カスタム検索(不登校情報センターの全サイト内から検索)

 
Clip to Evernote  Twitterボタン  AtomFeed  このエントリーをはてなブックマークに追加  


精神疾患の学習

提供: 不登校ウィキ・WikiFutoko | 不登校情報センター
移動: 案内, 検索

精神疾患の学習

「心の健康」だけではダメ。学校教育に「精神疾患の予防と回復」が必要な理由〈dot.〉
2022年度から高校の保健体育の授業で「精神疾患」について教えることになった。
学習指導要領の改訂により約40年ぶりに復活することになる。
これまでも「心の健康」については教えられてきたが、さらに「精神疾患」を教えるべき理由や背景とは?
東海大学体育学部体育学科の森良一教授に聞いた。
*    *  *  *
――2022年度から高校の保健体育の学習指導要領に「精神疾患の予防と回復」が盛り込まれます。
全国一律に学校の授業で、精神疾患について教えることになりますね。
学習指導要領の改訂はおよそ10年ごとに行われており、今回の改訂では「現代社会と健康」というカテゴリーに、「精神疾患の予防と回復」が盛り込まれます。
現行(=今回の改訂前)の指導要領にも「精神の健康」という項目で精神疾患の予防、つまり病気になる前までの内容は入っています。
具体的には、ストレスにどう対処していくか、またはストレスがかかりすぎると心の病気になる可能性があるよ、といった内容です。
心の健康の保持増進がメインで、精神疾患にはダイレクトに触れていません。
今回の改訂ではそれと入れ替わる形で、「精神疾患の予防と回復」が入ることになります。
――保健体育で教える項目なのですね。
もともと科目保健を保健体育の教科として教えるのは 小学校、中学校、そして高等学校と 教育を積み重ねることによって、生涯を通じて、つまり大人になっても健康に過ごす能力を身につけるというのが目的です。
健康課題への対応の仕方を教養として身につけることによって、将来さまざまな問題に直面した時に対処できるようにする、ということです。
健康や安全が中心なので、自然災害による傷害の防止といった命にかかわる内容もたくさん盛り込まれています。
性教育も若い世代に欠かせない内容ですよね。
病気に関しては、精神疾患のような若い世代で発症しやすい病気だけでなく、中高年以降に患者数が増えるがんについても学びます。
若い今は関係ないと考えてしまうかもしれませんが、生涯2人に1人ががんになる時代を生きる中で、必ずその知識は必要になる。
健康教育の一環としてがんについて学ぶことが欠かせないだろうということです。
――今回の改訂では「精神疾患」を明確にし、予防や回復についても教えるわけですね。その理由は?
科目保健では現代的な健康課題をとても大事に扱っていて、学習指導要領は、改訂の度に限られた授業時間数の中で何を教えるべきかを議論しています。
前回までは「心の健康は予防を中心に内容を残すのが教育上は重要だろう」という判断でした。
今回、精神疾患が位置づいた大きな理由は、やはり精神疾患が増えているということ。
文部科学省が生徒指導施策推進の参考にするために毎年小中高を対象に行っている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」でも、精神疾患が増えている状況が顕著になってきています。
また今までの学習指導要領でメインになっていた予防というのは、病気にならないようにする「1次予防」を指します。
今回の改訂では、国民が健康に過ごすには1次予防では不十分。
予防の範疇(はんちゅう)を広げ、病気の早期発見や早期治療といった「2次予防」や、病気を重症化させない「3次予防」についても教える必要があるだろうと、答申されているんですね 。
その結果、無病息災が理想かもしれませんが、一病息災というか、病気を抱えていながらも 生活の質を向上させるためにはどうしたらいいか、ということに対応できる内容になっています。
もっと言えば、病気自体を個性と感じて、どう付き合っていけばいいのか考え、答えを見つけていくこともあると言えるでしょう。
――今回の学習指導要領の改訂では、高校の授業のみに「精神疾患の予防と回復」が入ります。
なぜ高校だけなのでしょうか。
「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の自殺の要因には「精神障害」という項目があります。
2019年の調査結果では小学生は0%。中学は8.8%。高校は9.5%。
中学高校で10%近くが、精神疾患が自殺の原因になっていることが示唆されます。
また、中学と高校で数値がそれほど変わらないことにも注意しなければなりません。
これはとても重大なこと。
精神疾患が増えてくる、すなわち重要度が増してくる時期は思春期と言われていて、高校からでは遅い。
本当は中学から教えなければなりません。
しかし日本では保健の授業数が逆ピラミッド方式で、小学校は24時間、中学は48時間、高校は70時間で上にいくほど増えていく。
高校は基礎学力が上がり、比較的、時間に余裕があるから、新たな内容を盛り込めるのです。
まずは高校で軌道に乗せること。
そしてそれを中学にどうおろしていくかが最も重要であり、課題だと考えています。
このように、自殺の要因以外にもさまざまな調査結果を踏まえて、まず高校で実施すべきではないかという議論になりました。
ただ、先ほども申し上げたように、科目保健を教科として教えるのは 小中高と教育を積み重ねることによって、生涯を通じて健康に過ごす能力を身につけるため。
今回の取り組みが軌道に乗れば、中学校、小学校へと広げていくことになるのではないでしょうか。
〔2021年3/26(金) AERA dot.(文・熊谷わこ)〕

