146 胸騒ぎ
月曜日, 1月 4th, 2021
目隠しされてる
死への道
いきなり出会う
そのしるし
飛ぶか落ちるか
光か闇か
知らずにまたぐ
見えない線
あるいは時に
知りつつまたぐ
見えない線を
見るおごり
いつか必ず
その一瞬
言語や科学で
示し得ない
生きてる不思議に
胸騒ぐ
Archive for the ‘詩’ Category146 胸騒ぎ月曜日, 1月 4th, 2021
目隠しされてる 死への道
いきなり出会う そのしるし
飛ぶか落ちるか 光か闇か
知らずにまたぐ 見えない線
あるいは時に 知りつつまたぐ
見えない線を 見るおごり
いつか必ず その一瞬
言語や科学で 示し得ない
生きてる不思議に 胸騒ぐ
145 間のまま水曜日, 12月 2nd, 2020目醒めたとき 夢は夢になる 目醒めなければ 夢は夢でない 夢と目醒めの あいだはなに 生きてるからこそ 死を憂える 死によってはじめて 生は完全になる 生と死との あいだはなに 光は闇を貫いて 闇は光を覆いきる 光と闇は反転しつつ 混在している 光と闇の あいだはなに
あらゆる個々のものら ひとつひとつの 確からしさは 不確かで ただそれらどうしの 差異があるのみ あるままそのまま あいだがあるのみ 144 覚悟月曜日, 11月 2nd, 2020目隠しされて 見えぬもの
耳を塞がれ 幻の声
つぶれた喉での ひとり言
説明しない 語らない 言葉はいつも 完全ではない
とはいえ沈黙に徹する 覚悟はできない
眠らない夜 目覚めない朝 言葉を発するにも 覚悟を要する 静寂の水面ゆらぐ 発語の波紋 143 井の中のかわず金曜日, 10月 2nd, 2020深遠なるとされる 井戸の底で 無限なるとされる 大海を知らず 一三七億光年より 遠い世界が あるのか ないのか そらを いくら思い描いても 想像にあまる 井戸の外の大海は 蛙にとって 想像できないどころか その有無さえ 知らない そして 蛙が生きるうえで そのことは 知らなくても 問題にならない ひいては 大海を想うときこそ 困難と深遠を 生きることとなるに 違いない 142 暗示の街木曜日, 9月 3rd, 2020暗示を拾いに 街へ出る 更新されてる かけらを探す
見えないほころび 次元のすきま 世界の正体を 見極めたくて
街の中で 見つけたしるし 隠れた意味は よみ取りがたく
この世を織りなす 網目は曖昧 もつれて乱れて それでもうごめく
世界は自明ではなく 暗示的に 地球の回る 音をただ聞く 141 リアルよりリアリティ土曜日, 8月 1st, 2020
眠りと目覚め 世界をまたぐ よびもどし 現実は付属物 もとよりあるのは イメージの世界 夢や想念 といえるか 実体のつかめない その事々が あることそのもの いくつもの パラレルワールド いくつもの自己 そして 今ある この現実で 生き残ることこそが オリジナルの 存在証明 ただ生きるのに 証明することも 確固たるものも いらないけれど 140 ラインを超えて木曜日, 7月 2nd, 2020未知なる死の味 こみあげてくる 臓物の味
頭蓋の圧迫 粘液質の 重みのかたまり
はじける鼓動 激しく打って 体の芯がとび出そう
乱れる呼吸 息する苦しさ 狂おしく
此岸と彼岸を 隔てる流れが 恐怖も安堵も 絡め取る 川面は目の前 水底深くも 蒸発していく 水の道筋 やがては こちらとあちらを 分かつものも 消えてゆく
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