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オンライン教育

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ページ名 オンライン教育   (新型コロナ、教育のニュース、)
新型コロナ時代の学びスタイル これからのオンライン教育「7つのキーワード」〈AERA〉
オンライン教育での学びの質が課題に
新型コロナウイルスによる休校を機に始まったオンライン教育。教育現場では、試行錯誤をしながら今の時代に合った学びのスタイルや手法を模索してきました。
その後、分散登校や対面授業を経て、オンライン教育はどのように活用されているのでしょうか。
『AERA with Kids秋号』(朝日新聞出版)では、これまでのオンライン教育の動向や今後の課題について取材しています。
*      *  *  *
休校が始まった3月以降、オンラインによる授業がメディアで注目を集めましたが、文部科学省の調査によると、双方向性のオンライン授業をすぐに行うことができた公立学校は、全国でわずか5%だったとか(2020年4月16日時点)。
「もともとICT環境があった学校はオンライン授業がすぐに始まりましたが、そうでない地域ではネットワークや教育プラットフォームの設定に時間がかかってしまった。
しかも公立校では環境整備の問題や、全家庭に平等にという観点から取り組みの温度感はさまざまでしたね」
こう話すのは、IT教育について長年取材をする神谷加代さんです。
休校になったばかりの3月は、学校との連絡が少なく、先生や友達とのつながりが途絶えたことに不安を持つ子が多かったそう。
しかし4月になると、学びを止めないために、オンライン授業の実施に向けて動きだす学校が出てきました。
特に人間関係の構築にと4月に多くの学校で始まった「オンライン朝の会」は、毎朝定時に参加することで、休校中の生活が規則正しくなると好評でした。
「休校中にオンライン授業が行われたことで、対面授業でしかできないこと、オンラインによる効率的な学びなど、それぞれのよさを知る機会にもなりました。
学校が始まって対面授業にすっかり戻ってしまい、オンライン授業のほうはやらなくなったところも多いようですが、GIGAスクール構想(注※)も前倒しになったので、両方のよさを生かした学びの機会ができることを期待したいですね」(神谷さん)
それでは、試行錯誤の中で見えてきたオンライン教育の利点や課題などを具体的に見ていきましょう。
1.「個に応じた学び」を進められるようになった
オンラインで配信する授業映像や課題に対し、子どもが好きなときに学習に取り組めるようになりました。
学校での授業とは違い、子どもが1日の時間を工夫して使いながら自分主導で学習を進めていくことが可能に。
授業映像では、わからない分だけを何度も再生して視聴できるため、自分のペースで学習を深めることができます。
オンライン授業で出された課題を自分のスケジュールに合わせて取り組み、クラウド経由で提出するというスタイルも見られました。 2.「自治体の温度感」によって取り組みの差も
「教育プラットフォームやデバイスを何にするか」。これを選ぶのは自治体で、選んだものによって学びの形は変わってきます。
また、端末の寿命や環境のメンテナンスなども自治体の予算に応じて動くため、どのように環境を整えていくかによって学びへの影響が出る ことも。分散登校が始まったとたん、以前の対面授業に戻ろうとして、せっかく始まったオンライン授業が止まってしまった学校もあるようです。
3.「オンライン・リアル授業の役割」が見えてきた
休校がきっかけで取り組みが広がったオンライン授業でしたが、実際に活用してみると、リアル授業よりも先生が子ども一人一人の考え方を把握しやすい、チャットなどの利用でコミュニケーションがとりやすいといったメリットがわかってきました。
同時に対面のリアル授業や学校生活で得られる社会性なども再認識されました。
休校中のオンライン授業は、学校のありかたや意義を見直すきっかけにもなっています。
4.「双方向のコミュニケーション」の取り方が今後の課題
教育プラットフォームによって課題やデジタル教材を配信したり、提出したりと双方向でやりやすくなった半面、リアルタイムのオンライン授業では一方的な内容のものも多かったようです。
生徒が聞くだけのような解説中心の45分間授業では、モチベーションを保てずに画面をオフにして別のことを行う子どもも。
5.「普段手を挙げない子」も発言できるように
