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ホームスクーリング

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(ホームスクーリング)
 
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==ホームスクーリング==
ページ名[[ホームスクーリング]]、(アメリカ) <br>
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'''米国では200万人以上の子供が「ホームスクーリング」、教育に求められる変革と多様化'''<br>  
 
'''米国では200万人以上の子供が「ホームスクーリング」、教育に求められる変革と多様化'''<br>  
 
少子化が進む日本。子供の数は減っているが、小中学生の「不登校」が過去最多になったとしてさまざまなメディアが取り上げた。<br>
 
少子化が進む日本。子供の数は減っているが、小中学生の「不登校」が過去最多になったとしてさまざまなメディアが取り上げた。<br>
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ページ名[[ホームスクーリング]]、(アメリカ、イギリス、カナダ) <br>
 
 
'''米国では200万人以上の子供が「ホームスクーリング」、教育に求められる変革と多様化''' <br>
 
'''米国では200万人以上の子供が「ホームスクーリング」、教育に求められる変革と多様化''' <br>
 
少子化が進む日本。子供の数は減っているが、小中学生の「不登校」が過去最多になったとしてさまざまなメディアが取り上げた。<br>
 
少子化が進む日本。子供の数は減っているが、小中学生の「不登校」が過去最多になったとしてさまざまなメディアが取り上げた。<br>
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〔2019年12/18(水) AMP[アンプ][文] 細谷元(Livit)〕 <br>
 
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ページ名[[ホームスクーリング]]、(教育のニュース) <br>
 
 
'''「学校行かず家で勉強」あり?なし?米で広がる「ホームスクーリング」不登校YouTuberに思うこと'''<br>
 
'''「学校行かず家で勉強」あり?なし?米で広がる「ホームスクーリング」不登校YouTuberに思うこと'''<br>
 
一緒に勉強するクリスティン・ヤシュコさん(左から2番目)と長女のアルドリンさん(左)、長男のウォーカー君(右から2番目)、キース君=2019年2月、米バージニア州=染田屋竜太撮影 <br>
 
一緒に勉強するクリスティン・ヤシュコさん(左から2番目)と長女のアルドリンさん(左)、長男のウォーカー君(右から2番目)、キース君=2019年2月、米バージニア州=染田屋竜太撮影 <br>
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もともと、1970年代にホームスクーリングがアメリカで広がり始めたのも、公教育への不信感がきっかけだとされています。<br>
 
もともと、1970年代にホームスクーリングがアメリカで広がり始めたのも、公教育への不信感がきっかけだとされています。<br>
 
'''ジオラマ使って世界史授業'''<br>
 
'''ジオラマ使って世界史授業'''<br>
記者がこの問題に関心を持ったのは、現在特派員をしているバンコクで、長男の所属する野球チームのコーチの男性が、「うちはホームスクーリングなんだ」と話してくれたことがきっかけでした。<br>
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記者がこの問題に関心を持ったのは、現在特派員をしているバンコクで、長男の所属する野球チームのコーチの男性が、「うちはホームスクーリングなんだ」と話してくれたことがきっかけでした。<br>
 
「子どもは学校に通うのは当たり前だ」と考えていた自分にとって、家で親が勉強をみるなんてすぐには理解できませんでした。<br>
 
「子どもは学校に通うのは当たり前だ」と考えていた自分にとって、家で親が勉強をみるなんてすぐには理解できませんでした。<br>
 
ただ、ホームスクーリングに関する記事やアメリカの論文を読んでいるうち、かなりの数の人がこの方法を採り入れていることを知りました。<br>
 
ただ、ホームスクーリングに関する記事やアメリカの論文を読んでいるうち、かなりの数の人がこの方法を採り入れていることを知りました。<br>
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〔2019年6/7(金) withnews〕 <br>
 
〔2019年6/7(金) withnews〕 <br>
  
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2020年2月12日 (水) 18:05時点における最新版

