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学費返還の訴訟

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学費返還の訴訟

◆学費返還の訴訟、過去の事例は?
学生は「学費・施設使用料を返せ」。大学は「返さない」。
意見が対立したままだと、訴訟という話にもなりかねません。
それでは、過去に、今回のような学費返還訴訟があったか、調査しました。
コロナショックのような事例による学費返還訴訟はこれまでにありません。
前提条件がいくつか異なる学費返還訴訟はいくつかありました。
ケース1:西南義塾事件(2001年)
石川県にある学校法人西南義塾が元生徒2人から「宣伝とは異なる教育内容だった」として同法人を提訴。
原告2人は不登校の状態になり、それぞれ98年と99年に長野県内の高校を中退。
99年9~10月にかけ、同県内で開かれた同校の学校説明会で、「不登校生・中退生を応援する」などとする指導方針を知り、同10月、11月に相次いで同校へ入学した。
しかし、不登校などで単位が足りなくなると1授業当たり2000円の補習を長時間課したり、寮が一般のアパートの借り上げであったほか、施設協力金などの費用を要求されるなど、教育実態が異なっていた。
そのため2人は00年1月にいずれも退学した。
原告らは「説明を受けた学費などのほかにも多額の費用を学校側に払っった。
不登校などに悩む子供と親の気持ちに付け入って多額の金を払わせるため、入学前に虚偽の説明を行ったのは、詐欺行為にあたる」として提訴した。
(毎日新聞2001年5月31日朝刊)
→その後、富山県の元生徒も提訴。
合計1100万円の返還要求に対して、2003年、約950万円の返還で和解(すでに返還した分も含む)。
ケース2:東京アニメーター学院事件(2003年)
授業内容が広告とは異なる、として、元学生12人が東京アニメーター学院に学費など約1300万円の返還を求めて提訴。
声優などを養成する同学院は2000年9月-01年2月にかけ、雑誌に「一流に学べ!」として、野沢雅子さんら有名声優5人の写真に曜日を付記した広告を掲載した。
元学生らは、広告や入学案内を見て01年4月に入学したが、授業内容に不満を持ち、同年11月に一斉退学した
。 判決は「広告などで具体的に約束した事項は、学校側に履行義務がある」と指摘。
「広告は5人の声優が各曜日に授業を行うことを示しているが、実際には5人のうち2、3人の授業が週1回程度」として、退学後の学費相当分の返還を命じた。
(※時事通信2003年11月5日配信記事)
→東京地方裁判所は退学後の学費相当額として415万円の支払いを命じる判決を出す(2003年)。
ケース3:学納金集団訴訟事件(2002年)
合格し、入学金・授業料を納入。その後、他大学に入学した元受験生300人以上が入学金・授業料の返還を求め、約150校に対して提訴。
大学は入試要項に「いったん納めた授業料などは一切返還しない」と記入した不返還特約があるとして反論。
→2002年に文部科学省は、入学辞退をした場合、授業料を返還するよう指導。
2006年に最高裁で「3月31日までに辞退の意思を示していれば不返還特約は無効」とする判決を出す。
→2012年にも東京モード学園事件などで同様の判決が出る。
ケース4:北九州予備校事件(2014年)
予備校を中退した場合、学費を返還しない、とする条項が消費者契約法に問われるかどうか、争った訴訟。原告は適格消費者団体。
→2014年に大分地裁が「規定は違法で無効」とする判決を出す。
ケース5:熊本奨学金返済訴訟(2018年)
熊本地震で奨学金返済を滞納した世帯に対して熊本県が提訴。
2011年~2015年に高校生(当時)3人が熊本県育英資金を借りる。
2016年に熊本地震が起き、2017年に返済猶予期間が終了するも、奨学生本人と連絡が取れなくなる。
→2018年に熊本県は熊本簡易裁判所に提訴。一括返済を認める判決が出る。
県教育委員会は「奨学生本人と連絡が取れず、話し合う場を持つために法的措置を取った」と説明する。
一家の自宅は16年の地震で半壊。男性はアルバイトなどで生計を立てていたが、職場が被災し一時は収入も途絶えた。
妻(45)は「払いたくても払えない状態だった」と話す。
県によると、被災を理由に返済猶予が認められた奨学生は約160人。
滞納するケースもあるが返済の意思が確認できていたため、提訴に至ったのは今回が初めてという。
県議会常任委で高木健次委員長は「借りた人の状況を考えながら対処しなければ」と県側に苦言を呈した。
※西日本新聞2018年10月3日朝刊「熊本地震で百数十万円滞納 被災奨学生らを県提訴」
