小説『異物』の原稿を読み感動しました

29.03.14 / あゆみ書店の本, 創作活動 / Author:

小説『異物』の原稿をうけとり、編集作業をほぼ終えました。
A5版90ページの本になります。版下づくり、印刷、製本はこの後になります。表紙に迷っていますが5月のコミティアに出展するには十分に時間がありそうです。400円+税に送料ですから、「送料込み500円」で予約販売にしましょう。
私が文学作品の評論めいたものを書くのは素人として僭越なので本のなかには何も書かないことにしました。
しかし、引きこもりと周辺事情に関わる者としてみるならば、この作品の意味は大きいと思います。
虐待を受け、対人恐怖があり、仕事に就けないまま家族を失っていく人のりアリティと不安感がこれほど鮮明に描かれたことは特筆に値します。とくに女性がホームレスになる危険性を描く方法はこうでもするしかないのかもしれません。虚構ではありますが、このような現実があると考えなくてはならないでしょう。幻想的なことばでうまく表現したつもりのものを木っ端微塵にしてくれます。そうでありながらグロテスクではなく、どの場面にも不自然さは感じられません。感動しました。
読みながら苦しくなりますが、止めることができずに最後までたどり着きます。そこに救いを見出します。救いということばで表すにはあまりにも悲しいものかもしれませんが…。作者は続編に当たる作品を書くつもりのようです。

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