教室で意見を言う生徒は固定されがちですが、オンラインの双方向授業では全員の意見を画面上で確認でき、普段は意見の発表が苦手な生徒の考えを知ることができました。
チャットのほうが自分の意見を言いやすいと考える子どももいるようです。
6.「不登校の子ども」も授業に参加しやすくなった
大人数の中で授業を受けることが苦手な不登校の子どもにとって、自宅で取り組めるオンライン授業は非常に参加しやすいものでした。
今後はオンラインの活用によって、不登校の生徒に対してもさらに手厚いフォローが行われていくことが期待されます。
7.「先生方の過酷な労働」が浮き彫りになった
休校が始まった3月は年度末。成績処理や新学期の準備でもともと先生方が忙しい時期でした。
そんな中で授業のオンライン化が進まなかったり、オンライン授業が始まってもその準備が予想以上に大変だったりしたようです。
6月に登校が再開されてからも、先生方は校内の消毒を行い、通常時は生徒がする清掃を担うなど、感染対策で手いっぱいになりました。
オンライン授業の新しいチャレンジを生み出すためには、先生方の働き方を見直すことも必要です。
注※ GIGAスクール構想:文部科学省が推進する、生徒1人に1台の学習用PCと高速ネットワーク環境などを整備するプロジェクト。
(取材・文=原 ユキミ)
※現在発売中の「AERA with Kids秋号」では、このほかオンライン授業実践例も紹介しています。
せっかく始まったオンライン教育。
課題を一つずつクリアしながら、さまざまな可能性を生かす学びになるよう、これからも注目していきたいと思います。
〔2020年11/6(金) AERA dot.〕 

小島慶子「コロナ危機で変わる教育 オンライン授業の可能性」〈AERA〉
小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。
東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。
『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中
タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。
多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。
日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。
【写真】上海市のオンライン授業の様子
*  *  *
「おはよう。今日から4日間、毎日6時間オンラインで塾だから、また夕方話そうね」
月曜日の朝、高3の長男のいつもより早いFaceTime(フェイスタイム)で起こされました。
ふだんの寝ぼけ顔と違って、キリッとした表情です。
長男は今年、大学受験。日本のような厳しい受験はないですが、秋の統一テストに向けて12年生たちは勉強に力を入れるのです。
長男も週に1度通っている塾の秋休み(南半球の4月は秋)集中クラスに申し込んだのですが、コロナ危機でZoom(ズーム)開催に。
休み時間に様子を聞くと、自分のカメラをオフにしているから教室よりもリラックスして受講できるけど、そのぶん本人の集中力が必要だとのこと。
先月後半から息子たちの学校は自宅学習に移行。
秋休み中の今は、普段通りパソコンから学校のサイトにログインして課題をこなしていますが、5月の新学期からはオンラインで授業が再開されます。
今、先生たちが休み返上で準備を進めているところです。
オーストラリアでは公立でもハイスクール(中高一貫校)に上がると基本的に1人1台PCやタブレットを持ち、
国からもらったメアドを使って学校サイトにログインして、連絡や課題学習、テストの結果や成績表の確認などを行うようになっています。
今回のコロナ危機でオンライン授業に移行するための素地は整っていたと言えます。
ただ、息子たちを見ていると、友達とのコミュニティーに身を置くことや運動の機会を維持することの重要性も感じます。
オンラインなら、いじめやスクールカースト、不登校や発達障害を持つ子どもの学習などの問題は軽減するかもしれません。
一方で、新たな課題も生まれるはず。試行錯誤の中で、当分はより良いかたちを探る旅が続くのでしょう。
息子たちを励ましながら、改めて学びの意味と向き合う日々です。
※AERA 2020年4月27日号
〔2020年4/25(土) AERA dot.〕

「Zoom授業」が学ぶ意欲を向上させる3つの理由
全国一斉休校が続くなか、家でも勉強できる「オンライン授業」を受けてみてどうだったのでしょうか(写真:Domani)