広告にあった授業が展開されなかったことで返還要求をしたのがケース1とケース2。
ケース3はそれまで大学の慣例だった授業料不返還が一気に変わりました。
ケース5は震災によって奨学金滞納となった世帯が訴えられた事件です。
今回のコロナショックだと、あえて言えば、ケース1・ケース2が近いでしょうか。
ただ、各大学とも、学生を騙そうとして対面講義をしていないのではなく、感染リスクを減らすために仕方なくオンライン講義に切り替えています。
しかも、1校だけの話ではなく全国どの大学でも同じであり、そう考えるとケース1・ケース2は当てはまらない、とも言えます。
ケース3は、入学前、という点で、コロナショックによる学費返還要求とは大きく異なります。
ただ、2002年までは、授業料は返還しない、とするのが大学業界の常識でした。それが、集団訴訟によって、状況は一変。
2002年当時、私は某進学情報誌編集部に在籍していました。
ちょうど、受験情報をまとめた増刊号を担当していたのですが、この授業料返還について、各大学が入稿作業中にバタバタと変えていったことを覚えています。
このコロナショックについても、学生がアルバイトをできる状況にない、一斉にオンライン講義に切り替えた、という点では同じ、と言えるでしょう。
ケース5は、今後、こうしたケースが起きてもおかしくない、ということで入れました。
◆明治学院、全学生に5万円を支給
学生の学費返還については、古市憲寿さんなどコメンテーターや識者も賛同する中、21日、明治学院大学が全学生に5万円を支給する、と発表しました。
5万円支給を知らせるリリース(明治学院大学サイト)。ぱっと見はわからないが
別途お知らせしておりますように、遠隔授業を実施していくにあたり、本学では学生 各自によるオンライン環境の整備をお願いしております。
インターネット環境の整備、パソコン、周辺機器、といった準備が必要になります。
そのための経費負担を少しでも軽減し、学修環境全般を整えていただくための緊急支援として、奨学金積立額より在学 生全員に一人当たり一律 50,000 円を支給いたします。
(具体的な支給方法については、 おってお知らせいたします)
※明治学院大学2020年4月21日「新型コロナウイルス禍に対する明治学院大学の対応について」より
合わせて、家計急変者への支援と学費納入期限の延長(5月末)も発表しました。 明治学院大学は、この発表の中で授業料・施設使用料の減額・返還については否定しています。 明治学院大学では、オンライン授業の期間があっても、例年と変わらない質とレベル を保った教育を行うことを第一に考えております。
当分の間、対面授業ができないという制約がありますが、そうした中でも明治学院の目指す教育をできるかぎり続けていくことが、本学に求められていると考えます。
本学では「授業料」「施設費・設備費」については、これを単なる「個々の教育サービスに対する対価」や施設、設備の「利用料」とみなす考え方には立っておりません。
新型コロナウイルス禍が終息するまで、オンライン授業によって教育の質を維持すると同時に、キャンパス、施設、設備の維 持管理にも万全を期す所存です。
したがいまして、現時点で「授業料」「施設費・設備費」の返還ならびに減額は考えておりません。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
※前記サイトより
5万円というまとまった金額を全学生に出すのは異例であり、ネットでは「神対応」と称賛する意見が相次ぎました。
ネットでは明治学院大学の話ばかり注目されていますが、全学生一斉に、という点では私が確認した限り、今のところ、就実大学が日本で最初に発表しています。
なお、芝浦工業大学は4月22日に全学生に対して、臨時奨学金(給付)の6万円給付を発表しました。
具体的には、前期オンライン授業対応のためであり、2020年度後期の学費から6万円を減額して請求する形にするとのことです。
石渡嶺司 大学ジャーナリスト
1975年札幌生まれ。北嶺高校、東洋大学社会学部卒業。編集プロダクションなどを経て2003年から現職。
扱うテーマは大学を含む教育、ならびに就職・キャリアなど。
主な著書に『大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ)『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)『女子学生はなぜ就活に騙されるのか』(朝日新書)など累計28冊・55万部。
〔2020年4/23(木)石渡嶺司 大学ジャーナリスト〕
[[Category:|がくひへんかんのそしょう]]

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