ホームスクーリング

米国では200万人以上の子供が「ホームスクーリング」、教育に求められる変革と多様化
少子化が進む日本。子供の数は減っているが、小中学生の「不登校」が過去最多になったとしてさまざまなメディアが取り上げた。
文部科学省が2018年10月に発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、
2017年度の小中学生の数は982万人で過去最少、一方で小中学生の不登校生徒数は前年比1万348人増の14万4031人となり、初めて14万人を超え過去最多を更新した。
このトレンド、実は日本だけで起こっているものではない。
欧米でも学校に行かない子供たちが急増している。
しかし、このトレンドについて日本と大きく異なっている点がある。
それは「不登校」「ひきこもり」などネガティブな印象を持つ言葉ではなく、
「ホームスクーリング」や「パーソナライズド・ラーニング」などの言葉で説明され、多くの場合ポジティブに捉えられているのだ。
学校に行かないことがポジティブに捉えられているのはなぜなのか。
理由の1つは、ホームスクールやパーソナライズド・ラーニングで学習している子供の方が習熟度が高いという研究結果が相次いで公開されているためだ。
またビル・ゲイツ氏などパーソナライズド・ラーニングの可能性を説く著名人が増えていることもその背景にあるといえるだろう。
今回は第四次産業革命の本格始動を目前に世界で起こる教育革命の最前線をお伝えしたい。
英国・米国でも学校に行かない子供たちが急増、その理由
英BBCは2018年4月、英国で学校に行かずホームスクーリング(自宅で学習)する子供の数が2015年の3万4000人から1万4000人増加し、2017年には4万8000人に達したと伝えた。
この状況を受け、英国政府は「自宅学習の権利と責任」に関するガイドラインを発表する予定だと報じられている。
英国の教育専門家らは、国内の教育システムが危機的状況にあることや、いじめ問題が深刻化していることなどが背景にあると指摘。
1人の教師が30人もの生徒を教えるスタイルに疑問を投げかけ、オンラインツールなどを活用した21世紀の新しい教育を模索すべきとの声が高まっている。
一方、米国ではホームスクーリングする子供(5~17歳)の数は200万人以上ともいわれている。
ナショナル・ホームエデュケーション研究所は、ホームスクーリングする子供の数は年率2~8%で増加しており、2016年時点ですでに230万人いたと推計している。
米教育省によると、ホームスクーリングする子供の数は1999年に85万人だったが、2007年に150万人に増加したという。
この20年の間に着実にホームスクーリングする子供の数は増えていることがうかがえる。
米国では1980年代からホームスクーリングが増加したといわれているが、その理由は時代とともに変化している。
当初は、クリスチャンの家庭が、宗教・モラルの教育において公共の学校では不十分と考え、子供をホームスクーリングさせることが多かったといわれている。
それまで米国では義務教育過程において子供は公共または私立の学校で学ぶことが法律で義務付けられていたが、
1980年代にホームスクーリングを合法と定める州が登場し、教育を取り巻く環境は変わり始めることになる。
現在では、すべての州でホームスクーリングが認められている。
また、ホームスクーリングの子供でも、学校間のスポーツイベント(日本のインハイなどに相当するもの)への参加を認める州もある。
米国ではホームスクーリングはれっきとした教育選択肢の1つとして浸透しているといえるだろう。
ちなみにこのスポーツイベントの参加を認める法律は「ティム・ティーボウ法」と呼ばれている。
ホームスクーリングをしながら、地域の高校フットボールクラブに参加、その後フロリダ大学を経てプロのアメフト選手になった人物の名前だ。
立ち上がる教育者たち、米国で起こる教育ディスラプション
ホームスクーリングの認知と需要が高まる中、ニューヨークでは学校版Airbnbとも称されるスタートアップ「CottageClass」が登場し注目を集めている。
公立学校には通わせたくないが、学費が高騰する私立にも行かせたくないと考え、ホームスクーリングを選ぶ親がニューヨークで増加しているといわれている。
CottageClassは、このホームスクーリングで学ぶ子供たちと親、さらに教師がつながるプラットフォームを提供している。
教師がどのような授業を行うのか、プラットフォーム上にその概要を公開。親はそこから子供に合う授業をピックアップしていく。
ホームスクーリングする子供どうし、親どうしのつながりができる空間として重宝されているようだ。
CottageClassの創業者であるマニシャ・スノイヤー氏は元教師。
ニューヨークのテックメディアTechnical.lyの取材で、既存の教育制度に危機感を持ったことが同プラットフォームを立ち上げるきっかけになったと語っている。
スノイヤー氏が教師時代にもっともフラストレーションを感じたのが、子供たちの行動管理に関する方法だ。
1クラスに何十人も詰め込まれており1人1人に対応することは不可能のため、静かに座ることを強要する以外何もできなかったという。 また既存の教育制度では、教育に情熱を持って取り組む教師であっても、標準テストへの準備などで時間を割かれ、クリエイティビティや能力を発揮できないでいる状態だと指摘している。
CottageClassは、親がホームスクーリングの一部を教育熱心な教師たちに任せられるだけでなく、子供も社会性を身につけることができ、ホームスクーリングの次の形として期待が寄せられているのだ。
ホームスクーリングは子供たちが自分のペースで学習を進められるため、「パーソナライズド・ラーニング」を実施する上でも効果的な教育環境といえるだろう。
カーン・アカデミーのように分かりやすい教育コンテンツとバッジ獲得などのゲーミフィケーションの仕組みを取り入れたオンライン学習プラットフォームを活用すれば、子供たちの学習における能動性を高め、学校で勉強するよりも高い学習効果を生み出すことが可能だ。
学術誌Canadian Journal of Behavioral Scienceに寄稿された論文によると、カナダの学校に通う子供とホームスクーリングの子供のテストの点数を比較したところ、ホームスクーリングの子供の方が点数が高いという結果になった。
調査対象となったホームスクーリングの内容は、「ストラクチャード」と呼ばれ、よく練られたカリキュラムで学習が行われていたという。
カリキュラムがストラクチャードでない場合、ホームスクーリングの子供たちの点数は平均を下回った。
このほかにもパーソナライズド・ラーニングの効果を示す研究は数多く発表されており、ホームスクーリングだけでなく、学校でも導入が始まっている。
米国では、カーン・アカデミー創設者のサルマン・カーン氏が設立した「カーン・ラボ・スクール」やコワーキングスペースWeWorkが設立したプライベート小学校「WeGrow」など、ホームスクーリング以外にもさまざまな試みが行われており、教育の選択肢はかなり多様化しているといえるだろう。
教育改革が求められる日本にとって示唆に富む事例となるはずだ。
〔2019年12/27(金) AMP[アンプ]文:細谷元(Livit)〕

