117  生まれたての詩

8月 3rd, 2018  / Author: 中崎シホ

 

 

暗示を拾いに

街に出る

見えない関係性を

確かめる

 

あらゆるものの

在りようは

偶然的必然か

必然的偶然か

 

不本意ながら

隠れた欲求は

すべてが繋がっているように

意味づける

 

人知れず落ちてる

夢のしるしの

暗示のさきには

異界さえ見え隠れ

 

この長い夜を

絡めとって

全身全霊で見る

幻像と現存

 

大丈夫

世界はいまだ美しい

問題ない

自分はいつも生まれたて

 

116  異界の人

7月 3rd, 2018  / Author: 中崎シホ

 

 

異次元の僕へ

 

傷んでいるなら

助けを求めて

 

異世界ながらも

僕にも傷みが

伝わってくる

 

目覚めるたびの

疲労感

覚醒とともに

心象はうすまりゆきつつ

次元をまたいだ

眠りからの生還

 

息苦しさと

震えにおそわれ

命からがら

起きあがる

 

異界の無数の

僕の一人が

傷つき

失われても

次元のパラレルのうち

僕は生きてる

 

そしてこの僕が死んでも

無数の僕らは

生きるだろう

 

115 世界の広さ

6月 4th, 2018  / Author: 中崎シホ

 

 

世界の片隅

小さな私の部屋にいる

 

窓からもれる

淡いともしび

 

内から見る外

外から見る内

 

異界の家々

それぞれに在る

 

閉じた空間

めぐらす思考

 

生まれ得ずして

あるトキも

 

死に絶えてさえ

あるトキも

 

繋がる時の間

永遠なる輪

 

末期的な

夢に見まわれ

 

世界の広さが

つかめない

 

114 ラジオと詩集と窓際と

5月 2nd, 2018  / Author: 中崎シホ

 

 

良質の音楽の

流れるラジオ

ありがちな詩集片手に

窓際座る

 

シュンタロウ氏は

宇宙人のようだ

リュウイチ氏は

格好いい酒呑み

 

マーシー氏は

詩をよむに違いない

ヒロト氏は

実は繊細なパンクロッカー

 

窓の外は雨が降って

濡れる窓枠

夏を告げる雨が降って

ブルルと雫はじく

 

流れるように

とはいかなくて

つまづき停滞しつつ

渇望のままに勉める

 

113 クローバー

4月 6th, 2018  / Author: 中崎シホ

 

過去は

かるがる

捨てながら

 

未来は

みるみる

やってくる

 

  ☆

 

無邪気な季節は

もはや

過ぎ去り

 

まのびして

夢も現も

薄くなりつつ

 

  ☆

 

人知れず

声にならない

声を絶つ

 

沈黙

プカリと

ふくらんでゆく

 

  ☆

 

混沌たる

生死の原理の

ダイナミズム

 

四つ葉のクローバーは

終わりまぢかに

はたと見つかる

 

112  終息

3月 4th, 2018  / Author: 中崎シホ

眼の奥に
雲がかかり始める
末期的な
眠気の沈澱

鼻孔の通りが
苦しげに詰まる
致命的な
呼吸の収束

肩の上に
おもりが重なってゆく
黙示的な
体の硬直

終わりつつあり
無に帰すもの
開かれつつあり
未知なるもの

此岸と彼岸
無数の次元
畏れおおく
恐れも極まり

ため息とも
うめきとも
息ぎれともつかぬ
濃い呼気を吐く

111  一日一日

2月 4th, 2018  / Author: 中崎シホ

ひとつ
ひとつ
やっつけ
やっつけ一日終わる

わずかな笑い
流れぬ涙
熱くも飽きて
乾く悲しみ

荷を負う匂いは
海馬を駆けて
記憶の奥底
脳みその溝

ひねもす捻る
考え彼方
夜に呼ばれて
頭蓋がずれる

眠りをねたみ
ゆるい夢見の
果てに始まり
明けゆく朝

ひとつ
ひとつ
やっつけ仕事の
一日一日