124 不在の身体

 

 

眼は

閉じるためにある

闇と親しくなるように

 

  暗黒に潜む

  閃光

 

耳は

塞ぐためにある

沈黙に浸されるように

 

  静寂に沈む

  音声

 

腕は

抱えないためにある

空中を掻けるように

 

  手放すべきもの

  もとよりない

 

足は

立ち止まるためにある

地に根を張れるように

 

  歩むべきこと

  前後もない

 

身体中の

あらゆる不在こそが

あるいは

在ることそのもの

 

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