米国では200万人以上の子供が「ホームスクーリング」、教育に求められる変革と多様化
少子化が進む日本。子供の数は減っているが、小中学生の「不登校」が過去最多になったとしてさまざまなメディアが取り上げた。
文部科学省が2018年10月に発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、
2017年度の小中学生の数は982万人で過去最少、一方で小中学生の不登校生徒数は前年比1万348人増の14万4031人となり、初めて14万人を超え過去最多を更新した。
このトレンド、実は日本だけで起こっているものではない。欧米でも学校に行かない子供たちが急増している。
しかし、このトレンドについて日本と大きく異なっている点がある。
それは「不登校」「ひきこもり」などネガティブな印象を持つ言葉ではなく、
「ホームスクーリング」や「パーソナライズド・ラーニング」などの言葉で説明され、多くの場合ポジティブに捉えられているのだ。
学校に行かないことがポジティブに捉えられているのはなぜなのか。
理由の1つは、ホームスクールやパーソナライズド・ラーニングで学習している子供の方が習熟度が高いという研究結果が相次いで公開されているためだ。
またビル・ゲイツ氏などパーソナライズド・ラーニングの可能性を説く著名人が増えていることもその背景にあるといえるだろう。
今回は第四次産業革命の本格始動を目前に世界で起こる教育革命の最前線をお伝えしたい。
英国・米国でも学校に行かない子供たちが急増、その理由
英BBCは2018年4月、英国で学校に行かずホームスクーリング(自宅で学習)する子供の数が2015年の3万4000人から1万4000人増加し、2017年には4万8000人に達したと伝えた。
この状況を受け、英国政府は「自宅学習の権利と責任」に関するガイドラインを発表する予定だと報じられている。
英国の教育専門家らは、国内の教育システムが危機的状況にあることや、いじめ問題が深刻化していることなどが背景にあると指摘。
1人の教師が30人もの生徒を教えるスタイルに疑問を投げかけ、オンラインツールなどを活用した21世紀の新しい教育を模索すべきとの声が高まっている。
一方、米国ではホームスクーリングする子供(5~17歳)の数は200万人以上ともいわれている。
ナショナル・ホームエデュケーション研究所は、ホームスクーリングする子供の数は年率2~8%で増加しており、2016年時点ですでに230万人いたと推計している。
米教育省によると、ホームスクーリングする子供の数は1999年に85万人だったが、2007年に150万人に増加したという。
この20年の間に着実にホームスクーリングする子供の数は増えていることがうかがえる。
米国では1980年代からホームスクーリングが増加したといわれているが、その理由は時代とともに変化している。
当初は、クリスチャンの家庭が、宗教・モラルの教育において公共の学校では不十分と考え、子供をホームスクーリングさせることが多かったといわれている。
それまで米国では義務教育過程において子供は公共または私立の学校で学ぶことが法律で義務付けられていたが、
1980年代にホームスクーリングを合法と定める州が登場し、教育を取り巻く環境は変わり始めることになる。
現在では、すべての州でホームスクーリングが認められている。
また、ホームスクーリングの子供でも、学校間のスポーツイベント(日本のインハイなどに相当するもの)への参加を認める州もある。
米国ではホームスクーリングはれっきとした教育選択肢の1つとして浸透しているといえるだろう。
ちなみにこのスポーツイベントの参加を認める法律は「ティム・ティーボウ法」と呼ばれている。
