捕らえた命も
束の間の
蝶ちょ捕りでは
ないのだから
手にしたとたん
枯れはじめる
お花摘みでは
世界をきれいに
切り取るだけの
標本づくりは
もうたくさん
たとえば蝶の
たとえば花の
その姿の奥
存在らしきが開かれる
世を世たらしめる
ほんとのことが
混沌のうち
体現される
むなしい装い
空虚な響き
飾る言葉は
もういらない
差し迫ってくる
ひと言ずつ
抜き差しならない
いち語ずつ
Posted by 中崎シホ on 4月 3rd, 2021 and is filed under 詩.
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