思春期の「心の病気」を減らせるか? 保健体育の教育の変革とは?〈dot.〉
2022年度から高校の保健体育の授業で「精神疾患」について教えることになった。
学習指導要領の改訂により約40年ぶりに復活することになる。
子どもたちが精神疾患の正しい知識を得ることで、思春期の「心の病気」を減らせるのか。
東海大学体育学部体育学科の森良一教授に聞いた。
*      *  *  *
――22年度から高等学校の学習指導要領の保健体育に「精神疾患の予防と回復」が盛り込まれ、授業で教えるようになります。
思春期の精神疾患が増えていることが大きな理由だそうですね。
文部科学省が生徒指導施策推進の参考にするために毎年、小中高を対象に行っている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」でも、精神疾患が増えている状況が顕著になってきています。
2019年の調査で自殺の要因を「精神障害」としているケースは、中学校では8.8%。高校は9.5%でした。
中学も高校も自殺の原因の10%近くは、精神疾患の関連が予想されます。
また、不登校の理由として精神疾患という選択肢はないのですが、4割近くの中学生や高校生が無気力や不安を選んでいます。
無気力や不安は精神疾患でよく見られる症状ですから、不登校になっている子どもの中には精神疾患を発症しているケースも含まれている可能性があります。
高校あたりになると、心が病んでいる子はかなり見受けられるのではないでしょうか。
また、精神疾患にかかる人が若い世代だけでなく全体的に非常に増えてきていることも、理由の一つです。
今回の改訂では、精神疾患のほかにがん教育も加わりますが、どちらも今はかかっていなくても、将来発症する可能性は十分ある。
さらに日本中にこうした病気の人はたくさんいるわけで、社会に出たときにこれらの知識を持っていなければ、国民全体が健康上不利益を被ることにもなりかねません。
――現場の先生方の精神疾患に対する意識はどうですか?
私の感覚ですが、保健体育の先生に限らず先生方は精神疾患に関心を持つようになってきていると感じています。
最近は精神疾患にかかる人が増えて、家族や友人など身近に患者がいるような状況で、精神疾患が特別なものではなくなってきていますよね。
学校の教職員も精神疾患にかかる人が増加しているので、同僚が精神疾患というケースも少なくありません。
「精神疾患について正しく知りたい」という先生も増えているように思います。
保健体育の先生は、ご自身もスポーツを頑張ってこられた人がほとんどで、「とにかく頑張れ!」というタイプが多いと思われがちです。でもスポーツはメンタルがとても重要で、むしろ心の不調には敏感だと思いますよ。
改訂で学習指導要領に精神疾患が入るのを機に、先生方が精神疾患に関する正しい知識を身につけることで、これまで以上に、子どもたちの心の不調や悩みに気づいてあげられるのではないでしょうか。
――授業を受ける子どもたちは、精神疾患をすんなり受け入れることができるでしょうか。
高校は、大学受験を目指す進学校があったり、工業高校や農業高校など専門的な技術を身につけるような高校があったり、多様ですよね。
でもどこの高校にも不登校になる生徒はいますし、ストレスの内容は違うかもしれませんが「心の病気をかかえる生徒がいる」ということも共通なのだと思います。
また精神疾患に対する偏見や誤解を解消していかなければならないという点も、どんな高校で学んでいようと変わりません。
改訂に先駆けて、いくつかの高校で試験的に精神疾患の授業を行っていますが、どの高校の生徒も関心を持って取り組んでいる印象を受けます。
身近な話題として、興味を持ちやすく、知っておきたい内容なのではないでしょうか。
――子どもたちが授業で精神疾患について学び、知識を得ることで、学校現場はどう変わっていくと考えられますか?
子どもの不調におとなが気づくことはたいせつですが、「子どもたちが自分の心の不調、さらに周りの友人の様子の違いにも気づき行動できるようになるのでは」と期待しています。
授業で教えるのは、「精神疾患は特別な病気ではなく誰でもなる可能性があること」「早期発見、早期治療で回復できること」「症状に気づいた時どう行動すればいいか」「病気に対する偏見や差別をなくす」といった内容です。
若い世代に多い「うつ病」「統合失調症」「不安症」「摂食障害」の四つの精神疾患を例に、どのような病気なのか、どんな症状が出るのかといった病気の知識を、具体的に学習していきます。
今までなら自分の不調を精神疾患と結びつけることができなかった生徒が、こうした授業を通して精神疾患の知識を得ることによって、特別なこととしてではなく「自分はおかしいのかな」「もしかしたら病気かもしれない」などと考えるようになって先生や保健室に相談に行く――。
周りの友人がいつもと様子が違うとき、それに気づいて先生に報告できるようになる、「保健室に行ったほうがいいんじゃない」と促せるようになる――。
そんな流れができていけば、おのずと精神疾患の早期発見、早期治療や偏見、差別の軽減につながっていくのではないでしょうか。
〔2021年3/26(金)AERA dot.(文・熊谷わこ)〕 

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
地域
不登校情報センター
イベント情報
学校・教育団体
相談・支援・公共機関
学校・支援団体の解説
情報・広告の掲載
体験者・当事者
ショップ
タグの索引
仕事ガイド
ページの説明と構造
ツールボックス