ホームスクーリングをしながら、地域の高校フットボールクラブに参加、その後フロリダ大学を経てプロのアメフト選手になった人物の名前だ。
CottageClassウェブサイト
立ち上がる教育者たち、米国で起こる教育ディスラプション
ホームスクーリングの認知と需要が高まる中、ニューヨークでは学校版Airbnbとも称されるスタートアップ「CottageClass」が登場し注目を集めている。
公立学校には通わせたくないが、学費が高騰する私立にも行かせたくないと考え、ホームスクーリングを選ぶ親がニューヨークで増加しているといわれている。
CottageClassは、このホームスクーリングで学ぶ子供たちと親、さらに教師がつながるプラットフォームを提供している。
教師がどのような授業を行うのか、プラットフォーム上にその概要を公開。
親はそこから子供に合う授業をピックアップしていく。
ホームスクーリングする子供どうし、親どうしのつながりができる空間として重宝されているようだ。
CottageClassの創業者であるマニシャ・スノイヤー氏は元教師。
ニューヨークのテックメディアTechnical.lyの取材で、既存の教育制度に危機感を持ったことが同プラットフォームを立ち上げるきっかけになったと語っている。
スノイヤー氏が教師時代にもっともフラストレーションを感じたのが、子供たちの行動管理に関する方法だ。
1クラスに何十人も詰め込まれており1人1人に対応することは不可能のため、静かに座ることを強要する以外何もできなかったという。
また既存の教育制度では、教育に情熱を持って取り組む教師であっても、標準テストへの準備などで時間を割かれ、クリエイティビティや能力を発揮できないでいる状態だと指摘している。
CottageClassは、親がホームスクーリングの一部を教育熱心な教師たちに任せられるだけでなく、
子供も社会性を身につけることができ、ホームスクーリングの次の形として期待が寄せられているのだ。
ホームスクーリングは子供たちが自分のペースで学習を進められるため、「パーソナライズド・ラーニング」を実施する上でも効果的な教育環境といえるだろう。
カーン・アカデミーのように分かりやすい教育コンテンツとバッジ獲得などのゲーミフィケーションの仕組みを取り入れたオンライン学習プラットフォームを活用すれば、
子供たちの学習における能動性を高め、学校で勉強するよりも高い学習効果を生み出すことが可能だ。
学術誌Canadian Journal of Behavioral Scienceに寄稿された論文によると、
カナダの学校に通う子供とホームスクーリングの子供のテストの点数を比較したところ、ホームスクーリングの子供の方が点数が高いという結果になった。
調査対象となったホームスクーリングの内容は、「ストラクチャード」と呼ばれ、よく練られたカリキュラムで学習が行われていたという。
カリキュラムがストラクチャードでない場合、ホームスクーリングの子供たちの点数は平均を下回った。
このほかにもパーソナライズド・ラーニングの効果を示す研究は数多く発表されており、ホームスクーリングだけでなく、学校でも導入が始まっている。
米国では、カーン・アカデミー創設者のサルマン・カーン氏が設立した「カーン・ラボ・スクール」やコワーキングスペースWeWorkが設立したプライベート小学校「WeGrow」など、ホームスクーリング以外にもさまざまな試みが行われており、教育の選択肢はかなり多様化しているといえるだろう。
教育改革が求められる日本にとって示唆に富む事例となるはずだ。
〔2019年12/18(水) AMP[アンプ][文] 細谷元(Livit)〕

