
朝日の光を浴びる、朝食をとる、昼間に体を動かす、といった生活習慣の改善も併せて進める。
男児が通院する瀬川記念小児神経学クリニック(東京都千代田区)理事長の星野恭子さんは「睡眠障害の治療で、薬は補助的なものです。
自然な眠りには生活習慣の見直しも重要です」と話す。
〔2020年9/27(日) 読売新聞(ヨミドクター)〕

周辺ニュース

ページ名 睡眠障害  (健康のニュース、発達障害のニュース)
発達障害は睡眠障害が原因? 小児科医が語る発達障害の最新研究(後編)=青沼陽一郎
(作家・ジャーナリスト)【サンデー毎日】
新型コロナウイルスの感染対策をしながら運営を続ける保育園=福岡市博多区で2020年4月24日午前11時2分、津村豊和撮影
増え続ける発達障害。その一因は胎児期にあると推察し、研究を重ねた結果さらに幼少期の成育環境や社会の姿も影響すると考える小児科医がいる。
小児科医で同志社大赤ちゃん学研究センター教授だった小西行郎だ。
長年発達障害を取材するジャーナリストが発達障害研究の最前線を追う。
◇日本の保育園の騒音が悪影響?
小西は胎児の環境以外にも発達障害に影響すると思われる子どもの環境要因を挙げる。
その要因が保育園、幼稚園の環境にあるという。
「日本の保育園の室内の反響音は滅茶苦茶うるさい。米国には反響音を抑える基準があるが、日本にはない」
そんな環境下で過ごすと、「普通の子どもも、発達障害のようになる」
世界保健機関(WHO)は、1999年に環境騒音ガイドラインを示し、言語の発達段階にある子どもたちには、35デシベル以下、0.6秒以下の残響に抑えるべきだとしている。
言語の聞き取りのためだ。
米国もこれに倣って保育空間の音の基準を規定しているし、英国、ドイツなども、規制を設けている。
ところが日本にはそんな基準はない。
純音を用いた聴力調査では問題がないのに、日常生活での聞き取りが困難な症状(注4)を聴覚情報処理障害と呼んでいる。
(注4)聞き返しが多い、聞き誤りが多い、早口や小さな声は聞き取りにくい、目に比べて耳から学ぶことが困難である、長い話になると注意して聞き続けることが難しい、などこうした子どもは軽度の発達障害であることが多く、日本では聴覚情報処理障害の65%が発達障害という報告もある。
「保育園はうるさいから、と作るのに地域で反対運動が起こったことがあったが、むしろ静かな保育園を作らなければならない。
いまの日本の保育園は決していい環境にない」
◇「サーカディアンリズムの乱れ」が自閉症の原因?
それと子どもにとって光も問題と指摘する。
「美肌の関係で子どもを炎天下に連れださなくなっている」
それでずっと子どもは家の中にいる。その明るさは昼で3000ルクス、夜で1500ルクスになる。
これが外ならば2万~3万ルクス、曇天でも1万ルクスになる。
それで夜は真っ暗だ。
「いまの子どもにとって、明るさの振り幅が狭い。そうすると睡眠のリズムができていかない」 という。
しかも、「ファミリーレストランに夜中に行こうものなら、リズムが壊れる」
以前にはなかった社会環境の変化が影響する。
小西は繰り返し睡眠の重要性を説く。
「ビタミンDが足りないまま生まれた子どもは、1~3歳で睡眠リズムが完成していない。
もっと言えば、サーカディアンリズムができていない」
サーカディアンリズムとは、日本で「概日リズム」と呼ばれ、24時間周期の身体のリズムのこと。「体内時計」のひとつだ。
夜になると眠くなり、朝目覚める前に身体が起きる準備をするなど、生体リズムをコントロールすることによって、体温調節やホルモン分泌などが周期的に行われる。
このサーカディアンリズムの乱れが自閉症の症状を招き、それが他の身体の機能にも影響を及ぼす。
「自閉症の小学校高学年の子どもを調査すると、自閉症といっしょに2型糖尿病の危険性が高くなる」
「寝る子は育つ」
◇体内時計の構築こそ発達障害を改善するカギ
それに心電図にも変化が見られると言う。
「自閉症の子どもの心電図をとると、揺らぎが明らかに少ない。
揺らぎの少ない子は、悪いことをフラッシュバックしやすい。情動のコントロールができにくい」
心拍は、認知機能(注5)との関連も指摘されている。
(注5)五感で得た情報を脳で整理して記憶したり、新しい情報を過去の記憶と照らして、解釈することだったり、次の行動を決めること
「それと寝不足の子は体温が変化しなくなる。あるいはおかしくなってくる」
体温は、午前中は低く、午後は高くなり、やがて身体に寝てくださいという合図を送る役目を果たす。
それがフラットになって、リズムがなくなる。
「こうして見てくると、自閉症の子どもは身体全体のリズムがおかしい。
身体全体を見て、生理的リズム障害として自閉症を見直すべきではないか」
と、小西は言った。
このあたりのことを、小西の研究にも影響を与えた小児睡眠の研究者である小児科医で熊本大名誉教授の三池輝久が補足する。
「妊娠中、午前0時前と後に寝る母親から生まれた子どもでは発達障害の出方が違う。
原因はお腹の中にいる時に、体内時計が適切に形成されていないことにあるはずだ」
睡眠をコントロールするホルモンのメラトニンが、胎盤を通じて赤ちゃんにも入ることがわかっている。
動物実験のレベルでは、母親が明るい光に長時間さらされ、睡眠が不足する、あるいは不規則だったり、遅すぎたりすると、胎児へのメラトニンへも影響する。
これが体内時計を混乱させたり、できていないまま生まれてくることになる。
「体内時計が社会の生活リズムとずれている。
これを埋め合わせようとして、脳機能が混乱する。これが発達障害につながる」
この体内時計のズレを「社会的時差ボケ」と三池は呼称している。
この重症なものが発達障害となって現れる。
しかも、新生児の段階で睡眠障害を持つこともわかってきた。
三池の調査では新生児を三つのグループに分けることができる。
①3~4時間の周期で寝て起きる通常の新生児、②寝付けない子、③ずっと寝ていて起きない子 の3つだ。
このうち、②の子は寝てもすぐに目が覚めて昼間は機嫌が悪いことが多い。
このイライラ型の寝付けない子がASDになりやすいという。
さらには、「新生児から体内時計の形成が未熟だと、脳機能が混乱するとともに、臓器間、組織間、細胞間にもズレや乱れが生じる。
言ってみれば、オーケストラの指揮者がずれているから、演奏者もみんなずれてしまう。
これも内因的に発達障害につながる」
ASDの子どもに2型糖尿病が多いのも、心電図の揺らぎの少なさも、この組織間、細胞間の協働のズレから発生する、とすると説明が付く。
「将来の生活習慣病も、あるいは認知症も、胎児期から素質をもつと考えられる」
これがDOHaD(Developmental Origins ofHealth and Disease)仮説に結びつく。 胎児期や生後直後の健康、栄養状態が、成人になってからの健康に影響を及ぼす、という考え方である(注6)。 (注6)第二次世界大戦中のオランダで起きた飢饉下で妊娠中に子宮内で低栄養にさらされた子どもが、成長後に高頻度に肥満を呈したことから、唱えられるようになった。
さらには、胎児期に種々のストレスが加わることにより、その後の疾患発症がプログラミングされるという「胎児プログラミング説」も提唱されている。