3月初旬からの全国一斉休校で、何かとお困りのご家庭に、と、急遽発信され出した、子どものための「オンライン」授業。
わが家も、学校の代わりにと受けさせてみて感じたこと、そしてわかった3つのことを紹介しようと思います。
この記事の写真を見る
■勉強する環境を作れる子どものためのオンライン授業
今回の一斉休校で、親にとっての課題となった1つが「子どもがどうやって勉強する環境を家庭で作り出すのか」ということ。
学校でしていたすべての勉強を親が見ることができるわけもなく……。
わが家が採用したのは「オンライン授業」。
ありがたいことに、現在いくつもの民間の教育機関がオンラインでのサービスを期間限定で無料開放してくれています。
それらのいくつか受けてみてわかったことがありました。
1. Zoomでの授業って、めちゃめちゃイケてる!! 
YouTube動画のような配信形態の授業ではなく、できるだけリアルタイムかつ双方向で授業をやるタイプのオンライン授業を受講したのですが、採用しているシステムはほぼ「Zoom」。
これは、フリーランスの私も仕事でよく活用しているオンライン会議システム。
Zoomを使って小学生相手にどうやって授業するのか、私も興味津々で見てみたところ、 ・先生がしゃべる間は子どもたちはミュートの状態(先生の方でコントロール)
・先生のPC画面の共有が「黒板」替わり
・画面に向かって手をあげてアピールすることで発言可能に
このような感じですすめられ、まったく問題なくスムーズに授業が進んでいきました。
子どもたちも、教室の黒板でみるより、iPadの画面のほうが見やすいとのこと、デジタルネイティブならではなのかもしれません。
むしろ、今後公立の学校が積極的にこの制度を取り入れると、先生も生徒も通学などの普段から解放されていいかも!? 
2. 毎回初対面の「クラスメート」との交流が刺激的
オンライン授業なので、基本的に全国(あるいは海外も含めて)からアクセスされ、かつ授業ごとの登録制の場合が多いので、
授業はほぼ毎回「はじめまして」のクラスメートと行われます。
授業中の自分の意見も、画面を通して、毎回初対面の人の前で言わないといけない緊張感は、
子どもたちにとってとてもよい刺激になったようで、普段慣れたクラスメートの前で発言するよりも「考えて」発言していたように思います。
知らない人の前で意見が言えるようになることは、子どもにとっても自信につながりますよね。
■学校以外でも学び成長ができると知ったいい機会
3. どこにいたって「つながって」「学べる」ということの腹落ち感
オンライン授業は、リビングで座っていてもベットに寝ころびながら(!? )でも受けることができ
「教室できちんといすに座って」する以外の勉強を知らなかった子どもたちに
「勉強しようと思えば、学校に行かなくても、いつでも、いくらでもできるんだ」という実感値を生んだような気がします。
  もちろん学校という場所は人間形成のためにもとても大事な場所だということは変わらないと思います。
ですがたとえ、病気になったとき、不登校になったとき、学校以外でも学び成長できるということを知っているのと知らないとでは、
子どもたちが自分の生き方を考えるときに差が生じるのではないでしょうか。
なぜならこのことを知ってることは、考えるうえでとても貴重な要素になると思うのです。
わが家が受けたオンラインZOOM授業
▶︎タンキュークエスト
▶︎ミライラボ
▶︎おうちDeまなび舎
まだまだ続く休校措置、そして突入する春休み……。
子どもたちの学びを止めない、家庭学習のスタイルを確立するためにも「オンライン授業」を取り入れてみてはいかがでしょうか?  Domani
〔2020年3/20(金) 東洋経済オンライン〕

学校教育がオンラインへ移行するメリットとデメリット
4月、新しいスタートとなるこの時期に、緊急事態宣言が発令されました。
外出が禁じられた子供たちは、行き場なく、ただ家にいるしかありません。
以前より遠隔教育の推進に向けて議論されていますが、公立の義務教育の現場では、まだ普及するに至っていません。
オンライン学習を推進の政府vs.文科省
2018年の資料を見ると、内閣府「規制改革推進会議」では、スタディログ、学習履歴の事例が出るなど、
教育の質を向上させる手法だという認識での取り組みを提案しています。
一方で、文部科学省側は、従来の教育の補完という発想から脱却できずにいるように思います。
遠隔教育の必要性は、小規模校等における教育活動の充実や、外部人材の活用や幅広い科目の開設などにおいて、重要な意義があるとしています。