「学校行かず家で勉強」あり?なし?米で広がる「ホームスクーリング」不登校YouTuberに思うこと
一緒に勉強するクリスティン・ヤシュコさん(左から2番目)と長女のアルドリンさん(左)、長男のウォーカー君(右から2番目)、キース君=2019年2月、米バージニア州=染田屋竜太撮影
子どもを学校に行かせず、親が家で勉強をみる「ホームスクーリング」と呼ばれる方法での教育が、アメリカで広がっています。
50州すべてで合法化されており、2~3%の子どもが利用しているといいます。
「自分の好きなことを自由なカリキュラムで学べる」と賛成する意見の一方で、「学校に行かないと社会性は身につかない」という批判も。
日本でも最近、YouTubeで少年が学校に行かないことを宣言し、話題になりました。
学校に行かないで勉強するという選択肢は、ありなんでしょうか。
(朝日新聞ヤンゴン支局長兼アジア総局員・染田屋竜太)
「学校通わず家で勉強」あり?なし? アメリカの「ホームスクーリング」、その現場を見た
「本当に正しい方法なのか……」 でも選んだ
アメリカ東部バージニア州、オークトンに住むクリスティン・ヤシュコさんは、長女のアルドリンさん(15)、ウォーカー君(12)、キース君(10)の3人の子どもがいます。
アルドリンさんが小学校に上がるとき、ホームスクーリングに決めました。
「学校や先生に不満があるわけじゃなかったんです。
ただ、何をどうやって勉強したいか、子ども自身に決めてほしかった。
そして、学校生活の時間に縛られない、家族の時間を大切にしたかった。
だからホームスクーリングを選びました」
アルドリンさんは学校には行かず、クリスティンさんと書店で教科書を探したり、興味のあるオンライン教材を見つけたりしました。
1週間、1カ月単位でのカリキュラムも2人で相談しながら決めました。
記者も9歳と7歳の子どもを持つ身として、自主的に勉強させる難しさは痛感しています。
子どもに任せてうまく進むものなのでしょうか。
クリスティンさんは教師ではなく、教育に携わった経験もありませんでした。
「だから、毎回手探り。でも幸運なことに、こちらから『やりなさい』といったのは算数(数学)とライティングくらい。
後は彼女の希望を優先しました」。
夫は航空宇宙科学の専門家。理数系の科目で分からないことがあれば、教えてくれていたといいます。
バージニア州では、年に1回、「学力到達テスト」を受け、基準点を上回ればホームスクーリングが認められることになっています。
アルドリンさんは今まで、常にテストをパスしてきたといいます。
学校に行っていたら高校2年にあたるアルドリンさんですが、今取り組んでいるのは、大学の生物学の参考書。
「内臓器官の仕組みを学んでいます。とにかく生物学って面白い!」と笑顔。
昼間に地域のボランティアに参加し、大学の講義に出ることも。
「普通の学校に通っていたら絶対にできなかった。だから私はホームスクーリングでよかった」
アルドリンさんが「できる子」だったからホームスクーリングがうまく行ったんじゃないか、とも勘ぐってしまいます。
でも、「いろいろな子に合わせることができるから、ホームスクーリングに意味がある」とクリスティンさん。
次男のキース君は、文字がうまく読めない「ディスレクシア」という学習障害を持っていました。
クリスティンさんは読書の時、キース君に寄り添ってゆっくり、時間をかけて本を読んでいました。
「彼が学校に行っていたら、みんなの前で恥ずかしい思いをして本嫌いになっていたかもしれない」。
まだ少し時間はかかるものの、キース君は「本を読むの好きだよ」と教えてくれました。
「今でも、本当にこの方法が最適だったのか、不安になる時はあります」と、クリスティンさんは正直な気持ちを口にしました。
「でも、家族で悩みながら進んできたことで、間違いなく絆は強くなった」と話します。
アメリカの「家庭教育研究所」などによると、ホームスクーリングで学ぶ子どもは今、全米で100万~200万人いるとされています。
割合にすると2~3%ほどで、増加傾向。
50州全てで合法化されており、州によっては子どもの名前や年齢を届け出るだけでいいところ、テストや家庭訪問を受けなければいけないところなど様々なようです。
