86 芽ばえ

12月 21st, 2015  / Author: 中崎シホ

命など

ポロリと

落っこちるもの

 

道など

プツリと

ちょん切られるもの

 

 

何世にも渡った

魂だから

 

旧世界の場面が

夢見に浮かぶ

 

 

使い古された

魂だけど

 

そこにある自我は

芽ばえたばかり

 

85 冷徹な熱血

11月 18th, 2015  / Author: 中崎シホ

熱くなる人
炎のよう

涼やかな人
水流のよう

熱風涼風
吹かれてなびく

人々様々
十人十色

多様性は自然なことだが
あるいは

声高な個性の偏重
個人主義のはき違え

自己の主張ばかりの
独り善がり

自分探しという
ある種の逃避

冷めた眼で見て
熱さをひめて

84 地に足つけて

10月 12th, 2015  / Author: 中崎シホ

うわ滑りせぬよう
地に足つけて
踏み出せば

見渡すものは
主観の世界

彩り
カタチ

ひかり

発語はいつも
見えない
暗喩

から回りせぬよう
地に足つけて
歩んでみれば

地に血が
したたり
ただ一歩さえ
痛みを伴う

飛びそうな
意識を掴まえ
地に立たせ

根付く
大なる樹木に
生かされる

83 うなる風の中を

9月 8th, 2015  / Author: 中崎シホ

チョロチョロ

パッパと

生きていて

 

グルグル

プッツと

頭がはじける

 

 

フツフツ

ポッポと

沸き湧く血潮

 

ツーツー

トットと

電位の走る脳細胞

 

 

ギラギラ

ギッギと

眼球きしみ

 

トクトク

ドックと

鼓動の暴走

 

 

サクサク

サッサと

時は過ぎ

 

ゴウゴウ

ドッドと

うなる風

82 ひと夏ひと朝

8月 21st, 2015  / Author: 中崎シホ

真昼の陽を
全身に浴び
蒸発しそうな
夏でした

夜中の闇を
吸い込み続けて
窒息しそうな
夏でした

夜明けの空は天高く
苦しまぎれに
起き続けていた
朝でした

夜更けを導く
斜陽へ必至の
朝日を見ている
朝でした

ひと夏きりの
陣は背水
生きながらえて
命からがら

ひと朝ごとに
あらたまる
思いきっての
自分狩り

81 惜しむ闇

7月 9th, 2015  / Author: 中崎シホ

暗い闇を
吸い込む眼
黒い空気が
身を満たす

いつものことだが
不思議なことだ
体はからっぽ
心は混沌

真・善・美を
求むはもとより
偽・悪・醜さえ
正視する

光の中の
影を見よう
夜明けに向かって
夜更けをくぐろう

うすい月が
消えゆく明け方
日は眼に痛く
闇を惜しむ

80 遠い日

6月 9th, 2015  / Author: 中崎シホ

幾とせ過ぎたか
このひと世

移ろう空気に
まかせる身

真夜中闇に
包まれて

白昼は日の
光浴び

宙の広がり
定まることなく

時の流れ
留まることなく

産まれる以前の
無垢なる混沌

死に至る後の
不可知な恍惚

迷うたましい
みなもと求め

遠い日のうた
風ルルル