胎児、乳幼児期に置かれた環境が重要であることは、もはや疑いの余地はない。
「たとえば〝小1プロブレム〞というものがある。
入学した子が席にじっと座っていられなくて、落ち着きがなく、そのうちに不登校になってしまう。
そういう子は幼児期のリズムが滅茶苦茶で、学校の時間割に合わずに、結果的に発達障害と診断されてしまう」
ここにおいて、小西はこう指摘していた。
「多くの精神科医は、睡眠障害は自閉症によって起こる合併症のひとつと考えているが、そうではなくて、睡眠障害が自閉症の要因であるはずだ」
だからといって、お母さんを責めるのは早急でもある。
ここ10年、15年で急速に起きている社会的環境の変化を見る必要があると小西はいう。
「働き方改革が叫ばれるようになったが、働くお母さんの環境を社会が整える必要がある」
深夜までお母さんが働かなければならないような社会的要求があるのだとすると、それは社会全体の問題のはずだ。
そうすると、前回まで見てきたように、産業構造の変化や社会システムの複雑化が発達障害を生むとする主張と、根底でつながっていくことになる。
(文中敬称略)
◇青沼陽一郎(あおぬま・よういちろう)
作家・ジャーナリスト。1968年、長野県生まれ、早稲田大卒。
オウム真理教をはじめとする犯罪・事件、原発、食の安全などをテーマに、精力的な取材に基づくルポルタージュ作品を発表し続けている。
『フクシマ カタストロフ 原発汚染と除染の真実』『帰還せず 残留日本兵六〇年目の証言』『オウム裁判傍笑記』『侵略する豚』など著書多数
〔2020年7/10(金) mainichibooks.com〕

周辺ニュース

ページ名睡眠障害 (生活リズム、健康のニュース、新型コロナ)
コロナ禍で多発!「夜型」「眠気が取れない」を2週間で改善する方法
寝ているのに眠い、疲れが取れない、の悩みが急増
「先月コロナ休業入ってから順調に夜型化が進み、この時間(午前3時)まで普通に起きれる身体になってしまっている。まずいなあ…」
「夜型が更に進み昼夜逆転が怖い今日この頃、今までの生活に戻せるのだろうか」
「スーパー朝型だったのにコロナ渦の引きこもり生活で夜型になってしまった……」
「学校ないせいで12時に寝て21時に起きる生活になりました。完全に夜型人間になりました。これも全部コロナのせいにしておきます」
【写真と表】アルコール成分ないものも…本当に効果のある除菌グッズ
SNSでは、こんな書き込みが目立つ。
在宅ワーク、休業、休校で、生活のサイクルが「夜型」にシフトが変わってしまった人は少なくない。
さらに、それに合わせるように、こんな悩みも浮上している。
「最近、睡眠の質が悪い。全然深く眠れないしすぐ起きちゃう」
「家にばかりにて、エネルギー消費してないせいか深く眠れない」
「在宅になってから、以前よりも寝ているのに、1日中眠い日がずっと続いている」
コロナ禍で、眠れないという声もあるが、寝ているのに早く目覚めてしまう、寝ているのに寝た気がしない、一日中頭がシャキっとせずにボーッとしてしまうという悩みだ。
私自身も以前より睡眠時間は増えているものの、1日中意味もなく眠くやる気が出ない、ことが多い。
寝ても寝ても眠い、という不毛な日々が続いている。これは一体どういうことなのか? 
そこで、「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」副院長で、禅僧であり精神科医である川野泰周さんにお話を伺った。
室内での生活で太陽光をしっかり浴びないことも影響している。photo/Getty Images
コロナ禍は「睡眠リズム障害」に陥りやすい
今回のコロナ禍では、睡眠の質を低下させるトリガーが複数存在していると、川野さんは指摘する。
「睡眠の質を低下させる要因として、『睡眠リズム障害』というものがあるのですが、これは名前の通り、睡眠リズムが狂ってしまうことをいいます。
中でも多いのは、DSPS(Delayed Sleep Phase Syndrome)と呼ばれるもので、『睡眠相後退症候群』。
睡眠リズムが徐々に後ろ倒しになってしまうものです。
今回のコロナ禍では、この睡眠相後退症候群になっている人、なりかけている人が多いのではないかと感じています。
もともと人間の脳内時計は、1日25時間の設定になっています。
有名な話なのでご存知の方も多いでしょう。
でも実は、一概に25時間とは言えないことが分かってきています。
最近の研究では、平均周期は24時間よりもほんの少し長いくらいとか、中には24時間よりも短いサイクルの人もいるなど、さまざまな研究があります。
ただ脳内時間に個人差があっても、“睡眠リズムは放っておくと、どんどん後ろにずれていく傾向がある”という見解は多くの臨床家に支持されています。
この睡眠リズム障害は、朝決まった時間に太陽光を浴びる生活をしていないことが一番の原因と言われています。
深夜勤務の鉄道員、看護師やシフト制の作業員など、夜間勤務が多い人は、睡眠リズム障害になりやすいことがわかっています。
今回のコロナ禍も、出勤や通学がなくなり、朝起きる時間が曖昧になっている人が多く、さらに外出自粛で部屋の中にいて、朝太陽光をしっかり浴びぬまま過ごしている人が多いように感じています」
太陽光が重要なのは、睡眠の要となる『メラトニン』が影響しているからだと川野さんはいう。
朝、太陽光を浴びると、脳内からメラトニンと呼ばれる神経ホルモンの分泌がストップする。
すると、脳にある体内時計がリセットされて、体や脳は活動モードに変わる。
そして、そのおおよそ14~16時間後に再び体内時計からの指令が出て、再び分泌が始まる。
それによって深部体温が低下し、体は自然と睡眠へと導かれるのだ。
「メラトニンのしくみは非常によくできていますが、繊細ともいえます。
ちょっとしたことでバランスを崩しやすい。
わかりやすい例でいえば、お休みの日の寝だめです。
日頃の睡眠不足を解消しようと、昼過ぎまで寝てしまうと、逆にその日の夜眠れなくなり月曜日の朝つらくなってしまう。
今回のコロナ禍はまさにこの状態が連日起こっているようなものなのです」
川野泰周さん 臨済宗建長寺派林香寺住職 /RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長
精神保健指定医・日本精神神経学会認定精神科専門医・医師会認定産業医。
慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。
2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職に。
著書に『あるあるで学ぶ余裕がないときの心の整え方』(インプレス)、『ずぼら瞑想』(2018年・幻冬舎)、『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』(ディスカバー21)など著書多数。
すぐに戻すのではなく、10~2週間かけてゆっくりと
しかし、現在まだ緊急事態宣言が続くエリアでも、そろそろ解除の可能性も出てきている。
乱れてしまった睡眠サイクルを戻すことは可能なのだろうか? 