この動きが広がっている原因の一つに、荒れる公立学校という背景があります。
例えば、2015~16年、全米の公立学校の79%で暴力や窃盗などの事件がありました。
高校生の10%が、大麻使用経験があると答えており、薬物の広がりに不安を覚える家庭も多くあるようです。
研究によると、ホームスクーリングを選んだ理由に「学校での安全面や教育面での不安」を挙げる家庭が多くあるといいます。
また、オンライン教育の発達や普及もホームスクーリングを後押ししています。
MOOC(Massive Opening Online Courses)と呼ばれる、大学などによる授業のオンライン配信が広がり、アメリカの教育NPO「カーンアカデミー」による無料配信授業はホームスクーリング家庭の間でも人気なのです。
それ以上に、取材したホームスクーリングの親たちが口にしたのは、「学校によるお仕着せの教育で子どもを縛りたくない」という思いでした。
もともと、1970年代にホームスクーリングがアメリカで広がり始めたのも、公教育への不信感がきっかけだとされています。
ジオラマ使って世界史授業
記者がこの問題に関心を持ったのは、現在特派員をしているバンコクで、長男の所属する野球チームのコーチの男性が、「うちはホームスクーリングなんだ」と話してくれたことがきっかけでした。
「子どもは学校に通うのは当たり前だ」と考えていた自分にとって、家で親が勉強をみるなんてすぐには理解できませんでした。
ただ、ホームスクーリングに関する記事やアメリカの論文を読んでいるうち、かなりの数の人がこの方法を採り入れていることを知りました。
偶然、2月にアメリカ出張をする機会ができたため、バージニア州で取材しようと決意。
行き当たったのが、オークトンにある「コンパス・ホームスクール」でした。
ここは、普段、家で勉強している子どもたちが週に1、2回通う「学校」。
でも、普通の学校とは違います。
「数学」「ライティング」といったクラスもありますが、「プログラミング」「ロボット製作」など様々なものが用意されています。
例えば、のぞいた「世界史」の授業では、ジオラマを使って子どもたちに説明していました。
「さあ、これはどこの戦車だ?」と男性の先生がきくと、「ソ連」「ドイツ」と子どもたちから声が上がります。
先生は「これはソ連製のT-34。ドイツとの戦闘で使われた。さあ、この戦車が開発された背景はなんだったんだろう?」と問いかけます。
思わず、こちらも身を乗り出してしまいます。
「この先生は戦争マニア。学歴は高卒です。でも世界史の授業は誰よりもうまい」と、コンパス・ホームスクールの設立者の1人、ジェニー・グローブ・ブラッドショーさんがうれしそうに話してくれました。
「うちは、公立学校のカリキュラムは意識していないんです。
面白いこと、子どもたちが学びたいことでクラスを編成しています。クラスの年齢もバラバラですよ」
1学期7~8コマの授業で料金は60~200ドル(6,700~2万2千円)程度。
教会の一角を借りていますが、「学校」としての認可は受けていません。
「ホームスクーリングの子どもたちは『学校に行かないから社会性がない』と言われがち。だからここをつくりました」とブラッドショーさんは説明します。
ブラッドショーさんの2人の娘もホームスクーリング。
化学の修士号を持つブラッドショーさんはオンライン教材を使いながら勉強をみてきました。
「だって、まったく同じ年齢の子どもたちとまったく同じカリキュラムで勉強しなければいけないなんて息苦しくないですか」と笑って話してくれました。
「もちろん、ホームスクーリングは簡単なものじゃないです。
どうやって、どんなスケジュールで教えたらいいのか、何度も何度も子どもたちと話し合いながら進めてきました」。
そんな中で、地域のロボット製作や自然教室に参加した娘たちが集まった子どもたちと楽しそうに取り組んでいたのに気づきました。
「気楽に子どもたちが集まれる場所をつくれないか」。
ホームスクーリングで出会った親たちも、「友だちと一緒に何かに取り組む機会が少ないのではないか」と心配する声が出ていました。
