Archive for the ‘詩’ Category

90 実

土曜日, 4月 9th, 2016

見てみて

聞いて

嗅ぎ

舐め

さわる

 

テトテト

歩いて

来て

去り

かえる

 

みるみる

満ちて

勝ち

咲き

ほこる

 

手と手と

合わせ

実は

落ち

おわる

89 脳内模様

金曜日, 3月 11th, 2016

すべての投影
まぼろしのごと
偶然性おび
世界があらわれ

夢の質感
デジャヴの感触
不思議なことが
起こる脳内

暗闇のなか
今日と明日に
はさまれる夜

混沌のなか
幻想と現実に
はさまれる様

88 無垢の唄

日曜日, 2月 7th, 2016

山の上に
たなびく雲は
空の青さを
背に受けて

川の中に
ただよう影は
水の流れを
身に受けて
道の上に
照っている陽は
歩くものを
みちびいて

風の中に
立っている樹は
佇むものを
見守って
人の上に
広がる天は
無限の夢を
どこまでも

唄の中に
隠れる真は
無垢の心を
いつまでも

 

87 末期的な夜

金曜日, 1月 8th, 2016

健康的で
建設的な
夜は呼ばない

更ける夜
かわる日付
めくられるもの

闇のカーテン
とばりがふわり
くぐる星くず

夜明け前
こぼれる月と
日のきざし

暗い空をかぶって
大地はくろぐろ
からから吹く風

抹殺的に
末期的な
夜に寄せて

86 芽ばえ

月曜日, 12月 21st, 2015

命など

ポロリと

落っこちるもの

 

道など

プツリと

ちょん切られるもの

 

 

何世にも渡った

魂だから

 

旧世界の場面が

夢見に浮かぶ

 

 

使い古された

魂だけど

 

そこにある自我は

芽ばえたばかり

 

85 冷徹な熱血

水曜日, 11月 18th, 2015

熱くなる人
炎のよう

涼やかな人
水流のよう

熱風涼風
吹かれてなびく

人々様々
十人十色

多様性は自然なことだが
あるいは

声高な個性の偏重
個人主義のはき違え

自己の主張ばかりの
独り善がり

自分探しという
ある種の逃避

冷めた眼で見て
熱さをひめて

84 地に足つけて

月曜日, 10月 12th, 2015

うわ滑りせぬよう
地に足つけて
踏み出せば

見渡すものは
主観の世界

彩り
カタチ

ひかり

発語はいつも
見えない
暗喩

から回りせぬよう
地に足つけて
歩んでみれば

地に血が
したたり
ただ一歩さえ
痛みを伴う

飛びそうな
意識を掴まえ
地に立たせ

根付く
大なる樹木に
生かされる