「長い人だと3月上旬から休校、在宅ワークが始まっています。
そう考えると今の生活サイクルが、3ヵ月弱続いていることになります。
長く続けているほど習慣化しているので、時間はかかります。
まずは、焦らずに戻すことです。睡眠に関しては焦れば焦るほど、睡眠の質を悪くしてしまうので、まずは焦らず、少しずつ生活を変えていくことが必要ですね」(川野さん)
意外にも、「きちんと寝なくちゃ、早く寝なくちゃ」と夜寝る前に頑張るやり方は逆効果だと川野さん。
夜よりもポイントにおくべきは朝時間だというのだ。
「早く寝なくちゃとベッドに入るほど、眠れなくなるものです。
睡眠リズムを調整する際には、早く寝ることを考えるのではなく、早く起きることを設定したほうがうまくいきます。
また、睡眠に必要なメラトニンの分泌は朝の太陽光が影響していると話しました。
みなさん睡眠というと夜時間が重要と思いがちなのですが、実は大事なのは朝時間です。まずは次の2つをやってみてください。
1)通勤・通学を意識した時間設定で目覚ましをかけて起きる
2)起きたら、できるだけ早くカーテンを開けて太陽光を浴びる
1)の時間設定ですが、以前起きていた時間に目覚ましをかけてみましょう。
このとき重要なのは、朝早く起きるからと前の晩に無理をして早く寝る必要はありません。
睡眠時間は短くてもいいので、以前と同じ時間に起きてみましょう。
2)は、できるだけ起きてすぐに行ってください。
カーテンをあけて、できれば窓が開けられるのであれば外気を感じながら太陽の日差しをしっかり感じることです。
朝食よりも前、起きてすぐに設定してください。
ここでしっかりとメラトニンの分泌をストップさせて体内時計のスイッチを押しておくことが重要です」(川野さん)
起きる時間を元に戻すと、なんだか眠くて1日頭がボーッとしてしまいそうだが、これはどうしたらいいのだろうか? 
「どうしても眠いときは、いったん起きて一連の朝のルーティン(起床、トイレ、洗顔、朝食など)をこなしてから、少しの時間仮眠をとってみてください。
大切なのは、1度は起きて太陽光を浴びること。
その後に朝食を摂って、それでも眠いときには短く二度寝をしてもいいのです。
ただし、仮眠は昼を超えてしまうと夜の睡眠に影響するので、午前中で終わらせることが重要です。
昼を過ぎた昼寝の場合は、熟睡ではなく、椅子に座ったままなどうたた寝程度で10~30分程度。
長くても1時間以内にとどめておくのが大原則です」
夜の運動は逆効果最低でも寝る2時間前以降は運動をしない
睡眠にさまざまな影響を与えている他の要因が「運動」だ。
コロナ禍の外出自粛で運動量が極端に低下した人もいる。
実は私も毎日活動計をつけているのだが、昨日は4000歩程度、その前の日も5000歩程度の活動量だった。
なんだかんだ1万歩超えていた頃に比べると圧倒的に歩く量は減っている。
「国内外の調査研究でも、運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。
睡眠は疲労を解消するためのものなので、体も脳もある程度疲れていないと深く眠ることができません。
でも、だからといって闇雲に運動すれば眠れるというわけではありません。
コロナ禍でちょっと気になっていたのが、夜遅い時間にウォーキングやジョギングをしている方が多いことです。
夜筋トレが習慣化している方もいます。しかし、睡眠という視点でみると、夜遅くの運動はおすすめできません。
早歩きのウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、強度が高いストレッチや筋トレは、交感神経が優位になってしまい、体は休まる方法ではなく、興奮や活動モードに切り替わってしまうからです。
できれば、運動は下記の3点に注意してみるといいでしょう。
1)活動量や強度が高い運動は寝る2時間前までに終わらせる。理想は夕方まで
2)寝る前に行っていいのはリラックス系のストレッチやヨガ程度
3)朝太陽を浴びながら「太陽礼拝」のヨガをするのもオススメ
3)の太陽礼拝のヨガは、インドでは朝行うヨガとして始まったものです。
激しい動作はなく、深い呼吸をして徐々に体を活動モードにしていくのには理想的な動きになっています。
ネットなどで検索すると動画でも解説しているものが多いので活用してみるといいと思いますよ。
このときもカーテンをあけて日差しを取り入れながらやるといいでしょう。
庭や広めのベランダがある人は外でやってみるのもいいかもしれませんね」(川野さん)
スマホのダラダラ見は脳をヒートアップさせてしまう。photo/Getty Images
コロナ禍で踏み込み過ぎのアクセルを少し緩める工夫を
もうひとつ、コロナ禍で睡眠を妨げる要因として川野さんが指摘するのが、情報過多な脳の状態。
国内だけでなく世界各国から集まる感染状況、政府の対応への不満、人々の生活への不安など、いつもに増してネットやテレビには情報が溢れ、炎上も多い。
「不安な気持ちから、ついついそういった情報を見てしまう。
見続けてしまうといったほうが正しいかもしれません。
ただ見続けることで、不安は解消に向かわず逆に不安が募ってしまうわけです。
脳は常に疲弊し、不安や怒りといった感情でヒートアップしてしまう。
現代人の脳は常にアイドリングを続けている状態になっているのです。
それが今回のコロナ禍では加速しているように感じます。
これでは、脳は常に興奮状態なので、体が睡眠モードになっても脳は眠りに向かいません。
日々刻刻と移り変わる情報の中、それを遮断するというのは難しい作業かもしれませんが、自分で取捨選択するためのルールを作ってみるといいかもしれませんね。
例えば、朝時間で見るニュースはひとつにする。
夜寝る前には、23時台のニュース番組をひとつだけチェックしたら終了にする。
