カフェ「TeToTe(てとて)」
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2020年4月5日 (日) 17:14時点における版
カフェ「TeToTe(てとて)」
所在地 | 兵庫県尼崎市 |
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TEL | |
FAX |
元国税職員「自分に戻れる場所」故郷でカフェ 周囲に支えられ5周年 兵庫・尼崎
「今はやりたいことができている」と話す倉田裕充さん
兵庫県尼崎市立花町のJR立花駅近くに、小さな白いカフェがある。
元国税庁職員の倉田裕充さん(46)が、第二の人生として始めた店「TeToTe(てとて)」。
東京で働きながら心身ともに疲弊し、自分を変えたいと40歳で故郷の尼崎に戻った倉田さん。
経営の厳しさから閉店を考えたこともあったが、周囲に支えられながら2019年11月に開店5周年を迎えた。
「これからも自分のペースでできる限り続けたい」と話す。
白を基調とした広さ7坪半の小さな店内は明るく、ゆったりとした空気が流れる。もともと料理好きの倉田さん。
カレーはスパイスから作り、パンも自家製。
人気のアップルパイや、白みそと干しイチジクのパウンドケーキなど提供するメニューはほぼ手作りだ。
国税庁では、国税電子申告・納税システム「e―Tax(イータックス)」などの開発を担当。仕事で認められたいと必死で、帰宅が深夜になることも。
だが、他人の評価や出世を気にしながら働くことに次第に苦しさを感じ始めていた。
自分を追い詰め、家族にいら立ちをぶつけて、職場に着くと吐き気に襲われる日々が約1年間続いた。
「お父さんが笑っていないと、大人になっても楽しくない人生なんだと子どもたちが思ってしまう。笑顔でいてほしい」。
妻の園子さん(48)からの提案もあり、14年3月に国税庁を退職した。
同年11月、退職金と両親からの援助を得て開業。
店名には「応援してくれた家族と手をつなぎ、お客さんとの新しいつながりもできれば」という思いを込めた。
退職後、当時中学2年だった長女(19)が不登校になり、高校も中退するなど家族内でさまざまな問題もあったが、今はそれぞれがやりたいことに取り組んでいる。
店の経営は今も決して楽ではない。
だが、店を訪れる客とのコミュニケーションや、手作りの食事を提供することが楽しいという倉田さん。
「店を始めるまでは他人からの評価が最優先だった。
本来の自分に戻れる場所を作りたかった。
お客さんにとっても居心地のいい場所になれば」
TeToTeは平日午前11時~午後9時(土日祝日は午後6時まで)。火曜定休。
問い合わせは同店(06・6422・8771)。
〔2020年3/5(木) 毎日新聞【川畑さおり】〕