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EdTech

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EdTech

個別最適化学習とプライバシーの両立、EdTech業界に求められる課題
GIGAスクール構想による1人1台環境や、コロナ禍におけるオンライン学習をきっかけに、ICTを活用した個別最適化学習への関心が高まっている。
一方で、テクノロジーによって教育が急速に変容していく今、教育者や保護者がEdTech(エドテック)を活用する際の課題も見えてきた。
EdTechをさらに学びに活用していくためには、何が必要か。
2020年9月17日、第11回教育総合展「EDIX東京」の中で開催されたGIGAスクール構想推進委員会(ICT CONNECT 21)によるEDIXオンラインセミナー「『EdTechのこれから』に向けて~EdTechを安心して利用してもらうために~」の模様をレポートしよう。
同セミナーでは、EdTech研究の第一人者であるデジタルハリウッド大学大学院教授 佐藤昌宏氏を囲んで、EdTechサービスを提供する事業者らがEdTech普及に関する課題について熱い議論を交わした。
■EdTechは本格的な活用段階に突入
冒頭で佐藤氏は、EdTechを「デジタルテクノロジーを使った教育のイノベーション」と定義し、学習効果や教育の質が劇的に向上する変化を伴うことが重要だと強調した。
そして、昨今のGIGAスクール構想などの教育業界の動向を振り返り、EdTechが世の中に少しずつ認知され、“EdTechとは?”という段階から、“EdTechをいかに活用するか”という段階へシフトしていると指摘。
「ひとつの区切りの時期を迎えた」と同氏は語った。
このようなフェーズを迎えたEdTechであるが、同氏は重要な課題が2つあるという。
1つめは、コロナ禍におけるオンライン授業であらわになった、家庭のインターネット環境の不備。
コンテンツや学びを届けるために、家庭のインターネット普及率を上げることが急務だ。
2つめは、オンライン学習が義務教育の授業時数として認められていないこと。
オンライン学習が対面での教育と同等、あるいはそれ以上であると認めることが必要で、「今はその実現に向けて議論を始めるフェーズに差しかかっている」と提起した。
続いて、EdTech分野のなかでも注目が高まっている個別学習教材を提供する事業者、株式会社すららネットの林氏と株式会社Libryの後藤氏が、学校でのEdTech活用事例や課題について語った。
アニメーションを活用した対話型アダプティプ教材「すらら」を開発・販売するすららネット株式会社は、学校や学習塾に向けたICT教材導入のコンサルティングを行ない、年間約200校の立ち上げからフォローアップに携わる。
そんな教育現場を見てきた林氏は、EdTechの活用について、「教育格差を埋めることにICTを使う意義がある」と想いを述べた。
しかし、コロナ禍の休校期間において、教育が止まってしまった学校がある一方で、私立学校では昨年比3倍以上の教材活用があり、教育格差がさらに開いたことを実感したという。
この格差を埋めていくためには、安価で質の高い教育がどこにいても届けられるICTの活用が必須で、「一人ひとりの学習状況に応じた個別最適化が必要だ」と同氏は述べた。
また林氏は、不登校の児童生徒がすららで学び、その学習履歴を学校長が出席の証として認め、通知表に反映された事例を紹介。
今後は、学びの個別最適化に加えて、スタディログ(学習履歴)のデータをどう使うかが重要視されると語った。
出版社と提携し、中高生向け個別最適化学習のデジタル教材を提供する株式会社Libry。
どの問題をどれくらいの時間で解いたか、合っていたか間違っていたか、などの学習成果を自動集計、一人ひとりに最適な学習をサポートする。
学校現場では宿題管理ツールとしても活用され、教員たちの働き方改革にも役立っているという。
同社の後藤氏は、日本の未来に期待を持てない高校生のエピソードを披露。
EdTechの普及に向けて「まずは大人たち自身が明るい未来を信じ、挑戦し続ける姿を見せることで、子どもたちが希望を持てるようだ」と語った。
また後藤氏は、海外の先進事例としてエストニアの動向を紹介。
教育分野のIT化が進む同国ではBYODが普及し、学習履歴や授業の課題をクラウドで共有している。
2020年までにすべての教材のデジタル化を目指しており、日常的に活用されているという。
後藤氏は「日本の教育現場はEdTechという新しい響きにドキドキしている状態だが、慣れれば普通の文房具のように使えるようになる」とコメント。
学習履歴を活用して子どもたちに個別最適な学習を提供することが大切だと念押しした。
■一人ひとりの学習履歴をどのように扱っていくべきか?
個別最適化学習の手段としてEdTechを用いるメリットの1つは、一人ひとりの学習履歴が蓄積されることだ。
問題を解く時間や苦手傾向、正誤率なども瞬時に可視化でき、一人ひとりに合った学びを提供しやすくなる。
林氏はこれに加えて、他人に分からないように苦手に向き合えることもメリットだと話す。
例えば、小学6年生くらいになると、低学年向けの問題ができないとプライドが邪魔をして「やりたくない!」と拒否反応を示す子は多い。
しかしEdTechによる個別最適化学習なら、一人ひとりが異なる問題に向き合うため、そういった問題は起こりにくい。
「できなかったことを克服して、勉強する楽しみを知ることができる。大きな成功体験につながるだろう」と語った。
