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新しい家族構成像の萌芽

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==新しい家族構成像の萌芽==
 
==新しい家族構成像の萌芽==
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こういう動きが広がればひきこもりの遠因ともいえる、子どもへの虐待やハラスメントが生まれる背景事情は改善されると期待できます。子どもの中に生まれるストレスは減少し、子どもの中に生まれるいじめの遠因も下がると推測されます。
 
こういう動きが広がればひきこもりの遠因ともいえる、子どもへの虐待やハラスメントが生まれる背景事情は改善されると期待できます。子どもの中に生まれるストレスは減少し、子どもの中に生まれるいじめの遠因も下がると推測されます。
 
この共同家族に向かう動きは端緒的に過ぎません。少数の人やグループの仲間内のものでしょう。いずれそこに大きな可能性があると認められ、公的な目が向けられる時期が来ると感じているところです。そうなったときに将来の家族の形は明確になると思えます。
 
この共同家族に向かう動きは端緒的に過ぎません。少数の人やグループの仲間内のものでしょう。いずれそこに大きな可能性があると認められ、公的な目が向けられる時期が来ると感じているところです。そうなったときに将来の家族の形は明確になると思えます。
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2021年11月23日 (火) 14:55時点における版

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新しい家族構成像の萌芽

次の時代を予感する動きもあるように見えます。西谷正浩さんは「将来、近現代的な家族制度に代わる家族像がどうなるのか、オルタナティブはまだ見つかっていない」といいます。私も全体としては西谷さんの意見と同じですが、個々の断片はいくつか表われているように思えます。従来型の家族の隣に新型家族または類似家族というべきものが生まれそうです。

1つは別居家族です。夫または妻の単身赴任による一時的な別居家族はこれまでにありましたが、それとは違うものです。平安時代の妻問婚に似ているといえばいいのでしょうが(一夫多妻制でないのが異なる)反対側の夫問婚も含めて、ちらほら見られます。これは増えていく予感がします(根拠不十分です)。 他方では同性婚があります。こちらはより広がっているようであり、すでに事実上は法的な承認も得られ始めました。同性婚夫婦の元に養子縁組で子どもが加わることも可能になった例もあります。大阪市が男性カップルを、兵庫県が女性カップルをそれぞれ里親に認定した事例があります。北海道は親元で育てられない子どもの里親について、一方が性同一性障害のあるカップルを認定しています。厚生労働省の里親委託に関するガイドライン(2011年策定)では、里親の要件の中に性的少数者(LGBTなど)に関する定めはなく、自治体ごとに判断するからです。 その点、夫婦別姓が法的に認められないのは、まさに時代錯誤ではないでしょうか。それに夫婦同姓は世界的な基準とは言えません。

少し違う形のものは、共同家族的なものです。一対の夫婦が基本になりますが、ここに別の夫婦も加わる、単身者や年長者が加わる、里子を引き取るなどの形で外見上は集団家族、ときには集団婚の様相を持ちます。同性同士のカップルが加わることも想像されます。これは子育てに有効だけではなく、共同生活することによるいろいろな便宜を得られることにより成り立ちます。集団婚といっても、そこに属する成人男女間に無差別な性的な関係があるのとは違います。 これは構成メンバーの状態や人数などによっては、きわめて多様な姿を取りうると予想できます。少なくとも違法な条件は見られず、すでに誕生していると想像できます。このような共同家族的なものは基本的には血縁的なつながりではないでしょう。共感できる共通の関心事項があり、そうすることで何らかの利益があると考えられます。 それらは住居環境としては、集合住宅や近隣での居住が含まれそうです。コミュニテイハウスというのはその1つになるでしょう。徳野貞夫さんは前掲書『農村の幸せ、都会の幸せ』で、兄弟姉妹がそれぞれ独立し結婚した後、近隣に住むことによって小規模家族の負担を解消する近接別居の実例を挙げています(146-149)。共同家族的な形態はこれに並ぶものではないでしょうか。

これらの新しい家族像の誕生は何を意味するのでしょうか。家族の歴史において、男女一組を核とする近代的な単身家族世帯が、家族の最終終着点ではないことです。家族の様相によって子育てや介護、家事分担などに対応でき、支えられるなら、このように家族関係は発展していくでしょう。それは社会的な承認以前に、実態として生まれ、広がっていくものと思われます。成立の過程からして家族内における個人の独自性が高まるのでしょう。 ひきこもりの発生を考えるなら、子ども期にひきこもる、青年期から壮年期にひきこもる、高年齢期にひきこもる、その背景事情の全部が家族関係に起因するわけではありません。ひきこもりは、家族外との関係(学校・友人・仕事上の関係)でも生まれますが、家族内の事情によっても生まれます。家族関係に起因するのは、主に乳幼児期から思春期に関係することが多いのです。それぞれの時期の家族関係に起因する要素を、新しい家族制度は減少させると思えます。

小さくなった家族ではできない多くの役割、特に子育てと看護・介護に対してこのようなやや大きくなった共同家族なら、対応能力が高まるとみられます。特に子育てが母親(妻)に過重な負担になっている条件を改善する方向性が感じられます。 これに自治体の援助制度が充実して加われば、この動きは促進されます。それでも自治体等による援助制度はどう考えても時間的・物理的・内容的に制限があるものです。その充実は求められても当然ですが、自ずと限界があると予測できます。 こういう動きが広がればひきこもりの遠因ともいえる、子どもへの虐待やハラスメントが生まれる背景事情は改善されると期待できます。子どもの中に生まれるストレスは減少し、子どもの中に生まれるいじめの遠因も下がると推測されます。 この共同家族に向かう動きは端緒的に過ぎません。少数の人やグループの仲間内のものでしょう。いずれそこに大きな可能性があると認められ、公的な目が向けられる時期が来ると感じているところです。そうなったときに将来の家族の形は明確になると思えます。

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