ネットは寝る1時間前以降は開かない。それが無理なら、最低でもベッドに入ったらスマホは閉じる。
こんな感じのマイルールで十分です」(川野さん)
寝る前には、脳のアイドリングを冷ますような工夫をすることが大事だという。
例えば、少し照明を暗くしたり、間接照明にしたりする。
さらに、電子レンジで濡れタオルを温めてホットタオル(気持ちいいと感じる温度)を作り、目の上に置き「ホットアイマスク」をするのもいいという。
「目の周りには、副交感神経を優位にするスイッチがいくつも存在しています。
ですから少し重みがあるホットタオルは、目の疲れを取るだけでなく、脳のアイドリングを沈める効果もありますね」(川野さん)
確かに、私たちは新たなる恐怖と情報の渦の中、脳はアイドリングしまくってオーバーヒートした状態だ。
少しずつ元の生活に戻すためにも、少しずつ強く踏み込んでいたアクセルを緩める工夫が必要なのかもしれない。
早急に大きく変えるのではなく、まずは2週間を目安に、私も元の生活に戻していこうと思う。
伊藤 学(フリーライター・編集者)
〔2020年5/20(水) 現代ビジネス〕

周辺ニュース

ページ名睡眠障害 (健康のニュース)
夕方にパフォーマンスがガタ落ちする人は睡眠障害かもしれない
夜更かしが続くと、朝起きても眠かったり、体調がすぐれないと感じたりすることがある。
スタンフォード大学医学部精神科の西野精治教授は「体内時計がうまく働かなくなるのが原因だ。
症状によっては入院でよくなることもある」と指摘する――。
※本稿は、西野精治『睡眠障害 現代の国民病を科学の力で克服する』(角川新書)の一部を再編集したものです。
■睡眠時間が後ろにずれる人、前にずれる人
体内時計がうまく働かなくなるのが、概日リズム睡眠障害です。概日リズム睡眠障害は大きくふたつのタイプにわかれます。
ひとつは、体内時計をリセットする機能に問題が生じて起こるタイプで、内因性概日リズム睡眠障害と言います。
もうひとつは、人為的・社会的な理由によって体内時計を短期間にずらさなければならない場合に起こるタイプ。
内因性概日リズム睡眠障害としては、深夜にならないと寝つけず昼頃まで起きられないという睡眠パターンで固定される睡眠相後退症候群、逆に夕方になると眠ってしまい早朝に目が覚めるパターンで固定される睡眠相前進症候群、体内時計リセット機能が働かなくなるフリーラン(非24時間睡眠覚醒症候群)があります。
人為的・社会的な理由により起こる障害としては、シフト制の交代勤務によって生体リズムが乱れる交代勤務睡眠障害、時差のある場所へ行くことによって発現する時差症候群、いわゆる時差ぼけがあります。
睡眠相後退症候群は、睡眠時間が後ろにずれ、起床時間が遅くなります。
寝るのはだいたい深夜3~6時で、起きるのは午前11時~午後2時。
時間は多少ずれますが、睡眠時間や睡眠周期は正常なので、午後出勤でも構わない仕事なら健康面の影響は小さいでしょう。
■そのままの生活では頭痛や食欲不振が起きることも
睡眠相後退症候群は思春期から青年期に起きやすく、遅刻や欠席を繰り返すことが多くなります。
それが原因で、不登校になる子どもたちも多いと聞きます。
睡眠相前進症候群は、睡眠時間が前にずれ、起床時間が極端に早くなります。
寝るのはだいたい午後5~7時で、起きるのは深夜12時~午前2時。
人間の場合は、固有の体内リズムが24時間より少し長いので、前にずれる症状は稀だと言われています。
ただし、高齢になると前進傾向が出やすくなります。
仕事をリタイアした高齢者でない人の場合、後退症候群よりは仕事や学業に支障をきたすことは少ないと考えられますが、夕方近くにパフォーマンスがガタ落ちする人は注意が必要です。
後ろにずれるにしても、前にずれるにしても、いったん固定されると、ずれを修正するのは容易ではありません。
ずれたまま社会生活を続けると、ほかの人たちの時間に合わせて無理に覚醒することになり、眠気や頭痛、倦怠感、食欲不振など体のさまざまなところに不調が出てきます。
内因性概日リズム睡眠障害の場合、入院加療で症状がよくなることも多いです。
病院などでは、食事時間や消灯時間や起床時間は固定されていますので、規則正しい生活が強いられます。
また個人では治療に対して強い動機付けを維持するのは難しいですが、医療チームとの連携で、持続する強い動機づけが維持できるというのも一因であると思われます。
退院後、再びリズムがずれないように注意を払うことが大切です。
■体内時計をリセットできない「フリーラン」とは
体内時計をリセットする機能が働かなくなるのが、フリーラン(非24時間睡眠覚醒症候群)です。
後退症候群と前進症候群は、一般の人たちの睡眠時間とずれていますが、就寝・起床の時間はリズムが固定されているので一定しています。
しかし、フリーランの場合は、少しずつずれていくからやっかいなのです。
たとえば、実験用のマウスやラットは、真っ暗でまったく光がなくても、餌さえあれば生きていけます。
その生活が3~4カ月続いても、健康上に問題が起きることはありません。
光をまったく感知しない環境に置かれると体内時計をリセットすることがなくなるので、ラットやマウスは、自分に備わっている固有のリズムで生活します。
それが、フリーランです。マウスの場合なら、1日23.7時間くらいで生活します。
人間の固有のリズムは、なかなか判別することができませんでした。
というのは、人間の場合、完全に真っ暗にすると、長期間生活することができないからです。
2週間くらい続けると精神に変調をきたす人も出てきます。
外の光をまったく感知できない実験用の施設をつくることができて、ようやく人間のリズムを計測することができました
。 ■外の光を感知できない場所で何日も過ごすとどうなる? 