また、不登校児童生徒や病気療養児など、通学して教育を受けることが困難な児童生徒にとって、学習機会の確保の観点から重要だとしています。
オンライン推進派と現状維持派の違いとは
オンラインによる学習のメリット、デメリットを考えるには、まず、「推進派」と「現状維持派」の認識の違いを克服してゆかなければいけません。
「推進派」は、学校での授業を「知識の習得の場」と考えていますが、現状維持派は、学校を知識習得だけでなく、「人格形成の場」だと位置づけています。
「現状維持派」は、人格形成をその人の性格や一般的な道徳観として捉えています。
一方で、推進派にしてみれば、それは親がすることだとなってしまいます。
しかし、人間の人生とは、「他と異なる存在である証を模索して終えるものだ」と考えるのであれば、
特定の社会の中で生まれ、育つことを意識することが、個の存在意義を深めることに役立ちます。
たとえば、その地域で作られた味噌で作るお母さんの味噌汁を味わうことが文化であり、そのうまい味噌汁を受け継ぎたいと意識することが伝統を作り出しています。
核家族化にともない、地域、社会が放れてゆくとしても、その地域、家族の中で意識されているものがある限り、伝統は残り続けます。
以前、テレビ番組で「鯉を食べない町」が紹介されていました。
栃木県小山市高椅地区では、「水不足に苦しみ神社に井戸を掘ったところ、水と共に大きな鯉が出てきたので、
それ以来、人々は鯉をあがめるようになった」という言い伝えがあります。
そのため、町では、鯉を食べません。鯉のぼりもあげません。
鯉の柄の入った着物も着ないし、鯉の模様のお皿も使わないそうです。
鯉を崇めるという行為は、性格になんの関係もありませんが、その人がそこで生まれたという大切な証です。
地域社会や親ができなくなった代わりとして、本来、学校が担うべき人格形成は、その国、その地域での文化伝統を意識して、受け継いでゆくことではないでしょうか。
日本人として、「日本人らしさ」を意識することが、個々の人格を作る重要な支えになってゆきます。
知識の習得だけでいいなら現状の学校は不要
社会が進化してゆくために必要な知識を習得するだけなら、オンライン学習にデメリットなどないように感じます。
発達の過程には個人差があります。
小学校のころ、動作や反応がのろくて、同級生に馬鹿にされていた人がクラスにいたという記憶の方もいるのではないでしょうか。
しかし、時間がたち高校になって偶然に出会うと、まったくの別人になっているなんてことはよくあります。
身長差は、目に見えるその典型でしょう。
1人の先生が何十人もの生徒を相手にして、同じ内容の授業を行うのですから、当然、発達の違いによって、差が出てしまいます。
このことは、発達が進んでいる子供の学習機会を奪い、遅れている子供を委縮させています。
先生の能力差によって生じる、授業の不公平感もなくなります。
オンライン学習であれば、個々の発達の過程に合わせて、先生と相談しながら、自分に合った授業を選択することができます。
オンライン学習であっても、自宅学習である必要はありません。
共働きで学校がないと困るというのであれば、毎日、教室でオンライン授業をすればいいだけです。
現状のまま、人格形成を個人の性格と位置付けて「日本人とはどういう人たちなのか」という発想へ向かわないなら、いずれ義務教育の存在価値はなくなってゆくでしょう。
学校でのいじめがより深刻になるのは、学校が地域社会と隔離されているケースだと言われています。
親が先生に対して、子供が虐められているみたいだと相談しても、虐めなどありませんと遮断されてしまうような状況では、いじめがエスカレートしてゆきます。
地域、社会の文化・伝統の中心となって、誰もが懐かしく思う学校を作ってゆくことこそ、義務教育としての学校の存在意義なのではないでしょうか。
〔2020年4/18(土) LIMO 武田 尚季〕

「オンラインで授業」先生たちの試行錯誤の日々
突然始まった休校に合わせ、家で過ごす子どもたちのため、良質なオンライン教材や動画、書籍の電子版などが官民問わず、さまざまな形で無料開放された。
しかし子ども自身が喜んで利用するかどうかは個人差が大きく、SNSでは子どもが「やらない」「取り組まない」「興味を示さない」という保護者の悩みも目に付いた。
「学力を低下させたくない」「せっかくの休みを有効に使ってほしい」――。
そんな親の願いどおりにはなかなかいかないものだ。
では今回のような緊急時、子どもの学びを止めない方法はあるだろうか。
