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− | '''命の糧 届け続ける フードバンク滋賀 ボランティア運営 =滋賀''' <br>
| + | [[Category:子ども食堂・滋賀県|ふーどばんくしが]] |
− | '''◇人材、資金面で課題''' <br>
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− | 生活に困っている人たちに無償で食品を届けるフードバンク。<br>
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− | 命を守る取り組みに注目が集まるが、ボランティアで運営するため、人手不足や資金難に陥りやすい現状がある。<br>
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− | 県内で活動を続けている「フードバンク滋賀」(草津市)を取材した。 <br>
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− | 水曜の昼下がり。<br>
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− | 大津市膳所で困窮者支援をしている認定NPO法人「[[大津夜まわりの会]]」に、1台の車がやって来た。<br>
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− | 車から降りたのは、ここに毎週、この時間帯に訪れている「フードバンク滋賀」のスタッフ2人。<br>
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− | 「どれにしますか」。<br>
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− | 「はいどうぞ」。<br>
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− | 京都市内の大手スーパーから受け取ったパンを希望者に手際よく配ると、5分ほどで別の場所に向かった。<br>
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− | クロワッサンをもらった60歳代の男性は那覇市出身。<br>
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− | 15年ほど前に仕事で県内に移住した。<br>
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− | 大腸がんを患ったため、今は働けず、生活保護を受給している。<br>
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− | 「働きたいが、体が無理をさせてくれない。生活はいつも苦しく、手軽に食べられるパンは、本当にありがたい」と話す。 <br>
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− | '''□活動7年半''' <br>
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− | フードバンク滋賀は、前身団体のNPO法人「COMPASS」から合わせると7年半ほど活動を続けている。<br>
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− | 約10人のスタッフが手分けして大津、栗東、草津市など計64世帯137人(9月末)に食品を配達。<br>
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− | 食品は、守山市の農家が収穫した野菜、県内の浄土宗の若手僧侶らでつくる団体が集めた米などで、一般市民も随時協力している。<br>
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− | 支援を受ける人は単身で中高年の男性、母子家庭がそれぞれ4割。<br>
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− | 他を含め病気など何らかの事情で思うように働けない人が多い。<br>
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− | スタッフは全員がボランティアで、食品を運ぶ交通費などは支給されない。<br>
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− | 運営経費はスタッフから集める年間2000円の会費が主で、ぎりぎりの収支でやり繰りしている。<br>
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− | 2015年4月から生活困窮者自立支援制度が始まり、自治体には相談窓口が開設され、困窮者に関する情報共有は進んでいるが、フードバンクの活動に対する資金援助などには至っていないからだ。 <br>
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− | '''□行政も協力''' <br>
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− | ただ、その中で行政による支援も少しずつだが進んでいる。<br>
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− | 大津市生活福祉課は、フードバンク滋賀への「配布支援」として、今年6月から、毎週水曜にパンなど主食を中心に受け取り、生活保護受給相談などに訪れた緊急性の高い市民に渡している。<br>
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− | 担当者は「活動で配られる食品提供についても事業者にお願いしているが、食中毒など万一の事態を考えると、支援に消極的にならざるを得ないという声もある」と実情を語る。<br>
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− | 栗東市家庭児童相談室は今年度から支援が必要な家庭をフードバンク滋賀に紹介し、情報面での支援を続ける。<br>
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− | 担当者は「金銭的な補助までは至っていないが、何らかのサポートは続けたい」と説明する。<br>
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− | フードバンクの利用者は増加傾向にあり、太田茂雄代表(36)は<br>
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− | 「支援を打ち切ると、今日食べる物にも困る人が大勢いる。一方、限られた人材で困窮者をサポートする限界も感じている。課題を共有し、様々な立場の人が支援のあり方を考えてほしい」と訴えている。 <br>
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− | '''〈フードバンク〉''' <br>
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− | 包装の印字ミスがあったり、賞味期限が近づいたりしている食品を事業者から提供してもらい、福祉施設や貧困家庭などに無償で届ける活動。<br>
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− | アメリカでは1960年代に始まり、日本では2000年代から広がっている。<br>
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− | 農林水産省の13年度の査では全国40団体が活動している。<br>
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− | 〔◆平成28(2016)年12月16日 読売新聞 大阪朝刊〕 <br>
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