Archive for the ‘詩’ Category

104 夢闇

月曜日, 6月 5th, 2017

 

横暴な精神論に

しいたげられて

神経病みの

夢の闇

 

あえて

すべてを懐疑する

思想信条

主義主張

 

 

未熟な個人主義に

まどわされて

波うつ脳内

何も無い

 

個という

むやみな幻想をうむ

心理神経

感覚知覚

 

103 その日その生

月曜日, 5月 8th, 2017

 

ある日突然

命じられ

 

その日突如

生を受け

 

 *

 

知られたくない

痛みを抱えて

 

知らされるのは

意味の無さ

 

*

 

悪意にみちた

風を受け

 

善意を信じる

強さを欲し

 

*

 

自分で自分を

見張ってなければ

 

崩れ落ちてく

生のバランス

 

*

 

日付けがかわった

真夜中まんなか

 

月日のゆくまま

未明の見る目

102  美しい世界

土曜日, 4月 8th, 2017

 

外へ踏み出せば

青い山並

遠い湖岸

 

しぜんのじねん

自己意識はまた

不確かな

 

 

見えないものを

手探りしては

喪失感

 

億劫な発語

力ある沈黙

言霊を追う

 

 

シャットダウン

遠く扉の

閉じられる音

 

ふさがるのは

電位の走る

神経網

 

 

大丈夫

世界はいまだ

美しい

 

問題無い

生死はいまだ

くり返し

101  潰滅

月曜日, 3月 6th, 2017

 

いてつく大地の

導きよ

 

たてつく壁への

道こえて

 

  ☆

 

世界の秘密に

気付くとき

 

世間の人々

みな人形

 

  ☆

 

危機的想念

真実いずこ

 

もろさ危うさ

つな渡り

 

  ☆

 

自由を掲げて

自由に冒され

 

自己を呈して

自己に潰れる

 

100 ナルシストの生

日曜日, 2月 5th, 2017

 

 

起きるための

エネルギー

夢見の果てに

疲労して

 

生きることへの

アレルギー

この世の毒気に

免疫乱れて

 

 

心見る身の

シニシズム

隠れた本当のこと

見さだめて

 

試みる死の

ナルシシズム

水鏡の奥

深みに溺れて

 

99 頭

土曜日, 1月 7th, 2017

 

あたまの声は

なかまの声だ

 

あたまの痛みは

あなたの痛みだ

 

  ☆

 

抒情を排し

饒舌さを避け

 

なにものでもない

言葉の羅列

 

  ☆

 

僕たる僕の

僕を滅却

 

心らしきは無く

身をもっては泣く

 

  ☆

 

生まれ出るもの

授かるもの

 

子宮は頭の

中にある

 

98 狂った時計

木曜日, 12月 8th, 2016

かすかな

秒針の音を聴く

 

いくつかのうち

狂った時計が

ひとつある

 

狂った時計は

トリックスター

 

存在価値の

有無をはなれて

いかにここに

現わるか

 

時を具象化する

時計という道具

 

権威としての

時間の同一

 

自分の時間は

時分において

一分の生き振り

 

流れの分裂

時は遠く

ずれてゆく