「双方向」のコミュニケーションをキーワードに探ってみた。
■いつもの学校、いつもの先生
3月17日、午前9時。児童たちの姿がない休校中の校内で、あちこちから「おはようございます」の声が聞こえてくる。
埼玉県さいたま市、私立さとえ学園小学校。
休校が始まった3月2日からビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を取り入れ、オンライン授業を継続してきた。
この日はZoom生活10日目。
ガランとした教室でタブレットやノートパソコンに話しかける教員と、自宅にいる児童たちがオンラインでつながり、出欠を取ったり、日課の黙想をしたり。
画面越しの児童たちは制服か体操服を着用し、普段と同じルーティーンで「朝の会」が開かれている。
同校では2018年から児童全員がiPadを所持し、学校や自宅での学習、連絡に活用。
自宅にWi-Fi環境がなくても利用できるようセルラーモデルを導入しており、児童らは学校生活の中で当たり前にiPadを使っている。
休校要請が出された日の夜、Googleのメッセンジャーアプリ「ハングアウト」の教員グループに小野田正範校長がメッセージを発信した。
それは、今後起こりうる課題は何かを洗い出そう、という呼びかけ。
すでに21時を過ぎていたが、ICT部メンバーの教員らが即座にタスク管理ツール「Trello(トレロ)」でプロジェクトを立ち上げた。
普段から教員同士のコミュニケーションにはハングアウトを使っているが、過労働にならないよう勤務時間外には使用していない。
しかし今回は緊急事態。帰宅していた教員たちがオンラインでつながり、夜のうちに課題検討が進んだ。
その中で新しい試みとして出てきたアイデアがZoomの利用だった。
「最初は児童の顔を見て、健康観察ができれば、というぐらいの気持ち」(小野田校長)で、まずは9時からの朝の会と11時からの終わりの会をZoomで実施。
午前中ずっとZoomを使うのではなく、各自で自宅学習に取り組むことを基本とした。
一方、教員それぞれが試行錯誤を重ねた結果、次第にZoomを使ってオンライン授業ができるようになっていく。
子どもたちも操作に慣れ、挙手機能やチャットを使いこなせるようになった。
体育の授業で体操したり、生活科の授業で学校内の植物を撮影して観察したり。
子どもたちにとっては画面越しであっても、いつもの学校、いつもの先生、いつもの友達と出会えることが何よりうれしかったのではないだろうか。
■公立でも取り入れられる仕組みづくり
家庭でWi-Fi環境が整っていないなど、Zoomへの接続が困難な場合もある。
そのため朝の会や終わりの会も参加は強制ではなく、普段どおり連絡事項はGoogle Classroomで共有。
オンライン授業は録画して専用サイトから閲覧できるようにするなど、フォロー体制も整えられた。
またZoomの利用について保護者からはオンラインでアンケートを回収。
「朝の会の開始に合わせて規則正しい生活ができた」や、「最初は落ち込んでいた子どもも、友達の顔を見ると表情が明るくなった」など好意的な意見が多く聞かれた。
さとえ学園小学校の取り組みについて、「校内に水族館やプラネタリウムまである私立小だからできるんでしょう?」、そう揶揄する人もいるかもしれない。
しかし意外にもICT化の方針は「公立校のモデルになるような取り組み」。
そう語るのは、ICT・AL(アクティブラーニング)教育担当の山中昭岳先生だ。
山中先生は約20年前、和歌山県の旧熊野川町(現在の新宮市)で教員となり、
山間部の小さい公立小でありながら当時、パソコン教室に1人1台を実現するなどIT化の指揮を執っていた。
この経験から、ICTツールが子どもたちの可能性を大きく広げることを実感。
そしてそのメリットは一部の子どものものではなく、すべての子どもが平等に享受できるものでなければ社会は変わらない、という信念を持ったという。
一方、さとえ学園小学校は体験型教育や複合型教育を重視し、学校の設備は非常に充実している。
しかし山中先生が着任した数年前までは校内に十分なパソコンがなく、ICT化は出遅れていた。
潤沢な予算もない中、一からICT化を整備するなら公立校のモデルになる取り組みにしようと教員間で意識を共有。
そのため教材費と同水準でiPadを導入できるようにし、基本的には無料で、学校外でも使えるアプリやツールを多用した。
またICTリテラシーやスキルに応じてiPadの機能やアプリに制限をかける、独自の「レベルアップ型ルール」を考案。
