平田寺
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2016年11月12日 (土) 14:23時点における版
平田寺
| 所在地 | 愛知県北名古屋市 |
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脱貧困 子ども食堂いらっしゃい 「支えたい。知ってほしい」
経済的な事情などで食事が十分に取れない子どもたちに無料や低料金で料理を提供する「子ども食堂」が、中部地方でも広がり始めた。
主体はNPOやカフェ、寺などさまざま。親から子への貧困の連鎖を断つために、情報交換を重ねながら食堂の姿を探っている。
「いただきます」。十三日夜、愛知県北名古屋市の平田寺の庫裏で、子どもたちの声が響いた。月一回の予定で二月に始めた子ども食堂。
小学生以下の子どもと保護者ら約三十人が集まった。
畳の上の長机の前に座り、地元住民らがボランティアでつくったカレーライスとサラダをほおばる。
子どもは無料で、大人からは寄付を募る。
住職の妻、長谷川裕美子さん(47)は「始めたばかりで慣れないので、まだバタバタです」。
長谷川さんは、愛知県長久手市の友人が昨夏、子ども食堂を始めたことを知り、興味を持った。
子育て支援のNPOに参加した経験があり、自身も子ども四人の母親。
寺はボランティアや食材の寄付が集まりやすいため「私にもすぐにできる」と思い立った。
だが現在は、知人が友人の親子を連れてくるだけで、貧しさから食堂を本当に必要とする子どもの参加はない。
貧困層の子について役所に問い合わせても情報は得られず、周知する方法は、チラシを市役所や保育園に置くぐらいしかない。
それでも「長く続けるうちに、厳しい家庭の子どもがふらっと立ち寄ってくれるようになれば」と話す。
平田寺では長谷川さんの取り組みを、名古屋市昭和区でカフェを営む野崎美登さん(39)が眺めていた。
「テレビで知って、自分もやりたいと思っている」。
愛知県春日井市や碧南市からも、子ども食堂を計画する人が来訪。県外からの問い合わせも相次いでいる。
四月開始を目指す野崎さんも、支援を必要とする子どもをどう集めるかが課題。
「まず地元の人と交流できる場にして、そこから必要な子どもに情報が入るようになれば」と話す。
食材の入手法や子どもが喜ぶメニュー作り、衛生面の課題、運営費の捻出方法など、開設希望者の悩みは尽きないが、長谷川さんは「情報交換をして助け合いながら、各地で増えていってほしい」と願う。
〔◆平成28(2016)年3月22日 中日新聞 朝刊〕