そこで、食事時間はランダムで食べたいときに食べる、テレビやラジオ、インターネットなど時刻がわかる機器はNG、ビデオやDVDなら観ても構わないというルールで一定期間生活してもらいました。
いわば、洞窟のような場所に隔離されて生活しているようなものです。
それでも、ラットやマウスと同じように、1日に近い一定のリズムで睡眠と覚醒を繰り返します。
この実験からも、わたしたちの睡眠・覚醒が体内時計で制御されていることがわかります。
隔離された環境下で時刻と関係なく自由に生活してもらうと、寝つく時刻と目が覚める時刻が1日ごとにわずかずつ遅れていくことが観察されます。
ヒトの場合、全くの暗闇では生活できず、外界の情報を完全にシャットアウトすることは難しいので種固有のリズムの算出は難しいのですが、最近のより厳密な実験での観察値では、人間の固有のリズムは先にもふれたように約24.2時間とされています。
■目の見えない人の半数以上はフリーラン
フリーランになっている人に多いのが、視覚に障害がある人たちです。盲目の人の6~7割はフリーランです。
網膜に機能障害があると光を感知できないため、光のない部屋に隔離された状態と同じになるからです。
ただし、そういう人でも社会生活のなかにいることで、ほかの人たちの生活のリズムに合わせることができます。
よって、フリーランになることを避けられます。
フリーランの人は、体内時計がリセットされないため、1日を24時間より少し長い周期で生活します。
たとえば1日20分後ろへずれる場合は、6日で120分(2時間)の計算。1カ月で約10時間、2カ月半で約1日ずれることになります。
研究者のなかには、ときどきフリーランの人がいます。
わたしの身近な研究者もフリーランで、朝出てくるのが少しずつ遅くなって、そのうち午後から出てくるようになって、しばらく経つとまた朝から出てくるということを繰り返していました。
研究者のように比較的勤務時間を自由に決められる職業なら許されますが、一般企業で働いている人は仕事を続けていくことがむずかしくなるかもしれません。
■生体リズムの乱れは精神論で片付けられない
頻度が少ない他の内因性概日リズム睡眠障害に不規則型睡眠覚醒パターンがあります。
一日に3回以上眠ることが1週間以上続いた場合、この病気の可能性があります。
生まれつき脳に障害のある子供や、頭部外傷、脳腫瘍脳炎などに合併しますが、引きこもりなどで夜に睡眠を取らず、昼に眠る生活をしていると発症することもあります。
内因性の概日リズム睡眠障害の診断の困難なところは、その症状が生体リズムの乱れから起きているのかどうか判別しづらいことです。
夜遅くまで寝つけなくても、太陽が昇る前に目が覚めても、本人の感覚としたら「眠れなかった」というもの。いわゆる、不眠です。
後退症候群の場合は、午後まで眠っていることもあるため、不眠ではなく、過眠なのではと思ってしまうこともあります。
また、生体リズムの乱れが原因にも拘わらず、遅刻したり、早退したりすることが多いと、性格や努力の問題にされがちなところがあります。
内因性の場合は遺伝的になりやすい場合も多く、それを心構えや精神論で片付けられるのは不幸なことだと思います。
おそらく本人も、本当の原因に気づいていないことが多いのではないでしょうか。
西野 精治(にしの・せいじ)スタンフォード大学医学部精神科教授
同大学睡眠・生体リズム研究所(SCNlab)所長。医学博士、精神保健指定医、日本睡眠学会専門医。
2019年5月に睡眠に特化した健康経営のコンサルティングなどを手がけるブレインスリープのCEOに就任。
〔2020年5/16(土) プレジデントオンライン〕

周辺ニュース

ページ名睡眠障害、(健康のニュース)
いま、増え続けている子どもの睡眠障害 気を付けるポイントと対処法
夜更かし型の社会の中、メディアの発達や塾通いの影響などで睡眠リズムが乱れ、睡眠障害になってしまう子どもが増えています。
睡眠リズムが乱れがちな夏休み中に気を付けることと、家庭でできる対処法について兵庫県立リハビリテーション中央病院「子どもの睡眠と発達医療センター」センター長の小西行郎先生に教えていただきました。
睡眠リズムが乱れがちな夏休みに気を付けたいこと
夏休みなどの長期休暇には祖父母の家に泊まりに行ったり、普段はしない昼寝をしたりするなど、どうしても睡眠のリズムが乱れがちになるかもしれません。
しかし、乱れた生活リズムを放っておいたままにすると、休みが終わった時に、朝起きられなかったり、夜更かしグセがついて睡眠不足になってしまったりして、ひどい場合には学校に通えなくなってしまうこともあります。
実際に、一昨年公表された文部科学省の調査では、初めて不登校の原因に睡眠障害に関する項目が挙げられ、3人に1人は「朝起きられないなど生活リズムの乱れ」が不登校の原因になっていることがわかりました。
保護者のかたは長期休暇中も、毎日同じ時間に寝て起き、三度の食事を決まった時間に摂るという規則正しい生活リズムを心がけてあげてください。
睡眠リズムが乱れた時に家庭でできること
では、もし睡眠のリズムが乱れてしまった時には、どうやってもとのリズムに戻せばよいのでしょうか。
正しい睡眠のリズムを取り戻す方法を2つご紹介します。
◆「睡眠表」をつける
子どもの睡眠時間がわかる「睡眠表」をつけてみましょう。
お子さま自身がつけてもよいですし、小学校低学年くらいまでなら保護者のかたが様子を見てつけるようにします。
24時間を軸にした表で、2週間の睡眠を記録しましょう。チェックするポイントは4つです。
1. 何時に寝たか
2. 何時間寝たか
3. 毎日決まった時間に起きているか
4. 途中で起きていないか
(※「睡眠表」でインターネット検索をすると、表をダウンロードできるサイトもあります)
普段は気が付きませんが、表にして可視化すると、睡眠リズムが乱れていることに気が付くかたも多くいらっしゃいます。
これに気が付くだけで、軽度の睡眠障害は改善することもあります。 ◆家族全員で、子どもの就寝時間に合わせて早く寝る
保護者のかたも含めた家族全員で、子どもに合わせた時間に就寝するようにします。 胃や腸が活発に動いているとよく眠れませんから、寝る3時間前には食事をしておくのが理想です。
たとえば、9時に寝るためには、夕食の時間を6時にします。
すると、必然的にその日は規則正しい生活になります。
毎日続けるのは難しいかもしれませんが、「睡眠リズムが乱れているかも」と感じた時に実践してみるとよいでしょう。
「寝る子は育つ」といいますが、規則正しい睡眠は、体を休めるためだけでなく体や脳の成長のためにもとても重要です。
夜更かし傾向にある現代で、どのように子どもの睡眠を守っていくのか、ご家庭だけでなく地域や学校全体でも取り組んでほしいと思います。
プロフィール 小西行郎
兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター長。
同志社大学赤ちゃん学研究センター教授。日本赤ちゃん学会理事長。
