Center:2007年3月ーゆらぎを聴き取る力
Wikifutoko-sysop (トーク | 投稿記録) |
|||
48行: | 48行: | ||
[[Category:不登校情報センター・五十田猛・論文とエッセイ|2007年03月]] | [[Category:不登校情報センター・五十田猛・論文とエッセイ|2007年03月]] | ||
[[Category:タグ・聴覚]][[Category:タグ・日本語]] | [[Category:タグ・聴覚]][[Category:タグ・日本語]] | ||
+ | |||
+ | [[:カテゴリ:本の内容分類|紹介する本はこちら⇒◎]] | ||
+ | |||
+ | <htmlet>02_am_abo_tooru&fukuda_minoru_001</htmlet> | ||
+ | <htmlet>02_am_abo_tooru&miyajima_kenya_001</htmlet> |
2016年4月2日 (土) 20:33時点における版
ゆらぎを聴き取る力
〔2007年3月〕
味覚には、甘味・辛味・苦味・酸味というものがあります。
これに旨味というのを主張したのが日本人であり、それが舌の部位で確認され、世界的に認められるようになったとのことです。
これはたぶんTVで見た未確認情報です。
これに似たことをまたまたTVでみることになりました。
今度は音、聴覚に関することです。
日本人は秋のスズムシの音や風鈴の音に、やすらぎや、リラックスを感じるのに対して、西欧人はそれを雑音、騒音にきこえていくというものでした。
これは、音の中に日本人にはゆらぎを感じる感覚があるためのようです。
その違いとして出されたのは、右脳と左脳の話です。右脳は情緒的なことに対応し、左脳は論理的な処理をするといわれます。
実験の結果、スズムシの音を聴いて反応するのは、西洋人では右脳であり、日本人は左脳です。
この実験結果の部分は、西洋人、日本人とも被験者は5人ずつですが、全員に共通します。
日本人はスズムシの音を左脳で受けとめ処理することによって、それにゆらぎを感じ、それを騒音ではなく、癒しを得るという道筋が説明されました。
なぜ日本人は、左脳で反応するのか。これを説明する仮説はことばです。
日本語は母音が多く、西洋人のことば(たとえば英語)では、子音が多くなることが背景にあるのではないかというものです。
ためしに、十個の単語を比較してみましょう。
子ども Kodomo:child
机 tukue:desk
家 ie:home
山 yama:mountain
道 miti:road
歩く aruku:walk
走る hasiru:run
止まる tomaru:stop
美しい utukusii:beautiful
楽しい tanosii:pleasant
合計すると…
母音 子音
日本語 29 23
英語 17 30
日本語は子音よりも母音が多く、英語では子音の方が母音よりも多い。
そして日本語は英語よりも母音が多く、英語は日本語よりも子音が多い。
わずか十 の単語、それもごく任意の言葉を集めたばかりですから、ことば全体、とくに日常使用することば全体のことはわかりません。
しかしこれだけ極端な結果が出たことは「日本語は母音が多く、英語は子音が多い」というあたりは一応確認できそうです。
それによって脳の働きから聴覚にどう影響するのかを説明するだけのものではありませんが、一つの仮説としては興味をひくものです。
もしこれが何らかの方法で確認できるとなると、うま味という味覚についで日本人はゆらぎという聴覚との発達を遂げたということにもなるのかもしれません。
ただ私は人種主義者ではありませんから、これをもって日本人優越主義をとなえるつもりはありません。
日本人の民族的な特性の一端として考える材料を提供されているように思います。
*2011年8月のノート139-日本人の精神文化を支えた聴覚機能を参照。
紹介する本はこちら⇒◎