窓の縦線だけが くっきりと濃く あわあわと振れる宙 影の格子の濃さを嗅ぐ
遠くて近い 雑踏のざわめきは 緊迫する耳の内圧につれ 次第に弛緩し浮遊する
易しい無理を 口びるにのせて 縦線だけが濃く強く 機械化してゆく目に貼りつく
窓の向こう 月は 赤く照って居て 世界中の匂いを集めて嗅ぐ徹底的な夜
Posted by 中崎シホ on 6月 10th, 2011 and is filed under 詩.
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