小学生でも自分自身をコントロールし、適切かつ効果的にiPadを使いこなせるようにした。
小中で児童生徒1人1台コンピューターを2023年度までに実現させるという政府の「GIGAスクール構想」は、今回の休校措置によって、今後さらに加速していくだろう。
「学校教育が充実していなければ、社会は衰退します。
誰もが平等にICTツールを使えれば、すべての子どもたちが自分の学び、可能性を広げていけるようになるでしょう。
今回の事態がいいきっかけになって教育のアップデートが進むことを願い、私たちのノウハウを広く伝えていきたい」(山中先生)
■学校ではない居場所もオンラインで
一方、学校外でも子どもの支援に取り組む企業や団体があった。
このうち、政府から休校要請が出された翌日、急きょオンライン講座の立ち上げを宣言したのがミライLABO(東京都渋谷区)。
普段は渋谷を拠点に認可外保育園のほか、主に小学生を対象にサードプレイス(学校でも塾でもない第三の居場所)として「コドモクリエイターズインク」を運営している。
このうち「コドモクリエイターズインク」は、小学生のための起業家教育として企業とコラボレーションしたり、さまざまな企画で多様性に触れる学びを実践したりしている。
学校や塾ではできない体験、学びができる場としてニーズがあり、渋谷以外での開設希望が多く寄せられていた。
そのため4月から全国の誰でも参加できるオンライン講座(有料)の開設を目指し、準備を進めていたところ、突如、休校要請が出された。
それならばと、3月に10日間、希望者20人に無料でオンライン講座を受けてもらえるよう計画を前倒し。
SNSなどで参加者の募集情報は広がり、瞬く間に希望枠は埋まった。
反響の大きさに応えるため、その後、各日の参加者を100人にまで拡大。
講座実施日も5日分、追加し、計15日間で開講した。
オンライン講座はZoomを使い、午前10時から午後3時まで日替わりで「言葉とオノマトペ」「SDGs」「宇宙」などさまざまなテーマで展開。
プライバシーに配慮し、顔出しNGの場合はビデオオフで参加できる。
画面に表示する名前も本名ではなく、ニックネームや下の名前だけにした。
期間中を通して講師を務めたのは、ミライLABO経営企画室の新居真由香さん。
ほかにもSNSで講師を募集したところ、趣旨に賛同したアーティストや専門家の参加が実現した。
■不登校の子どももビデオオフで参加
取材で訪れた日の講義は、「アート」がテーマ。
午前中は新居さんが進行し、絵を見て物語を想像する課題に取り組んでいた。
最後は数人ずつのグループに分かれて、物語を発表。
自分で描いた絵に物語をつける子もいて、実際に絵を見せ合いながらコミュニケーションが取れていた。
引き続き、午後からは“楽描きエーター44”こと野上義史さんが講師を務め、「1人1人がアーティストになる」というテーマで作品づくりに取り組んだ。
双方向のコミュニケーションは子ども自身の参加意識を高めるとともに、講師の進行によって新しい知のキャッチアップにつながりやすい。
ほかの日には企業とのコラボ企画も複数行われ、子どもたちの感性や表現力を養った。
講義中は講師や発言者以外、マイクをミュートにしているが、お昼休みや休憩時間はマイクをオンにして自由な会話を許可。
連続して受講している子ども同士が仲良くなり、他愛もない話をしている姿も見られたという。
新居さんもオンラインのままお昼ご飯を食べるなどしつつ、子どもとおしゃべり。
子どもを留守番させなければいけなかった家庭や、保護者が在宅していてもリモートワークや家事で忙しかった家庭にとっては、大きな助けとなったのではないだろうか。
また普段、学校に行けていないという子どもがビデオオフで参加し、楽しく取り組めたという例や、学校では発言が苦手だけれどオンライン講義なら発表できた、という声も寄せられた。
新居さんは学校でも塾でもない、第三の「子どもの居場所」がオンラインでも作れることを実感したという。
「私たちのオンライン講義を通じて笑顔になってくれたお子さんが少しでもいてくれたのなら、本当にやってよかった」(新居さん)
外出が制限される緊急時でも、子どもたちの学びを止めない。
そんな社会の実現に向け、試行錯誤が始まっている。
先行きの見えない日々だが、この先にはどんな未来が待っているのか。
今こそ、子どもたちの教育に希望を見いだしたい。
〔2020年3/26(木) 東洋経済オンライン 吉岡 名保恵 :フリーライター〕

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