佐藤氏は、“できなかったことが、できるようになった”というファクトを学習者自身が認識することは、学習に対するモチベーションを刺激すると話す。
「学びにおける本質的な“わくわく”は、自分の成長や変化に気づいたときにこそ生まれる」と同氏。
学習履歴を生徒の管理や検閲に活用するのではなく、学習者の成長につながる使い方が求められるというのだ。
後藤氏は、一人ひとりに応じたコミュニケーションを行なうために学習履歴を活用することも大切だと述べた。
たとえば、ある生徒の学習時間が急に減った際、「何か変わったことはなかったか?」と声をかけられる。
また林氏も同様に、すららを利用する保護者には、「怒るためではなく、誉めるために学習履歴を活用してほしい」とお願いしていると話す。
親はどうしても「宿題やった?」と言ってしまいがちだが、学習履歴を把握することで「今日もがんばったね」とポジティブな声がけができる。
実際にすららの導入校では、学習履歴を有効に活用した結果、学習時間が長くなった事例もあるようだ。
学習者の成長速度は一人ひとり違うため、教える側や保護者には忍耐が必要だと佐藤氏は話す。
学習の成果が履歴として数値化される以上、それを閲覧する保護者は焦ってしまいがちだが、どう働きかけたら子どもたちが能動的に動いてくれるのかを考えて待つことが非常に重要だといえる。
■重要なのは、「自分が受けてきた教育」という既成概念を捨てること
ここからは、「EdTechのこれから」に向けた課題へと話が移っていく。
林氏はまず、EdTechの利用者と提供者に共通する問題として、「自分が受けてきた教育がこれからも続く」というイメージを持っている人が多く、変化が生まれない原因でもあると指摘した。
一方で、学校現場に向けてEdTechの良さや情報を届けづらく、利用者はどうしても自分の経験をベースに使わざるを得ない状況もあるという。
研修の組み立て方やビジネスモデル自体を変えていかなければならないと語った。
続いて後藤氏は、国や地方自治体が抱える課題として、急速な時代の変化にルールが追い付いていないことを挙げた。
一例として、コロナの一斉休校時、全生徒に端末を用意したものの、持ち帰りのルールがないために活用できなかった事例を紹介。
「リスクを挙げればキリがないが、子どもたちにとっての一番いい環境は何か?という視点を軸に緩和していくべき。
少しでも前に進むことが大事だ」と述べた。
またGIGAスクール構想では、ハード面の整備ばかりに注目が集まったが、これから教育を良くしていくためにはソフトウェアに予算をかけることも必要だと後藤氏は指摘。
こうした発想を持っているかどうかで、自治体間で差が出てくることも課題だと述べた。
両氏の問題提起に対し、佐藤氏は「それらの問題は時間こそかかるものの、人々の既成概念さえ変われば解決される」と強調した。
EdTechの普及を妨げるものは「自分が育ってきた教育の価値を捨てきれない」意識と「経験したことがない世界に飛び込む恐怖心」で、それらを克服し新しい世界に踏み出すことができれば、多くの課題がクリアなるという。
ほかにも佐藤氏は、世界でどんな教育が実践されているのか目を向けることが大切だと繰り返す。
「テクノロジーを知らないと未来を見る力に差が出てしまう。
すべての人たちが幸せを得るためには、やはりテクノロジーに対するリテラシーを持っておくことが大切だ」と語った。
■安心・安全なEdTechを担保する「学習者のプライバシーに関する宣言書」
EdTechサービスが増えるのは良いことだが、どんなサービスでも良いというわけではない。
保護者や教育現場の不安を取り除くためには、質の担保は必要であり、適切な判断基準に応じたEdTech業界の自浄作用が不可欠だ。
GIGAスクール構想推進委員会の片岡氏は、現在同会が作成している日本版の「学習者のプライバシーに関する宣言書」を紹介した。
これはEdTechの事業者が利用者の個人情報をしっかり保護するという宣言書であり、アメリカでも2014年から「Student Privacy Pledge」という形で400社以上の事業者が名を連ねている(2020年現在)。
ここには、学生の個人情報を外部に販売することを禁じ、広告の行動ターゲッティングに使用しないことや、個人情報の使用用途を保護者に理解しやすい方法で開示する義務など、利用者の安心安全を担保するべく、細やかな規定が設けられている。
佐藤氏は、公教育の現場へEdTechが進出し始める新しいフェーズにある今、日本でも業界としてEdTechを正しく普及し、活用できる環境を築くことが大切だと訴えた。
林氏は「日々が戦いであり、イノベーションを起こそうとすると壁を感じることもあるが、EdTechを盛り上げる仲間として肩を並べていきたい」とコメント。
後藤氏も「わくわくする公教育を実現するために、保護者や教育者を含め目線合わせをしていきたい」と熱い思いを語った。
「学習者のプライバシーに関する宣言書」という、質を担保する新たな動きが始まったEdTech。
「わくわくする公教育」という言葉も、いち保護者として著者自身もとても印象深かった。
先入観を持たず新しいものへ飛び込んでいく子どもたちの好奇心と、安心安全なサービスを見極めたい利用者の目に応えていく、これからのEdTechサービスに期待したい。
Watch Headline,本多 恵
〔2020年11/24(火) Impress Watch〕 

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