福井医科大学(現福井大学医学部)小児科助教授、オランダ留学、東京女子医科大学教授を経て現職に。
小児神経専門医として障害児医療をライフワークとし、診察・発達相談・講演会活動を行う。
※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。
〔2020年1/27(月) ベネッセ 教育情報サイト〕

周辺ニューの

ページ名睡眠障害、(健康のニューの)
夜型生活はトラブルのもと 子どもの学習能力を引き出す睡眠改善テクニック
子どもの健康
「寝る子は育つ」の言葉通り、小学生には9~11時間もの睡眠時間が必要だと言われています。
塾や習い事、部活、遊びと多忙な現代の小学生は、睡眠不足に陥りやすく、また夜型化しがちだそう。
睡眠障害の専門家である井上雄一さんに、その影響と、子どもの睡眠改善法について聞きました。
井上雄一さん
話を伺った人 井上雄一さん 睡眠総合ケアクリニック代々木理事長、東京医科大学睡眠学講座教授
(いのうえ・ゆういち)睡眠学(Somnology)のエキスパートとして、日本睡眠学会特任副理事長(国際担当)、日本薬物脳波学会理事などを務める。
睡眠障害に診療、研究、啓蒙、教育など多方面からアプローチ。
睡眠総合ケアクリニック代々木では、内科、精神科、耳鼻咽喉科などの医師と連携しながら、専門的な治療を行っている。
出典:「小学生白書Web版 (2018年9月調査)」(学研教育総合研究所)
原因は塾やゲーム、スマホ 小学生の夜型化が進んでいる
――「小学生白書Web版」(学研教育総研/2018年9月調査)によれば、22時以降に就寝している子どもは、小4で42.5%、小5で51.5%、小6で63.0%だそうです。
最近の小学生の睡眠は、どんな傾向にあるのでしょうか。
睡眠研究の世界では、そもそも思春期になると就寝時間が遅くなり、夜型化しやすいと言われています。
ただ、普段の診療を通して感じるのは、日本の子どもが夜型化し始める時期は早まっているということ。
ここ5年ほどで、睡眠に問題を抱える小学校高学年のお子さんが増えました。
夜型化が進んだ要因は、中学受験のために遅い時間まで塾に行ったり、夜遅くまでゲームやスマホで遊んだりしていること。
脳と体の発達を考えても、小学生には最低でも9時間は睡眠が必要です。
朝7時に起きるなら、22時には就寝しないといけない。
しかし実際は、0時まで起きている子も少なくありません。
睡眠中は、日中に活性化する交感神経を休めたり、体を成長させたり、記憶を定着させたり、脳をクリアな状態にしたりと、さまざまなことが行われています。
つまり、睡眠不足は多くのデメリットをもたらすのです。
井上雄一さん 睡眠不足は、学習のパフォーマンスや人間関係にも影響する ――小学生が睡眠不足になると、具体的にどのような影響があるのかを教えてください。
睡眠が足りないと、眠気や全身のだるさを感じやすくなります。
すると集中力が落ち、だらしなさや落ち着きのなさにもつながる。
脳の働きも悪くなるため、学習のパフォーマンスも低下していきます。 不安が強くなったり、情緒不安定になったり、うつ傾向になったりと、情緒面にも影響します。
こうした心身の不調は、学力低下、運動能力低下にまで発展すると考えられます。
――一時的ならまだしも、睡眠不足が続くと生活に支障をきたしそうですね。
そうなんです。まず、体内時計が夜型化してしまうと、朝、起きることができなくなります。
起床するべき時刻に、血圧が上がり始めないからです。
「低血圧で起きられない」と言う人がよくいますが、それは間違い。
もともと人間の体は、朝になると血圧が上がるようにできています。
しかし、体内時計がずれると、血圧の上がり始める時刻も同様に後ろにずれてしまう。
7時に起きようとしても、体内時計が2時間ずれていれば、血圧が上がり始めるのは9時。だから起きられないのです。
朝、起きることができないせいで、不登校になる小学生もたくさん見ています。
今、ここに通っているだけでも100人近い。
遅刻するから、登校時に友だちと約束ができなくなって、友人関係が悪化し、学校に行けなくなってしまうんです。
――人間関係にまで影響してしまうのですね。
親子関係にも響きます。睡眠問題をめぐって親子仲にトラブルが生じている家庭は、15家庭に1家庭はあると思いますよ。
大人と違い、子どもは朝方まで眠りが深いもの。体内時計が後ろにずれていれば、なおさらです。
眠りが深い状態で無理に子どもを起こすと、寝ぼけて酔っ払ったときのようになる「睡眠酩酊」に陥りやすい。
すると、不機嫌になったり、ときに暴力的になったりして、親とトラブルになるのです。
体内時計を正常化するための夜型化防止テクニック
――子どもの生活が夜型化するのを予防、改善するためには、どんな対策を取ればいいのでしょうか。
体内時計を前倒しするよう、子どものプライベートライフを調節するほかありません。
遅刻、欠席が目立ってきたり、不登校になったりと社会生活に支障をきたせば、それはただの睡眠不足ではなく、立派な病気です。
いくら熱心に夜遅くまで塾で勉強をしても、受験に支障が出ては意味がない。
試験の日の朝、起きられなくて試験が受けられなかったり、試験中に寝てしまったりした子も知っています。
下記のような方法で、体内時計を正常化していきましょう。
■子どもの夜型化を改善するテクニック
(1)朝、30分早く起きて親子で散歩をする
いつもより30分早く起床して、親子で一緒に散歩を。
朝の光を浴び、活動することで体が覚醒し、生活リズムの改善に役立つ。
親子の会話が増えるので、コミュニケーションの修復にもつながりやすい。
夜はもちろん、9時間以上の睡眠を確保できる時間に就寝を。
(2)週末に寝だめをしない
平日の睡眠不足を補うため、週末に遅起きする子どもは多い。
しかし1時間でも起きる時間がずれると、体内時計が狂い、睡眠時間は足りていても、日中の眠気やだるさ、精神的な不安定さにつながる。
長期的には成績悪化を招くというデータもある。
(3)食事の時間を一定にする
消化管にも体内時計のスイッチがあるため、食事の時間がずれると体内時計に影響する。
そのため、食事を取る時間は一定にするのがベスト。
塾や習い事などで夕食の時間がずれそうな場合は、帰宅後に夕食を取るのではなく、出かける前に半分の量、帰宅後に半分の量という食べ方にすると体内時計の維持につながる。
(4)スマホ、ゲームは朝にする
朝の光、とくにブルーライトは体を覚醒させる。
スマホ、ゲーム機のブルーライトは波長が短くエネルギーが高いため影響が大きく、夜型化を招く大きな要因に。
夜は寝室や自室に持ち込ませないなどのルールを作り、朝早く起きて遊ぶ習慣作りを。
(5)夜の予定を調整する
塾や習い事などで毎日、遅くまで活動していると、睡眠不足と夜型化は進む一方。
週に5日のところを1日減らしたり、終了時刻を早めたりと、できるだけ早寝できる環境作りをして、睡眠時間の確保に努めたい。
夏休みの過ごし方が夜型化するかどうかのキー
――睡眠に問題を抱える小学生の患者さんが増えやすい時期はありますか?