「それなら自分でつくってしまおう」と2012年、友人らとコンパスを立ち上げました。
初めは165人だった子どもたちは今、500人を超えるまでになりました。
「親たちと話しながら、新たなクラスをつくったり、口コミで先生を集めたり。毎年形を変えています」とブラッドショーさんは話してくれました。
こういった場所は、ホームスクーリングの子どもたちの受け皿になる「アンブレラ(傘)・スクール」と呼ばれ、全米各地にあるそうです。
学校行かせたらどんなに楽か
ホームスクーリングをめぐっては、「公立学校の平均よりも学力が高い」「社会適応性がある」という研究結果の一方、「これらの研究は白人の裕福な家庭ばかり対象になっている」「共働きの家庭はそもそもホームスクーリングを選べない」などの反論があり、議論になっています。
もちろん、アメリカでもホームスクーリングに賛成の意見ばかりではありません。
例えば2000~2012年、ホームスクーリングの家庭で虐待やネグレクトによって子どもが亡くなったのは84件。
ジョージア州では2018年、「ホームスクーリングするから」と学校をやめさせた親が子どもの殺人容疑で逮捕される事件もありました。
「学校の目の届かないところで虐待の温床が生まれる危険性がある」という意見もあります。
ちなみに、日本では義務教育が学校への「通学」を前提にしていることや、自宅学習が学習指導要領に沿うものとみなされないことから、ホームスクーリングを「違法」とする見方が強いようです。
一方、教育を受ける権利の保障という考えから、正式な教育と認めるべきだという意見もあります。
アメリカでインタビューした多くの親たちは、「ホームスクーリングを強制はしない。子どもが学校に行きたいと言えばすぐに行かせたい」と話していました。
彼らは「ホームスクーリングで楽な道を選んだとは思っていない」と口をそろえます。
ホームスクーリングは「あり」なのか。
2人の子どもを持つ親として考えるようになりました。
以前は「学校に行かないなんてあり得ない」と思っていましたが、今は「選択肢の一つかな」とも考えられます。
記者自身を振り返ってみても、学校でのお仕着せ教育に嫌気が差したことは何度もあります。
中学校の時、平気で生徒に暴力を働く教師にみんな身を固めながら黙って椅子に座っていた授業も思い出しました。
例えば、バージニア州で子ども3人をホームスクーリングで育てている女性は、末っ子の次男の発達障害で「毎日が本当に苦しかった」と言います。
机に向かわせるだけでも一苦労。内容を理解しない子を何度もしかりつけそうになったと言います。
「子どもとの時間を増やす」の裏側には、「しんどいことも全て受け止める」という意味があるようにも感じられました。
YouTubeで「学校なんて行かない」と宣言した子どもに対し、ネット上で「学校に行かせないなんて親の責任放棄だ」という書き込みを見かけました。
記者がアメリカで感じたのは逆です。
家で子どもと向き合うからこそ、親はさらに大きな責任を感じる。
「学校に行かせたらどんなに楽か、と頭をよぎったこともある。
でもやっぱりホームスクーリングを選んだ」と話してくれた母親もいました。
コンパス・ホームスクールを立ち上げたブラッドショーさんに、「勉強はしんどいのを乗り越えることに意味があるのではないですか」と聞きました。
すると、「しんどいことは強制しないとやらないという考えは正しいのでしょうか。
やる気になったら子どもたちはしんどいものに自分から向かっていきますよ」と言われました。
自宅で、ものすごく嫌がりながら計算や漢字に取り組んでいる長男を見ると、「うーん」と思ってしまいます。
自分はまだ、ホームスクーリングに踏み出す気持ちにはなれません。
今子どもたちが通っている学校の良さも感じますし、まだ彼らの全てを受け入れる覚悟を持てないからかもしれません。
でも、少なくとも、「学校に行かなきゃダメだから」という単純な理由ではなくなった気がします。
〔2019年6/7(金) withnews〕

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