Archive for the ‘詩’ Category

132 天まで届け

土曜日, 11月 2nd, 2019

 

 

大跳躍!

につまづいて

失う一歩

好機を逸して

 

記憶の使い回し

デジャヴの頻発

閉じた世界を

生きるすべ

 

先遠く

しゃっくりのような

一歩ずつ

 

道深く

あとちょっとが

届かない

 

131 乾いた発語

水曜日, 10月 2nd, 2019

 

 

抒情に濡れて

汚れた舌

にじむ眼から

出る排泄物

 

傷のなめ合い

陳腐な同情

湿った質感に

馴れ合うな

 

粘液質の血肉の詰る

皮一枚

ドライな体表

内なる流体

 

心を呼ぶもの

揺さぶるもの

乾いた発語を

徹底せよ

 

130  みおつくし

月曜日, 9月 2nd, 2019

 

よる

世の中の

つくりが

つかめず

 

来る

狂おしさの

ひかりと

ひかげ

 

無言の

怒り

身を衝いて

 

無限の

祈り

みおの果て

 

129 命ひとつ

日曜日, 8月 4th, 2019

 

 

完全なる現存

混沌たる原点

 

いったいどこに

実体あるか

 

 

 

下から湧いて

くるでもなし

 

上から降って

くるでもなし

 

 

 

在る苦もすずなり

歩くも道なり

 

いのちののちの

落ちどころ

128 ついでの人生

水曜日, 7月 3rd, 2019

 

 

生きてるついでに

祈ってみよう

 

生きてるついでに

愛してみよう

 

生きてるついでに

笑ってみよう

 

生きてるついでに

学んでみよう

 

生きてるついでに

悩んでみよう

 

ついでの人生

ついでに言うこと

 

詩を書くついでに

生きてみよう

 

127  輪

月曜日, 6月 3rd, 2019

 

 

いのちのバトンを

つなぐのは

 

とわの輪っかの

つながりだ

 

 ☆

 

バトンをたくせぬ

アンカーは

 

輪っかの終わる

無限の先だ

 

 ☆

 

この命を

全うすること

 

やっとのことで

アガリを果たすか

 

 ☆

 

宇宙のゆらぎに

身をまかせ

 

揺るぎないもの

何もなく

 

126 しるし

日曜日, 5月 5th, 2019

 

 

散文は

徒歩

詩は

舞踊

 

散文は

直線

詩は

螺旋

 

ちぎって

つなげて

やぶって

なげて

 

言葉を排し

コトバの発現

記されるもの

しるしを授かる