小学生の受診者が増えるのは、12月の初めぐらいからです。
中学受験を控えて、あわててくるケースが多いですね。
しかし、体内時計の治療は、時間がかかるもの。外来で集中的に治療しても、3~4週間かけて1時間ほどしか動かない。
日の出の遅い冬に治療しようとすると、太陽光に似た光を出す機械を購入したりしなければならず、余計に費用がかさみます。
ただ本来、生活リズムが崩れやすいのは、夏休みの時期。
長期休暇なので、自由気ままに生活し続けていると、体内時計がどんどん乱れていくわけです。
一方で、朝からしっかりと太陽光が差す夏休みは、体内のリズムを調整しやすい時期でもある。
この時期、朝に活動する習慣をつけておくことは、とても重要です。
――なるほど。学校の勉強に塾、習い事、宿題、ゲーム、友人とのコミュニケーション。
最近の小学生はタスクが多いですよね。
そうですね。保護者の方はぜひ、「いつしなければならない」という思い込みを外し、隙間時間でタスク処理ができるよう一緒に考えてあげてください。
朝、早く起きて趣味に没頭してもいいし、通学の時間が長いならそのあいだに宿題を済ませるのも手です。
夜遅くにSNSのコミュニケーションに時間を費やしがちな子には、他人に合わせて自分の生活リズムを変える必要がないことを説明した方がいいと思います。
もしかすると今後は、時間の使い方について親子で話し合う必要性がより高まるかもしれません。
というのも、教育にWebシステムを取り入れることが、夜型化に拍車をかける一因にもなりうるからです。
あるアジアの国では宿題の提出期限が深夜0時に設定されているため、宿題を提出した後に食事をして遊ぶという生活リズムになり、学校に行けなくなる子どもが続出しているそうです。
夜遅くまでブルーライトを浴びているのも、不眠につながっていると予想されます。
――「自分の人生を他人にコントロールされない」というのは、大人になっても大事な心がけですよね。
家族も街も寝静まった夜に活動するのは、子どもにとっては魅力的でしょう。私自身も経験したのでよくわかります。
でも、充実した人生は心身の健康あってこそ。
「早く寝なさい!」というだけでなく、一緒に人生をクリエートしていく気持ちで睡眠の改善に取り組んでほしいと思います。
(撮影:辰根 東醐 編集:阿部 綾奈/ノオト)
〔2020年1/14(火) 朝日新聞EduA有馬ゆえ ライター、編集者〕

周辺ニュース

ページ名睡眠障害、(健康のニュース)
学習意欲や発育に悪影響も...子どもの「睡眠障害」に気付いてますか? 対策を聞いた
睡眠は誰にとっても欠かせないものだが、その睡眠で悩む人は後を絶たない。
不眠や過眠といったものから、生活リズムが乱れる「概日リズム睡眠障害」、睡眠中にねぼけ行動をする「睡眠時随伴症」などと内容も幅広く、日常生活に支障が出ることもある。
近ごろはこのような症状を「睡眠障害」と総称するようになったが、大人だけの問題ではないことをご存じだろうか。
上諏訪病院(長野県)の亀井雄一医師によると、睡眠障害は子どもでも大人と同じように抱えてしまい、子どもの場合は発育にも悪影響を及ぼす可能性があるというのだ。
【睡眠障害が子どもの発育に与える主な悪影響】
・集中力がなくなる
・情緒不安定になる
・多動気味になる
・太り気味になる
そして睡眠障害から子どもを守るには、睡眠時間を確保できているかを観察し、昼間の眠気など変わった様子があれば睡眠障害を疑い、医療機関で受診することが大切とのことだ。
それでは、家庭では子どものどんなところに注目して、どんな行動を取れば良いのだろう。
このデータとして参考にしたいのが、大阪・淀川区の取り組みだ。
家庭でのコミュニケーションが睡眠につながる?
淀川区では「ヨドネル」(淀川区+寝る)と銘打ち、「LINE」アカウントやスタンプを活用して早寝を呼びかけたり、睡眠状況をチェックできるシートを公開したりするなどして、地域ぐるみで子どもの睡眠習慣改善に取り組んでいる。
この一環として行われたのが、区内に通う小中学生の睡眠実態調査だ。
2016年6~7月と2017年の6~7月の計2回、小学校4年生から中学校2年生までの約6000人にアンケート調査を行い、睡眠時間と生活習慣、疲れ、学習意欲などとの相関関係を分析した。
その結果、次のような傾向が示されたという。
【睡眠と疲労・学力】
・子どもたちは疲れていて、睡眠時間が短いほど疲れている
・疲労が強いほど注意制御力(物事に注意を向け続ける力)が低い
【睡眠を邪魔する行動】
・SNSを利用するほど、睡眠時間が短い
・平日の夜にコンビニを利用するほど、睡眠時間が短い
・テレビや動画視聴の時間が長いほど、睡眠時間が短い
・スマホを長時間利用するほど、睡眠時間が短い
【睡眠と自宅での過ごし方】
・家庭全員で夕食を取る子どもほど、睡眠時間が長い
・家庭でよくほめられる子どもほど、睡眠時間が長い
この調査結果を見ると、睡眠不足は疲労と密接に結び付いているようだ。
そして気になるのは、夜のコンビニ利用がよくなかったり、家庭でのだんらんがあると睡眠時間が長くなっていた点。
生活習慣は子どもの睡眠にどう影響するのだろうか。
「ヨドネル」を監修した、大阪市立大学の脳科学者・水野敬特任准教授に話を伺った。
スマホのブルーライトは“眠りにくい脳”にしてしまう
――睡眠環境は子どもにどんな影響を与える?
調査では、子どもたちが疲労を抱える背景に睡眠不足があり、その疲労が学習意欲を低下させることが分かりました。
思春期は脳が発達する時期なので、慢性疲労につながる睡眠不足は脳などの発達にも影響を与えると言えます。
――調査では睡眠を邪魔する行動を示されたが、睡眠時間とどう関係している?
