ヤングケアラー
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今年四月に国が初めて調査をしたところ、公立中学校の2年生、公立全日制高校の2年生の各クラスにヤングケアラーが1人から2人いることがわかりました(約17人に1人)。<br> | 今年四月に国が初めて調査をしたところ、公立中学校の2年生、公立全日制高校の2年生の各クラスにヤングケアラーが1人から2人いることがわかりました(約17人に1人)。<br> | ||
− | + | ケアをすることで年齢の割には高い生活能力や病気や障害への理解、思いやりなどその子たちのプラスの面もあることでしょう。<br> | |
+ | しかしこれが少子高齢化や地域のつながりの希薄化、貧困の拡大など社会的な条件により「お手伝い」の域を超えて彼らの負担が大きくなってきている現状が問題です。 <br> | ||
部活や勉強時間などの学校生活に支障が出たり、進学をあきらめざるを得ない、自分の時間が取れず友だちと遊んだりできない、誰にも相談できなくてストレスをため込んでしまうなどそで過度な負担となってしまい、人間として基本的な資質を養う大事な時期がそのことで費やされるのは避けなければなりませんね。<br> | 部活や勉強時間などの学校生活に支障が出たり、進学をあきらめざるを得ない、自分の時間が取れず友だちと遊んだりできない、誰にも相談できなくてストレスをため込んでしまうなどそで過度な負担となってしまい、人間として基本的な資質を養う大事な時期がそのことで費やされるのは避けなければなりませんね。<br> | ||
− | 家庭内の家事や下の子の世話の手伝いなどはこれまでもあったし、当たり前とも認識されてきました。<br>そういう子どもたちは「えらいね」などのほめことばはときどき周囲から受けていたでしょう。<br> | + | 家庭内の家事や下の子の世話の手伝いなどはこれまでもあったし、当たり前とも認識されてきました。<br> |
− | でもそれが常態化してきて、やるのが当たり前になり徐々に負担も増えてきても、もう声を上げることができなくなって追い詰められていくことが心配です。<br>社会が子どもたちの「家族を助けたい」という気持ちから始まったであろうこと、でもそこによりかかっていいのでしょうか?<br> | + | そういう子どもたちは「えらいね」などのほめことばはときどき周囲から受けていたでしょう。<br> |
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これを読んでいる方の中にも「そういえば自分もそうだった」と思い当たる方もいるのではないでしょうか。<br> | これを読んでいる方の中にも「そういえば自分もそうだった」と思い当たる方もいるのではないでしょうか。<br> | ||
思い出してみると自分が小学高学年のころ母がいなかったので中学生の姉が家事全般をやってくれていました(その後父が再婚し、姉の「中学生主婦生活」は2年ほどで終わりましたが)。<br> | 思い出してみると自分が小学高学年のころ母がいなかったので中学生の姉が家事全般をやってくれていました(その後父が再婚し、姉の「中学生主婦生活」は2年ほどで終わりましたが)。<br> | ||
− | 当時はそういうものだと思っていましたが、今思うと中学生の肩に家事の重圧はかなり辛かったことでしょう。<br>どんな思いでやっていたのでしょうか? <br>聞いてみたらきっと 「だって私しかいなかったから仕方なかった」と言うことでしょう。<br> | + | 当時はそういうものだと思っていましたが、今思うと中学生の肩に家事の重圧はかなり辛かったことでしょう。<br> |
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でも、それでいいのでしょうか?<br> | でも、それでいいのでしょうか?<br> | ||
家族の問題は家族で解決するのが当たり前という社会の通念は本当にそれでいいのでしょうか?<br> | 家族の問題は家族で解決するのが当たり前という社会の通念は本当にそれでいいのでしょうか?<br> | ||
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核家族化で家族の孤立化が進み、「助けて」とか「困っています」の声のあげられない社会になっていく事がとても心配です。<br> | 核家族化で家族の孤立化が進み、「助けて」とか「困っています」の声のあげられない社会になっていく事がとても心配です。<br> | ||
− | この「ヤングケアラー」の問題はイギリスでは1990年代から社会問題し、対策が進められています。<br>日本でもやっと埼玉県が全国に先駆けて「埼玉県ケアラー支援条例」を出し、対策に乗り出しているそうです。<br> | + | この「ヤングケアラー」の問題はイギリスでは1990年代から社会問題し、対策が進められています。<br> |
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まずは私たちがもっと関心を寄せていくことで少しずつでも彼らの状況が改善していってほしいものです。<br> | まずは私たちがもっと関心を寄せていくことで少しずつでも彼らの状況が改善していってほしいものです。<br> | ||
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2021年6月25日 (金) 16:41時点における版
ヤングケアラー
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものことです。
病気の親や幼い弟妹、高齢者の世話や家事、障害のある親や兄弟の世話、日本語が話せない外国人家族らの通訳など多岐にわたっています。
今年四月に国が初めて調査をしたところ、公立中学校の2年生、公立全日制高校の2年生の各クラスにヤングケアラーが1人から2人いることがわかりました(約17人に1人)。
ケアをすることで年齢の割には高い生活能力や病気や障害への理解、思いやりなどその子たちのプラスの面もあることでしょう。
しかしこれが少子高齢化や地域のつながりの希薄化、貧困の拡大など社会的な条件により「お手伝い」の域を超えて彼らの負担が大きくなってきている現状が問題です。
部活や勉強時間などの学校生活に支障が出たり、進学をあきらめざるを得ない、自分の時間が取れず友だちと遊んだりできない、誰にも相談できなくてストレスをため込んでしまうなどそで過度な負担となってしまい、人間として基本的な資質を養う大事な時期がそのことで費やされるのは避けなければなりませんね。
家庭内の家事や下の子の世話の手伝いなどはこれまでもあったし、当たり前とも認識されてきました。
そういう子どもたちは「えらいね」などのほめことばはときどき周囲から受けていたでしょう。
でもそれが常態化してきて、やるのが当たり前になり徐々に負担も増えてきても、もう声を上げることができなくなって追い詰められていくことが心配です。
社会が子どもたちの「家族を助けたい」という気持ちから始まったであろうこと、でもそこによりかかっていいのでしょうか?
これを読んでいる方の中にも「そういえば自分もそうだった」と思い当たる方もいるのではないでしょうか。
思い出してみると自分が小学高学年のころ母がいなかったので中学生の姉が家事全般をやってくれていました(その後父が再婚し、姉の「中学生主婦生活」は2年ほどで終わりましたが)。
当時はそういうものだと思っていましたが、今思うと中学生の肩に家事の重圧はかなり辛かったことでしょう。
どんな思いでやっていたのでしょうか?
聞いてみたらきっと 「だって私しかいなかったから仕方なかった」と言うことでしょう。
でも、それでいいのでしょうか?
家族の問題は家族で解決するのが当たり前という社会の通念は本当にそれでいいのでしょうか?
近年とみに増えている児童虐待の問題もひきこもりの問題も、DVの問題も、さまざまな家族の問題は「家族が解決するべきだ」として押し込めてしまうことでいいのでしょうか?
核家族化で家族の孤立化が進み、「助けて」とか「困っています」の声のあげられない社会になっていく事がとても心配です。
この「ヤングケアラー」の問題はイギリスでは1990年代から社会問題し、対策が進められています。
日本でもやっと埼玉県が全国に先駆けて「埼玉県ケアラー支援条例」を出し、対策に乗り出しているそうです。
まずは私たちがもっと関心を寄せていくことで少しずつでも彼らの状況が改善していってほしいものです。