例えば、SNSは外部とのコミュニケーションとなるため、意思疎通のすれ違いが起きることもあります。
直接顔を合わせれば「そういう意図じゃない」と説明することもできますが、帰宅後のやり取りでトラブルが起きたら、翌日以降に引きずるはずです。
そんな状況で不安感が高まると夜に眠れなくなることも考えられるので、睡眠にはよくありません。
スマホの利用時間調査では、1日に「5時間以上」使っている子どももいました。
授業中は利用禁止なので、帰宅後から夜間にかけて利用していることが想定できます。
スマホの画面からはブルーライトが出ますが、この光を受けると、睡眠を誘導するホルモン「メラトニン」が脳から分泌されにくくなります。
“眠りにくい脳”になってしまうのです。
――夜間のコンビニ利用がいけないのはなぜ?
夜間にコンビニを利用するという行動からは、夜に出歩く習慣があり、家でゆっくりする時間が少ないことが想定されます。
普通は夜になると眠くなるものですが、コンビニの照明は覚醒作用があり、強い光刺激を与えてしまうため、睡眠時間も短くなっていると考えられます。
テレビや動画の光も同じですね。
勉強や部活動...子どもならではのプレッシャーに注意
――家庭でのコミュニケーションが睡眠時間に影響するのは本当?
子どもにも友人関係、勉強、部活動で責任ある立場を任せられるなど、子どもならではのプレッシャーがあります。
責任感が強いばかりに「自分がやらなければ」と思い、ある日を境に朝起きれなくなることはあります。
不登校の要因ともなるでしょう。
このプレッシャーに負けないためには、子どもの感情の動きを安定させることが大切ですが、そのときに家族のコミュニケーションが重要な役割を果たすのです。
学校生活を頑張っていても、自宅ではほっとできるような家族の支えがあれば、子どもがストレスを抱えても緩和できますから。
――親や周囲が子どもを支えるためにできることはある?
何時に寝て起きるという、睡眠・覚醒のリズムを子どもが小さな頃から作ることです。
今の家庭は1日の活動時間を増やそうと睡眠時間を削るところがあります。
習いごとに通わせる家庭もありますが、睡眠時間を軽視しないようにお願いしたいですね。
寝る前の安心感を与えられる環境も大切です。共働きで忙しい家庭も多いでしょうが、週に数回は家族で過ごす時間を持ってください。
子どもは大人のまねをするので、親も夜はスマホを触らず、同じ時間帯に眠ることも必要です。
生活リズムが違うと難しいと思いますが、子どもが悩んでいるときには、親が合わせることも必要でしょう。
「SNSよりも家の人と話そうよ」と伝えたい
――逆に子ども本人ができることはある?
自分がどんな状態か、俯瞰して見ることです。
自分にはどれくらいの睡眠が必要なのか、何時に寝て起きているかを調べたり、無駄な時間を減らして睡眠時間を増やすような、“睡眠リテラシー”を身に付けるべきですね。
学校でも「何時間寝た?」と話せるような、睡眠教育のムーブメントが子どもたちに起きるのが理想です。
――眠らない・眠れない子どもたちに呼びかけたいことは? 睡眠を取ることを大切にして生きてほしいですね。
つらいこともあるかもしれませんが、家庭では穏やかな時間を取り、眠る前に安心感を得ることを心がけてください。
「SNSよりも家の人と話そうよ」と伝えたいですね。
親御さんたちにも伝えたいことがあります。家庭の力、保護者の力は大きいです。
仕事で忙しいかもしれませんが、家庭では子どもとコミュニケーションを取ってください。
働き方改革が進められている今がチャンスではないでしょうか。 心理的不安を取り除き、安心感を与えることが子どもの睡眠障害を解決する鍵となるようだ。
子どもがいる家庭は定期的に団らんのひとときを作り、「最近眠れている?」などとコミュニケーションをとってはどうだろう。
そして、もし睡眠障害が疑われたなら、医療機関の診察を受ける選択肢があることも覚えておきたい。
〔2019年10/18(金) FNN.jpプライムオンライン〕

5年かけ高校卒業、大学生に 睡眠障害で不登校乗り越え
キャンパスで友人と談笑する星野さん=宇都宮大
睡眠障害による不登校を繰り返しながら5年かけて高校を卒業し、今春、現役合格を果たした大学生がいる。
宇都宮大農学部1年の星野清虎(ほしのしんご)さん(20)=小山市出身。
「大学生になりたい」の思いで心身の不調を乗り越えた。
星野さんを支えた母校、小山西高の教諭らは「学びたいことを見つけられて何より」と温かく見守っている。
幼少期から朝起きることと集団行動が苦手だったという星野さん。
「幼稚園や小学校も行きたがらない傾向」があり、学校に行かせようとする家族に抵抗するようになっていった。
高校に進学すると、起床時間がどんどん遅くなり、夜は寝ようと思っても眠れない日が続くようになった。
受診したところ、睡眠障害と診断された。
「明日はなんとかしなくちゃ」と焦るほど、症状は悪化。
遅刻したり、数週間にわたって休んだりすることが多くなった。
高校1年で2回留年すると、同級生たちとも疎遠に。
「気を使われるのは面倒くさい」。話し掛けられても、あえて会話を続けないようにした。
家族とも顔を合わせたくなかった。
「こんなことをしていていいのかとも思ったが、学校をやめるよりも高校生でいる方が楽」と在学し続けたが、2年になっても出席日数はぎりぎりだった。
「自分が普通とは違う理由を聞かれても、うまく説明できないもどかしさがあった」
高校3年の時、睡眠障害の薬の副作用で「自分でも訳の分からない長文」を書き、メールで同級生に送信してしまったことがある。
「『やってしまった』と気付いて。まともになりたいと感じた」出来事だった。
「勉強したい」「大学生になりたい」。
足りない出席日数分の補習を受け、塾に通って受験勉強をしながら考えていたのは「これからどんな風に生きていくか」。
大学合格を見届けた星野さんの3年時の担任秋元敦子(あきもとあつこ)教諭(56)は、「本人の頑張り」と高く評価。飯塚仁(いいづかひとし)校長(59)は「同じような悩みを持つ人を勇気づける事例だと思う」と話す。
現在、宇都宮市内で1人暮らしをしながら大学で森林の管理や保全について学ぶ星野さん。
管弦楽やテニスなどのサークルに入り、人と関わって笑うことも増えた。
今の状態を「ノイズが減った」と表現する。
「良い意味で適当に振る舞えるようになったんだと思う。
心も体も、以前よりずっと健康」とほほ笑む。
〔2018年6/10(日)下野新聞SOON〕

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